ウルトラマンテラス   作:クォーターシェル

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帝国猟兵 ダークロプス 宇宙忍者 バルタン星人サヨメ 登場


第7話 帝国の残光

休日、レオは都市部から郊外へ、更に山奥の方へ向かっていた。彼は単にレジャーの為にこの地域に来たわけでは無かった。自分のウルトラマンとしての力を改めてテストする為に、密かに修行をしに来たのだ。

 

(まだ戦いが続くなら、しょうがないから自分が何が出来るか確かめたり鍛えたりしないとな)

 

山道を奥に進み、人気のない所まで来たレオ。サンフラッシャーを起動させ、ウルトラマンテラスに変身した。テラスは先ず、自分の手や足にエネルギーを纏わせて空振りのパンチやキックを放ってみた。

 

(この攻撃はテラスパンチやテラスキックとしよう)

 

レオはこの前のシューティングスパークと名付けた光線技の他に自分のよく使う技にそれぞれ名前を付けることにしたのだ。次にテラスは手から小ぶりの光弾を空に向かって発射する。

 

(この攻撃は手裏剣みたいだから、シュリケンショットにするか)

 

更にテラスは両腕を十字に組み、いつもより弱い出力で光線を放つ。

 

(これはサンジェント光線)

 

次にテラスは両腕をL字に組みかえ、これまた弱い出力で光線を放つ。

 

(こっちはソルロンシュートと名付けよう)

 

しばらくすると、カラータイマーが点滅する。

 

(時間切れか)

 

テラスは一旦変身を解除してレオに戻る。

 

「そういえば、変身が解けた後に直ぐにまた変身ってやってないけどどうなんだ?」

 

疑問に思ったレオはサンフラッシャーを起動させてみるが、何も起こらない。どうやら連続で変身するには制約があるようだ。

 

「なるほど。じゃあ後は鍛錬の定番、筋トレや走り込みをやってみるか」

 

レオは山小屋に行き、そのまま修行を行うことにした。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「しかし、なぜウルトラマンテラスが此処に現れたんだ?まさかこの基地に隠してあるモノがバレたとか?」

 

レオが修行しにやってきた山奥、その近辺には地球防衛隊の非公式の秘密基地があった。なぜこの基地が公式に存在を秘匿されているのか、その理由は格納庫にある物にあった。基地の格納庫には40mクラスのサイズのロボットが鎮座していた。しかも、そのロボットはただのロボットでは無い。ウルトラマンに酷似したデザインをしていた。

 

秘密基地に勤務している大半の者も知らないことだったが、当たり前と言えば当たり前だった。そのロボットの名はダークロプス。嘗てマルチバースを越えて宇宙を支配しようとした帝国によってこの宇宙とは別の宇宙に存在するウルトラマン、ウルトラマンゼロをモデルに造られたロボットである。

 

「ダークロプスの存在は極秘なんだがな。しかし、ダークロプスはまだあるとはいえテラノイドの2号機を製造するのは並大抵の難易度ではないだろう」

 

「ああ、何せ外宇宙の異星人との裏取引で手に入れてこいつを参考の1つにしてテラノイドが造られたとはいえ、まだ解析出来てない事が多すぎる。下手に分解することすらままならないしな」

 

と基地の職員達は会話する。すると

 

「もしまた、ウルトラマンテラスが現れるようだったら本部から応援を出してもらわねば。この基地はダークロプスを隠す為に存在しているが、バレたとなっては大事になりかねん」

 

とこの基地を任された主任がやってくる。

 

「主任、お疲れ様です。しかし、ウルトラマンテラスが現れたのは偶然では?なにか弱い光線を出してたと思ったら消えちまいましたし」

 

と職員の1人が答える。すると主任は

 

「万が一と言う事もある。今回は怪獣と戦闘しなかったが、何か訳がある筈だ。何にせよダークロプスは未だに地球防衛隊の未来の戦力の種となり得る存在だ。絶対に守るぞ」

 

と言い、格納庫を後にする。こうして秘密基地では今日もダークロプスを警備するのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

翌日、レオはまた山奥の人気のない場所に来ていた。今度は筋トレを行う事にしたようだ。近くの大木の幹に手をつき、懸垂をする。そして腕立て伏せやスクワット等を20セットこなす。

 

「ふう……」

 

と一息つくレオ。その後、しばらく走り込みをしてまた休憩したレオは

 

「今日はもうそろそろ帰るか。そうだ、変身して麓の方まで飛んでくか」

 

とテラスに変身し、飛行して山を下りる事を思いつく。その方が手間が省けるだろう。そう思ったレオはサンフラッシャーを起動させテラスに変身する。そして、自宅の方角へ飛ぼうとした時である。

 

「見つけたぞ!ウルトラマンテラス!」

 

なんと、バルタン星人が飛んできた。テラスは驚く。

 

(あ、あれは……、あの時のバルタン星人か!?)

 

そう、フライグラーを倒した後に対峙したバルタン星人と同一人物の様であった。飛行して来たバルタン星人はテラスの前方に降り立つ。

 

「今日は決闘をするのに丁度良い日の様だ。さあ、戦おうぞウルトラマンテラスよ!」

 

とバルタン星人は高らかに宣言する。どうやら戦うつもりの様だ。レオは

 

(仕方ない……)

 

と思い、構えを取る。そして2人が激突した!

 

「デヤアアッ!!」

 

「ジュアッ!!」

 

テラスとバルタン星人が互いにパンチやキックをぶつけ合う。だが、テクニックがバルタン星人の方が上らしくテラスの打撃はいなされ、逆にテラスは軽めとは言え着実にバルタン星人の格闘攻撃を受けていた。

 

「フハハッ!どうしたウルトラマンテラス、私はまだまだ余裕だぞ?」

 

とバルタン星人は煽る。テラスも負けじと反撃する。だが、バルタン星人の格闘術に圧倒されて攻撃が当たらない。

 

(くそっ……)

 

レオは思う。このままでは埒が明かない、テラスは後転して距離を置き、手からシュリケンショットを放つ。

 

「射撃戦か、いいだろう!」

 

バルタン星人もそのハサミ状の手から光弾を発射する。両者の攻撃がぶつかり合う。だが、互角の撃ち合いでは埒が明かない。そこでテラスは額からウルトラレーザーを放った!

 

「ジュワッ!」

 

額からの光線に不意を突かれたバルタン星人はウルトラレーザーによって今回初めてダメージらしいダメージを受けた。

 

「ぐっ!」

 

さらに追撃すべくテラスはエネルギーを纏わせたテラスキックの回し蹴りバージョンを放つ。

 

「ジュアッ!」

 

「ちいっ!!」

 

バルタン星人はテラスキックが命中する寸前に瞬間移動で躱す。そして上空に浮遊する。

 

「なかなかやるな、ウルトラマンテラスよ。だが、これで終わらせる!!」

 

バルタン星人は両手のハサミから破壊光線を放つ!テラスも負けじとサンジェント光線を発射する!

 

「デヤアアッ!!」

 

「ジュワッ!」

 

2人の光線がぶつかり合う!2つの光線は拮抗しあい……。やがて爆発して消滅した。しかしテラスもバルタン星人も健在だった。

 

その頃近辺にあるダークロプスを格納する地球防衛隊秘密基地ではテラスとバルタン星人の戦いの様子がモニターされていた。

 

「くっ!何故よりにもよってこんな場所で戦うのだ。ダークロプスに何かあったら……」

 

と戦いの様子を見ながら呟く主任。そんな時基地内に警報がなる。主任が

 

「どうした!?」

 

と聞く。すると

 

「主任!ダークロプスが!再起動しましたぁ!」

 

「なんだとぉ!?」

 

主任はすぐさまダークロプスの格納庫内の映像をモニターに出す。すると、確かに数年以上前に搬入されてからというもの、うんともすんとも言わなかった筈のダークロプスが動き出し、拘束を引きちぎり外へ出ようとしていた。

 

「いかん止めるのだ!!」

 

と主任は指示をするが、

 

「止めると言ったってどうやって止めればいいんですか!?」

 

と悲鳴をあげる職員。その機能が完全に解析されていないダークロプスは一応の拘束はされていたものの、その拘束を引きちぎった時点で既に暴走状態である。職員達はなすすべなく、

 

「うわあああっ!!」

 

と逃げ惑うしかなかった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

テラスとバルタン星人は互いに組み合ったまま睨み合う。そして両者が同時に頭突きをかました!2人の頭がぶつかり合い鈍い音が響き渡る。両者は後ずさりする。

 

「ふっ……、中々やるな。そうでなくては……」

 

とバルタン星人が言った所で2人の近くの山の一角が突然爆発した。2人は思わずそちらの方を見る。爆発した格納庫の入口から出て来たのはダークロプスだった。

 

(ウルトラマン?)

 

ダークロプスの姿を見たテラスは思わず呟く。しかし、ダークロプスが纏っている暗い気配にレオの勘が何かヤバいと告げていた。バルタン星人もダークロプスを見て、

 

「むっ、ダークロプスか。まさかこんな場所で動く実物に出くわすとはな!」

 

と言う。ダークロプスはテラスの方に駆動音を鳴らしながら向くと、

 

『ウ……、ウルトラマンを確認……。破壊する……!』

 

と喋り、テラスに襲い掛かって来た!

 

「ジュアッ!」

 

テラスはダークロプスの攻撃を躱し、組み合う。しかしダークロプスの力の方が強く、そのまま押し返される。

 

(くっ……)

 

ダークロプスのパワーにテラスは思わずたじろぐ。ダークロプスはテラスを突き飛ばし、両腕をL字に組んでダークロプスショットを放つ。テラスは慌ててその光線を躱す。光線は地面に着弾し、爆発した。ダークロプスショットを躱したテラスだが、今度はダークロプスが放ったダークロプスメイザーが襲い掛かる!

 

「ジュワッ!?」

 

直撃は免れたものの爆風で吹っ飛ぶテラス。そんなテラスにダークロプスはさらに追い打ちをかける様に攻撃を仕掛けてくる。

 

「……っ!!」

 

このままではやられる……。そう思った時である!

 

「ウルトラマンを倒すのは私だ、邪魔をするな!」

 

とバルタン星人が光線を放つ。

 

「ジュッ!?」

 

光線を受けたダークロプスは吹っ飛んだ!

 

(今だ……!)

 

この隙に体勢を立て直したレオはシュリケンショットを放ち、ダークロプスの頭部に命中!

 

『ウルトラマン……。バルタン星人……。両方とも破壊対象とする!』

 

そんな声が響く。そしてダークロプスの目が光り、戦闘態勢を取るのだった……。

 

テラスとバルタン星人と対峙するダークロプスは頭部に装着されている刃物、ダークロプススラッガーを分離させ両手に持って構える。それに対し、テラスとバルタン星人も身構えるのだった。そして、ダークロプスは両手のダークロプススラッガーを振りかざして2人に飛び掛かってくる!

 

「ジュワッ!!」

 

テラスは飛び蹴りで迎撃する。しかし、ダークロプスのパワーに押される!

 

「くっ……!」

 

バルタン星人も格闘戦を仕掛けようとするが、ダークロプスがダークロプスメイザーを撃って妨害してくる。

 

『破壊……!』

 

と呟きながらダークロプスは両手のダークロプススラッガーを振り回す。テラスはその攻撃を避けつつ反撃しようとするが、その暇を与えないとばかりにダークロプスは猛攻を続ける!

 

「ジュアッ……!」

 

テラスはダメージを受け、徐々に劣勢になる。バルタン星人もダークロプスの攻撃を躱すので精一杯のようだ。

 

「おい!聞こえるか!?」

 

とバルタン星人がテラスに話しかける。

 

「ジュアッ!?」

 

「ダークロプス……、奴の弱点は胸のシステムコアだ!」

 

テラスがダークロプスの方を見やると確かにダークロプスの胸にカラータイマーの様な装置があった。

 

「私が奴の気を引く!その隙にシステムコアを撃ち抜け!」

 

バルタン星人がテラスに言う。テラスは「ジュアッ!」と叫ぶ。そしてダークロプスに向かって行く。

 

『ウルトラマン……、破壊する……!』

 

そう呟くダークロプスに対してバルタン星人の姿は急に複数に別れた。バルタン星人の得意技の1つである分身である!

 

「フォフォフォフォフォフォ……」

 

ダークロプスは分身したバルタン星人に攻撃するが、バルタン星人は上手くダークロプスの攻撃を避けながら1人、また1人と本体に戻っていく。

 

「今だウルトラマン!」

 

と1体のバルタン星人が叫ぶ!その声に応える様にテラスは額からの光線とカラータイマーからの光線を融合させたデュアルドリルレーザーを放つ!

 

『!』

 

攻撃に気づいたダークロプスだがもう遅い。システムコアに光線の直撃を受けたダークロプスは火花を散らして後ろに倒れ込み、そのまま爆散したのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「何と言う事だ……!ダークロプスが……!」

 

地球防衛隊秘密基地で事の顛末を見ていた主任は狼狽える。ダークロプスを守るのが自分達の役目だったのにそのダークロプスが暴走した挙句爆散してしまった。もはや彼の処分は免れないだろう。

 

「せめて、この基地の証拠は全て消しておかなければ、私はそれこそ消されてしまうだろう……」

 

と呟きながら主任は証拠を隠滅する。

 

「ウルトラマンテラスめ……、やはり我々の障害になる存在だ」

 

主任はそう呟くのだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

その頃、ウルトラマンテラスとバルタン星人は戦いのダメージで膝をついていた。ダークロプスを倒すことは出来たものの、テラスもバルタン星人もひどく消耗していた。

 

「ハァ……、ハァ……」

 

と荒い息づかいのテラス。カラータイマーも既に点滅している。

 

「……決闘どころでは無くなったな。つくづく運の良い奴だ」

 

とバルタン星人は呟く。そして、2人の身体は縮小していった。

 

「ぜえ……ぜえ……!マジ疲れた……」

 

肩で息をするレオ。そんな時、

 

「お前が……。テラスだったのか……?」

 

と声を掛ける者が居た。レオが振り向くと

 

「サヨメさん……!?」

 

そこに居たのは自分と同じく疲れた様子で、同時に驚いた様子のサヨメだった。そして驚愕していたのはレオもだった。

 

「サヨメさんが……、バルタン星人……!?」

 




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