ウルトラマンテラス   作:クォーターシェル

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合体怪獣 トライキング 頭脳星人 チブル星人キャエイト 有翼怪獣 パワードチャンドラー 宇宙ビジネスマン ヴァルカヌス星人 登場


第11話 三位一体の獣

日本のとある郊外、そこでウルトラマンテラスと1体の怪獣が対峙していた。テラスと対峙しているのは過去に何度か出現例のあるチャンドラーの亜種である怪獣、パワードチャンドラーだった。緑色のドラゴンやワイバーンを思わせる外見のパワードチャンドラーは、口から火球を吐き出す。火球で攻撃されたテラスは両腕を組んでガードする。

 

「ジュワッ!」

 

しかしパワードチャンドラーは攻撃の手を緩めず、テラスに向かって行く。テラスもパワードチャンドラーに接近する。パワードチャンドラーはクチバシでテラスを突こうとする。しかし、テラスはパワードチャンドラーのクチバシを片手で受け止め、逆にパワードチャンドラーに頭突きをかます。

 

「ジュッ!」

 

そしてテラスキックでパワードチャンドラーに蹴りを入れる。負けじとパワードチャンドラーは翼と一体化している腕を振るいテラスにぶつける。

 

「ジュアッ!?」

 

パワードチャンドラーの攻撃を受け、ダメージを受けるテラス。後退したテラスにパワードチャンドラーは両翼を羽ばたかせ突風、ウインド・スパイラルを放つ。猛烈な突風を受けて怯むテラス。そこにパワードチャンドラーが火球を連続で発射。

 

「ジュワアアアッ!?」

 

テラスは次々と被弾してしまうのだった。テラスのカラータイマーの点滅が始まる。勝ち誇るような咆哮をあげるパワードチャンドラー。しかし、テラスはその隙をついてパワードチャンドラーの胴体にタックルを喰らわせた。思わぬ攻撃で吹っ飛ばされるパワードチャンドラー。

 

「ジュアッ!!」

 

更にテラスは強力な切断力を持つ光輪、テラスラッシュを放った。テラスラッシュはそのままパワードチャンドラーの首をはね飛ばす。首を切断されたパワードチャンドラーの胴体はゆっくりと倒れ伏したのだった。それを確認したテラスはその場で膝をつき、そのまま縮小していった。そして物陰からテラスから変身を解除したレオが現れる。

 

「ぜえ……、ぜえ……」

 

レオは明らかに疲弊していた。歩くのもやっとという感じである。すると、そのレオの前にサヨメが現れた。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「ち、ちょっと休めばなんとか……」

 

「嘘をつくな。ここ最近ずっとそうではないか。あんな雑魚に苦戦するのもその証拠だ」

 

「……」

 

何も言えないレオ。実を言うと、この間のガストロポッドの事件の後からずっとこの調子だ。体温が高くなり、何をするのにも直ぐに疲れてしまう。テラスに変身してからの戦いにも支障が生じているレベルである。

 

「やはりあのガストロポッドの事件が引き金か?」

 

「……はい。あの時俺は、日本を救うために無茶をやりました。それで身体に強い負担がかかったみたいで……」

 

レオはそう答える。サヨメはそんなレオを見て、

 

「レオ、悪い事は言わない。病院に行くべきだ。お前の身体はお前が思っている以上に限界が来ている」

 

そう言った。

 

「でも、病院で検査されたら下手をしたら俺がウルトラマンってバレるかも……」

 

「宇宙人専用の闇病院を知っている……。そこならお前がウルトラマンという情報も広まらない筈だ」

 

サヨメの言葉に、レオは考えた。このまま黙っていても身体はよくならないし、ウルトラマンに変身する事がますます難しくなるだろう……。ならば、いっその事闇病院にかかってしまった方が良いのではないだろうか……?

 

「……分かりました」

 

そしてレオはサヨメと共に宇宙人専用の闇病院へ向かったのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

とある宇宙船の内部、そこでは巨大な頭部と退化した身体が特徴のキャエイトという名前のチブル星人が居た。

 

「はあ~、まだかなまだかな~?」

 

キャエイトは誰かを待っているようである。しばらくすると、宇宙船内部にモスグリーンのフードを被ったヒューマノイドタイプの宇宙人が入ってきた。彼はヴァルカヌス星人。主にビジネスマンをやっている種族である。ヴァルカヌス星人に気づいたキャエイトは、

 

「あっ、来た!」

 

と目を輝かせる。ヴァルカヌス星人は

 

「遅れた。しかし言われたものは持って来た」

 

と言う。彼は何を持って来たのだろうか?

 

「言っておくけど、全部あるよね?ゴルザに、メルバに、超コッヴの細胞とビクトリウム鉱石の欠片!」

 

キャエイトのその言葉にヴァルカヌス星人は、

 

「ビクトリウム鉱石の欠片は入手にかなり苦労したが、全て用意できている。そちらの対価としてチブロイド10万体と交換が今回の契約」

 

と言った。チブロイドはチブル星人の技術で作られたアンドロイドで、汎用性の高い兵士として使われる。チブル星人はビクトリウム鉱石の欠片と怪獣の細胞を手に入れる為にヴァルカヌス星人に協力を要請したのだった。

 

「そうそう、それで良いの」

 

キャエイトはそう言ってから、

 

「じゃあ早速始めよう!この宇宙船にドッキング中の貨物船にチブロイドは用意してあるから!」

 

貨物船のキーをヴァルカヌス星人に渡す。そしてヴァルカヌス星人はそれぞれカプセルに入れられている怪獣達の細胞と同じくカプセルに入れられた小指程のサイズの鉱石の欠片をキャエイトに渡した。

 

「これで契約は完了。私は帰らせてもらう」

 

チブロイドを手に入れたヴァルカヌス星人は自分が集めた物でこれから何が起きるのか興味はなく、チブロイドが搭載された貨物船と自らの宇宙船に乗って行ってしまった。

 

「あらあら~、折角面白いものを一緒に見ようと思ったのにつれないんだから!」

 

ヴァルカヌス星人を見送ったキャエイトは宇宙船内の装置に超古代怪獣ゴルザ、超古代竜メルバ、宇宙戦闘獣超コッヴのそれぞれの細胞、更にビクトリウム鉱石の欠片をセットする。

 

「んふふ~計算式が正しければ、これで強力な怪獣を作れる筈だよお」

 

キャエイトはそう呟く。そして装置を作動させるのだった……。

 

一方その頃地球では、地球の建物に偽装した闇病院の中にレオとサヨメは足を踏み入れていた。院内ではスタッフも患者も皆異星人の様だった。

 

「いらっしゃいませ。当院は初めてですか?」

 

受付のスタッフにそう尋ねられ、レオは

 

「はい」

 

と答える。すると受付のスタッフは、

 

「ではご説明しますね。この病院は宇宙人専用の闇病院です。なので貴方も安心して治療を受ける事が出来ます」

 

と言う。そしてサヨメが、

 

「私は付き添いだ」

 

と言った。受付のスタッフは頷いてから2人を連れて診察室へ入っていった……。

診察をするのは頭部の突起が特徴のケムール人だった。ケムール人の医師は、

 

「私はケムール人。ここでは医師をやってる」

 

と言う。レオは、

 

「あの……、ここは闇病院ですよね?宇宙人専用の……」

 

と問う。すると医師は

 

「ああ、そうだ。だが安心しな、俺は宇宙人の事情に首を突っ込むつもりは無いから」

 

と答えた。そしてサヨメが、

 

「なら良いのだがな」

 

と呟く。医師はレオのカルテを見ながら言う。

 

「で、症状についていくつか質問した後、精密検査をしよう」

 

そして医師は2人に質問する。レオの症状は、体温が上昇し、身体もだるく感じる事。

 

「成程……。ではレオ君」

 

そう言ってケムール人の医師はレオに様々な検査をしていった。その結果……、

 

「これは……」

 

と驚く医師。そして、

 

「非常に言いづらいのだが……、君の命はもう長くないだろう……」

 

と言う。レオはそれを聞いて、

 

「ほ、本当ですか……?」

 

と言って震える。ケムール人の医師は、

 

「君の体内に高純度のエネルギーの塊のようなものが存在していて、それが君の身体を蝕んでいる。このまま症状が進行すれば、程なくして君の肉体は崩壊を迎えるだろう……」

 

と説明する。そしてレオは医師に、

 

「そのエネルギーの塊を取り除く事は出来ないんですか?」

 

と聞く。しかしケムール人の医師は首を横に振り、

 

「残念だが、今の技術では無理だ」

 

と言う。それを聞いたサヨメが、

 

「他に方法は?」

 

と尋ねる。ケムール人は

 

「殿奈君、なぜこんなエネルギーが体内に存在するようになったか分かるかね?君の直前直後の行動を思い返せばなにかヒントがあるかもしれない」

 

と聞く。レオは、

 

「確か俺は地中に潜りドンドン深い所に進んで行った……。で、強力なエネルギーが奔流する場所にたどり着いた。その時他に命なんて居なかった筈なのに何かの気配がしたような……、それで俺は一旦その場所のエネルギーを取り込んで地下から地表、地表から成層圏へ出すイメージで放出した。エネルギーの放出自体は成功したが……、そうだ、その時に体内に残留したエネルギーがあったんだ」

 

と自分の体験を話すのだった。それを聞いたケムール人の医師は、

 

「そうか……。その残留したエネルギーが君の身体を蝕んでいるのか……」

 

と言う。サヨメは、

 

「ではその残留したエネルギーを除去する事は出来ないか?」

 

と聞く。しかしケムール人の医師は首を横に振って言う。

 

「残念だがそれは無理だ。今の技術では」

 

そんなやり取りが続き、レオは医師に、

 

「俺はもう助からないってことですか……?」

 

問うが、ケムール人の医師は

 

「君を蝕んでいるエネルギーは恐らく、この星地球そのもののエネルギーだ。そして私は1人そのエネルギーの扱いに長けた存在を知ってる」

 

と言う。そしてサヨメは、

 

「それは?」

 

と聞く。ケムール人の医師は、

 

「この地球に古くから存在する神だ」

 

と答えたのだった……。

 

「神……?」

 

ケムール人の医師の言葉に驚くレオ。ケムール人の医者は言う、

 

「神というのも比喩かな?とにかくこの星のエネルギーを司るとされる存在が居る。君の症状を何とかできるとしたら、それしか無いだろう」

 

「そんな存在が……。で、その神様は何処に?」

 

レオの問いに、ケムール人の医師は

 

「日本の関東エリアの一角に存在する神社にその存在は祀られている。コンタクトを取るにはそこに行くのがいいだろうな」

 

と教えた。それを聞いたレオは、

 

「ありがとうございます」

 

と言ってから診察室を出て行った……。

 

そしてサヨメも、

 

「世話になったな」

 

と言ってから診察室を出たのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

レオとサヨメは医師から教えられた場所に向かい、その神社の前に来た。

 

「ここが九頭龍神社か……」

 

レオは神社の名前を見て呟く。そしてサヨメが、

 

「この星に古くから存在する神……か」

 

と呟いた。するとそこに、

 

「おや、珍しいお客さんですね」

 

と言う声が聞こえた。2人はその声のする方向を見る。そこには神職と思わしき服装の男性が居たのだった。彼は2人を見ると微笑んで言う。

 

「私はここの神主をしている者です」

 

2人の前に現れた彼は九頭龍神社の神主の様だ。レオは、

 

「すみません。田三川さんの紹介で来た者なんですけど……」

 

と神主に尋ねる。田三川というのはケムール人の医師が地球で使っている名前だ。神主は、

 

「ああ、田三川さんから話は聞いてます。さあ、中へどうぞ」

 

と言って神社の中に2人を案内したのだった……。

九頭龍神社の境内に入ったレオとサヨメはそこでお参りをした。そして神主が、

 

「ではこちらに……」

 

と言い2人を連れて本殿へ向かう。そして本殿に着き、神主は2人にある事を聞いた。

 

「ところでお2人は何をお願いしました?」

 

その問いにサヨメは、

 

「一族の繁栄だな」

 

と答え、レオは

 

「一刻も早くこの不調が良くなることです」

 

そう答える。神主は、

 

「そうですか。ならお2人にとって良い結果が訪れますように……」

 

と言った。そしてレオは神主に聞く。

 

「あの……、神様に会えるって本当ですか?」

 

すると神主は言う。

 

「ふむ、それは人によりますね。この神社に祀られているのは壬龍大明神と言って、大地のエネルギーの道、『地脈』を司っているとされています。そしてこの神社にも『地脈』が通っていて、それが壬龍大明神の神域に通じてると言われています」

 

「へえ……!」

 

「『地脈』……」

 

神主の説明に感嘆するレオとサヨメ。そして、

 

「壬龍大明神の神域に通じる道……か」

 

と言う。それを聞いた神主は、

 

「はい。しかもその道は一年に一度の大祭の時以外は常に閉ざされていますからねえ……。ですから大祭以外ではお目にかかるのは難しいかもしれません」

 

と言った。するとサヨメは、

 

「それはいつだ?」

 

と聞く。神主はそれに答えた。

 

「2ヶ月後になりますね」

 

「2か月!?それまでに身体が持つか分からないんだけど……」

 

レオは頭を抱える。ケムール人の医師は何時までに身体が限界を迎えるかは言わなかったが、とても間に合う気がしなかった……。

 

「ふむ、ならこうしましょう。普段は立入禁止にしてある神域に繋がっているとされる洞窟に特別に招待しましょう。大祭の時期では無いので、壬龍大明神に逢えるかは保証しかねますが」

 

神主の言葉に、レオは

 

「本当ですか!?」

 

と驚く。サヨメも、

 

「それはありがたいな」

 

と言った。そして神主は、

 

「では早速行きましょうか。ついて来て下さい」

 

2人を連れて神社の本殿の裏にある洞窟に向かったのだった……。九頭龍神社の裏手の洞窟に入った2人はその奥にあった祠の前に来た。すると神主は、

 

「ここが壬龍大明神の神域に通じていると言われる祠です」

 

と言う。サヨメは、

 

「ここがか……」

 

と呟く。そしてレオが神主に聞く。

 

「この奥に……?」

 

「ええ、まあ正確にはその奥にある洞窟ですが……。さあ、行きましょう」

 

神主はそう言って祠の扉を開ける。するとそこには地下に続く階段があった。それを見たレオは言う。

 

「これが地脈に通じる道……」

 

そして3人は階段を降りていくのだった……。

しばらくすると、河が流れている場所に来た。地下の河、地下水脈だろう。神主が、

 

「ここで歴代の神主達は神秘的体験をしたそうです。私はまだそういうことに立ち会っては居ないのですが」

 

と言う。サヨメは、

 

「神秘的体験か……。しかし何故ここまで厳重に閉じているのだ?」

 

と神主に問う。すると神主は答えた。

 

「ここは『地脈』ですから。気の流れがとても重要です。故に無闇に人に触らせる訳には行かないのですよ」

 

それを聞いたレオは言う。

 

「でも俺はこうして中に入れてますよ……」

 

すると神主は笑って答えた。

 

「貴方は特別ですよ。今の貴方の体内には地のエネルギーが溜まっている様子。言わば今の貴方は『神』が宿っているようなもの。それに直接河に触れなければ何か起こることは無いでしょうね」

 

「そうですか。じゃあ俺がこの河に触れれば何か起きるのかな?」

 

レオの問いに神主は言う。

 

「恐らくは」

 

「じゃあ、あまり汚さないように触れてみますね……」

 

そう言ってレオが河に手を出そうとした時、洞窟内が揺れる。

 

「なんだ?」

 

3人が来た道を戻り、洞窟を出ると遠目に怪獣が立っているの見えた。その怪獣は3体の怪獣が融合したような見た目だった。怪獣の名はトライキング。チブル星人キャエイトがゴルザ、メルバ、超コッヴの細胞とビクトリウム鉱石を合成して生み出した合体怪獣である。トライキングの上空に滞空する宇宙船からキャエイトの声が響き渡る。

 

「地球のみなさ~ん!今日は僕が生み出したトライキングの試運転に付き合ってもらうよ!これからトライキングが暴れるけど、それで死んじゃった場合はゴメンね!」

 

そのキャエイトの言葉と共に、トライキングは活動を開始した。レオ達が見守る中、トライキングは街を破壊し始めた。

 

「これは……!?」

 

驚くサヨメ。そしてレオが言う。

 

「止めないと……!」

 

そう言ってレオは変身アイテムのサンフラッシャーを構える。しかし神主が、

 

「お待ちを!今の貴方ではあの怪獣に勝てないでしょう」

 

と止める。しかしレオとサヨメは目の前の事態を放っておく気は無かった。

 

「でも、このままあの怪獣を放っておく訳にはいかない!俺は行かなきゃ……!」

 

レオはそう言ってサンフラッシャーを起動させ、サヨメもバルタン星人の姿に戻り巨大化していく。そしてウルトラマンテラスとバルタン星人サヨメが街を破壊するトライキングの前に降り立った。

 

「おや?あれはウルトラマンテラス!トライキングちゃん!やっちゃって!」

 

宇宙船内のキャエイトはテラス達の出現に対しても余裕を崩さず、トライキングに命令を下す。

 

それを聞いたトライキングは額から光線を発射する。しかしテラスとサヨメはそれを躱し、テラスがそのままトライキングに飛びかかる。だが、テラスの拳が届く寸前にその一撃を受け流したトライキングはそのまま地面に叩き伏せる。

 

「グアッ!?」

 

地面に叩きつけられたテラスは苦しそうな声を上げる。そこにバルタン星人サヨメが飛びかかり、ハサミで攻撃していく。しかしそれもトライキングの強固な装甲には傷一つ付けず、逆にサヨメが弾き飛ばされてしまう。

 

「ジュウアッ!?」「グゥ……!」

 

強敵トライキングを前に2人は苦戦するのだった。 次回に続く……

 




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