汚いガキどもを見つけたので虐待することにした。   作:史上最恐の悪役

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最後の虐待────アビドス砂祭りが開催されます!

みなさん、もう少しの辛抱です!もう少しで憐れな子供たちがヤツの手から解放されますから!!


第27話

 

 

 

 

 

 ────ワイワイガヤガヤ。

 

 久しく聞いていなかった人の騒音が、ここアビドス砂漠で響き渡っている。

 どいつもコイツも水着姿で楽しそうな顔をしながら屋台を回る姿に“これぞお祭り!”と何処か浮き足立っちまう……!!

 

 

 「ヒャッハァァァァァァァ!!!お祭りじゃァァァァァァ!!!」

 

 

 というわけで、とうとうやって来たぜ!!アビドス砂祭りの開催日!!

 つい先ほど、ユメの開催宣言により始まった宿願であり待望のお祭りが火蓋を切られたのだ!!

 

 

 クククッ……!!ここまで短いようで長い旅路だった……!!

 アビドスの市民のヤツらと連絡を取り続け、アビドス砂漠を右往左往しながら屋台の配置場所を決め、ついでに他所から来るヤツらに向けての親切心溢れる案内板も作って……それはもう大変だったぜ?

 思わずガキどもにも手伝わせる羽目になるほどにな!

 

 しかし、今日を迎えたことでその苦労が報われた!たった1日だけの開催だが、これでようやくヤツらに思い出級の虐待を残してやれることが出来るぜ!!

 ククッ、待っていろよ、ガキども!!俺がテメェらの一生に残る虐待をしてやるからなァ!!

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 とはいえ、一応俺はこれでも主催者側である。ピークは夕方と予想されているとはいっても、午前中にも人がわんさか来ていやがる。

 だから、各屋台の巡回をしないといけないんだぜ!

 

 「大将ッ!!巡回に来たぜ〜!!」 

 「おぉ!来たか!!」

 

 まず最初に向かったのは俺のアルバイト先でもある柴関の大将の屋台だ。

 その屋台は普段大将がラーメンを作っているお店とは比べ物にならない程に小さく、何処か古めかしさもあって奥行き深い物だった。

 

 「大将ならもっとデカい屋台でも準備出来そうだけどな……」

 「実はな、もともと柴関ラーメンはこの屋台から始めたんだよ。これをたまたま倉庫で見つけたもんでよ……何だか初心を思い出したんだよな。それからは屋台はこれしか考えられなかった……」

 

 あぁ、なるほどな!どうりで型がはまっているというか、しっくりくるわけだ!!

 

 「ククッ、いいんじゃね?雰囲気が出てよォ、いい意味でアンタに似合うぜ」

 「おう、ありがとうよ!!………だけどサドさん、その言葉は()()()にもかけてやってはくれないか?」

 

 “どういうことですかい?”なんて思っていると、古めかしい屋台から小さなガキが1人ひょっこりと出てきた。

 

 白い頭巾に水色のリボン、全体的に黒い衣装が特徴的な服装は柴関のアルバイト員の制服であるが……着ているヤツが問題だった。

 

 「…………セリカじゃねェか!?!?」

 「な、なによ。そんなに驚かなくてもいいじゃない……」

 

 顔を真っ赤にしながらもツンツン態度を崩さず、されど猫耳をこれでもかとピコピコと揺らすそのいじらしい姿─────正真正銘のセリカさんじゃありませんかァ!?!?

 セリカ!?セリカナンデ!?

 

 「お、おまっ……!?なんでこんなところに!?今頃ガキどもと一緒にオアシスでギャーギャーと喚き散らかしているとばかり……」

 「私のイメージどうなってんのよ!?……じゃなくて!みんなも午前中は屋台の手伝いしてるから!!」

 「ファ!?」

 

 全くもって初耳なんだが!?

 

 「……しょうがないじゃない。みんなが手伝っているのに私だけ遊ぶなんて出来ないし……………それに、あんたもいないし……

 「あ?なんて?」

 「な、何でもないわよ!!それより……その……どう?似合う……?」

 

 セリカはそう尋ねると、まるで俺に制服姿を見せつけるようにその場で1回転する。

 その顔は恥じらいにも似た赤色で染められ、俺を見る真紅の瞳は微かに潤んでいる。

 

 何がしたいんだかさっぱり分からんが、俺の優秀すぎる頭脳が“やれ!!”と叫んでいるので虐待をかましま〜〜す!!

 

 「ククッ、よく似合ってんじゃねェか!すっごく可愛いぜ〜!!」

 「ッッッ〜〜〜!?!?」

 

 俺から褒められるという『最大級の虐待』と頭を撫でるという『最恐級の虐待』!!

 『最大×最恐』の方程式の解はなんだと思う?答えは『最強』!!つまり、セリカの身には今この世で最も強い虐待が降り注いでいるのだ!!

 

 ほれ見ぃ!!コイツめ、俺の背中に顔を埋めてポカポカと殴ってくるわ!!それがお前の抵抗………ククッ、ちっとも痛くも痒くもないな!!

 

 「クハハッ!!この後も俺と一緒にお祭りを回るという罰ゲームを残しているというのに……なんて不憫なヤツだ!」

 「あっ、そうだ!!ね、ね?午後からならちゃんと一緒に回れるんでしょうね?」

 

 な、なんだ?急に火がついたように切り出してきやがって……

 

 「あぁ、大丈夫だが……」

 「忘れちゃダメなんだからね!分かった!?」

 「わーってるよ!!」

 

 ククッ、この俺がお前らとの約束を忘れるようなバカだと思われてんのか?心外だぜ!

 

 他でもないお前らとの約束を忘れるワケないだろうが!!

 

 「あぁ、そうだ。大将、これを」

 「ん?なんだ、い────」

 「……大将?」

 

 とある1枚の封筒を渡すと、まるで石のように固まってしまった。

 セリカが心配そうに呼びかけ、今渡した封筒を見よう─────として大将が素早く懐に入れた。

 

 「……そう、か。いや、理由は聞かないさ。何か事情があるんだろうからな」

 「ククッ、そういうこった。だけど……大将には感謝しているよ、本当に」

 「ッ」

 「……ちょっと、何話してんのよ?」

 

 僅かに不満そうに頬を膨らませながら袖を引っ張ってくる。

 そんなセリカの頭をワシャワシャ撫でたあと、次の目的地へ足を向ける。

 

 「ガキにはまだ早い話だ!!それじゃあまた昼頃な!!」

 「ガキじゃないわよ!!あと、ちゃんと昼来てね!!」

 

 分かってるわすっとこどっこい!!

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 「サドの兄貴!どうですか?私の作ったかき氷は!!」

 「兄貴兄貴!!私たちの作った焼きそばも食べてってよ!」

 「輪投げやっていきませんか!!」

 「アイス美味しいですよ〜」

 「アンタら分かってないね。兄貴は意外と食べるよりもアクティブ系が好きなんだ。ということで金魚掬いやっていきませんか!!」

 「何をぉ!?じゃあこっちは的当て─────」

 「だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!うるせぇ!!!!こっちは仕事で来てんだよ!!!」

 

 このガキどもはヘルメット団────以前おにぎりをあげたことで従順な“道具”に堕ちたガキどもだ!たまにだがちょくちょく会いに来てくれているぜ!

 今日は元々バイトの日の筈なんだが、お祭りの話を聞いて『バイトしてる場合じゃねェ!!』と超特急で来てくれたみたいだ。

 いや〜、バイトで培った経験がお祭りでも遺憾無く発揮されていて素晴らしい!!流石は俺の“道具”たちだ!!

 

 「あんたたち!!サドさんを困らせるんじゃないわよ!全く……」

 「……そういうリーダーが1番べっとりくっついてますよね」

 「不公平では?」

 「はぁ!?こ、これは……あ、あんたらからサドさんを守ろうと─────」

 「うわ〜、言い訳見苦しいっスよ〜」

 「オアシスで自分の顔見てみたら?今すっごく真っ赤─────」

 「あんたたち!!!!」

 『逃げろ〜』

 

 まるで蜘蛛の子が散らすように逃げていくなァ。これが不良時代で鍛え上げられた技術なのかね。

 

 「す、すまないわね、サドさん。久々にあんたに会えて有頂天になってるんだ」

 「ククッ、俺からしたらたくさんの食べ物を食わせて職務を妨害させる反抗に見えたけどなァ」

 「……ハハっ、あんたも相変わらずね」

 

 白々しい演技だぜ、俺に会えて嬉しいヤツなんているわけねェだろうが!!

 

 「それより、ラブ……お前のその水着……」

 「あ、あぁ。せっかく湖みたいなオアシスの前で祭りをやるっていうし……その、ちょっと奮発しちゃって……」

 「ほうほう」

 「でも、ほら?あたしって色々ガサツでさ。結局女っ気のない水着選んじゃって……」

 「…………」

 

 そう言って恥ずかしそうに水着を手で隠すラブだが、“遠慮”という2文字をお母さんのお腹に置いてきた俺は容赦なくガン見する。

 特に飾りのない黒一色のシンプルな水着だが、せめてものオシャレ的な感じで白の羽織物を羽織っているのみ。

 

 それにしても……ククッ!!ラブはうっかり屋さんだな〜!!俺の前で堂々と弱みを曝け出してよォ〜!!

 

 「オイオイ、似合ってるぜ!ラブ!!」

 「────へ!?!?」

 「お前は自信ないみたいだがな〜……十分カワイイと思うぜ!」

 「え、ちょっ!?」

 「黒の水着とかお前にピッタリじゃん!お前のこの綺麗な赤髪とよく合うぜ〜」

 「あっ!?今頭撫でちゃダメ────」

 「撫でま〜〜す!!」

 「うぅ〜〜ッッ!!!」

 

 ナヨナヨのヨレヨレなラブが出来上がっちまったなァ!!

 ククッ、見たか?これが俺が死ぬ気で編み出した『必ず殺す技』と書いて『必殺技』と読む奥義!!!

 

 

 

 ─────『秘技・褒め殺し』!!

 

 

 

 コイツは自分の水着に自信がないわけだろ?

 ならば真反対のことを言ってやればいいのさ!!そうして褒め殺しをモロに受け続ければ()()()()()()()()()()恥ずかしくて仕方がなくなってくるだろう!?

 それもこの技は()()()()がないと発動が出来ない!!逆に言えば、本音だからこそ隙がない至高の虐待方法なんだがなァ?

 

 「あ〜、隊長だけずるいな〜」

 「列になれば同じことやってくれるかな?」

 「おぉ、ナイスアイディア。じゃあ私も─────ひっ!?

 「ん?どうした?」

 「うし、後ろ後ろ……!!」

 「はぁ?後ろが何だって────ヒィ!?

 

 フハハハッ!!顔が髪のように真っ赤だぜ!!

 どうやら十分に恥辱を与えることが出来たらしい!!

 

 

 

 ─────トントン

 

 

 

 ラブの頭をひたすら撫でていると、優しく肩を叩かれる。

 ククッ、誰かは知らんが命知らずなヤツめ。義憤やら正義感なんぞに駆られたのかは知らんが、この俺の虐待を邪魔するヤツはただじゃ────

 

 

 

 「サ〜〜ドさん?☆」

 

 

 

 後ろには魔王(ノノミ)がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「分かりましたか!すぐに女の子の頭を撫でたり、水着を褒めたりしたらいけませんよ!」

 「うっす」

 「女の子はみんな狼なんですから!!泣きを見るのはサドさんなんですよ!!」

 「う〜〜っす」

 「………一度本気で分からせてあげましょうか?☆」

 「はい!!もう気軽に撫でたり褒めないっス!!」

 

 背筋に言いようのない寒気を感じて、ここ1年で1番姿勢のいい返事が出てきてしまった。

 

 というか可笑しくないか?可笑しいっていうのはこの状況な。

 どんな状況かというと『オイ……何で……俺が、正座して説教されている……』って感じだ。

 かれこれもう10分以上だぞ……?い、一体いつまで続くんだ……

 

 「だって似合ってたんだししょうがないじゃん……。あ、お前の黄色の水着も似合ってるぜ?すごく綺麗だ!!」

 「っ……だから……!!…………もうっ

 

 クククッ……!!やはり我が『褒め殺し』はキヴォトスにて最強……!!

 俺の必殺技に並び立てるものはいな〜〜い!!

 

 「……じゃあお隣失礼しますね☆」

 「うっす!──────は?」

 

 急な話の方向転換に困惑を隠せない。

 『女の子は気分屋』とはガキどもから散々教わっているが、にしても限度っつーもんがあるだろうがよ。

 

 「ふふっ☆やっぱりサドさんのお隣はとても落ち着きます☆」

 「ククッ、皮肉か?」

 「……皮肉なんかじゃありませんよ。本当に、心の底からそう思っています」

 

 なら、お前はもう心の底から俺の“道具”になったってわけかァ〜?

 ……いや、それだけはないな。だってコイツ滅茶苦茶幸せそうな笑顔をしてるし。“道具”になって喜ぶヤツなんているわけがない………ということでダウト!!この痩せ我慢め!!

 

 「ネフティスの件ですが────」

 「聞くまでもない。……残っていいって言われたんだろ?」

 「……分かりますか?」

 「ククッ、顔を見ればな」

 

 まったく……まるで憑き物が落ちたような顔なんかしやがって。

 そういうのは俺のような虐待者の前では見せちゃいけないんだぜ?

 

 「………私、今日はサドさんにお礼を────」

 「いらん!俺はあくまで俺のために動いただけ、お前に礼を言われる筋合いはないッ!!」

 「………なら、これはただの独り言です──────本当にありがとうございました。あなたと出会うことが出来て……本当によかった」

 

 肩に重みが加わる。それがノノミの頭だと気づくのにはそう時間はかからなかった。

 

 随分と勝手な野郎だぜ。まったく、誰に似たんだか……

 ………だが、独り言なら仕方ないか。独り言に反応するような変質者になったわけじゃないからなァ。うんうん、独り言なら仕方ない。

 

 

 そんなこんなで数分はゆったりして、次の巡回先に行くためにノノミと離れた。

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 ─────オアシス周辺。

 

 

 俺はオアシス辺りで危険な場所がないか随時チェックの最中だ。

 気分は完全にプールの監視員。今もこれでもかと目を光らせているわけだ。

 

 ん?『ただのオアシスなら大丈夫だろ』って?普通ならそう思うかもしれないな……ここが普通のオアシスならば、な。

 

 ここのオアシスはただのオアシスではなく、湖サイズの大オアシス。下手しなくても普通に人が溺れる可能性はある。

 俺は虐待をしたいだけで死人を出したいわけじゃない。つまり俺の虐待中では誰1人として危ない目には遭わせねぇってこったァ!!

 

 「ん?アレは……」

 

 ここで見覚えのある後ろ姿が目に入る。

 ……なるほど、確かにドローン操作が上手いアイツならここは適材適所だったってワケか。

 

 

 「だ〜〜〜れだ!」

 「ひゃうっ!?サ、サドさん!?」

 

 チッ、音を立てずに忍び寄ったというのに一瞬でバレちまった。

 何でだ?一応声質も少し変えたんだがな……

 

 「よ〜!お祭りの手伝いとは感心な心がけじゃねェか!」

 「えへへ、少しでもサドさんたちのお役に立ちたかったので……」

 

 主人のために自ら行動するその姿勢────ククッ、立派な“道具”スピリットだな!

 

 「だが、いい気になってオーバーワークすんじゃねェぞ?こまめに水分補給を忘れずになッ!!」

 「はい!!」

 

 素晴らしい返事だ!俺のさっきの1年分の返事よりも素晴らしいとさえ感じてしまったぜ!

 

 「………なんだか夢のようです。アビドスにこんなに人が来てくれるようになったなんて……」

 「……ふんっ」

 「あうっ……!な、なんですかぁ……!!」

 

 何か尊いものを見るように目を細め、感慨に耽るアヤネの額を小突く。

 面白いようにズレるメガネに笑いを堪えながら、コイツの勘違いを正すために口を開く。

 

 「こんなもんで満足してもらっちゃあ困るぜ。お前たちの本番は()()()だろうがよ」

 「ッ!!」

 

 そう────お前らの虐待は午後からじゃろうがボケナス!!

 他人の楽しそうな姿を見て満足するな!!自分たちが楽しんでこそ、真なる人生の潤いであり虐待なのだッ!!

 

 

 「…………ふふっ、それじゃあ楽しみにしていますね────サドさんとのデート」

 「デートじゃねェけどな!」

 「…………」

 

 

 ……………オイ、なんか言えよ。

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 「はい!点呼ッ!!」

 「いらないでしょ、そんなもの」

 

 今日も今日とて鋭いツッコミありがとうな〜、ホシノ!!

 ま、それも受けるのは今日までだが!!

 

 「楽しみですね〜☆」

 「ねぇ、ねぇ!!最初何処回る!?」

 「う〜〜ん、最初はお昼を食べに行きたいな〜……」

 

 ククッ、中坊どもは早速何処に行こうかワクワクソワソワしているというのに、お前たち高校組はなんでそんなに大人しいんだよ。

 

 「オイ、何ボーッとしてやがる」

 「あっ、いえ、その……」

 「……分かるよ、ホシノちゃん。現実味がないんだよね?なんだか夢心地というか……」

 

 夢心地……?ハァ、まだそんなこと言っていやがるのか。コイツらも午前中は役員の仕事で右往左往していたっていうのにな。

 

 「お前らが見ているのは夢でもなければ幻でもない────現実(“奇跡”)なんだぜ」

 『──────』

 「ほら、行ってこい!」

 

 俺は2人の背中をそっと押してやる。……その背中を見て思うのは僅かな寂しさだった。

 その感覚はまるで自身の手から巣立つ雛鳥を見ているような感覚に近くて、()()()()()()()()()()()()()感覚のようで。

 ほんのちょっぴりの喪失感と清涼感のある風が心に透き通っていく。

 

 ……だというのに2人して間抜け面を晒しながら振り返る姿はなんとも滑稽だぜ。

 まぁ、結局ユメは嬉しそうに───ホシノは相変わらずの無愛想ぶりだったが───大人しくガキどもの輪に入って行ったがな。

 

 …………こう見ると、やっぱお前ら悪役の仲間になるのには向いてないわ!!“道具”の適性があれど、やっぱりただただ騒がしいガキどもだしよ!!

 つまり、今回の虐待でおさらばすると決めた俺の判断は正しかったな!うんうん!

 

 

 そんな見るにも堪えない悍ましい考えを白昼堂々と人混みの中で考えられる自分に心底震えながら、ガキどもの輪に混ざるために足を進め─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あなたは、あなたの赴くままに進んで下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 「私は─────ずっと、ずっっっっっっとあなたのことを見守っていますから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────ッ!!

 

 

 一瞬、ほんの一瞬だったが……今、誰かに耳打ちをされたような気がした。

 

 ………一瞬だけ見えたのは()()()()()()()()()()()()だったような気がするが……何処を探してもそんなヤツはいない。

 ク、ククッ………ゆ、幽霊か?もしかして……

 

 「サドさ〜〜ん?どうしたんですか〜?」

 「………俺、呪い殺されるかもしれねェ……」

 「へ?」

 「また変な発作でも出てきましたか。ふざけたことを言ってないで早く行きますよ」

 「発作じゃねェよ!!」

 

 このっ、頭にキタわ!!いいぜ?最後の瞬間まで徹底的に、一生に残るような虐待をしてやるよッ!!!

 




きっと過去に虐待されてきた子供たちの怨嗟の声なのでしょう(すっとぼけ)
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