とある事件で怪獣被害を受けた城東大学はまたも休校することになった。怪獣研究会はというとこれを機に会員の1人、福島ワトの生家のあるG県の山辺村に向かうことになった。
勿論遊びに行くのではない、山辺村には悪鬼の伝説が残っておりそれが怪獣に関係するものと睨んだ会長、トオルが号令をかけて調査に行くことになったのだ。無論、怪獣研究会の一員としてレオも同行し、他の研究会メンバーと共に電車を乗り継ぎ、バスへ乗り換えて山辺村に到着した。到着したトオルはレオに、
「ここが福島の故郷か。なかなか良い所だな。なあ、殿奈」
と声をかける。それに対しレオは、
「ええ、そうですね。福島先輩、改めて悪鬼伝説の事を聞きたいんですが……」
そうワトに話を振る。ワトは、
「うーん、言っておくけど私も余り詳しくないよ?マハゲラさまって鬼の話だったと思うけど……、私のお爺ちゃんならもうちょっと詳しく知ってると思うよ」
と話す。それを聞いたトオルは、
「ほう!それは是非ともお聞きしたいものだな」
と言う。ワトは、
「今日から私達が泊まる予定の公民館に荷物を置いたらお爺ちゃんの家に案内するよ!」
そう言い、一行は公民館に向かった。
◇ ◇ ◇
山辺村に到着した怪獣研究会のメンバーは荷物を公民館に置いた後、ワトの案内で彼女の祖父が住むという家に向かう。そしてワトの家に着くや否やレオが、
「すみません!お邪魔します!」
と叫ぶ。すると家の奥の方から年老いた男性が現れた。その男性はワトの祖父らしい。ワ
トは、
「お爺ちゃん」
と言った。老人は、
「おお、ワトじゃないか。大学が休校になって学業のついでに里帰りをすると聞いたが、元気にやっているみたいだな」
と返す。ワトは、
「まあね」
と言う。レオは、
「あの……、貴方が福島先輩のお爺ちゃんですか?」
そう聞く。老人は、
「ああ、そうだよ。儂が福島タダシだ」
と答えた。そしてトオルが、
「それで、悪鬼伝説について詳しい話をお聞きしたいのですが……」
そう聞くと、タダシは、
「ああ……。そのことなんだがな……」
と話し始めるのだった……。
◇ ◇ ◇
今からざっと千年近く前、山辺村の周辺ではマハゲラと呼ばれる鬼が棲んでいた。見上げるほどの大きさのマハゲラは、凶悪な鬼で都の者達が何度も退治しようと討伐に来たが、その度にマハゲラは怪力を発揮したり火炎を吐き出したりして、都の者達を返り討ちにしていた。
そんなある日の事だった……。山辺村に1人の旅の侍が訪れる。その侍の名は「錦田小十郎景竜」という。そして景竜は困っている村人達の相談を受けた。
「お侍様、あの悪鬼を何とかできませんか?」
すると景竜は、
「マハゲラに痺れ薬を混ぜた酒を提供するとよかろう」
と答えた。それを聞いた村人達は早速準備に取り掛かりマハゲラの住む洞窟に酒入りの壺を持って行くのだった。そして、壺を持った村人達の前にマハゲラが現れる。マハゲラは酒の入った大壺をむんずと掴むとそのまま酒を飲みほしてしまった。すると、マハゲラは痺れ薬の効果で立っていられなくなり、そのまま倒れてしまう。
「今じゃ!」
そして、景竜は一刀の元にマハゲラの頭に生えていた右角を切り落とした。更に景竜はこう言った。
「これでマハゲラは力を発揮できんじゃろう。ただしマハゲラが角を取り戻せば、たちまちマハゲラの力が戻ってしまうから用心するのだ」
こうして村人達は、力を失ったマハゲラを洞窟ごと土に埋めてしまい。切り落とされた右角を山の向こうの凪子村の神社に大切に保管してもらう事になったという。因みに景竜はまた旅に戻ったらしい。
◇ ◇ ◇
「とまあ、これが儂が知っている悪鬼伝説だ。どうだ、参考になったかな?」
タダシはそう話を締めくくる。それを聞いたトオルは、
「はい!とても参考になりました!」
と言う。レオも、
「ありがとうございます」
と礼を言うのだった。しかし、
「ほほお……、これはいい事を聞いたぞ……!」
その話を立ち聞きしている何者かにレオ達は気づかなかった……。悪意ある者が話を盗み聞きしているとは知らずタダシは、
「村の北の方にマハゲラさまを祀った祠がある。周辺を荒らさない事が前提だが、調査するならそこに行ってみてはどうかな?後、凪子村の神社には今でもマハゲラさまの角が保管してあると聞く。興味があったらそっちに行くのもいいだろう」
そう話す。トオルは
「ほおほお!」
と言いながら話をメモに書いていた。そしてタダシは、
「儂はこれから用事がある。そろそろ失礼するよ」
と言い家に戻って行く。レオ達は、
「ありがとうございました!」
と礼を言い、ワトの祖父に別れを告げて、今日の所は公民館で1泊することになった。公民館の一室でレオはトオルに話しかける。
「会長。マハゲラさまは妖怪なんですかね?それとも怪獣なんですかね?」
そんな質問を受けたトオルは、
「そうだな……。今の時代、妖怪もまた怪獣の一種と言えるかもしれないな。いいか殿奈、怪獣の中には大昔から妖怪とされていたものの例もあるんだ。つまりだな、マハゲラさまも昔は妖怪と呼ばれていた存在だったんだろうが、もし実在していれば現代ではまず怪獣と呼ばれるだろうな」
そう話す。レオは、
「なるほど……。確かにそうですね」
と納得する。そして、
「俺はもう寝るからな、そっちも静かにしてくれよ。おやすみ……」
トオルは布団を被る。そんな中、レオはスマホ内のメカ子に話しかける。
「メカ子、そういえばこの間の浮遊惑星の事件ではダウンしてたみたいだけど調子はどうだ?」
『マスター、私の機能は回復しています。浮遊惑星の件ではお役に立てず申し訳ありませんでした。』
メカ子はそう返す。レオは、
「いや、いいよ別に。あの後俺達で解決したし」
と言うのだった。そしてこの日はそのまま眠りにつくのだった……。
◇ ◇ ◇
翌日、レオ達はタダシから教えられた悪鬼伝説の祠とマハゲラの右角を保管している凪子村の神社に向かう事にした。2つの場所は距離が開いているので、怪獣研究会メンバーは二手に分かれて調査に行くことにした。レオは祠の方に向かうことになった。レオ達は山道を進んで行く。
「福島、山辺村は自然がいっぱいで良い所だな」
トオルはそう言った。それに対しワトは、
「うん!一般的に田舎って言われるような所だけど私はこういう所好きだよ!」
と答える。レオは、
「そういえば福島先輩はマハゲラさまの祠の辺りには行ったことあるんですか?」
そうワトに尋ねる。ワトは、
「そうだね、遠足で祠の傍まで行ったことあるよ。周りに縄が張ってあって触ったりは出来なかったけどかなり古そうな祠だったね」
と答える。トオルが、
「そうか……。それは是非とも見てみたいな」
とワトに言う。するとワトはこう答えた。
「じゃあ私が案内するよ!祠の場所は覚えてるし!」
それを聞いたレオは、
「ありがとうございます福島先輩!」
と言い、怪獣研究会はマハゲラさまの祠に向かったのだった。
◇ ◇ ◇
そうして、怪獣研究会はマハゲラさまの祠の前に来た。ワトの言う通り、かなり古びた祠の周りに近づけないよう縄が張ってあり、『祠に触らないでください!』ということが書かれた立て札も立っていた。ワトは、
「ここがマハゲラさまの祠だよ!」
とレオに言う。トオルが、
「ほう……。これは中々趣深いな」
と言い、スマホ内のメカ子が、
『興味深いです』
と言うのだった。そしてトオルはカメラを取り出し、
「じゃあ、取り敢えず撮影するか。縄や祠に触れなければOKだろ」
そう言って撮影を始める。レオはメカ子に、
「この下にマハゲラさまが埋まっているって話だったけど、何か探知できないか?」
そう尋ねるとメカ子は、
『少々お待ちください……。この場所から地下をスキャンしてみます……』
と答える。そして、
『分かりました。地下に微弱ですが巨大な生命体の反応があります。所謂休眠状態になっている可能性が高いです』
と答える。それを聞いたワトは、
「休眠状態かあ……。でももし目覚めたら怖いね」
と呟くのだった。トオルは、
「……よし!じゃあそろそろ帰るか!」
と言う。レオも、
「そうですね」
と言う。その時だった。
「そうか、マハゲラさまとやらはこの下に眠っているのか!」
藪を掻き分けてカラスの様な頭をした異星人が現れた。レオが、
「誰だ!?」
と言うと、メカ子が、
『あれはレイビーク星人ですね』
そう異星人の種族を答える。レイビーク星人は、
「くくく……、まさかこんな所で怪獣を手に入れることが出来るとはな……。そいつをダラルの奴に売りつければ大儲けできるぞ!」
トオルがそれを聞いて、
「何をする気なんだ?」
と言うと、彼の携帯に連絡がくる。それは神社の方に行った怪獣研究会メンバーからだった。
「会長!大変です!神社に保管してあったマハゲラさまの角が何者かに盗まれたそうです!」
レオがそれを聞いて、
「何だって!?じゃあレイビーク星人はあの角を……」
と言うとレイビーク星人が、
「その通り!お前達!」
と合図する。すると2人のレイビーク星人が巨大な角の様なものを抱えて運んできた。ワトが、
「あれがマハゲラさまの角!?」
そう驚く。レイビーク星人は、
「その通りだ!ん……?何故変な動きをしているのだお前達?」
と部下のレイビーク星人達に言うと、
「そ、それが、この近くに来たらこの角が勝手に動こうとするんです!」
それを聞いたレイビーク星人のリーダーは、
「いいぞ!恐らくマハゲラさまの封印が解かれようとしているのだ!お前達、角から手を放せ!」
と指示した。2人のレイビーク星人が角から手を放すと角はひとりでに動き出し、穴を掘って地下へ消えていった。すると、
「!?」
辺りの地面が揺れだした。
『地下の生命反応が急激に活性化しています』
そのメカ子の言葉にレオは、
「マハゲラさまが目覚めるのか!?」
と叫ぶ。レイビーク星人が、
「おお!その調子だ!」
と言う中、トオルは怪獣研究会の面々に、
「早くここから逃げないとまずいぞ!」
と叫ぶ。レオ達は急いでその場から逃げるのだった。
◇ ◇ ◇
マハゲラさまの祠のあった辺りの地下から巨大なナマハゲの様な姿をした妖魔、「マハゲノム」が出現する。それを目撃した村の住人達は、
「あっ、あれはマハゲラさまじゃ!」
「一体誰じゃ封印を解いたのは!?」
と恐れおののく。そしてレイビーク星人のリーダーはマハゲノムに呼びかける。
「おーい!マハゲラさま!」
するとマハゲノムはレイビーク星人達の方を振り向く。レイビーク星人のリーダーは、
「俺様のおかげでお前の封印は解けたんだぞ!だから俺様に従うのだ!」
そうマハゲノムに呼びかけた。すると、マハゲノムはレイビーク星人達に向かって火炎を吐き出した。火炎の直撃を受けたレイビーク星人達は消し炭になったのだった……。そしてマハゲノムはゴリラのようなドラミングをすると、街の方角へ向かって歩き始めた。
◇ ◇ ◇
一方、怪獣研究会メンバーは逃げている途中でバラバラになってしまった。レオがスマホ内のメカ子に話しかける。
「メカ子、辺りに他の人は居ないか?変身して奴を止めたいんだけど」
すると、メカ子が、
『近くには誰もいません。変身しても大丈夫です』
と答える。それを聞いたレオはサンフラッシャーを取り出して起動する。木々をなぎ倒しながら街へ向かうマハゲノムの前にウルトラマンテラスが現れる。
「ジュア!」
テラスはマハゲノムに組み付く。しかし、
「ジュア!?」
マハゲノムの怪力の前にテラスは押し返されてしまう。そしてマハゲノムは火炎を吐き出す。テラスはそれを躱して飛び上がるとそのまま急降下キックを放つ。しかし、
「ジュアッ!?」
マハゲノムはその巨体からは想像できないようなスピードでそれを回避したのだった。更にマハゲノムは、角から電撃を放った。テラスはそれを食らって地面に落下してしまう……。なんとか立ち上がるテラス。それを見たマハゲノムはテラスに向かってタックルを仕掛ける。
「ジュア!」
テラスはマハゲノムのタックルを受け止める。そして、
「ジュアッ!!」
と叫ぶとマハゲノムを投げ飛ばした。しかし、マハゲノムはすぐに体勢を立て直す。そして再び角から電撃を放った!
「ジュア!?」
それを食らったテラスは地面に倒れ伏す。それを見たマハゲノムは、ゆっくりとテラスに近づいていく……。その時だった!
「ウルトラマンさん!頑張って!」
という声がする。それは怪獣研究会メンバーや山辺村の住人の応援だった。それを聞いたテラスは、
「ジュア!!」
と雄叫びをあげる!そして立ち上がるとテラスフォトンアースに強化変身してマハゲノムに向けて駆け出す!マハゲノムは再び角から電撃を放つが、テラスフォトンアースはそれを片手で受け止め、そのままマハゲノムに組み付く。そしてそのまま押していく。それを見た山辺村の住人や怪獣研のメンバー達は、
「いけえ!」「頑張ってウルトラマンさん!」「負けるな!」
と応援する。そして遂にテラスフォトンアースはマハゲノムを投げ飛ばしたのだった……。マハゲノムは立ち上がり火炎と電撃の攻撃を行うが、テラスフォトンアースはドラゴン・イリュージョンで出現させた龍の首が放つ電撃で相殺する。更に腕を十字に組んでオーラムサンジェントを発射した。オーラムサンジェントを受けたマハゲノムは倒れ込み爆発したのだった。
すると人魂の様なものが、マハゲノムが爆発した辺りから現れる。それはマハゲノムの魂だった。それを見たテラスフォトンアースは、ミズノエノリュウの力を使ってマハゲノムの魂を包み込む。そしてマハゲノムの魂は地下に潜っていき、再び眠りについたのだった。
◇ ◇ ◇
事件は解決し、怪獣研究会メンバー達は帰路についていた。トオルが、
「まさかマハゲラさまが本当に現れるなんて、思ってなかったぜ」
と言うと。
「でも、お爺ちゃん達は伝説が本当だったから村おこしに使えるって喜んでたよ」
ワトがそう言った。実際山辺村では悪鬼伝説が本当だったことでそれを元にした村おこしが検討されている。
「そうか……、まあ何はともあれマハゲラさまがまた封印されて本当に良かったよ」
とレオが言う。そして怪獣研究会のメンバー達はバスに乗り込んで帰路に着くのだった。
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