ウルトラマンテラス   作:クォーターシェル

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生物機械兵器 バドリュード ヴァイロ星人 宇宙忍者 バルタン星人サヨメ 登場


第3話 潜伏する者達

「私はバルタン星人!宿敵ウルトラマンよ、覚悟してもらう!」

 

怪獣フライグラーを倒したウルトラマンテラスの前に突然現れたバルタン星人はこう言い放った。

 

(は、はあっ!?)

 

テラス=レオが面食らったのも無理はない。突然現れた異星人がいきなり自分を「宿敵」呼ばわりして、しかも命を狙ってくるなど理解の範疇を超えていた。

 

(な、何なんだお前!どうして俺を狙う!?)

 

とテラスはバルタン星人に聞く。

 

「それはお前がウルトラマンだからだ!我らが種族の雪辱を果たす為に私はここに居る!」

 

とバルタン星人は言う。

 

(い、一体何を言ってるんだこいつは……)

 

レオは困惑しっぱなしだった。そしてそんなレオを無視してバルタン星人はそのまま突進して来る。

 

「ジュアッ!」

 

テラスも迎え撃とうと構えるが、その時砲弾が飛来しバルタン星人に命中する。バルタン星人が振り返るとそこには地球防衛隊の戦車隊がいた。更に上空からは戦闘機が数機飛来する。

 

司令部で指揮を執る防衛隊の司令に隊員は尋ねる。

 

「良いのですか……?バルタン星人の方は兎も角、ウルトラマンテラスも攻撃目標にするとは……」

 

「あわよくばウルトラマンテラスを捕獲せよとの命令が更に上から来ている。あれがテラノイドならば取り返せねばならないからな」

 

司令はそう言って攻撃するよう指示する。戦車隊による砲撃が始まり、やがてバルタン星人に命中し始める。

 

「ジュアッ!」

 

テラスも戦闘機の攻撃を避けながら牽制光線技でバルタン星人に反撃する。バルタン星人も両腕の先にあるハサミ状の手から光弾を放つが、テラスはそれを躱し、更にバルタン星人に接近してチョップやキックを繰り出す。

 

しかし、バルタン星人はそれらの攻撃をいとも簡単に捌き、逆にバルタン星人はハサミ状の手から放つ光線でテラスを牽制する。

 

「ジュアッ!」

 

テラスも光弾を放ち攻撃するが、バルタン星人はそれをハサミ状の手で防ぐとそのままハサミ状の手から光線を発射した。

 

「ジュアッ!?」

 

テラスは咄嗟に腕をクロスさせて防御するが、その隙にバルタン星人がキックを繰り出す。

 

「ジュアッ……!」

 

テラスはその攻撃で吹っ飛ばされる。テラスのカラータイマーが点滅し始め更にバルタン星人は両腕を構えるが、防衛隊からの攻撃が激しくなるのを見て、

 

「今は時期が悪いか……、この勝負預けるぞ」

 

と言い、テレポートでその場から姿を消した。テラスもカラータイマーから閃光を放つなどして隙を作り、防衛隊の攻撃を振り切ってその場から退場した。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「はあっ、はあっ、くそっ!すげえ疲れた……」

 

戦場から戻って来てテラスから元の姿になったレオは疲弊しており悪態をつく。そして何とか星雲荘の自室に戻った彼はその場にへたり込むのだった。

 

「あー……、何なんだよ。勝ったと思ったら変な異星人に絡まれるわ防衛隊から攻撃されるわ……」

 

レオは「あー」と言いながら愚痴る。しかし、それは無理もないだろう。いきなり見知らぬ異星人に宿敵扱いされるわ、防衛隊から攻撃を受けるわで散々だった。

 

「でも……、あのバルタン星人が言ってた事って……」

 

とレオは考える。バルタン星人の言っていた事は一体どういう意味なのか?そして自分はこれからどうなってしまうのか?そんな不安が彼の頭をよぎったのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

数日後、怪獣研究会の部室でレオとワトはトオルから頼み事をされていた。

 

「心霊現象同好会への応援ん~?」

 

「そうなんだよ。実は俺の従兄弟がこの大学の心霊現象同好会の会長でな、人数が少ない弱小サークルなんで人員が欲しいんだとさ」

 

とトオルは説明する。

 

「で、俺達に応援を?」

 

とレオが聞くと、

 

「ああ」

 

とトオルは言う。

 

「でも何で私達なんですか?」

 

とワトは聞く。するとトオルはこう答えた。

 

「いや……、実は俺の従兄弟ってちょっと変わり者でさ。心霊現象同好会の会長になった理由も『幽霊やオカルトの類は実在する!』なんて言い張ってるからなんだ。それで同好会の会員もまともな奴が居なくてさ」

 

「なんか凄いですね……」

 

とワトは言う。

 

「でも……、私で役に立てるかな……?」

 

と不安がるワトに対してトオルは

 

「まあ聞いた所手伝ってもらいたいのは荷物運びとからしいから、そんな心配はしなくて良いと思うぞ。それに同好会の会長も『可愛い女の子なら大歓迎』って言ってたしな」

 

と笑いながら言う。

 

「そ……、そうなんですか……」

 

ワトはトオルの言葉を聞いて少し照れた。そしてレオは

 

「俺はおまけですかね……?まあやりますよ」

 

と言った。

 

「おお!助かるぜ!」

 

と喜ぶトオルだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

大学構内を移動しながら、レオ達は心霊現象同好会の部室へ向かう。「ここか……」とレオが呟く。

 

「思ったより広いんですね」

 

とワトが言う。確かに部室は広く、空き教室を改造して使用しているらしい。そんな2人に対して、トオルが声を掛ける。

 

「じゃあ俺は先に行くから、お前らも来たら会長に挨拶してくれよ」

 

とだけ言って去って行く。それを見送ると、

 

「……俺達も行くか」

 

「はい!」

 

そして2人は心霊現象同好会の部室へ入った……

 

「どうも、心霊現象同好会会長の尾前崎ヨネフミだ。トオルから話は聞いてるよ」

 

とヨネフミは2人に自己紹介をする。

 

「はい、俺は殿奈レオです」

 

とレオも自己紹介する。

 

「私はその先輩の福島ワトです」

 

続いてワトが自己紹介した。そして続けて、

 

「私達に出来る事があれば何でも言って下さい!」

 

と言った。それに対してヨネフミは

 

「ありがとう!じゃあ頼みたいこと何だが、隣町の心霊スポットの調査を手伝ってくれないか?」

 

と言った。

 

「隣町の心霊スポット?」

 

とレオが聞く。

 

「ああ。その心霊スポットは最近幽霊が出るって噂でさ、実際に見た人も居るんだ」

 

とヨネフミは言う。

 

「それで、一介の心霊マニアとして是非其処の噂が本当か確かめたいわけ!」

 

「なるほど……」

 

とレオが言うと、ワトもそれに同意する。

 

「なら手伝います!ね?殿奈君!」

 

とワトが言い、

 

「はい」

 

とレオも頷くのだった……

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

翌日、3人は隣町の心霊スポットである廃墟に来ていた。そこはかつて病院だったが現在は廃墟となっている場所だった。

 

「ここが噂の廃墟か……」

 

ヨネフミはそう呟くと辺りを見回す。レオとワトもそれに釣られて辺りを見回す。

 

「なるほど……、確かに雰囲気はありますね」

 

「だねぇ……」

 

2人はそう呟く。それを聞いたヨネフミはニヤリと笑うと、

 

「よし!早速調査開始だ!」

 

と言い、廃墟の中へ入って行った。それを見た2人も後を追うのだった……

 

「さて、近くを通った人の話によるともう誰も居ない筈なのに物音がしたり部屋の明かりが点いていたりしたらしい」

 

ヨネフミはカメラを構えながらそう話す。

 

「物音……、ですか?」

 

とレオが聞くとヨネフミは

 

「そう。何でも数ヶ月前からそんな現象が起こっているそうだ」

 

そう答え気になる所を撮影する。

 

「俺も興味出てきたな」

 

とレオが言う。そして3人は更に廃墟の奥へと進んで行くのだった……

 

1時間程、3人は廃墟内を調べたが特に異常は見つからなかった。

 

「うーん……、やっぱりデマだったのかな……?」

 

とワトが言う。するとヨネフミがこう言った。

 

「まあ俺は幽霊はいると信じているけど、それはそれとしてこういうのが空振りだったってことはよくあるからな」

 

レオも

 

「大体中を見て回った感じですし、今日はこれで終わりですかね……?」

 

と言ってふと自分達が今居る廊下の壁に手をついた。すると、手をついた箇所の壁がぼろりと崩れた。

 

「「!?」」

 

驚く3人。

 

「で、殿奈、何してるんだ!?」

 

「こ、壊しちゃった!?」

 

「え、いや、俺は別に……!?」

 

とワトが言いレオも自分が何かしたわけではない事を主張し、互いに困惑する。しかしそんな中でヨネフミは冷静に状況を判断するとこう言った。

 

「これはもしかすると……、幽霊の仕業かもしれない……!」

 

と言ったのだった。レオは

 

「いや、まさか……」

 

と言いながら壁に空いた穴を見る。穴の向こう側には空間があり、何らかの稼働している機械が存在していた。

 

「こ、これって……」

 

その時である。突如廊下の窓がシャッターが閉まったかの様に真っ暗になったかと思うと、頭上の電灯が点灯した。

 

「な、何?」

 

とワトが驚く。そして3人が辺りを警戒する中、廊下の両側から複数の白い仮面を被り軍服を着た怪人が現れる。その白い仮面の怪人に対し、

 

「幽霊か!?」

 

とカメラを構えるヨネフミ。レオは

 

「いや違う!」

 

と言う。そう、彼らは幽霊ではない。ヴァイロ星人という異星人の集団だった。ヴァイロ星人達はじりじりと3人に近づいてくる。3人は成すすべ無く捕まってしまうのだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

ヴァイロ星人に捕まったレオ達。3人は牢屋に閉じ込められた。

 

「くそっ!この!」

 

とレオが鉄格子を掴もうとするが、鉄格子はビクともしなかった。するとヨネフミが

 

「俺達これからどうなるんだろうな……」

 

と言ってその場にへたり込む。ワトもそれに続いて床に座り込んだ。レオはウルトラマンテラスに変身する事を考えたが、そうすると2人にその事がバレかねない。取り敢えずギリギリまでチャンスを待つことにし檻の外を見てみる。

 

ヴァイロ星人達は牢屋の外からレオ達を見ていた。そしてその中から1人が前に出てくると

 

「地球の猿よ、我々はヴァイロ星人。この廃墟を改造して基地にしている。あのまま帰ってくれれば見逃す筈だったが、基地の機械を見られた事でそうは行かなくなった」

 

と喋る。

 

「地球を侵略する為の基地か……」

 

とレオが言うと、

 

「ああそうだ。そこの猿、お前が壁を壊さなければ他の2匹も助かったのだ。だがもう手遅れだ。お前達はこれから奴隷として働いて貰う」

 

とヴァイロ星人は言った。

 

「奴隷……?」

 

とレオが呟くと、

 

「ああそうだ。地球人を奴隷にして働かせる。それが我々のやり方だ!」

 

と言う。それを聞いたワトは

 

「そ……そんな……」

 

と青ざめ、ヨネフミは

 

「くそっ!お前らに俺達の何が分かるって言うんだ!?」

 

と言った。するとヴァイロ星人達のリーダーらしき者がこう言った。

 

「猿共の感情など我々には分からん。だが、地球人を奴隷にして働かせるのは我々のやり方だ!」

 

と……

そして、ヴァイロ星人のリーダーは部下に指示を送る。

 

「洗脳ガスを噴射しろ」

 

すると部下は牢屋の3人に向かって洗脳ガスを噴射した。

 

「うっ……!」

 

とワトが苦しむ中、レオも苦しみ始める。そしてヨネフミは気絶してしまった。

 

「う……うぅ……」

 

ワトも倒れてしまう。そしてレオも意識を失いかけた時、

 

(このままじゃ2人が危ない……!あっ、この視界なら変身するチャンスじゃん)

 

と思ったレオは力を振り絞って立ち上がり、サンフラッシャーのスイッチを入れる。すると、レオの身体は光に包まれる。

 

「なんだ!?」

 

突然の光にヴァイロ星人達は動揺する。そして、光が弱くなると檻の中に人間大のサイズのウルトラマンテラスが居た。

 

「ジュアッ!」

 

テラスは鉄格子を掴み、そのまま引きちぎる。そしてそのまま牢屋の外に出ると、ワトとヨネフミを抱きかかえて走ってその場から離脱した。

 

「逃がすな!」

 

ヴァイロ星人のリーダーはテラスに銃口を向けるが、既に2人は基地の外まで逃げ切っていた。

 

「くそっ!猿共め!」

 

ヴァイロ星人リーダーは部下達に追跡を命じると自身もテラスを追うのだった……

 

テラスは2人を安全な場所に運んで隠すと、追跡してきたヴァイロ星人達の方へ向かう。そしてテラスとヴァイロ星人達は対峙した。

 

ヴァイロ星人達は仮面の口の部分に取り付けられたスピーカーのような装置に両手を添え、強力な衝撃波を伴う甲高い声を発して攻撃を行う。それに対しテラスは両腕をクロスしてガードした。そして攻撃が止んだ隙を突き、手から光弾を発射してヴァイロ星人達に反撃する。

 

光弾が命中したヴァイロ星人は倒れこんで消滅した。それを見たヴァイロ星人達は

 

「何!?」

 

と動揺する。そして、テラスは再び光弾を発射してヴァイロ星人達を攻撃するのだった。1人のヴァイロ星人が衝撃波声を放つ。テラスは先ほどの様にガードする。しかし、後方から警棒を装備したヴァイロ星人が殴り掛かる。

 

「ジュアッ!?」

 

とテラスは驚くが、

 

「ジュア!」

 

そのまま振り向きざまに回し蹴りを喰らわせる。そして更にもう2人のヴァイロ星人の攻撃を躱し反撃する。そして最後に警棒を持ったヴァイロ星人に向かって光弾を発射して撃破する。それを見た他のヴァイロ星人達は

 

「撤退だ!」

 

と言ってその場から逃走するのだった……

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

逃げたヴァイロ星人を追うべく先ほどの廃墟に戻るテラス。すると、廃墟が割れたかと思うと内部から宇宙船が出現した。更に宇宙船のハッチが開き、そこから茶色のゲル状の物体が落とされたかと思うとその物体が変形し巨大なロボット型怪獣になった。

 

「このバドリュードで始末してくれる!」

 

宇宙船内部でヴァイロ星人のリーダーはそう言い、ロボット怪獣バドリュードは口から超音波光線を発射して攻撃してきた。テラスは超音波光線を回避し、そのまま巨大化してバドリュードに格闘戦を挑む。

 

バドリュードはその拳を振り下ろしテラスに攻撃する。テラスはそれを受け止めるとバドリュードの腹を蹴り上げ、更に右拳から光弾を発射する。バドリュードはそれを受け後退するが、今度は超音波光線でテラスを攻撃する。

 

「ジュアッ!」

 

テラスは咄嗟に両腕をクロスしてガードするが、その衝撃に耐えきれず吹き飛ぶ。

 

「ジュア……」

 

テラスは起き上がろうとするが、バドリュードは更に超音波光線を発射する。

 

「ジュアッ!?」

 

とテラスは再び吹き飛ぶ。そして地面に倒れる。それを見たヴァイロ星人達は

 

「よし!このままトドメだ!」

 

と言いバドリュードに指示を送る。それを受けたバドリュードは超音波光線のチャージに入る。しかしテラスはカラータイマーから閃光を辺りに放った。すると、テラスの姿が消えていた。

 

「ッ!?何処へ消えた!?」

 

ヴァイロ星人達がテラスの行方を探そうとした時だった。突如バドリュードの足元の地面が沈下し、バドリュードの足は地中に埋まった。テラスが地中に潜り、バドリュードの足元を陥没させたのだ。

 

「な、何!?」

 

ヴァイロ星人達は驚く。そしてバドリュードが地中から抜け出そうともがく中、テラスは再び地表へ現れ両腕を十字に組み、光線を発射した。光線が命中したバドリュードは爆散する。

 

戦況不利とみたヴァイロ星人の宇宙船は撤退しようとする。しかし、テラスは飛行して直ぐに宇宙船に追いつき、宇宙船を掴んで拳に光のエネルギーを纏わせて宇宙船にパンチした。宇宙船は破壊され、中にいたヴァイロ星人達は爆発に巻き込まれて消滅した。

 

「ジュア……」

 

テラスは勝利を喜ぶ。そして既に日が没し星が見え始めた空へ飛びたったのだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

元に戻ったレオは、気絶したままのワトとヨネフミを起こしに行く。

 

「ん……?あれ……?」

 

とワトが目を覚ます。

 

「大丈夫ですか?」

 

レオはそう声を掛ける。するとヨネフミも目を覚まし、

 

「俺は一体……」

 

と言うと、2人共起き上がる。そして、ヨネフミが

 

「そうだ、宇宙人に捕まったはずだけどどうなったんだ?」

 

と首をかしげる。レオは

 

「ウルトラマンテラスが助けてくれたんですよ」

 

と答える。

 

「ウルトラマンテラス?」

 

とヨネフミが聞くのでレオは

 

「はい、俺達の危機に来てくれたんです」

 

と答えた。するとワトも

 

「それは凄いね!」

 

と言う。それを聞いたヨネフミは

 

「そ……そうなのか……?」

 

と少し困惑しながら言うのだった……

 

その後ワトとヨネフミと別れ、レオは星雲荘に戻って来た。

 

「今日は大変だったな……」

 

と呟く。自室のドアの前まで来た時、レオはふと違和感を覚えた。自分の部屋のドアの隣に、104と書かれたドアがあったからだ。

 

「あれ……、こんな番号の部屋あったか?」

 

確か前に大家が言っていたのだが、縁起が悪いということでこのアパートでは末尾の数字が4の番号の部屋は無かった筈なのだが。

 

「俺の勘違いだったか?」

 

そうレオが呟くと、104号室のドアが開いた。ドアを開けたのは高めの背丈で長い黒髪をポニーテールに纏めた女性だった。

 

「うん?隣の住人か?」

 

「(綺麗な人だな……)あ、はい。105号室の殿奈ですけど、この部屋の人ですか?」

 

内心ドキドキしながらそう尋ねるレオに女性は、

 

「ああ、そうだ。昨日此処に越してきた者だ」

 

と言った。

 

「あ、そうですか」

 

とレオは返す。すると女性はふと何かを思い出した様にレオに尋ねた。

 

「ああそうだ、まだ名乗っていなかったな。私はサヨメという者だ」

 

「あっはい、俺は殿奈レオです……」

 

と自己紹介する2人。そしてサヨメが続けて言った。

 

「……ところで1つ聞きたいんだが……引っ越し蕎麦という物があるらしいが、此処の者達に配った方が良いのか?」

 

「え?」

 

レオは驚く。引っ越し蕎麦……?サヨメという女性は確かにそう言ったのだ。そういうのは引っ越してくる前に用意する物だと思うが……。レオは

 

「あ、はい。引っ越してきた時に配る物なので……」

 

と答えると、サヨメは

 

「なるほどな……、分かった」

 

と言った。そして続けて言った。

 

「じゃあ私はこれで失礼するぞ」

 

と言ってサヨメは自分の部屋に帰って行ったのだった。レオはそれを見送ると自室のドアを開けて中に入った……。

 

「美人だったけど、なんか浮世離れした人だったな」

 

とレオはサヨメの所感を口にするのだった。

 

一方、自室に戻ったサヨメは端末を操作していた。端末のモニターには数時間前にウルトラマンテラスがバドリュードと戦闘し、勝利した内容のネットニュースの記事が表示されていた。

 

「さて、何時しかけたものか……」

 

とサヨメは呟く。室内の明かりに照らされたサヨメの影は、バルタン星人のものだった。

 




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