漂着物研究所 作:技術者壱号
貴方の内に秘め込んだ物を吐き出してください
この場所について
何処から?どの世界?どの宇宙?どの時間軸?
↓
・此処はあらゆる物が流れ着く場所であり、最後の到達点であり全ての始発点でもある
・此処に流れ着くモノ、それらは“漂着物”と言い基本的に用途不明、名称不明、全てが未知であり何も分からないモノたちである
・稀に生物が流れ着くこともある、ヒトとは限らない
・此処を管理している者が居る。ソレは自らのことを“研究者”と自称し、日夜実験に没頭している
世界とは
・幾らでもあり無限という言葉が一番似合うモノ
・世界の定義はそのヒトによって異なる
世界とは星のことである
世界とは私の体の中のことである
世界とは私の認識している範囲のことである
世界とは宇宙のことである
世界とは私の住んでいるこの街のことである
世界とは今此処にいる時間のことである
・世界の
世界は幾重もの層が重なり合いできている
層とは次元のことであり認識できる次元もヒトによって異なる
次元の低い者が高次元へと干渉すると脳が耐えられずスナプスが焼け切れ、廃人になってしまうと予測する
だからこそ私達は脳の認識に制限をかける。(コレを“フィルター”と呼ぶ)
この場所はどういうわけか低次元生命体、高次元生命体に関わらず普通に生活できる
コレは目下最大の研究課題である
次のモノは“研究者”が実験を通して発見した道具の数々の例である
・魔導生成装置
魔導具、即ち魔力を用いて使われる道具の総称である。その魔導具の中にあった特段大きい漂着物、ソレこそが魔導生成装置である
用途:魔力を対価に物を生成する。魔力3Dプリンタ
・蒸気機関製懐中時計
蒸気機関、エネルギー効率が極めて低くいつか無くなってしまった物。だがこの懐中時計はエネルギーの効率が極めて高く、その性能は電気製の物を遥かに上回る
用途:時間を確認する。
※分解し中の蒸気タービンを別のものに付け換えたら明らかに性能が向上した。幾つか見つけ次第分解、改造を許可する
・魂魄解析魔具
3/4オンスの重さの物を見るためだけに使われる道具。あるヒトは「魂は情報の塊だ」と言っていたが正しくは高密度のエネルギー体である。ヒトが生まれ落ちる瞬間、母体と父体の魂の一部が混ざり合い小さなカケラが出来上がる。(我々はコレのことを“種”と呼んでいる)この種が肉体の成長とともに大きくなっていき、やがて死亡時に世界へと還元される。その還元された魂は世界の層域の(おそらく)最下層へ送られ、世界を維持するエネルギーに変化する。先程フィルターの最下層とは言ったが実は未だ底は見えていない
用途:層域の最下層にある魂を観測し、生前何をしていたのかなどを解析することができる物である。
※還元されるエネルギーをなんとかして利用したいです。技術者一同へ通達、新たな漂着物を探し出してください
これらは一部のものでしかなく、氷山の一角どころかそこらの石にすら劣る程の成果と言っても過言ではないだろう。まだまだ全てとは言えない。例え毎日毎時間毎秒研究をしていたとしても無くならない。絶え間なく繰り返される研究、実験、考察を我々が漂着する以前からずっと何百何千何万何億何兆何京としている。“研究者”は既に狂っているのかもしれない
いつの日か彼に「何故ずっと研究をするのか」と問いかけてみた。すると、いつもは何も喋らないであろう彼はこう言った。「ソレこそが私の使命であり天命である」と。
理由は分からないが何故か切なく感じた
我々にはヒト手が足りない。
このレポートを閲覧しているであろう高次元存在の皆様へ、貴方の知識を活用してみませんか?
あなた方の多大なる知見を此処に吐き出していってください
(例)
・新たな漂着物
・新たな漂着ヒト
etc……
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