ウルトラマンテラス   作:クォーターシェル

15 / 28
どくろ怪獣 レッドキング 火山怪鳥 バードン アースロポッドタイプビースト バンピーラ 友好珍獣 ピグモン 怪奇植物 スフラン 宇宙怪人 セミ人間 登場


第14話 SOSスフラン島!

殿奈レオが宇宙人製のAI、メカ子と同居するようになって数日、

 

「えーとっ、銀行通帳はっと」

 

『マスター。マスターの銀行通帳ならマスターの鞄の右奥のスペースに入っています』

 

「……。なんで分かるの?」

 

『私はマスターのスマホと連動しています。なので、マスターが何処に何をしまっているかは把握しています』

 

(なんか怖いな……)

 

そんな事を思いながらレオは鞄を漁る。すると、確かに通帳が入っていた。そしてレオはその通帳を見て驚愕した。

 

「え!?残高が1億越えてる!?」

 

『はい。この星雲荘の家賃や光熱費などは全て私が支払いましたので』

 

「ええ……、どうやってこの金を稼いだの?」

 

レオはメカ子に尋ねる。

 

『マスターの資産の1割を元手に、株などでちょちょいと』

 

「ちょちょいと……」

 

『はい。ちょちょいと』

 

「……」

 

『……』

 

「……、まあとにかくありがとね」

 

とレオはメカ子に礼を言うのだった……。

 

そしてまたある日の事、レオは怪獣研究会の部室でトオルやワトと共に資料を纏めていた。

 

「テラスの新しい姿、ありゃ凄いな」

 

「私は生で見てないけどそんな凄かったの?」

 

トオルとワトは作業をしながらウルトラマンテラスの新しい形態、フォトンアースについて話していた。

 

「ああ、ありゃ並の怪獣なんて指先一つでダウンだろうな」

 

「それは流石に言いすぎじゃない?」

 

「いや、あれは本当に凄かった」

 

レオはトオルに同意する。話を合わせたが自分の事だったので内心恥ずかしかったが。そんな時、研究会部室に1人の人物が入ってくる。

 

「怪獣研究会は居るかい?」

 

「家志准教授?」

 

入って来たのはこの城東大学に所属する教員の1人、家志(やし)准教授だった。

 

「家志准教授。どうしたんですか?」

 

レオは尋ねる。すると、

 

「実はね。君達に手伝ってもらいたいことがあるんだ」

 

「なんでしょう?」

 

「簡単に言えばフィールドワークに同行してもらいたいんだ。人員が欲しくてね」

 

「フィールドワークですか?」

 

ワトが尋ねる。

 

「そう、実はある島での調査に同行してもらいたいんだ」

 

と家志准教授は言う。ワトは首を傾げながら質問する。

 

「なんで私達なんですか?」

 

「その島には怪獣がいてね、怪獣研究会の君達ならついて来てくれると思ったんだ。頼む!単位に大幅なボーナスを付けるから!」

 

家志准教授は頭を下げる。

 

「どうする?」

 

とトオル。

 

「まあ、いいんじゃないですか?単位にボーナスも付くし」

 

レオが答える。すると、

 

「よし!決まりだ!」

 

家志准教授は嬉しそうに言ったのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

1週間後、レオ達は船に乗ってその島に向かっていた。そして島に到着すると、

 

「此処が調査する島ですか……」

 

到着した島は熱帯の環境で、ジャングルが広がっているようである。家志准教授が、

 

「ああ、ここがスフラン島だ」

 

「確か、戦時中は日本軍もアメリカ軍も駐留を諦めたんだそうですね?」

 

「そう。気を付けろよ、命からがらここを脱出した軍人はこの島を『緑の地獄』と称したそうだ……」

 

「『緑の地獄』か……。確かにその名は相応しいですね……」

 

レオはスフラン島を眺めながら呟く。家志准教授は、

 

「じゃあ早速調査に入ろう!」

 

と号令をかける。そして一行は島のジャングルに入っていった……。

ジャングルをしばらく進むと、レオに植物のツタが絡んでくる

 

「これは……!?」

 

「どうした?殿奈」

 

とトオル。

 

「ああ、それはスフラン。この島の名前の由来にもなった吸血植物で、そうやってツタを絡ませた生き物から血を吸うんだ」

 

家志准教授のその言葉にレオは、

 

「早く言ってください!」

 

とスフランのツタを払いのける。そして、

 

「早く引き剝がして下さい!」

 

と家志助教授に言う。しかし、家志准教授は笑いながら、

 

「いやあ、すまんね!君のリアクションが面白すぎてつい……」

 

と言うとレオは怒りながらスフランのツタを引き剥がすのだった……。

 

「この野郎ー!!」

 

『マスター落ち着いて下さい』

 

「あ、ああ」

 

スマホから聞こえる声に冷静さを取り戻すレオだった。するとワトが、

 

「それにしても、ピグモンは何処にいるのかな?」

 

そう一行の調査の目的はこの島で目撃された珍獣ピグモンの捜索だった。小柄で赤い体色のピグモンは他にも別個体が主に熱帯地域で発見されており、家志准教授はピグモンの体液の成分を採取するのが目標である。そして、しばらく調査していると、遠くから何かの鳴き声が聞こえてくる。

 

「怪獣の鳴き声か?」

 

トオルが耳をすます。家志准教授は

 

「おそらくバードンの鳴き声だな」

 

と言う。ワトが

 

「バードンって人間を食べる鳥の怪獣ですよね?もし見つかったら……」

 

「ああ、食べられてしまうだろうな……」

 

家志准教授はワトに言う。

 

「つまりピグモンを探すのと同時に他の怪獣に見つからないようにしないといけない訳か……」

 

そうトオルが呟く。そして、一行はバードンの鳴き声のする方向とは逆に向かって行った……。

 

しばらく歩いていると、一行の前に大きな岩山が現れる。

 

「おやあ、岩山だ」

 

「迂回するしかないようだな」

 

そう言っていると、

 

『前方に存在するのは岩山ではありません』

 

「何?」

 

スマホのメカ子の声に反応するレオ。すると、岩山が身じろぎしだす。

 

「えっ!?」

 

よくよく見ると、それは昼寝中の怪獣レッドキングだった。

 

「うおっ!?」

 

尻もちをつくトオル。レッドキングは矮小な人間には気づいていない様で、鼻提灯を膨らませている。

 

「こいつが目覚める前に退散しよう!」

 

小声で家志准教授が言う。そして、一行はレッドキングの前をそーっと通って行った……。

その後も一行の探索は続いたがピグモンの姿は無く、バードンの鳴き声もたまに聞こえるだけだった。

 

「あー、何処にいるんだ?ピグモン」

 

とトオル。ワトは周囲を見回しながら言う。

 

「中々見つからないね……」

 

「他のでかい怪獣と違ってピグモンは人間の子供程の背丈しか無いからな、見つけにくいのも無理ない」

 

家志准教授が答える。すると、レオは何かに気づいたようで、

 

「ん?」

 

「どうした?殿奈」

 

とトオル。

 

「いや、何かがこちらへ近づく様な音がして……」

 

すると、一行の前に蜘蛛の様な姿の怪獣、バンピーラが現れた。

 

「また怪獣!?」

 

「怪獣だらけだなこの島は!!」

 

バンピーラはレオ達を餌と認識したのか近づいてくる。

 

「早く逃げよう!」

 

「しかしどっちに!?」

 

すると、茂みを掻き分けて赤い体色の身長が1メートルを越すかどうかといった背丈の怪獣が現れた。

 

「もしかしてピグモン!?」

 

「間違いない!ピグモンだ!」

 

ピグモンは一行に向かって手招きをしている。

 

「ピグモンが俺達を呼んでいる?」

 

「どうやらそうらしいな。ついて行ってみよう」

 

家志准教授のその言葉に一行はピグモンの後をついて行った……。

 

そして、一行がしばらく歩くと、岩山の洞窟にたどり着いた。洞窟の中に入っていくと一行の後をつけていたバンピーラは洞窟の中に入れず、しばらく洞窟の入り口の前に居たが、しびれを切らしたのかその場から去っていった。

 

「ありがとう、助かったよ」

 

レオはピグモンに感謝の言葉を言う。するとピグモンは礼を返すようなジェスチャーをする。そして、洞窟の奥へと進んでいくとそこには大きな湖があった。

 

「ピグモンの水飲み場か。とりあえず休もうぜ」

 

と、トオルはその場にあった岩に腰かける。そしてピグモンもその場に座り込む。

 

「しかし、こんな所があったんだね」

 

とワト。すると、家志准教授が採血器の様なものを取り出す。

 

「よし、忘れかけていたが、本来の目的であるピグモンの体液を採取するとするか」

 

「ええ……、いくら何でもそれは恩を仇で返すと言うか……」

 

「何を言っている!彼の血でも涙でも涎でもいい。成分を分析すれば貴重な薬を作ることもできるかもしれないのだぞ!?」

 

「いや、それはそうですが……」

 

「何か可哀想……」

 

レオ達は家志准教授のやり方に難色を示す。すると、ピグモンはレオ達の前に来て何かを訴えるような仕草をしている。

 

「ん?どうしたんだ?」

 

とトオル。すると、ピグモンは洞窟の奥へと進んでいく。

 

「ついて来いって言ってるのか……?」

 

そして一行はピグモンの後をついて行った……。洞窟の奥へ進んでいくと、1人の異星人が寝かされていた。その異星人の頭はまるで地球の蝉のようである。

 

「異星人?」

 

その言葉に気づいたセミ人間は、

 

「おお、もしかして救助隊ですか?」

 

と身を起こす。レオは

 

「貴方は遭難しているのか?」

 

と尋ねる。

 

「はい。私はチルソニア遊星という所からやって来たのですが、この島に旅行に来た時に怪獣に襲われて怪我をしました。それでこのガラモンに似た生き物に助けられてこの洞窟に身を潜めていたのです」

 

「なるほど。それで救助隊と……」

 

レオがそう言う。トオルは

 

「どうしますか家志准教授?この蝉みたいな人を助けますか?」

 

と家志准教授に問う。

 

「そうだな、放ってはおけないだろう。仕方ない、この人を連れて一旦島を出よう」

 

家志准教授はそう言う。そうして一行は島から脱出することにした。洞窟から出た一行は怪我をしているセミ人間を連れて、船を停めてある海岸に向かう。一行はピグモンの先導で海岸に向かうが、

 

「げっ、またかよ!?」

 

バンピーラが海岸への道を塞ぐように現れた。

 

「まずいな、一旦元来た道を……」

 

と家志准教授が言うがその時、

 

「あれを!」

 

一行とバンピーラの元に、鮮やかな色の羽毛を持つ鳥の怪獣、バードンが降りて来た。虫の怪獣としての本能が警告したのか、バンピーラはバードンを威嚇する。

 

「おいおい!挟まれたぞ!」

 

トオルは叫ぶ。レオは一行がバンピーラとバードンに注目している隙に茂みに飛び込みサンフラッシャーを起動する。レオはウルトラマンテラスに変身し、道を塞ぐバンピーラに体当たりした。後退するバンピーラ。家志准教授が、

 

「今の内に進むぞ!」

 

と言い、一行は海岸に向かう。それを確認したテラスはバードンとバンピーラに対峙する。

 

「ジュアッ!」

 

バードンとバンピーラにシュリケンショットを放つテラス。シュリケンショットを受けたバードンは怒り出し口から火炎を放つ。しかしテラスは火炎を避けながらバードンと距離を取り、カラータイマーからの光線であるタイマーショットを放つ。

 

「ジュアッ!」

 

バードンも負けじと強烈な火炎を吐くが、テラスはそれを避けつつ確実に攻撃を当てていく。一方、敵が増えて戦局が不利と判断したのか、バンピーラはその場から逃げ出そうとする。

 

しかし、逃げようとするバンピーラの前方に島の騒ぎを聞きつけたのかレッドキングが現れた。レッドキングはバンピーラを殴りつけ、バンピーラは転がってテラスに激突した。

 

「ジュアッ!?」

 

テラスは突然バンピーラがぶつかって来た事でバランスを崩してしまう。バードンはその隙を逃さずに火炎を放つ。

 

「ジュアァッ!」

 

テラスは避けようとするが、バンピーラの衝突でバランスを崩していた為か上手く避ける事が出来ず直撃を受けてしまった。

 

「ジュアアアアッ!!」

 

よろめくテラス。バンピーラは今度こそ逃げようとするが、今度はバードンに逃げ道を塞がれてしまう。抵抗しようと糸を吹きかけるバンピーラだったが、バードンはバンピーラの糸をものともせずに猛毒を含んだクチバシでバンピーラを何度もつつく。

 

バンピーラはバードンにつつかれる度に少しずつ弱っていく。そして遂に力尽きて倒れてしまうのであった。一方、テラスはこの場に乱入してきたレッドキングと力比べをしていた。力自慢のレッドキングはテラスを押していく。

 

「ジュアア……!」

 

レッドキングの腕力に押されるテラスであったが、

 

「ジュアッ!」

 

テラスはレッドキングの腹に蹴りを入れ、怯んだ隙に距離を取る。すると、今度はバンピーラを倒したバードンが飛行してきて、口から火球を放ってテラスやレッドキングを攻撃する。

 

「ジュッ!?」

 

火球を受けて怯むテラス。レッドキングは反撃とばかりに空中のバードンに岩を投げつける。岩をぶつけられたバードンはバランスを崩して陸に降り立つ。その時テラスの身体を蒼い光が包み、テラスはテラス・フォトンアースに強化変身したのだった。

 

「ジュアッ!」

 

テラス・フォトンアースはレッドキングとバードンに向かって手をかざす。すると、テラス・フォトンアースの周囲の地面から蒼い龍の首の幻影が複数出現し、2体の怪獣に向けて電撃を放った。

 

電撃を受けた2体の怪獣は火花を散らして後退する。これこそテラス・フォトンアースのドラゴン・イリュージョンだ!レッドキングは負けじと大岩をテラス・フォトンアースに投げつけるが、

 

「ジュアッ!」

 

テラス・フォトンアースが投げつけられた大岩に手をかざすと、大岩が空中で静止し、粉々になったかと思うと岩の弾丸となってレッドキングとバードンの頭上に降り注いだ。テラス・フォトンアースの超能力を前にまたしてもダメージを受ける2体の怪獣。

 

さらにテラス・フォトンアースは腕を十字に組んでオーラムサンジェントをレッドキングに発射した。オーラムサンジェントが命中し爆発するレッドキング。それを見たバードンは空を飛んで逃げようとするが、すかさずテラス・フォトンアースは腕をL字に組み、光線技オーラムエルロンをバードンに発射し命中させる。オーラムエルロンを受けたバードンは絶命し海上に落下してそのまま海中に沈んで行ったのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

一行は島から脱出するべく船に乗り込んでいた。そんな時、

 

「そういえば殿奈はどうした?」

 

一行はやっとレオがその場に居ない事に気がついた。しかし、

 

「おーい!おいていかないでくれー!」

 

ジャングルから脱出したレオが走ってくる。

 

「なんだ殿奈、はぐれたのかと思ったぞ」

 

家志准教授は安心したように言う。するとワトは、

 

「殿奈君大丈夫?怪我してない?」

 

と心配している。レオは、

 

「ああ……、大丈夫だ……」

 

と息切れしながら答える。そんな時トオルが、

 

「それより早く島から脱出しようぜ!」

 

と言う。一行は急いで船を出すのだった……。すると、セミ人間が

 

「あれを見てください!」

 

とスフラン島の方を指さす。すると、海岸でピグモンが手を振っているのが見えた。

 

「あっ、そういえばピグモンの体液を採取するのを忘れていた!」

 

そう言う家志准教授だったが、レオは、

 

「俺は戻りませんよ」

 

と言い、トオルとワトも

 

「命がいくつあっても足りないしな」

 

「ピグモンは可愛かったけどね……」

 

と同意する。

 

「はあ……」

 

と家志准教授はため息を漏らすのだった……。

そしてスフラン島から脱出した一行は、救助したセミ人間を然るべき機関に保護してもらい日本へ帰還したのだった。

 




駄文閲覧ありがとうございました。ご感想等お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。