【一発ネタ】もしもドリスコールの代わりに石田宗弦の師匠が“O”の聖文字を授かっていたら   作:クソ雑魚ナメクジ

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第2話

 

雀部長次郎に確実にトドメを刺したことを確認し、影の領域(シャッテン・ベライヒ)へと帰還する。

 

太陽の門を抜け、謁見の間へと赴き、陛下に顛末をご報告すると、陛下は表情を僅かに和らげられた。

 

「よくやったエーデルワイスよ。此度のお前の働きは、私の一抹の懸念を取り除くものであった。紛れもない大義である」

 

「そのお言葉を拝聴できただけで、報われる思いでございます」

 

「来たる尸魂界侵攻でも活躍を期待しているぞ?」

 

「はっ! 聖章騎士(ヴェルトリッヒ)としての誇りに掛けて、必ずや陛下のご期待に応えてみせます」

 

陛下は満足したように頷かれると、下がってよいと仰られる。

 

謁見の間を退室し、廊下を歩いていると僅かに体が震えていることに気付く。

 

戦闘時のテンションから非戦闘時のテンションへと戻ったことで、自覚していなかったストレスが体の震えとなって現れたのだろう。

 

戦いに身を置くものとして醜態も良いところだが、こればかりは戦いに対する適性の低さであるため、如何ともし難い。

 

常に戦いに対する心構えをしている心算(つもり)だったが、私は感情ではなく本能で戦いというものに忌避感を抱いているのだろう。

 

理性で捻じ伏せれば戦闘には支障がない為、早急にどうこうする心算はないが、これからの課題として検討しなければならない事案ではある。

 

そんなことを考えながら部屋に戻ると、部屋の前に立っていたベアトリスが駆け寄ってくる。その勢いのまま抱きつくと、安堵した様子で私に体を預けてきた。

 

「良かった。エレオノーレ様がご無事で……本当に良かった」

 

よくよく顔を見ると、ベアトリスは静かに涙を流していた。どうやら心配を掛けたようだ。

 

「大袈裟ね。ただ宣戦布告しに行ったくらいで私が死ぬと思うの?」

 

あえて戯けた調子で声を掛けてみるが、ベアトリスは一向に泣き止まず、むしろ力を込めて抱きしめてくる。

 

宗弦に聞いた話では、日本には「泣く子と地頭には勝てぬ」ということわざがあるらしいが、どうやら本当のようだ。

 

そんな益体のないことを考えながら、ベアトリスが泣き止むのを静かに待った。

 

 

泣き止んだベアトリスと部屋に入り、未だ心配そうな顔で私を見つめる彼女に今日あったことを語る。ただ宣戦布告をしてきただけで、死神と戦闘になる前に退却したと。

 

心根の優しいベアトリスのことだ、私が死神を殺害したと知れば悲しむだろう。だからこそ、彼女には嘘の報告をする。

 

瀞霊廷侵攻が始まれば否が応でも死神は殺すことになるが、それまでこの子には余計な負担を掛けたくない。

 

やがてベアトリスが安心したような顔に戻った時、不意に部屋の扉がノックされた。

 

ベアトリスが即座に席を立ち、極めて慎重な様子で扉を開くと、立っていたのはリジェ・バロだった。

 

「久しぶりだね、エーデルワイス」

 

自らの部屋のように堂々と入ってくると、開口一番そう告げた。

 

無遠慮に部屋に入ってきたリジェにベアトリスが不満げな顔をしたので宥め賺し、こちらも挨拶を返す。

 

「久しぶりねリジェ。珍しいわね、貴方が一人だなんて。今日は他の神赦親衛隊(みんな)と一緒じゃないの?」

 

「別にいつも一緒って訳じゃないよ。気が向いたら集まるし、そうでなきゃバラバラって事もあるさ」

 

「そう。それで? 私に何の御用かしら?」

 

「君が死神を殺したことで悩んでるんじゃないかと思って来てみただけだよ。元気そうだし、わざわざ来る必要はなかったみたいだけどね」

 

余計なことを! そう思うも、既に吐かれた言葉は戻らない。恐る恐るベアトリスの方を見ると、悲壮な表情を浮かべて私を見つめてくる。私に嘘を吐かれたことと、私が死神を殺害したことに心を痛めたのだろう。

 

恐らくリジェ本人に悪意は無かったのだろう。予めベアトリスに伝えなかったのは私の判断だし、それを事情を知らない他人に押し付けるのは不条理というもの。

 

リジェが心配して様子を尋ねに来てくれたのは事実のようだし、それに付いては本当に感謝するけれども、この状況をどうしたものか。

 

ただただ不運に不運が重なっただけ、それ故に対応が分からない。とりあえずこの状況を招いたリジェには、ベアトリスの説得に加わって貰おうかしら。

 

……否、この男がそんなことをする筈がないか。

 

「……ありがとう。折角来てくれたのだし、紅茶でも淹れましょうか。現世で買ったものでよければ、お菓子も出すわよ」

 

取り敢えず、先ずは心配して訪ねてくれた相手に感謝を示すべきだろう。

 

それに、事あるごとに陛下の最高傑作を自称して、他の団員と仲良くなる気が毛頭ないような男でも、私の数少ない古馴染みなのだから。

 

リジェに空いている椅子に座るように促し、適量の茶葉を予め温めておいたティーポットに入れ、沸かしたお湯をティーポットに注ぎ、三分ほど蒸らして茶葉が開くのを待つ。

 

お菓子は自らの手で作ったものでないのが心惜しいが、その分味は折り紙つきのものを選んだつもりだ。

 

「君が買ってきたというのだから間違いはないのだろうが、どんな菓子なんだい?」

 

「『ABCookies』っていうお店で買ったショートケーキでね、ふわふわの食感と絶妙な甘さですごく美味しいの。きっとリジェも気に入るわ」

 

「それは楽しみだ」

 

茶葉が開いた頃合いを見計らって紅茶をティーカップに注ぎ、ショートケーキと一緒に提供する。

 

リジェはショートケーキの味をお気に召したようで、来た時よりも幾分か機嫌良さそうに帰って行った。

 

 

さて、リジェが帰ったことで部屋には私とベアトリスの二人が残される。

 

「……エレオノーレ様」

 

「……はい」

 

「……詳しくお聞かせ願えますね?」

 

「……ごめんなさい」

 

……本当にどうしたものかしら。

 




 
見切り発射なので、更新は不定期です。

本当に申し訳ないです。

作者はクソバカで作品はおかしいところだらけだと思うので、より良くなるようなアドバイスをいただけると嬉しいです。
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