汚いガキどもを見つけたので虐待することにした。   作:史上最恐の悪役

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今回は“悪役”としてリスペクトしている方々のポージングを参考にさせてもらいました!


第36話

 

 

 

 

 

 ────百夜堂の人員を増やそう。

 

 そう思い至ったのはつい数日前のこと。

 これまでは3人体制でも順調に経営を回せていたというのに、ここ最近で一気にキツくなってしまったのだ。

 

 その原因は至極明確、なんと最近にして客が急増し出しのだ。

 何やら客どもは『あんたの料理を食べにきたんだよッ!!』や『友人に是非食べてほしいって紹介したよ!』などと宣っているが……そんなモノ嘘の見栄っ張りだってすぐ分かんだよなァ。

 お前らの目的など遠に理解している。お前らはウチのメイドであるシズコとシロコを見に来ているんだろう?じゃなければ、誰が好き好んで俺のような虐待者がいる店に来ようと思うのか。

 ───ハッ!?まさか俺がいるから尚更あの2人が目立つと、そういうわけか!?たとえるなら、アイツらはまるで地獄に咲く一輪の花───否、二輪の花。俺という極悪人がいることでその輝きが増していると……つまりそういうことだな!?

 だがまぁ、そこは流石のシロコとシズコと褒めてやろうではないか。お前らは素晴らしい“道具”だぜェ!!

 

 さて、ここで冒頭の独り言に繋がるわけだが……なんともう確保しているのだ。しかも活きのいいガキを2人も。

 シズコの慧眼、シロコの野生の勘、そして俺の虐待的インスピレーションの総合的な判断により雇うことのできた精鋭中の精鋭だぜ!

 

 そして今日、その新人アルバイトが初配属される記念すべき日であった────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────百夜堂オープン前の縁台前にて。

 

 

 

 

 

「ウミカ!!」

 

 

 

 

「フィーナ!!」

 

 

 

 

「シズコ!!」

 

 

 

 

「シロコ」

 

 

 

 

「サド!!」

 

 

 

 

 

みんろっ

 

 

 

 

『百夜堂特戦隊!!!』

 

 

 

 

 「───おぉ〜……」

 

 オーディエンスからの惜しみない拍手が止まらない。

 なんら表情筋は動いておらず、無表情での拍手喝采をしているので本当に感心しているのか分からないが、コイツの場合これがデフォルトなので気にしないでおこう!

 

 それよりも、だ───

 

 「───決まったな、ウチ(百夜堂)のスペシャルファイティングポーズが……」

 『ちょっと待って下さいッ!!!!』

 

 感慨に耽っている中、恐れ知らずにも横から意を唱えてくるガキが出てきた。

 その下手人の名はウチの大黒柱の1人である河和シズコと、今日から新入りとして入ってきた里浜ウミカ。この両者であった。

 

 「なんだァ、シズコ、そしてウミカよ。もしや配置に不満でもあんのか?」

 「違いますッ!!色々と、根本的に違うッ!!喫茶店にファイティングポーズとか聞いたことないし!!そもそもスペシャルファイティングポーズって何ですか!?」

 「ファイティングポーズとは闘う前に行われる神聖なポージングのことだ。まぁ、言い換えるのならルーティンというヤツだな。どうだ?カッコいいだろう?」

 「絶妙にダサいんですッ!!もう……ポーズから間の取り方まで何もかもが絶妙にダサいッ!!」

 「なにィ!?」

 

 あ、あり得ん……

 かの神聖なポーズがダサいなど……そんなことはあってはならんというのに……!!

 

 「ウ、ウミカも同じ意見なのか……?」

 「えへへ……その、まぁその通りですね……」

 

 な、なんてことだ……

 このポーズの素晴らしさを理解できないとは……人生の半分損してるぞッ!?

 

 「そうデスか?ワタシはcoolだと思いましたネ!!」

 「ん、私も」

 

 対して俺を援護する側に回ったのは、もう1人の大黒柱である砂狼シロコ、そしてこちらも新しく入ってきた新人の朝比奈フィーナ。この2名だった。

 ククッ、お前らならそう言ってくれると思っていたぜ!

 

 「任侠の映画でもやってマシタ!戦闘前にはそれ相応の作法があるのだと!!このポーズはまさしくソレ!素晴らしいデス!!」

 「サド、私ポーズのことカッコいいって言ったよ。だから褒めて?」

 

 ククッ、シロコよ、それではお前がまるで俺に褒めてもらうがためにポーズを讃えたように聞こえるが……それは俺の気のせいか?

 しかし困ったな。このままでは2対2と結論に埒が明かなくなってしまった。クソッ、一体どうすれば───

 

 「いや、待て。ここには完全な客観的評価を下せるうってつけのガキがいるじゃねェか!!」

 

 俺の言葉を皮切りに、百夜堂特戦隊の連中は縁台に座る儚げなガキ───ナグサに顔を向ける。ククッ、急に話題を向けられたからビックリして一瞬肩が震えたな!!

 

 もちろんお前だけ仲間はずれにはしない、ちゃんと巻き込んでやるよ!!

 

 「ナグサ、今のポーズどうだった!正直に答えてくれ!!」

 「えっ……えっと……」

 「ナグサさんお願い!正直に言って!」

 「うっ……」

 「ん、早く答えるべき」

 

 いつも思うんだが、シロコってやたらナグサに当たり強いよな……

 なんだ?ムカつくことでもあったのか?

 

 ……しかし、ナグサはいまだに答えあぐねている。その麗しき瞳に映るのは───恐怖と、大きな不安だ。

 ククッ、まったく、お前はどうしてこうも世話のかかるガキなのか!

 

 「……ナグサ!別にお前の意見で関係性がどうこう変わるわけじゃねェから気にするな!」

 「ッ」

 

 お前と俺の関係性は変わらない。

 そう───いつまで経っても“主人”と“道具”という過去最悪な関係性はなァ!!

 

 たとえお前が俺の意にそぐわない意見を述べたところで、誰が愛想尽かしてやるものか!そんなことで俺の支配から逃れようとしても甘ェんだよ!!

 お前は俺の“道具”であるという事実は生涯永久に変わらんのだからなァ!!

 

 「ポーズは、その………正直言うと、あんまりカッコよくなかった……かな」

 「ぐっ……!!」

 

 ……これはアレだ!まだ時代があのポーズのカッコ良さを理解出来るまでに追いついていないだけだ!そうに決まってる!悪いのは全てこの世界と時代なんだッ!!

 

 「……でもね?」

 

 この世の不条理さに嘆いていた俺であったが、どうやらまだ先に続きがあったらしい。

 そのまま黙って聞いていれば───

 

 

 

 「───でも、みんな楽しそうに笑顔で練習してた。だから、なんだかとてもいいポーズだなって……そう思えた、かな?」

 

 

 

 ───…………な〜〜んて答えやがった。

 

 俺は思う、『なんて適当な感想なんだ』と。少なくとも半分以上が不満気な意見を漏らしていたというのに、どうして『楽しそう』などというちんぷんかんぷんなセリフを吐けるんだよ!

 

 「ちょっ、ナグサさん!?アンタ何言って───」

 「シズコさんならともかく、私も笑顔でやってたんですか?」

 「ちょっと!?私ならともかくって何よ!?」

 「……?2人ともすごく笑顔で楽しそうだったからそうなのかなって。2人はどう思う?」

 「YES!その通りデス!お2人とも、見事にenjoyしていました!」

 「ん、たまには良いことを言うね、ナグサ」

 「……ポーズは恥ずかしかったですけど……でも、確かに練習は楽しかったですね!」

 「ちょっとウミカまで……」

 

 俺だけを仲間外れにしてガキどもはコソコソと円陣組んで話しているわけだが、ここでも俺に対する心象というものが窺えるものよ!

 ククッ、余程嫌われたもんだぜ。まぁ、そう思われても仕方ない行為ばかりしてきたからなァ!!

 

 「そうだぜ、テメェら!写真撮ろうぜ!無論、スペシャルファイティングポーズでな!!」

 

 しかしここで手を緩める俺ではな〜〜い!!お前らが恥だと罵ったスペシャルファイティングポーズを写真として永久に保存してやるよッ!!

 さらに嫌われるってか?結構結構。それでこそ俺の生きる道よ!

 

 「お〜!goodですネ!!」

 「まぁ、楽しかったらそれでいいですよね!」

 「ん、さっきの配置でいこう」

 「───あ〜〜もうッ!!分かったわよ!さっさと撮るわよ!!」

 「やけっぱち根性素晴らしい!それでこそシズコだ!!」

 「じゃあ私が撮るね」

 「おぉ、サンキューな、ナグサ!!」

 

 こうして俺にとってはカッコいい───しかしガキどもにとっては黒歴史確定のポーズを写真に残した。

 ククッ、そうだなァ、この写真を店にでも飾っておこう!この地獄のような日々を時折思い出せるようにな!

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 百鬼夜行とは観光産業都市であり、常に何かしらのイベントを開催している。その分開催費とかバカにならないと思うんだが、その費用すらも容易に上回れる資金を集められるから毎月毎週の如く開催出来ているのだろう。

 

 さて、そんな都市であるから故に街の横のつながりというものが大事になってくる。お祭りとは決して個人だけで行うことは出来ず、必ず複数人で行うもの。そして、その屋台を開くのも百鬼夜行に住む住人だ。

 だから時折ミニ町会のようなものが開かれることがある。

 

 まぁ、そこはいい。そこはいいんだ。ただ、問題を挙げるとすれば────

 

 

 「ククッ、なんで俺がこんなところに……」

 

 

 ───何故か俺がお呼ばれされてしまったということだ!

 

 あぁ、どうやらこの街の住民どもは頭がイカれちまったらしい。こんな極悪非道な人間を中枢へ招き入れてしまうとは……

 

 「まぁまぁサドさん。そう言わずに……」

 「あの曲者揃いの生徒たちを御せるサドさんなら我々が抱えている問題も解決できるかもしれないんだ……!」

 

 両隣から藁にでも縋るような声で話しかけてくる2人に目を遣る。

 コイツらは百夜堂の近くで店を経営しているネコ吉さんとイヌ丸さんだ。つまりちょっとしたご近所付き合いをしている顔見知りって感じだな。

 

 ……あと問題ってのは一体何なんだよ。観光業においては右に出る者がいない百鬼夜行様でも催事で問題が起こるもんなんだな。

 いや、まずそもそもの前提なんだが、むしろ俺は問題を引き起こす側の人間だってことをちゃんと分かってんのか?さっきから俺の場違い感エグくて肩身が狭いわ〜。

 

 「よし、集まったな。では、これより百鬼夜行緊急会議を始める。司会は儂、ニャン天丸が務める。よろしく頼む」

 

 そして、商店街のドンことニャン天丸さんの始まりの挨拶をして、喉をゴロゴロと低く鳴らしながら本題へと入っていく。

 

 「この議題は数年前からその予兆を見せていたもので、そして近年で様々な部分で顕著になってきたものだ。ここ数年は誤魔化し誤魔化しでやって来れたが、いよいよ無視できなくなってきたのでな……改めて会議を開くことになったわけだ」

 

 全体に言い聞かせるように───しかし、何となしにコチラに視線を向けているから俺に説明することも含めて───語り明かすニャン天丸さんの表情はいまだに渋いままだ。ありありと悔しさを全面に押し出している。

 

 「我々はコレに何度も辛酸を舐め、時には手を地面に着き嘆いた……!自身の無力さを、その惰性を何度呪ったか……!このままでは百鬼夜行から行事という行事がなくなってしまうというのに……!」

 

 ふと啜り泣く声が聞こえてくる。思わず周囲を見てみると、ネコ吉さんとイヌ丸さん、他会議に参加しているヤツらは漏れなく泣いていてギョッとした。

 大の“大人”がガチ悔し泣きである。虐待以外の涙は何も響かん俺からしたらちょっと引くレベルである。

 

 ……しかし、そこまでヤバい状況なのか。観光業を第一にする百鬼夜行で行事がなくなるということは、事実上都市の衰退を意味する。いや、そうホイホイと廃れていくわけじゃないんだろうが、必ず大きな影響を及ぼすに違いない。

 なるほど、コレは俺の認識も改めなければなるまい。“大人”が人目憚らず号泣するのは流石にどうかと思うが、もうちょっとだけ真剣に聞いてやるとしようか。

 

 ………それに、この街にはアイツら(ガキども)も住んでるしな。

 

 「それで?アンタらを赤ちゃんみたいに泣かせる、その悪魔のような議題の正体ってのは一体何なんだよ」

 「うむ、よくぞ聞いてくれた」

 

 泣き終えたニャン天丸さんがひとつ咳払いをして姿勢を正す。

 

 

 「我々が窮地に立たされたその原因………その名は────」

 

 

 バンっと机を叩き込み、クワッと目を見開き、忌々しきその名を告げる──────

 

 

 

 

 

 「───我々(主催者側)の高齢化じゃァァァァァァ!!!!」

 

 

 

 

 

 ………………………

 

 

 

 …………………あー、なるほどね。

 

 

 

 「帰るわ」

 

 『ちょっと待てェェェェい!!!』

 

 

 

 とんでもない力で肩を抑えつけられ、その場から一歩も踏み出せなくなってしまった。わらわらと男に群がれて気分を良くするヤツなんていると思うか?いいや、いない。少なくとも俺はそっちの趣味はない。つまるところ早く退いてほしいということだ。

 

 「どうして今の話を聞いて帰れる!?一大事じゃよ!?この街の存亡がかかっとるんじゃよ!?」

 「未来ある百鬼夜行の若者が情けない!それでも百鬼夜行の男か!?」

 「あぁ!?いつ百鬼夜行の男になったよ俺が!俺は余所者だバカども!!」

 「今は百鬼夜行の身内じゃろうが!!」

 

 チクショウ!ちっとも振り解けやしないぜ!流石に10人以上に抑え込まれたら無理か!

 

 「はぁ、とりあえず話聞くから放してくれ……」

 「おぉ……!流石はサド殿、分かってくれると信じていたぞ……!」

 

 共感したんじゃなくて諦めただけなんだがな……

 もうさっさと聞いてさっさと帰ってさっさとアイツらを虐待したい……

 

 

 

 

 

─────

───

 

 

 

 

 

 話を聞いていけば何てことはない、至ってシンプルかつ当然の帰結だった。

 

 つまりコイツら、毎月毎週のペースで開催されるデカい祭りについていけなくなって来たのだ。

 銃弾は平気で受けきる癖して、その体力と腰は相応の機能とか意味分からんが、結局どの世界の人間も年齢という名のリミッターには勝てないということだろうか。

 

 おまけに屋台を仕切る人間の人材不足ときた。まぁ、今どきどの業界も人材不足に悩まされているが、それがこんなところにも出てしまったのだなと思うと社会の課題を直視してしまったように思えた。

 

 そして、それが回り回って遂に今度のお祭りに影響が出てしまったと……つまりそういうわけだな?屋台で本業だけをやるならともかく運営もやってとなると流石にキツくなってくるのか、さっきから『今月ヤバぽ……』、『体力が……』、『腰が……』と中年の“大人”たちの嘆きが聞こえてくるぜ。

 

 ……ただ、何となく気になったこともある。

 

 「なぁ、何でガキどもにやらせねェの?」

 

 まず前提に、このキヴォトスという都市はイカれている。為政も、運営も、財政も、取り決めも全てガキどもが執り仕切るのが()()だからだ。

 だが、話を聞いている限りではこのお祭り事にガキどもはあまり関わっていないように思えた。

 いや、バイトや傭兵を使って屋台の運営をさせるとのことだが所詮はバイト程度。お祭りや催事の中枢の一端にも触れていない───否、()()()()()()ように見えてしまい、それが本来()()()()()()の筈なのにこの世界ではひどく()()()に見えて気持ち悪かった。

 

 「いや、それは……」

 「だってニャン天丸さんが……」

 

 漏れなく全員がニャン天丸さんを見る。どうやら会長さんのご提案だったらしい。

 

 「お、お主ら……!オホンッ、いかにも、儂の提案じゃよ。それもそうじゃろう?幾ら生徒といえどもまだまだ子供。ビジネスの“ビ”の字も知らぬような小娘どもに絶好のビジネスチャンスの場である祭りの運営を任せるだと?誰がそんな血迷ったことが出来る」

 

 如何にも悪役っぽいセリフを吐き散らかすニャン天丸さんだが、たまに興奮で滅茶苦茶に口が悪くなる時があるっていうのは再三聞いてきた。だからこれは本心から来る言葉じゃないからスルー案件だ。

 しかし、それでも()()()()()()言葉のオンパレードであったことも事実だった。

 

 「ニャン天丸さんよォ、アンタ、()()()()()()()()()()()って………そう言いてェのか?」

 「そ、そうじゃ!むしろこういった大きな事業こそ我々“大人”に任せるべきだと思わんか!?」

 

 あぁ、確かに間違っちゃいない。むしろその通りだ。だが……

 

 

 

 「ウチのガキども(道具)を舐めんじゃねェぞ!!!お祭りの運営ぐらい出来るわ!!!」

 

 『ッ!!』

 

 

 

 頭にきた……!!もう許せん!!ふざけんのも大概にせいや!!

 

 

 ただ、今の言葉は少し吟味する必要があるのは確かだった。ニャン天丸さんの言葉はキヴォトスに於いて異質の部類だろう。しかし、異質ではあるが、なかなか心に響くような言葉だったのも事実だった。

 普通ではない考え方───しかし、それはニャン天丸さんの()()()()()()()()()()()()()から生まれたものだってことは……何となく感じ取った。

 

 

 「アンタの杞憂もよく分かる。誰よりも百鬼夜行を想っているアンタだ、当然百鬼夜行にいるガキどものこともちゃんと考えているのだろう。ガキどもに大きな失敗をさせたくない、挫折して欲しくない、心に大きな傷を負わせたくないっていう気持ち……よく分かったぜ」

 「……ん?」

 「つまりアンタはこう言いたいんだろう?『汚れ仕事は“大人”に任せ、ガキどもにはただ純粋にお祭りを楽しんでほしい』と……ククッ、泣かせるじゃねェか。きっと【聖人】と讃えられるヤツってのは総じてアンタみたいな人間のことなのだろう」

 「えっ」

 「だが、それじゃあガキどもは成長しねェんだよ!アンタの優しすぎるやり方だと、ただ与えられるものを考えもせずに享受するだけの温室育ちのガキが量産されるだけよ!俺はそんなヤツ(道具)になって欲しくはねェ!!」

 「あのっ、ちょ───」

 「信じてみようぜ、ニャン天丸さん……!信じねェとなにも始まんねェ!最初はダメでも、それでも我慢強く見守るのも“大人”のひとつの在り方だと俺は思うぜ!」

 「…………」

 

 まぁ、アンタのような優しい“大人”の意見の方が正しいのかもしれんが、俺はどうしようもない程の碌でなしな“大人”だからな……!

 『可愛い子には旅をさせよ』、『獅子の子落とし』という諺があるように、アイツらには生温い道を歩ませず敢えてキツい道を歩ませてやるんだよ!その過程で散々傷ついて、恨み辛みを吐きながらその道を進むのだ。そして、それを遥か上空から眺める俺……!

 嗚呼、なんて卑劣、なんたる醜悪……!さぞ周囲の“大人”も俺に批難を向ける目を────

 

 「───会長、子供たちを信じてみましょう」

 「不安な気持ちは分かりますが、それでも我々はサドさんの意見を支持したい」

 「というか、あの子たちに任せることで若い頃から経験を積ませられるし……」

 「あの子たちが百鬼夜行の未来だったんですね……!」

 

 ………なんか支持される流れが出来上がってしまったんだが?なんで?まさかお前らもサディスト(同類)だったのか?

 

 「ぐぬぬ……!し、しかし!一体何処のどいつが祭りの運営などをやりたがると────」 

 「あっ、丁度百夜堂にお祭り好きのガキが3人いるわ。そいつらに話を持っていってみるぜ!」

 「─────」

 

 決まったな。じゃあ早速行ってくるわ!

 絶対に後悔させねェよ、会長!なんせ俺の“道具(ガキども)”だからなッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、シズコたちにお祭りの運営の話をしたところ、寸も秒もなく『やりたい』という返答を受け取った。

 ついでに3人だけだと色々大変だろうと思って『お祭りの屋台の設置とか運営とかその他諸々手伝ってくれる人〜?』と募集かけたところ、意外なことに俺の知ってるガキどもの大半が参加の意を示した。

 エレガンツッ!!流石は俺の“道具(ガキども)”だ!!

 




そう遠くない未来、この件に恨みを抱いていたニャン天丸ことニャテ・マサムニェ氏はあろうことかシズコたちの前でサドを侮辱するという超特大地雷を踏み抜き、地獄よりも恐ろしい目に遭うのはまた別のお話。

それはそうと察しのいい読者(同志)たちなら『大きなイベント……?妙だな……』と思っている頃だろうと思います。

















(^^)
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