Re:無下限アーカイブ   作:サリム

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タグに曇らせを追加しました。後半ほぼ曇らせ?なので苦手な人は飛ばしてください。



悟!?死んだはずじゃ!?

悟が風紀委員室のドアを開けると、そこでは、他の風紀委員メンバーが各々の仕事に没頭している光景が目に入った。奥にある風紀委員長のデスクにはヒナが座っており、こちらに目を向けている。

 

「よう。約束通り来たぜ。」

悟は部屋の中心にある椅子に腰を下ろし、足を組みながら軽い調子で声をかけた。その態度にヒナは眉一つ動かさずに応じる。

 

「今日から風紀委員会の仕事をしてもらうわ。まずはこれに着替えて。」

ヒナが机の上に置いたのは、黒を基調とした風紀委員の制服だった。洗練されたデザインで、左腕にはゲヘナ学園の紋章が刻まれた腕章が付いている。その精悍な見た目には、どこか威厳さえ漂っていた。

 

「制服? 服装は自由かと思ったんだが。」

悟はその制服を手に取り、しばらく眺めながら言った。それは純粋な疑問、他のメンバーを見ても同じ服装は居ないからだ。

 

「制服が嫌なら着なくていいけど、せめて腕章だけは付けて。」

ヒナの声は冷たく、それ以上の議論を許さないような響きだった。

 

「別に嫌とは言ってないだろ。」

悟はため息混じりにそう言うと、制服を無造作に手に取った。

 

「更衣室は部屋を出て左。」

ヒナがあっさりと指示を出す。

 

「どーも。」

悟は短く返事をすると、制服を持って部屋を出て行った。

 

数分後、制服に着替えた悟が風紀委員室に戻ってくる。黒を基調としたその制服は、彼のしなやかな体格を引き立てており、周囲のメンバーたちは一斉に彼に注目した。その視線には、驚きや興味が混じっている。

 

「……意外と似合ってるじゃないですか。」

アコが冷静に言いながらも、どこか探るような視線を悟に送る。その表情にはほんの少し皮肉が滲んでいた。

 

「まあな。」

悟は自信ありげに返事をする。その態度はまるで当然のことのように。「で、この格好で何をさせる気だ? 手始めに不良でも──」

 

「最初の仕事はこれ。」

ヒナが無言で机の上に分厚いファイルを置いた。それはまるで山のように積み上げられた書類の束で、見るだけで気が遠くなる量だった。

 

悟はファイルを手に取り、その重さを確認するように揺らしてから不満そうに眉をひそめる。「……なぁ、オレは戦うために呼ばれたんじゃなかったのか? 書類仕事がオレの役目なのか?」

 

「風紀委員の仕事は別に戦うだけじゃないわ。」

ヒナは淡々とした口調で答える。「ゲヘナ学園の管理に必要な記録や報告書を整理するのも大切な仕事よ。」

 

悟は机の上にファイルを叩きつけるように置き、面倒くさそうにヒナを見上げる。「おいおい、話が違うだろ。こんな地味なことやってられるかよ。」

 

「約束と違うわね?」

ヒナは悟の挑発に乗ることなく冷静に返答する。その表情には微かな苛立ちさえ見えない。

「提案してきたのはあなたからだった気がするけど……?」

 

その言葉に、悟は反論出来ず、仕方なくため息をついた。「…わかった、やるよ。」

 

悟は渋々ながら机の上の書類を手に取り、嫌そうな顔をしながらペンを握る。横ではアコが淡々とアドバイスを始めた。

 

「この書類はパトロール中の生徒の行動記録です。ここに日付と内容を記入してください。」

アコの声は冷静そのもので、仕事を一つ一つ丁寧に説明していく。一方で悟は眉をひそめ、明らかに面倒くさそうな表情をしている。

 

「で、なんでこんなに量があるんだよ。」

「生徒数が多いのはご存知かと思いましたが。」

アコがさらりと答えると、悟は皮肉っぽく笑いながらペンを走らせた。

 

「…さすが三大学園のゲヘナ、問題児しか居ねえ。」

 

その横で、イオリが軽く笑いながら書類を整理している。

「意外と真面目にやるんだな。もっと適当にサボるかと思ってた。」

 

「文句あんのか?」

悟は軽く目を細めてイオリを見た。その目つきは挑発的だった。

 

「無駄口を叩かずイオリは黙って手を動かしてください。」

チナツが冷静にそう言う。

 

「やってるってば。」

イオリは不満そうに応じた。

 

「…どーだか。」

悟が軽く呟くと、イオリがムッとした表情を浮かべる。

 

「なんだと? 新入りのくせに生意気だぞ。」

「いかにも雑魚が言いそうなセリフだなぁ?」

悟は笑いながら言い返した。

 

「そんな態度でいいのか、私は上司だぞ?」

「オレより劣ってるやつを上司とは呼ばないな。」

二人の軽い言い合いが続く中、風紀委員室の通信端末が突然鳴り響いた。ヒナがそれを手に取り、冷静に報告を受ける。

 

「…旧校舎でトラブルが発生したようね。」

ヒナは冷静に報告内容を整理しながら口を開いた。「報告によると……幽霊が出たそうよ。既に負傷者も何人か出ているみたい。」

 

その言葉に、悟は目を輝かせて立ち上がる。

「よしっ、オレの出番だな。」

腕を伸ばしながらそういう。

 

「幽霊なんて存在しないぞ? もしかして信じてるのか? 案外子供っぽいんだな。」

イオリが挑発するように言うが、悟は鼻で笑いながら返した。

 

「お前みたいなバカと話すのは疲れる。」

 

「はぁ……幽霊が本物かどうかは置いといて、悟はそのままここで仕事を続けて。現場には私が行く。」

ヒナが会話を遮り、冷静に指示を出した。

 

「それは無いだろ。今日はずっと書類仕事か?」

悟が不満そうに言うと、ヒナは一瞬だけ視線を逸らした。

 

「文句言わないで。それに怪我もまだ治ってないはずでしょ。」

 

「それなら昨日治ったぞ? 聞いてないのか?」

「嘘でしょ?」

「嘘じゃねえよ。そもそも怪我した状態ならここに来てない。」

 

ヒナは軽く眉を寄せながら少し考え込んだ後、小さくため息をついた。「…それならいいけど、あなた本当に人間?」

 

「人間かどうか疑われるなんて心外だな。別にここでは怪我がすぐ治るなんて不思議なことじゃないだろ?」

 

「…確かに今更ね。」

ヒナは小さく呟くと、悟をじっと見つめた。

 

「じゃあオレも行って良いよな。」

「えぇ、別に私一人で十分だと思うけど……。」

 

 

旧校舎に到着した悟とヒナ。その場所は、ゲヘナらしい荒廃した雰囲気が漂い、至る所に瓦礫やゴミが散乱していた。古びた壁には植物が茂り、どこか不気味な空気さえ漂っている。

 

「ここか?」

悟が周囲を見回しながら問いかける。その目には警戒心というよりも、単純な興味が映っていた。

 

荒廃した旧校舎は、その外観からしてただならぬ雰囲気を漂わせていた。崩れかけた屋根とひび割れた窓ガラス。風に揺れる金具部分が錆びた扉の音が、静寂を切り裂いて響いている。

 

「まったく、なんでこんなボロボロの校舎をまだ残してるんだ?。」

瓦礫を軽く蹴り飛ばし、周囲を見回しながらそう呟く。

 

「ゲヘナの生徒会が後でなにかに使える、と言って放置してる。そもそも旧校舎なんて生徒の遊び場にされるだけだし、トラブルの元だから早く取り壊して欲しいのだけど。」

ヒナが淡々と答える。彼女の視線は前方に向けられ、その先の暗がりをじっと見つめている。

 

「遊び場、ねぇ……。」

悟は欠伸しながら割れたガラスを見る、奥にある無数の机や椅子から、かつてここが教育の場だった名残をかろうじて伝えている。

 

「…それにしても、幽霊ね。もし攻撃の当たらない存在が実際に居たらどうする?。」

悟がヒナに問いかける。

 

「攻撃が通じないなら撤退するしかない。」

ヒナの返答は冷静そのものだった。

 

「つまらない答えだな。」

 

二人が廊下を進んでいくと、突然、横から大きな物が倒れてきた。

 

二人は別々の方向に跳んで避ける。倒れてきたのは古い本棚だった。

 

「…妙ね、私たちが通るタイミングで倒れてくるなんて。」

 

「遊ばれてんな。」

悟は本棚の裏側を覗き込みながら呟いた。だが、特に異常は見当たらない。ただの古い木材の山だ。

 

「...はぁ。」

ヒナは再び歩き出し、悟もその後を追った。

 

さらに進んでいくと、今度は不気味な声が聞こえてきた。

 

「……う……ぁ……。」

薄暗い廊下に響くその声は、明らかに人のものとは思えない。

 

「ほう、幽霊っぽい演出が来たな。」

悟はにやりと笑いながら言った。その顔にはまったく動揺の色が見えない。

 

「……声の方向を確認しましょう。」

ヒナはそう言って足を止めた。声の聞こえる方角を慎重に見極めながら、二人は廊下を進んでいった。

 

やがてたどり着いたのは、薄汚れた教室だった。扉を押し開けると、中には誰もいない。ただ、黒板にチョークで何かが書かれている。

 

『出て行け』

 

その一言が、乱暴な筆跡で黒板いっぱいに書かれていた。

 

「お化け屋敷みたいだな?」

悟が黒板を見ながら言った。

 

「…行ったことがないから分からない。」

ヒナは無表情を保ちながら、教室の隅を調べ始めた。

 

その後も探索を続ける中で、物音や不気味な声が頻繁に聞こえるようになった。机が突然動いたり、窓が勝手に開閉するなど、明らかに不自然な現象が続いている。

 

「なぁ、そろそろ飽きてきたんだが。帰っていいか?。」

悟が歩きながら言う。

 

「行きたいって言ったのはあなたでしょう?。」

ヒナは淡々と答えたが、その声には若干の苛立ちが混じっているように聞こえた。

 

「この世界にも呪霊が居るのか一応確認しに来ただけだ実際来てみれば気配の欠片も無かった。」

 

(そもそも、こっちに来てから周りに呪力が全く感じられないし。まあこれでこの世界に呪霊が存在しないのはほぼ確定か。)

 

「呪霊...?。」

 

「ああ、幽霊の別名みたいなもんだ。気にしなくていい。」

 

「...まあそれはどうでもいい。帰るなら原因を突き止めてから帰って。」

 

「わかった。」

 

(今すぐ帰って書類仕事するよりマシか。)

 

そしてまた二人は歩き始める。

 

 

やがて二人は、旧校舎の奥にある大きな部屋にたどり着いた。そこはかつて体育館として使われていた場所のようだ。

 

「…気配を感じるわ。」

ヒナが小さな声で呟いた。気配のする方に歩いていく。

 

「一旦休憩しようぜ...。」

 

同じような怪奇現象しか起こらず、飽き飽きしていた悟はそう言って地面に座り込んだ。

 

その瞬間、何かが上から落ちてきた。

 

「...っ!」

悟は少し遅れて反応し、立ち上がって数歩下がる。

 

「どうせコンニャクとか水風船だろ?。」

 

地面に落ちたその正体は、予想通り大量の水風船...では無くピンの抜かれた──

 

 

手榴弾だった。

 

 

「嘘だろ...。」

悟が溜息交じりに言う。

 

ドーンッ

 

「悟っ!」

 

一般的な手榴弾の爆発範囲は半径10〜15m、その範囲内に居れば常人なら死は免れない。そして今投げられた物は違法に改造された威力の高い特殊な手榴弾であった。

 

爆破の衝撃でホコリが宙に舞う中、奥の方から笑い声が聞こえた。影から現れたのは、数人の生徒たち。彼女らは手に懐中電灯やチョークを持ち、明らかに今の状況を楽しんでいる様子。

 

ヒナは笑っている生徒たち全員を一瞬で制圧し、爆破地点に視線を向けながら最悪を考える。

 

悟はバリアのような能力を持ってはいるが。おそらく発動に何か条件があるとヒナは考えていた。自分と戦った時も一度しか使っていない。回数に制限があるか、咄嗟には使えないか...もしくはその両方。

 

自分が放った本気の蹴りを耐えたと言っても、手榴弾とは訳が違う。爆発で生きていたとしても、本当に恐ろしいのは爆破によって高速で飛ばされる破片なのだ。

 

ヒナが頭の中で色々と考えている内に、視界が晴れていく...そして、そこに悟の姿は無かった。

 

「うそ...」

 

普段冷静な表情しか浮かべていないヒナの顔が酷く動揺したものになった。

 

いや、有り得ない。手榴弾なら原型は留めてなくても死体は残るはず、恐らく完全に爆発する前にどこかに避難したのね...悟のことだからそのまま帰ったのかも。

 

次第に普段の冷静さを取り戻していき、倒れているこの騒動の首謀者たちに近づいていく。

 

とりあえず、犯人が分かった事だし...アコに連絡して風紀委員を呼んでもら...........あ......

 

倒れている生徒のポケットからはみ出ている物に目が入ってしまった、それは先程使用されたであろう、違法手榴弾だった。

 

この形状は....特殊な火薬を使った爆破の威力が桁違いに高くなっているタイプの....私たちでもまともに当たれば大怪我するような....なんでこんなものを.....持って...でもこれなら────────

 

...............死体が残らない可能性も....あり...え..る

 

ヒナの思考はそこで止まった。

 

だが体は動いていた。風紀委員長として最後まで仕事をしないといけない....アコに連絡をしないといけない

 

風紀委員会の端末に慣れた手つきでアコに繋がる番号を打つ

 

『ヒナ委員長、お疲れ様です。すぐに風紀委員をそちらに向かわせますね。』

 

何も言わなくてもアコは電話の目的を理解して迅速な対応をする。

 

『.....ヒナ委員長?』

 

いつもなら「ありがとう」や「わかった」など一言は必ず返事をしてくれるのだが、通信越しでも普段と違う様子にアコは違和感を抱く。

 

『...私も向かいます。』

 

そう言って最後に「失礼します」と、通信を切った

 

 

ヒナの中で悟に特別な感情は欠片も無かった。ある日唐突に連邦生徒会に頼まれた時はまた面倒事かと思っていたくらい。初めて会った時もそれはほとんど変わらなかった。この世界を救う鍵と聞いてほんの少しだけ興味が湧いた程度だった。

 

期待していたつもりは無いが、彼は自信満々な癖をして実際は弱かった。その時ガッカリして気づいたが本当は心の中で期待していたのだ、自惚れている訳では無いが私は強い、揺るがない事実だだがそれ故に孤独だった...慕ってくれる人は沢山いる、でも理解してくれる人は私の周りには居なかった。同じ強者なら理解者になってくれるかもとでも思っていたのだろう...。

 

勝負の後、言い訳のように「本調子じゃないな」と呟く彼を見て眉をひそめたのを覚えている。その後、美食研究会のいつものトラブルを彼が止めていた、体調の悪そうな表情をしながら頭を抑えている彼を見てあの言葉に嘘は無いと気づいた。恐らくここに来る前は本当に強かったのだろう、あの自信満々な表情を思い返せば自然とそう思えた。

 

それからは積極的に話しかけた、彼も孤独だったと思い込み勝手に親近感を感じていたのかも。そんなある日、風紀委員会に入るように言ったら入っても良いけど私と本気で戦うのが条件と言われた、顔には出さなかったが内心驚いた。訓練場にいつも居るのは知っていた、かつての力を取り戻そうと努力しているのだろうと通る度に思っていたが、そんなに都合よくすぐには強くならない。流石に断ったが結局、彼の揺るぎない信念に押されて承諾してしまった。

 

勝負が始まり、私は約束通り本気を出して戦った最初の攻撃は何故か届かなかったが、隙ができた時に本気で蹴り飛ばし勝負は着いた。以前戦った時より驚くほど強くなっていた。そして私の本気を受けても尚笑みを浮かべる余裕に流石と声を漏らしたが何故か煽ってるのかと言われた。

 

そして今日...風紀委員室で書類仕事をさせていたがトラブルが発生した時、いつもなら連れていくが怪我をしているので悟には待機を命じた。悟から怪我が治っていると告げられた時は驚いたが、外から来たと言っても、そもそも既に不思議な能力を持っているので今更かと思い結局連れていくことにした....あの時待機させていれば...こんなことにはならなかったのに──

 

人は失って初めて大切なものに気づくという言葉を以前何処かで聞いたことがある。悟に対して特別、といった感情は無かったはずが、どうやらこの短期間で知り合い以上の存在になっていたのかもしれない。

 

 

ヒナがアコに連絡をしてからほんの数分で風紀委員たちが到着した。

 

「ヒナ委員長!大丈夫ですか?どこかお怪我は...。」

 

アコは声を掛けるがやはりどこか様子がおかしいことに気づく。

 

「それにしても...ヒナ委員長をこんなところに放ったらかしてあの男はどこに行ったんですか...。」

 

愚痴のように漏れたアコの言葉にヒナが反応する。

 

「死んだ...。」

 

「...はい?今なんと──」

 

「アイツらが仕掛けた罠のせいで!」

 

普段のヒナなら絶対に出さないような声量にアコは緊張しつつ、辺りを見回す。

 

入口付近にある大穴、そしてたった今風紀委員たちが押収したばかりの違法手榴弾。そしてヒナの言動。

 

アコはすぐにヒナと同じ結論にたどり着いた

 

「冗談...ですよね?」

 

その声は震えていた、アコは悟のことを何とも思っていないが、身近にいた人が亡くなって動揺しない人間などいない。

 

「とりあえず...戻りましょう。」

 

「...うん。」

 

 

風紀委員室のソファに寝っ転がりながら悟は先程のことを考える。

 

(流石に危なかった...あの時蒼を使って脱出しなければ死んでいたかもしれない。普段なら自分自身を移動させる威力の蒼は使えないはずだが...火事場の馬鹿力ってやつか?。)

 

思ったより遠くに移動してしまったので戻るのが面倒くさく黙って帰ったから後で何か言われるだろうな...

 

ガチャ

 

「おかえりなさ...何かあったんですか?」

 

チナツが帰った二人の様子を見て真剣な表情で質問する。

 

「悟さんが...亡くなりました。」

 

アコが静かにそういう、その声は無音の部屋に響いた。

 

「はい?」

 

「え?」

 

「は?」

 

アコとヒナ以外の3人の驚く声がする。

 

「「...え?」」

 

少し間を置いて同時に二人が反応した。

 

「聞き間違いか?今オレが死んだって風に聞こえたんだが...?。」

 

「私もそう聞こえましたが...。」

 

「アコちゃん、休んだ方がいいんじゃないか?。」

 

ソファから顔を出しこちらに近づいてくる悟を見てヒナは慌て始める。アコは察した。

 

「爆発に巻き込まれて死んだはずじゃ...?。」

 

「...?あの爆発の後、俺が消えたから死んだと思ってたのか?流石に嘘だろ?。」

 

威力がどれだけ高かろうと手榴弾なのは変わらない、流石に人が髪の毛1本すら残さず塵になるようなことは普通に考えればまず無い。普通に考えれば。

 

「...。」

 

色々と勘違いをしていたことがわかると、ヒナの顔が恥ずかしさで赤く染っていく。

 

「あー、まあ元気だせよ。」

 

「...誰のせいだと思ってるんですか?。」

 

隣を見るとアコが鬼の形相で睨んでいた。

 

「そもそもあなたが変なところで帰らなければヒナ委員長だってこんな勘違いすることは無かったんです!まあ?!ヒナ委員長が普段しない顔を見れたのは唯一良かったですが!。」

 

「...普段とキャラが全然違ぇ。」

 

アコの最後の言葉に何も聞こえていないヒナ以外全員ドン引きしている。

 

「誰のせいだと!。」

 

「わかったわかった。とりあえず仕事しようぜ、まだ全然残ってるぞ?。」

 

そう言って悟は机に戻っていく、そしてアコは拳を握って悟目掛けて振り下ろそうとしたところをチナツとイオリに止められていた。

 

「止めないでください二人とも!一発、いえ...三発ほど顔を殴らないと気がすみません!。」

 

「今の行政官が殴れば本当に死んでしまいます!。」

 

「アコちゃん、ムカつくのは分かるが流石に殺すのはまずいって!。」

 

数分間抑えてようやくアコが大人しくなった時、悟が油に火を付ける

 

「...何やってんだお前ら、遊んでないでさっさと働け。」

 

二人はアコを放った




途中まで普通にイタズラしてた生徒が謝って終わりにしようとしてたんですけどね。気づいたら手が止まらず...8時間経ってました。今日はこのまま出掛けます。あと書くの楽しかったです。
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