アビリティ・バース   作:NeetStudent

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前回のあらすじ
夏だというのに急に辺りが冬のように寒くなり、ガクガク震える三人!睦月の炎も寒すぎてあまり長く続かない!三人はこの謎の能力を解明すべく、北西へと向かう…


第6話 冬が来る

ローズ「各員、降下開始!」

ローズの号令と共に、チキンアーミーの隊員が次々と航空機から飛び出す。

そして近くの廃屋に一斉に着陸した。

ローズ「皆、よく聞いてくれ。あのターゲット3人の情報を仕入れてきた。」

ローズ「桜庭睦月、能力は『爆炎(フレイム)』。炎を自在に操る能力だ。」

アクア「あら。私の『氷結(フロスト)』とは相性が悪そうね?」

ローズ「そして二人目は五条隆景、能力は『炸裂(スパーク)』。本体が触れたものが衝撃を受けるとそれが爆発する能力だ。」

マリオ「つまりはヂョヂョのキラキラクイーン…???無理だ…勝てるわけがないっ」

マリオが絶望しながら膝を地に付ける。

ローズ「厳密には違う。犬を越える大きさの生物は能力の対象外らしいからな」

マリオ「それでも…」

ダイヤ「うるせェぞ!!黙って聞きやがれこの腰抜け(チキン)がァ!!」

ダイヤが斜め移動しながらマリオを追っかける。どうやら、この行動は怒ったときに出る癖のようだ。

マリオ「ひィィ~~~!その癖治しなよダイヤァ~~~」

 

ローズ「…アイツらは置いといて、最後は白石麻琴、能力は『電光(ランブル)』。雷や電気を操る能力だ。」

マリン「その能力欲しい~…アタシのスマホすぐ充電無くなるし…」

マリン「脳だけ取ってその能力もらえないかな…」

その発言に、周りはビビり散らかした。

アクア「じゃあ私が行きましょうか?凍らせたら身体の損傷は少ないもの。マリンちゃんの要望にも応えられるかもしれないわ」

マリン「いいの~?じゃおねが~い」

そうしてアクアは霧に包まれ、どこかへと行った…

 

アクア「…とは言ったものの、案外あの子たちやるわね」

あの炎があんなに持続するとは思わなかった…きっと今アトラスで私の位置を特定して向かってきている所…と言った感じね

アクア「でもその炎も…じきに消してあげるわ」

アクア「『零』」

そう言ってアクアが氷の大粒を飛ばす。

 

睦月はそれに気づき、二人を守ろうと押しのけた!

睦月「隆景!麻琴!危ない!」バシーン

麻琴「きゃっ」五条「!?」

バチィッ!!ビキビキ……

それは睦月の腹部に刺さり、その場所から身体が凍り始めた…

五条「睦月!?」麻琴「いやあああああああああああ」

睦月「うあ…あ……炎で体温を上げないと…!」

睦月は己の能力で体温を上げることで氷を溶かそうと試みるが…

ジュウウウウウ…

なんと炎の方が掻き消されてしまった…!

睦月「だめ…か…」

隆景…麻琴…ごめん

俺…ここで死ぬのかな

睦月「二人…とも…ごめん……俺の……炎じゃ…足りなかった」

白石「え……何…言ってるの?むーくん…?」

五条「おい睦月!!何言ってんだァ!!しっかりしろォ!!!」

五条が能力を使い睦月を起こそうとする。しかし睦月の意識は混濁したまま。

睦月「思えば………隆景…小学校のころ、お菓子の取り合いになって…よく喧嘩したな……」

吹雪と足元の氷で睦月は過去の罪を独白し続ける。

五条「そんなこと……もういい…もういいだろ!!」

五条が彼の場違いともいえる独白に、怒りと悲しみの混じった涙を流すが、それすらも凍る。

睦月「麻琴も……あのときの俺は泣いてばっかで……そのたびにいつもお前に泣きついて……男なのに…情けないよなぁ……」

白石「ううん…っ…あたし嬉しかった……むーくんがあたしを頼ってくれて……だからさぁ…死なないでよっ…!」

睦月「お前らは……死ぬな…よ…」

白石が体を震わせ、顔を歪ませて号泣する。

白石「お願いだからぁ!!!死なないでよぉ!!睦月ぃ!!!あたし…まだ睦月に……き……な……」

その慟哭が氷霧の中を満たした。しかし、その慟哭も睦月の沈む意識には届かなかった…

 

俺…死んだのか?

麻琴が俺のこと…「睦月」って呼んだのは初めてか?

 

???「にーちゃん!こんな所までどうしたの?」

 

その…声は……!?

姿は見えないけど…疾風!?疾風なのか!?

 

疾風「うん!やっと会えたね!にーに!」

 

疾風「…?どうしたの、にーちゃん?なんで泣いてるの?」

 

くっ…だってよ…っ

一度もお前に会えなかったのに……今…こうして話せてることがよ…うっ…

 

疾風「???」

 

そして、俺は事の顛末を話した…

疾風「なるほど~?…そのあびりてぃー?ばーす?ってのはよく分からないけど…」

疾風「まもりたい~!とかどうにかしてどうにかしたい~!みたいな気持ちでこう…ぐあー!ってしたらいいとおもう!」

な…なるほど?

疾風「だからさ、にーに」

疾風「もうちょっとだけ、がんばろ?」

目の前が光で包まれる。疾風の声が遠のく。

 

疾風…お願いだ

行かないでくれ…!

疾風「だいじょうぶ、にーに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾風「また、いつかあえるよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう、疾風……

託された以上、全力で守らなきゃにーちゃんとして恥ずかしいや

 

白石「うっ…うああああああああああああああああっっ!!!睦月ぃ!!!睦月ぃぃぃぃぃぃ!!!」

白石「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!」

 

五条「うっ…ぐっ…く…クソ…なんでっ…こんな……」

アトラス(五条)「『爆炎(フレイム)』桜庭 睦月の死亡を確認。参加者残りあと50億人。」

 

アクア「一人倒したみたいね。この調子で2人も…」

アクアがまた「零」を飛ばす。

今度は、白石の頭をきっちりと捉えて…

白石「ああ…あ…」

白石は完全に気力を失っていた。これで終幕か。

…しかし

五条「それがぁ…」

五条「どうしたぁ!!」バチーン!!

五条は炸裂(スパーク)を宿した拳で氷の欠片を殴り、それを爆発四散させた!

アクア「うそっ…!?」

あれは100tのハンマーでも壊れないのに…!?人間の腕で…!?

白石「ぐすっ……むーくんがいないなんて…あたしなんてもう…!!」

そう言って白石は自身の真上に雷を落とそうとする。

五条「おい、麻琴ぉ」

と、五条はその手を掴む。

五条がいつも彼女を呼ぶ時とは違い、低い声で脅すように彼女を呼ぶ。

白石「な…なに…」

白石は涙で腫らした顔で五条を見上げる…

バシーン!

なんと、あの五条が白石をビンタしてぶっ飛ばした!

五条「しっかりしろ!睦月は……俺たちに「死ぬなよ」って言ってくれた!それに応えねぇでどうすんだ!!」

五条「俺たちにできることはただ一つ……睦月をこんなにした野郎をブチ殺すことだぞ」

五条「…俺と協力して!!!こんなことしたクソ外道をぶっ飛ばそうぜ!!」

五条が辛い心を弾き飛ばして、白石を鼓舞する。

五条「麻琴ちゃん。俺に…ノってくれないかな?」

 

次第に白石は涙を拭い、できる限りの笑顔で五条に言った…

白石「うん…!もうあたし、泣かないから…!」

 

白石「あたしは本体探すから、隆景は援護をお願い!」

 

アクア「フフフ…無駄よ」

アクア「一番脅威だった「爆炎(フレイム)」が死亡した…それだけで、私の勝利は確固たるものだもの」

 

アクア「一人一人、私の『氷結(フロスト)』で氷漬けにしてあげるわ」

 

つづく




「氷結(フロスト)」
保有者『アクア・リヒトフォーゲン』
冷気を作り出すことができる能力。空気を凝固して氷にすることもできる。
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