陽だまりに焦がれて   作:oir.1

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第十二話

 

 

 

 

 

「貴様ッ!!何故トランクス達を見捨て,こんな奴らを助けた!!」

 

「…………」

 

場は界王神界。破壊された地球から何とか命からがら逃げてきた悟空とベジータは,悟飯やトランクス達を助けれなかったことから揉めていた。

 

しかしデンデの話によって,ナメック星のドラゴンボールを使うという手段が出てきたことで希望が見えてきた。

 

……だがしかし希望だけでは無い。地球の爆発と一緒にバラバラになったルナを吸収した女型の魔人ブウが再び宇宙空間で蘇った。界王神達は再び悟空にポタラを付けるよう言うが,悟空とベジータはそれを断る。……それはサイヤ人としての本能か。少なくとも2人はここでそれを断れる戦士だからこそここまで強くなれたのだろう。

 

その瞬間界王神界が異質な気に呑まれる。

 

 

 

 

 

 

 

「沢山…人が居るね…コンニチワ…」

 

「ぶ……ブウ…な……何故」

 

「そういや……ルナは瞬間移動が使えるんだったな……ちくしょう……厄介だな……」

 

突然界王神界に現れた魔人ブウ。それはルナが習得している瞬間移動によるものだった。

……そのブウを前にして,界王神達は急いで瞬間移動で退散し,ブウとの……ルナとの戦いが始まった。

……サタンが取り残されてしまっているのは気にしないでおこう。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「……ルナ。おめぇとはこんな形になっちまったけど,ずっと戦ってみてぇと思ってんだ。

オラ達はあのドラゴンボール探しの旅で最初に出会ったはずなのによ……おめぇはずっと底知れねぇし,分かんねぇことばっかだった。」

 

悟空は思い返すルナとの出会いを。

自身がブルマによって外の世界に連れ出され,最初にあった少女であるルナ。当時はただの普通の少女だと思っていた彼女は,時が進むに連れて,素性もその実力も底知れない不思議な人物となっていった。

……思えばこれだけ付き合いが長いはずなのに,ルナとは1度も戦ったことがなかった。そう思うと悟空はこんな状況下だと言うのに笑顔を浮かべてしまう。

 

「……へへ!行くぞッ!!」

 

その刹那。超サイヤ人3となった悟空がルナへと果敢に突撃する。まずは小手調べでフェイントをかけ,瞬間移動で背後をとって蹴りを入れようと目論む。

 

 

「……あは」

 

「……!!」

 

背筋に悪寒が走った。

確実に背後を取ったはず……そう思っていても,今自身の背後で不気味な笑みを浮かべる魔人ブウを見て,完全に見切られていたことを察する。

 

ーーーそんなはずはねぇ……あの一瞬の攻防で動きを見切れるはずが……

 

 

「……だりゃあぁぁぁッ!!!」

 

 

悟空はラッシュを仕掛ける。自身の今までの修練と,強敵たちとの経験による並大抵のものでは捉えきれないはずの攻撃がことごとく受けられ,避けられ,流される。

 

「…………凄い凄い!頑張れ頑張れ!」

 

「ちくしょう……!余裕そうにしやがって……!!当てれねぇとでも思ってんのか……?なめんなよ……!!」

 

悟空は気の弾幕を張り巡らせ,魔人ブウの行動を制限するように囲む。回避の能力が高いのなら,そもそも動ける範囲を小さくすれば…………絶対に避けれない状況を作ればいい……そう考えたのだ。

多少自分の動きも制限されてしまうが……お互いぶつかりあった肉弾戦なら自身に分があるはず……そう思った。

 

「……ッ!!」

 

「……ふふ」

 

悟空は驚愕した。魔人ブウは悟空の目論見通り,動いていない。

……ほぼその場を動かずに悟空の攻撃を全て紙一重で避け続けている。

こんな事が有り得るのか……悟空は今までの敵からは感じたことの無い不気味さに動揺を隠せない。

 

「……()()()()…次は私……ね?」

 

「!?」

 

自身の名前を呼ぶ魔人ブウ。否。恐らくルナにどんどん全てを乗っ取られていっている影響でルナの人格が段々と表に顕現しているのだろう。もう今の魔人ブウは魔人ブウではない。ルナそのものなのだ。

 

悟空はそれに動揺した隙を狙われ。ゴリッ……と鳩尾の辺りに拳を捻じ込むように殴られる。

それだけで自身の体は地に沈む。

 

「……ガハッ!!」

 

「どう……?私強いよね……?」

 

ルナは狂気的な笑みで倒れ伏す悟空にしゃがみこみながら,目をハッキリと合わせて問いかける。

だが,そんな悟空を見かねてベジータがその場へ加勢にきた。

 

「……チッ…カカロット。貴様と共闘なんぞ反吐が出そうだが……コイツの相手はそうは言ってられんようだな……」

 

「へへ……まいったな…ルナの奴……どんだけ力を隠してやがったんだ……」

 

悟空とベジータは察した。コレは一対一でどうこうできる相手ではないと……そうして2人は共闘する姿勢を見せ,ルナと相対するが……

 

 

「……ねぇねぇ悟空くん……見てよ……私こんなに強くなったんだよ……?」

 

「……なんでオラにそんな………………」

 

ルナが何故か執拗に自身に話しかけてくる。……まるでそれ以外の記憶が無いかのように。

じりじり……じりじりと自分に近づいてきた。その時に見えたルナの表情は泣いているとも,笑っているとも言えるような不可思議な表情をしていた。

 

 

「悟空くん……見て…もう大丈夫だから……大丈夫だよ?私が殺すから…………絶対に殺すから……ねぇッ!!悟空くん!!アハハハハハハHAHAHAHAHAHA!!!」

 

悟空にとっては意味が分からない言葉を繰り返し,繰り返し叫ぶルナ。

魔人ブウに吸収されてルナの人格が主人格を乗っ取るほどに顕現しているという事は,これがルナの本心なのだろうか?……だとしても意味が不明すぎる言動に悟空は恐怖すら覚えた。

 

「……チッ!!ぼーっとするな!カカロット!!もう中にいる女は諦めろ!!明らかに奴は異常だ!この場で魔人ブウごと殺しきるぞ!!」

 

「……あぁ分かってるさ」

 

そのベジータの喝と共に,一斉にルナへと飛びかかる2人。

錯乱させるために2人交互に交差する形で同時に攻撃を仕掛けるが,ルナは何も焦る様子もなく,簡単に2人の攻撃を避ける。

 

「……邪魔」

 

「ぐぁッ!!」

 

 

ベジータを興味が無いかのように地に蹴り飛ばしてあしらうと,悟空の死角である背後にそっと立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………あはっ…ずっと一緒だよ……?」

 

 

 

 

 

 

ガリッ……

 

 

 

 

 

 

瞬間。悟空の右腕が()()()()

 

 

 

「……ぐッ…うぁ…………!!」

 

 

「カカロットッ!!」

 

突然右腕を失い。その痛みからつい蹲ってしまう悟空。

ベジータはそんな悟空を見て,動揺する。

 

もぐ……もぐ……んぐ………あはっ……美味しい…………これでずっと一緒……もっと……食べたいな」

 

ガリッ……ボリッ……と口いっぱいに詰め込みながらゆっくりと味わうに噛み締め,何度か咀嚼を繰り返した後にゴクンッ……と飲み込むルナ。口元についた悟空の肉片をペロリと舐め上げるその表情は恍惚に満ちていた。

……その様子を見たベジータは今まで何度も相対してきた強敵達とは違う別次元の狂気と出鱈目な存在にゾクリと身の毛がよだつ。

 

 

「……カカロット。1分でもいいお前が奴を消し飛ばせるくらいの気を貯めろ…片手だけだとしてもな」

 

「……ベジータ。おめぇひとりでアイツの相手するつもりか……?無茶だ死んじまうぞ……それに1度死んでるおめぇがもう1回死んじまったら…………」

 

ーーーこの世からもあの世からも消えちまう

 

「……余計なお世話だ。それに……奴にもし俺たちが負けるようなことがあれば……この世もあの世も地獄だろうぜ……断言してやる。奴は今までの敵とは……嫌。奴は同じ生き物じゃない。別のナニカだ。」

 

ベジータは悟空からその言葉を聞いても怖気付きはしなかった。そんな事は覚悟の上……ベジータは確信している,奴はこの世界に存在してはいけない生物なのだと。

 

「……よしやるか!!」

 

「……だぁれ?」

 

「……ふん…俺には興味がないか……?舐めやがって……!!今すぐその透かしたツラをボロボロにしてやるぜ……」

 

ベジータは攻撃に転じ,一心不乱にラッシュをかける。……相手から攻撃されてしまっては今の自分に対処する手段はない……そう考え,兎に角時間を稼ぐために息付く暇もなく攻撃をし続ける。

 

「…………?」

 

「はぁ……はぁ……クソッタレめ……掠りをしないだと……?どうなってやがるんだ一体……」

 

勿論……そんな攻撃をしていたら先にスタミナが尽きるのはベジータの方だ。だがたとえ打点にならないとしても元気玉の時間を稼ぐためにやり続けるしかない。……そう考えベジータはもう一度攻撃に転じる。

 

 

 

 

 

 

「…………んー……飽きてきちゃった……もういいかな」

 

 

 

その刹那。ルナがベジータの息をついた瞬間を縫って,一瞬のうちに攻撃に転じた。

ルナは音が遅れて聞こえる程の速度でベジータの腕……足……全ての関節を一気に破壊していき,ベジータが気づいた頃にはもう自身の体は痛みを感じることがないくらいに壊され,動かなくなった。

 

「……く……そ……ったれ……全く見えなかった……それどころが気づきもしない…………だと……本当に一瞬のうちに攻撃されていやがった…………」

 

地で蹲るベジータを一瞥し,ルナは超サイヤ人3で気を貯めている悟空の元へ向かう。

 

「……んー何やってるの?悟空くん」

 

「へへ……いやぁ少し待っててくれ……ちょっとしたおまじないってヤツさ……」

 

「おまじない?」

 

無茶が過ぎるが,悟空は不思議そうな様子で気を張っている悟空の周りをクルクルと飛び回るルナに対して何とか時間を稼げないか,会話でやり過ごそうとする。

 

「……ところで…ルナ。おめぇは一体何が目的で今まで生きてきたんだ……?何かしら目的があるのは薄々分かってるけんど……」

 

本心で気になっていたことであるのは事実だが,時間を稼ぐのに丁度いいと思い,それとなく質問をしてみる。

……悟空の見立てでは,このルナを吸収した魔人ブウは人格こそルナに乗っ取られているが,逆に乗っ取られているからこそ話は通じると考えている。ルナの人格が,強すぎるルナ本人の意思で表に出ているということは,そこに嘘偽りのない本心が聞ける……そう思った。

 

「…………んー目的?復讐するためだよ。」

 

「復讐?一体誰に?」

 

「……えーとねカミサマ」

 

ーーー神様?

 

時間稼ぎのための質問だったが,想定よりもハッキリとルナが話してくれたため,純粋に悟空も続きが気になりはじめた。

気を貯めるのに集中しつつも,話の続きを促す。

 

「……あ。そうそうあと何より悟空くんを助けたいんだ!」

 

「……オラを?」

 

「うん!そしたらまたーーー。 あ。それより悟空くん。それ大丈夫?どんどん気が減ってきてるよ?」

 

つい話に夢中になってしまった悟空は己でも気づいていなかった。

 

「ぐッ……力が……そんな……!!」

 

「あ……戻っちゃった……でも私はこっちの姿の方が好きだよ?」

 

「……へ…へへ……そりゃ嬉しいな……」

 

超サイヤ人3から元の通常の姿に戻ってしまった悟空はそのルナの言葉に乾いた笑みを浮かべる。

原因は超サイヤ人3は生身で変身するには負担が大きすぎたのだ。結果悟空は気を溜めるどころが,気を減らしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを見ていたベジータは,おそらく自分たちの戦いを見ているであろうデンデ達に声をかける。それは復活したナメック星に行って,ドラゴンボールを集めて欲しいというお願いのためであった。

 

叶えて欲しい願いは2つ……ひとつは地球を元通りに戻して欲しいこと,もうひとつは天下一武道会があった日から死んだ者達を悪人を除いて生き返らせて欲しいということ。それがベジータが考えた願いである。

 

その願いによって地球が再び元に戻り,悟飯達や他の地球の仲間達も生き返った。

……そして2つ目の願いによりベジータも悪人ではないと判断され生き返り,そのおかげかルナによるダメージも同時に治った。

 

そう……ベジータの作戦は元気玉。悟空による元気玉でこのルナを倒そうという考えだった。

 

……なおルナはこの間に,暇なのか疲労困憊でぐったりしてる悟空をつんつんとつついたり,周りをくるくるとうっとおしいくらい回ったりして遊んでいた。

……だがある意味これで時間を稼げていると考えれば,かなりラッキーである。今のルナは悟空と話し,近くにいることでまだ精神が安定しているが,いつあの狂気的な発作がおきるか分からない。

もし再びあの発作が起きれば,今度こそ何をしでかすか分からない。そうなればおそらく本当にこの宇宙は終わりである。

 

「……カカロット元気玉の準備だ……!」

 

「え……?元気玉!?」

 

「?」

 

いつ殺されっかな……とルナにしつこいくらい構われている中,気が気じゃなかった悟空は,ベジータの言葉に驚いた。

……ルナもその言葉で悟空にちょっかいをかけるのをやめたらしい。

 

そしてその後界王の協力も得られ,宇宙中の元気を集めれるようになった。……悟空は無事な左手を天に挙げ,元気玉の準備にはいり,地球へ……そして宇宙中に声をかける。

ベジータは体のダメージも治ったことで再び死ぬ気でルナを止めようと構えるが……ルナが…ナニカに気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

「なに!?」

 

無言で何かを感知したルナはすぐに瞬間移動でその場から消え,それを見たベジータは想定外の出来事に驚く。

 

「カカロットッ!!奴が瞬間移動でどこかへ消えた!!不味いぞッ!!」

 

「……今探してる!!場所はち……地球!?やべぇぞ!!」

 

それを見た悟空もすぐに瞬間移動で追おうと気を探すが……見つけた場所は元に戻ったばかりの地球。

……感知した悟空はすぐに瞬間移動でその場へ向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

「よし……!これはきっと悟空たちの声だ!皆手を挙げるぞ!」

 

場所は天界。そこでは生き返った仲間達が,悟空達の声を聞き,元気玉の気を集めるために天へと手を挙げていた。

 

「うぅ……私だけなんであんな殺され方……」

 

「ブルマさん……気をしっかり」

 

なお。1人だけルナ吸収ブウによって死体をそのまま食われるという悲惨な殺され方をしたブルマは酷く気を落としていた。

……ビーデルやチチがそんなブルマを励ますが,そこに予想だにしない出来事が起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………あはっ…」

 

「……ま……魔人ブウ!?」

 

「……ルナちゃん……!!まだ魔人ブウに……」

 

仲間達は突如として天界に現れた魔人ブウに混乱し,ブルマは自身を殺した時と同じ……ルナを未だ吸収したままの魔人ブウを見て,まだルナが助かっていないことを察する。

 

 

「……皆さん!!下がっていてください!!」

 

「悟天!!俺達も!!」

 

「うん!!」

 

天界へと戻ってきていた悟飯,そして悟天とトランクスがフュージョンし,ゴテンクスとなりその魔人ブウを止めるべく攻撃を仕掛ける。

 

潜在能力を解放した悟飯,フュージョンし超サイヤ人3となったゴテンクス。いずれも悟空,ベジータとは桁違いの力を持っている戦士だ。

この2人と戦って,勝てる相手など悪ブウは勿論。現状は絶対にいない……そう思われていた。

 

「……ガハッ……!!」

 

「うわぁッ!!!」

 

 

 

 

「…………アハハハハハハHAHAHAHAHAHAッ!!!」

 

先程まで悟空と遊んでいた時とは違い,自身を邪魔する物を排除するべく本気で撃退したルナは,一瞬のうちに悟飯とゴテンクスを制圧する。

 

「……ば…馬鹿な……あの悟飯とゴテンクスを相手にしてあんなにも軽々と……」

 

悟飯とゴテンクスの実力を最もよく知っていたピッコロはそのルナを見て絶望的な表情を浮かべる。……あんな化け物に勝てる手段があるのか…と。

 

そしてピッコロは察した。

 

ーーーおそらくあの地球人の女は最も吸収されてはいけない奴だった…………くそッ!ここまで力を隠してやがったとは…………恨むぞ……!!

 

 

 

「……アハハハハハハHAHAHAッ……………………」

 

 

その笑いがゆっくり……ゆっくりと静かに収まっていくと目を伏せ揺らめくように姿がブレていく。そして…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー死ね

 

 

 

 

 

一瞬にして目と鼻の先にルナが現れた……標的は……………………チチだった。

本能的に死を察して固く目を閉じる。だが一向に衝撃が来ない……不思議に思い目を開けると……

 

 

 

 

 

「……あ…危ねぇ……何とか間に合った……コイツ……なんで突然……」

 

「……悟空さ…!!み……右腕は……」

 

「あぁチチ……心配すんな。これは少し前にやられちまった怪我で今怪我した訳じゃねぇさ」

 

瞬間移動によってルナを追いかけてきた悟空がギリギリ間に合った。そして悟空の片腕で,腹辺りから押さえ付けられているルナは当然大人しくなるわけが無い。

 

 

 

 

 

 

「あああああアアアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」

 

「やべぇ……!!オラじゃ抑えきれねぇ……このままじゃ……!!」

 

ルナが歯をむきだし,目を血走らせながらジタバタと暴れ,チチに向かって殺意を込めた手を伸ばし続ける。チチはそれに酷く怯え,腰を抜かしてしまう。

そのがむしゃらな力は悟空には抑えきれないものだった。そして拘束が解けると思われたが……

 

「……おい!コイツどんだけ暴れるんだよ!!いい加減落ち着けー!!」

 

「お父さん……!僕たちも手伝います!!」

 

「ゴテンクス……!悟飯!!」

 

ダメージが抜け,何とか立ち上がれた悟飯,ゴテンクスの力を合わせてルナを必死に押さえ付ける。さらにそこに……

 

「……チッ!何してやがるカカロット!」

 

「ベジータも!そうか界王神様が……!」

 

地球へとルナと悟空が瞬間移動したのを見ていた界王神が,加勢に向かわせるためにベジータを連れてこの天界へと瞬間移動しに来ていた。

 

そして現在最強の4人の戦士によってギリギリルナを押さえ込むことが出来る。

 

 

 

 

 

「…………あぁぁぁッ!!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!!!」

 

「ちくしょう……!!なんでコイツ,チチにそんなに……!!さっさと離れろぉッ!!!」

 

悟空が何とか力を振り絞って超サイヤ人3となってルナを思いっきり引き剥がすことが出来た。

 

「はぁはぁ……クソッタレ……!作戦変更だ!!俺達4人でかかればまだ勝ち目はあるかもしれん!!一斉に行くぞ!!」

 

「へっへーん!!俺達のフュージョンの力見せちゃうもんねーー!!」

 

「僕ももう失態はしません……今度こそ奴を倒します……!!」

 

「よし……行くぞ!!おめぇ達!!ルナ……今度こそオラたちがおめぇを倒してみせる……!!」

 

4人の戦士が気を高めながら,構える。この地球で最後の決戦が始まる……そう予感させられた。

俯いたままピクリとも動かなくなったルナから不気味な雰囲気が漂う……戦士達は慎重に様子を見るが,ボソリと小さな呟きが耳に入った

 

「なんで……」

 

先程までの狂気的な声じゃない……酷く理性的な声に聞こえた

 

「なんで……止めるの?()()()()……」

 

「……!」

 

自身の名を呼ぶルナ。それは紛れもなくーーー

 

「なんで……私こんなに強くなったよ?

……私が今度は貴方をーーー」

 

ルナの純粋な本心からの,声だった。嘘偽りのないルナ本人の声。

 

「……ねぇ私を見て……私を見てよ悟空くん。また私と…………」

 

悲痛などこまでも懇願するような言葉だった。

 

「……助けて悟空くん」

 

助けを求める言葉。心の底からの願い。

 

 

 

 

 

 

ーーー寒いよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冷たい冷たい……孤独な寒さ。日が無い……暗い暗い暗闇の中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー辛い……よ

 

 

 

 

 

平和を愛したかつての少女はもういない。仄暗くどこまでも捻じ曲がった復讐心で生き続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー死にた………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして何処までも平凡な彼女はその果てにーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー自身の死を望んだ

……自ら,死を遂げる勇気もないくせに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









補足


〇ルナ吸収魔人ブウ(以降ルナと呼称)

完全にルナに人格を乗っ取られた状態。ちなみに乗っ取られた理由はルナの力がそもそも強大すぎて制御が大変だったというのもあるが,一番はルナの意思や,負の感情があまりにも強すぎて魔人ブウの主人格が敗北した。






〇ルナの意識状態

ベジータに「だれ?」と言っていたりして,記憶が曖昧なような描写があるが,これはいくら主人格がルナ本人でも魔人ブウに吸収されているというのは変わらないので微妙に魔人ブウの人格も混じってるため,若干錯乱状態だったからである。おそらくこのルナが認識出来ているのは,【悟空】【チチ】【ブルマ】の3人だけである。







〇ルナの食人衝動

これは先の2個目の補足で書いている通り,人格に微妙に魔人ブウの人格も混じってるため,そのブウの食欲が悪いように作用し,興奮状態の時もしくはルナにとって強く意識している人物がいた時に,お菓子に変える,とかではなくそのまま捕食することに幸福を感じるようになっている。
おそらくこれが働くのは悟空,ブルマ,チチである(うち2人は既に被害にあっている)







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