ウルトラマンテラス   作:クォーターシェル

26 / 28
再生怪獣 ライブキング 登場


第25話 甘党怪獣を追え

ここは北米のとある郊外、1体の怪獣がお菓子工場に向かって進撃していた。その怪獣はカモノハシのような顔に大きな腹が特徴的で、人間の笑い声のような鳴き声を発している。その怪獣に向けて、地球防衛隊北米エリア担当の戦闘機隊と戦車隊が攻撃を加えていた。戦闘機のミサイルが、戦車の砲撃が怪獣に命中するがその怪獣は怯まず進撃を続ける。そして、

 

「ウヒャハハハハッ!」

 

と鳴き声を出し口から火炎を吐いて戦闘機や戦車隊を攻撃するのだった。こちらの攻撃が効かず、逆に反撃されるのを見た防衛隊の指揮官は、

 

「正攻法ではダメか。作戦Bに切り替える!戦闘機隊と戦車隊を後退させろ!」

 

と指示をする。戦闘機や戦車は怪獣から後退する。そして、怪獣はお菓子工場に到達して、お菓子の貯蔵庫を破壊し中にあったお菓子を食べ始める。そうして怪獣がお菓子を食べているのを確認した指揮官は、

 

「よし、飲み込んだようだな。爆破開始!」

 

と指示を出す。すると怪獣の身体は内部から爆発して粉々に吹っ飛んだ。この怪獣……、後にライブキングと名付けられたこいつはこれまでにいくつものお菓子工場を襲っており、それに目をつけた地球防衛隊が、ライブキングの食べるお菓子に爆弾を混ぜて食べさせ内部から爆破する作戦を展開したのだ。そして、作戦は見事に成功しライブキングは倒された……、筈だった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

それから一週間程後、月夜市では北米で倒された筈のライブキングが出現していた。そしてそれに対し、ウルトラマンテラスが登場する。テラスはライブキングに接近し、何発か打撃をくらわせる。それが効いているのか効いていないのか、ライブキングは笑い声を出しながらテラスに反撃として怪力で殴りつける。テラスも格闘戦に挑むが、ライブキングの怪力に押されてしまう。

 

「ジュアアッ!?」

 

怯んだテラスにライブキングは口から火炎放射を放つ。テラスは何とか後退して火炎放射を避けるのだった。テラスはシュリケンショットをライブキングに発射しながら、再び肉弾戦に持ち込むがやはり殴り合いで劣勢になる。

 

業を煮やしたテラスはテラス・フォトンアースに強化変身する。そして、チョップやパンチを浴びせてライブキングを後退させると、腕を十字に組んでオーラムサンジェントを発射した。オーラムサンジェントを受けたライブキングは爆発四散したのだった。それを確認したテラス・フォトンアースは空に飛び立った。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

その翌日、レオが星雲荘に帰ってくるとポストに手紙が入っていた。

 

「おや、切手が貼ってない……」

 

封筒を開けて確かめてみると、差出人は同じ星雲荘の205号室の住人、グロースからだった。

 

『2人で会って話したいこと、やりたいことがある。市内の下記の場所で待っている』

 

手紙の内容は要約するとそんな感じであった。それを見たレオは、

 

「一体どうしたんだろう……、グロースさん」

 

と首を傾げるのだった……。レオは指定された場所である廃工場に行くことにした。廃工場に到着すると、軍服を着こなした女性……、グロースが腕を組みながら待っていた。

 

「グロースさん、話ってなんでしょうか……?」

 

レオがグロースに尋ねると彼女は、

 

「単刀直入に言おう。殿奈レオ、いやウルトラマンテラス。私と手合わせを願いたい」

 

と申し出た。レオは、

 

「!?俺の秘密、知っているんですか!?」

 

と驚き、グロースは、

 

「ああ、知っている。この間疑念が確信に変わった」

 

と言う。レオは戸惑いつつも話を続ける。

 

「な、なぜ俺と手合わせなんて……。そもそも俺がウルトラマンだって分かっていて何故……」

 

そう聞くと、

 

「私は武人だ。だから強い者に憧れるのさ」

 

と答えるのだった。それを聞いたレオは、

 

「分かりました。殺し合いじゃ無ければいいですけど……」

 

と答えると、

 

「殺し合いなどする気はない。私はただ強い者と戦ってみたいだけだ」

 

と返答がくる。そして、

 

「さあ、始めようか!」

 

と言い、グロースは自分の姿を地球人から、氷の様な体表を持つ本来の姿であるグローザ星系人に変化させる。レオもサンフラッシャーを起動し、人間大のウルトラマンテラスに変身するのだった。

 

「ジュアアァッ!」

 

テラスは雄叫びを上げながらグロースに飛び蹴りをくらわせる。しかし、グロースはそれを腕でガードする。そして反撃とばかりに腕から剣を伸ばしてテラスに切りかかっていく。

 

「ハアッ!」

 

テラスは側転してその攻撃をかわした。そして、

 

「ジュアッ!」

 

と叫んでグロースにパンチをくらわせる。しかし、グロースはその腕を掴み、そのまま投げ飛ばした。そして剣を構えてテラスに向かって行く。テラスも腕にエネルギーを纏わせて、迎え撃つ。テラスの手刀とグロースの剣がぶつかり合うのだった。

 

「ジュアァッ!」

 

テラスは蹴りでグロースを後退させると、そのまま跳躍してパンチを放つ。しかしそれを剣で受け止められてしまい、その隙に剣を振り下ろされてしまいテラスが怯む。それを見たグロースは、

 

「どうした!この程度か!?」

 

と言ってテラスに向かって剣を振り下ろす。なんとか手刀で弾き返すが防戦一方だ。そして再び剣による攻撃をくらってしまうのだった……。更に試合は続き、テラスはエネルギーを纏わせた手刀でグロースの剣を叩き折った。

 

「ジュアッ!」

 

「むっ!」

 

自分の剣がぽっきりと折られたのを確認したグロースは、

 

「……取り敢えず十分だ。この辺で止めにしよう」

 

と言って地球人の姿に戻る。それを見たテラスもレオの姿に戻ったのだった。

 

「レオ、君は強い。その強さの秘訣は何だ?」

 

とグロースが聞く。レオは、

 

「俺は強くなんかないですよ。それに、俺の強さの秘訣なんて……」

 

と答えるがグロースは、

 

「いいや、君の強さは本物だ。それは私が保証する」

 

と言うのだった。それを聞いたレオは、

 

「ありがとうございます……。でも、俺自身の強さって一体何なんでしょうね……?」

 

と首を傾げるのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

その後、2人は廃工場を出て話をする。

 

「グロースさんは、どうして地球に?」

 

「単純な話だ。強い者を求めて地球に来た。それと……」

 

グロースが端末を操作して画面を見せる。そこにはパフェやケーキなどのスイーツの画像があった。

 

「これは……」

 

「この星の甘味にハマってしまってな。この間の京都旅行でも生八つ橋などを頂いた」

 

「ああ、あの八つ橋ですか。確かに美味しいですよね」

 

「ああ、とても美味かった」

 

そんな会話をする2人。そしてグレースが、

 

「この後、この先にあるケーキ屋で何かを買って帰る事にしている。お前もどうだ?」

 

と聞くと、レオは、

 

「そうですね。偶にはいいかも……」

 

と言うのだった……。そして2人がケーキ屋に近づくとケーキ屋の方から悲鳴が上がった。

 

「なんだ!?」

 

「強盗でも入ったか!?」

 

2人がケーキ屋の所まで行くとそこでは。

 

「ハハハハハハハハッ!」

 

なんと人間大のライブキングがケーキ屋のショーケースを壊してケーキを貪っていた。

 

「なっ!?」

 

レオは驚いた。ついこの間倒した筈の怪獣が人間くらいのサイズになって、元気にしていたからだ。

 

「貴様……、やめろ!」

 

グロースはライブキングに殴り掛かる。すると、ライブキングは笑い声を上げながらケーキ屋から逃走する。レオとグロースはライブキングを追うのだった。

笑い声を出しながら逃走するライブキングを追跡する2人。すると、

 

「アヒャヒャヒャヒャ!」

 

なんと、ライブキングがもう1体現れて1体目のライブキングと並走する。

 

「むっ!?」

 

「どうなっているんだ!?」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

月夜市に現れた人間大のライブキングは1体や2体では無かった。

 

「キャーッ!!」

 

「ウワッー!?」

 

市内のあちこちにライブキングが出現し、どの個体も各商店の食品コーナーを襲撃してお菓子を強奪して食べていたのだ。月夜市の人々は混乱し逃げ惑う。やがて、お菓子をたんまり食べたライブキング達はある地点を目指して走り出すのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

ライブキング達を追うレオとグロースだが、逃走するライブキング達はその数を増していき、その数は数十体にも及んでいた。

 

「こいつら何匹いるんだ!?」

 

「さあな!だが、こいつらを野放しには出来ない!」

 

グロースはそう叫ぶとライブキングの1体に向かって飛び蹴りを放つ。しかしそれは躱されてしまう。そしてもう1体がレオに火炎放射を放ち、レオはそれを何とか躱す。2体のライブキングは更にレオに飛びかかるが、それをなんとか回避するのだった。そんなこんなで追跡を続ける内にレオは、

 

「ん?この辺はこの間デカい時のこいつと戦った辺りか?」

 

という事に気づく。グロースが、

 

「そうなのか?」

 

と尋ねるとレオは、

 

「多分……」

 

と答える。するとその時、

 

「アヒャヒャヒャ!」

 

ライブキング達が笑い声を上げながらある地点に殺到していく。何匹ものライブキング達が押し合いながら同化して巨大になっていく。レオはある予想をする。

 

「もしかして、元のサイズに戻る気なのか?」

 

「そうかもしれないな」

 

2人はライブキング達が巨大化するのを見続ける。そして、その予想は的中し、ライブキング達は合体して元のサイズに戻った。

 

「ウヒャハハッ!アヒャヒャ!」

 

と笑い声を上げながら暴れはじめる。レオは、

 

「グロースさん、ここは俺が食い止めるんで先に行ってください!」

 

と言うがグロースは、

 

「いや、私も戦うぞ!」

 

と言い2人並んで構えを取るのだった。レオはサンフラッシャーを起動してテラスに、グロースはグローザ星系人の姿になりそのまま巨大化した。ライブキングを前に並び立つウルトラマンテラスとグロース。そして2人はライブキングに攻撃を開始するのだった。

 

ライブキングは火炎放射を放つが2人はそれを躱して、テラスがチョップをグロースが斬撃を繰り出す。しかしタフなライブキングはその攻撃を物ともせずに2人を押し返そうとする。テラスとグロースは、

 

「ウアッ!?」

 

「グウッ!?」

 

と声を上げながら後ずさる。そしてライブキングが2人に殴りかかり、反撃を行う。ライブキングのパワーの前に転がるテラスとグロース。更にライブキングはグロースの右腕を踏みつけてその右腕を折ってしまう。

 

「グオっ!?」

 

だが、その隙に先に起き上がったテラスがライブキングにタックルを仕掛けて、ライブキングをグロースから引き離す。それと共にグロースは持ち前の再生能力で折れた右腕を治すのだった。

 

「ジュアァッ!」

 

テラスは、ライブキングにチョップやパンチを繰り出すが中々決定打にならない。すると、

 

「ハアッ!」

 

と叫んでグロースがライブキングに飛び蹴りを放つ。そしてそのまま連続キックを叩き込み、ライブキングを後退させた。更にグロースは剣を出してライブキングを切りつける。しかしそれでもタフなライブキングは怯まず反撃として火炎放射を放った。それを喰らった2人は後ずさりする。

 

そして再び殴りかかるライブキングだが、2人はそれを回避し、逆に蹴りを喰らわせた。そしてグロースが剣で切りつけようとするが、その腕を掴まれてしまう。

 

「グオアッ!」

 

そのまま投げ飛ばされるグロース。それを見たテラスは、

 

「ジュアァッ!」

 

と叫んでライブキングにタックルを仕掛けて押し倒す。そしてそのまま馬乗りになってパンチを繰り出す。しかし、ライブキングは反撃として火炎放射を放った。それを喰らい怯むテラス。ライブキングはその隙にテラスを跳ね除けて起き上がりグロースに火炎放射を放つ。グロースは、

 

「我が一族はそんな炎などものともしないぞ!」

 

といい、口から強烈な冷気を吐き出した。ライブキングの火炎放射は冷気によって押し返され、ライブキングはそのまま冷気で凍り付いてしまう。そして、

 

「とどめだ!」

 

グロースが氷像になったライブキングを砕こうとした時テラスが、

 

(まってくださいグロースさん!そのまま砕いても駄目だ!)

 

とグロースに呼びかける。

 

「何!?」

 

(この間俺がこいつを木端微塵にしてもこいつは再生した。ただ倒すだけじゃ駄目なんだ!)

 

「成る程……。一理あるな……」

 

(でしょう?)

 

そうやり取りをするテラスとグロース。そして2人はライブキングを掴むと、そのまま地上を飛び立った。そしてテラスとグロースは凍ったライブキングを、成層圏を越え、宇宙に運んだ。そして、

 

「ジュアッ!」

 

「ハッ!」

 

そのままライブキングを外宇宙の方向へ蹴り飛ばし、ライブキングを地球から追放したのだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

ライブキングを追い払い、事件を解決したレオとグロースは月夜市に戻る。それぞれ地球人としての姿に戻った2人はグロースのオススメのクレープ屋でそれぞれクレープを注文して食べていた。

 

「へえ、クレープって今まで食べて無かったんですけど美味しいですね!」

 

「だろう?だが、地球の甘味の美味しさにはまだまだ奥が深いぞ」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ。だから地球に居続けている」

 

そんな会話を繰り広げる2人。そしてクレープを食べ終えたレオが、

 

「じゃあ俺そろそろ帰りますね!」

 

と言うとグロースは、

 

「そうか……。たまにはまた会えるといいな」

 

と言うのだった。それを聞いたレオは笑顔で、

 

「はい!」

 

と答えるのだった。

 




駄文閲覧ありがとうございました。ご感想等お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。