俺達のラブコメは聖地巡礼先で!?   作:yuurin

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ユリアと文芸部

「どうでした? 美咲さんとの会話は?」

 

「どうってあんな急に話降られても困るって。大体あんなイベントあったのか? その小説には」

 

「ないですけど折角のチャンスだったのでと思いまして。おせっかいでしたかね?」

 

「それもそうだが、問題がある。美咲に勘違いされてるぞ。俺とお前がデートするような仲だってな」

 

「ええ~! 私推しと恋愛は別で考えるタイプのオタクなんですけどぉ! それに推しと推しとの間に挟まるなんてだめで嫌なタイプのオタクじゃないですかぁ!」

 

 推しの恋愛に介入しておいてそれは今更じゃないのか?とは思うが。

 

「そこじゃなくてこのまま勘違いされ続けたら美咲と恋愛どころじゃないぞこれ」

 

「う~ん。でも推しとせっかく仲良く慣れたのに離れ離れもきついですよ~」

 

 未来人云々は俺も受け入れてしまっているが、今の美咲と仲良くなって恋愛することはまだ実感がわかないのだが。

 

「とりあえずあと何箇所か部活見たあとは文芸部見てもいいですか? ユウマさんの所属してる部活ですよね?」

 

「半分幽霊の読み専何だけどな。まあ部長あたりは喜ぶだろ。創作のネタになりそうなことは」

 

「部長ってあの眼鏡かけた……」

 

「やっぱりキャラとしているんだな? でも俺そんなに部長と仲良くないぞ?」

 

 そう言いながら部活を何箇所か回って、最後に文芸部の部室に到着した。ノックしてから部室に入る。

 中央に机があり、部屋の端にはソファーがある。反対側の壁には一面に様々なジャンルの書籍がびっちりと並んでいる。 

 そんな部室には先客がいた。メガネを掛けた上級生だ。

 

「お~久しぶり佐藤くんだっけ? と……その隣りにいるのは噂の転校生?」

 

「お久しぶりです部長。今大丈夫ですか?」

 

「大丈夫大丈夫。ちょうど今日脱稿したところだから。あとは賞に引っかかるか待ってる感じだからね」

 

「すみません失礼します! 留学生のユリアです! よろしくお願いします! 好きな本はラブコメ系で、文芸部があると聞いて興味持ったので来ました! よろしくお願いします!」

 

「おお~ピンク髪で爆乳で留学生でサブカルチャー好きとはこれはまた属性てんこ盛りな」

 

「部長、爆乳ってセクハラですよ~それ」

 

 と、奥からもう一人出てくる。文芸部にあまり似つかわしくないようなゆるふわカールの髪の毛をしたちょっとギャルっぽい先輩だ。

 

「それじゃあ自己紹介を。私は文芸部部長の香月莉央だ。そしてこっちは副部長の……」

 

「斎藤美也子で~す。副部長ってことになってま~す。基本読み専で~す」

 

 ユリアは到着早々ソワソワしている。写真とか撮りたくてしょうがないのだろう。アシストしてあげたほうが良いな。

 

「部長、ユリアさんはこの学校みたいなところが舞台の作品を読んでここに来ることを決めたそうなんです。それでその作品の中で文芸部が出てくるようで気になっているんだとか。部室の中って写真とか撮っても大丈夫ですか?」

 

「お~聖地巡礼ってやつだね? 良いよ良いよじゃんじゃん撮っちゃって? でもその代わりいろいろ質問してもいいかな?」

 

「はい! ありがとうございます! 答えられる範囲でなら何でも答えますよ!」

 

「う~んいい子だ。じゃあ遠慮なく創作の礎となってもらうか……」

 

 そうして写真を取りながらの質問タイムが始まった。

 ユリアと部長は二人で盛り上がっていて、余った俺と副部長はユリアを見ながら

 

「部長テンション高いですね」

 

「脱稿した直後はあんな感じですよ~。まあ今日はユリアさんのお陰でなおさらテンション高いですけど~」

 

「まあ貴重だしなぁ。美少女転校生と会話するなんてさ」

 

「まぁアタシ的には悠真君の方に話聞きたいっすね~。その美少女転校生を放課後連れ回してる色男じゃないっすか~」

 

「そういうあれじゃないよ。俺が文芸部員だから連れてきたって感じ」

 

「なんだぁ~。ラブコメ的な展開をちょっと期待してたのになぁ~」

 

「残念だったな」

 

 まあ実際はラブコメそのものが進行しているらしいのだが。

 

「それじゃあ悠真君。あたしとラブコメみたいなこと、してみる~?」

 

 そういいながら副部長は体をこっちに寄せてきた。

 

「だ、だめです! ユウマさんには……!」

 

 とユリアがこっちに気づいて近づいてくる。副部長は何を勘違いしたのかこっちを見ながら

 

「おやおや~? ユリアちゃんの方はまんざらでもないようですけどぉ~?」

 

「待って待ってなんで更に近づいてくるの?」

 

「あわわわわわわ。それはだめです解釈違いですぅ~!」

 

 とユリアに副部長は引き剥がされた。

 

「なんだ~。そういうことですか~。やっぱり色男じゃないっすか~」

 

「ちがうって! ほら! ユリアも違うって言って! ね? 俺の事好きじゃないよね?」

 

「いえ。私はユウマさんのこと好きですよ? ユウマさんも知ってるじゃないですか」

 

 このおバカ! しかしもう全ては手遅れだった。部長と副部長はニマニマしながら

 

「ほうほう。なるほどなるほど。これはいち早く広めなくては!」

 

「アタシも友達に教えとこ~。ユリアちゃんもう校内で人気っすから明日から大変っすよ~」

 

「だから違うって! ライク! ライクだから!」

 

「どっちかといえばラブよりなんですけどねぇ」

 

 もう良いから一回黙っててほしい! お願いだから!

 

「え~っ、でも悠真君のどこがそんなラブなんすか~?」

 

「そりゃ色々ありますよ! まずは優しいとこ!」

 

「あ~アタシもそれはわかるっす~。悠真君ってちょっとしたところで気を使えるタイプっすもんねぇ~」

 

「よくわかってるじゃないですか! あ! でも良くない! 推しが違う人になびいちゃうのは解釈違いです!」

 

「推しとか言われてるっすよ~佐藤君。もうすごいラブじゃないっすか~? これは本格的にこの優良物件を狙いに行ったほうが良いっすかね~?」

 

「なんかまた厄介になりそうな方向に話し持っていかないでくださいお願いします!」

 

「ふふ~。半分冗談っすよ~。まあアタシ的にはナシってわけじゃないくらいのライクなんでぇ~」

 

「俺は色んな人に好かれて嬉しいなぁ!」

 

 そうやけくそ気味に叫んだのだった。

 

 

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