陽だまりに焦がれて   作:oir.1

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第6宇宙格闘試合編
第十六話


 

 

 

 

独りで暮らすようになってから暫く経った。何となくこの環境にも慣れてきて,そこそこ不自由なく暮らせている。

最近はパオズ山の動物達をペットのように可愛がっている。

 

「……んしょっと今日の洗濯も終わったかな。…………1人分だと楽だなぁ……」

 

何となくやる事も無くなってのんびりとしながら,お茶を啜る。

肉体が前の世界の仕様を受け継がれてるので別に食事も水分補給も排便も睡眠も必要ないが,何もしないというのも寂しいので一応形だけでもそういった行為をしている。別に味は感じるし。

 

「…………暇」

 

薄々分かっていたが,独りというのは思っていたよりも暇である。特に趣味も無いので尚更だ。

あと人肌恋しい。流石にあんだけイカれた長い年月の修行経験があるのでそういった性欲的なのはもう無いが,やはり人肌というのはどれだけ時間が経とうが恋しいものである。

 

「…………はぁ」

 

溜息をつく。そんな感じで今日も一日終わるのかな……なんて思っているとシュンッ……と目の前に誰かが来た。

あまりに驚いてつい飲んでいたお茶をむせてしまう。

 

「……オッス!」

 

「………………どうしたの?悟空くん」

 

まさかの現れた人物は悟空である。あんな出来事があったのにわざわざ瞬間移動で自分に会いに来た悟空にやっぱりメンタルが強いというか良い意味で空気が読めないんだな……と思う。

 

「…………あのさぁ〜どうしても頼みがあって来たんだ」

 

「……なに?」

 

悟空が少しバツが悪そうに手を合わせてお願いをしてくる。

一応耳を傾けてみることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「団体格闘試合に,第6宇宙ね……」

 

「そうなんだよ〜だからビルス様からも言われてルナを誘いに来たんだ。」

 

「その破壊神に頼まれてっていうのが癪なんだけど……」

 

ルナは別にもう復讐する気はないとはいえ,破壊神ビルスは死ぬほど憎んでるし,嫌いである。

いくら地球がかかっているといってもその相手に頼まれてというのは何となく複雑であった。

 

「頼むよ〜悟飯は忙しくて出れねぇみてぇだし。ルナさえ出てくれれば後はピッコロか魔人ブウに出てもらおうと思ってんだ」

 

「…………しょうがないなぁ……ただし私はなるべく後の方に出るから。先に悟空くんとかベジータさんが戦ってよ。

……あと個人的に魔人ブウは上手く言うこと従ってくれるか分からないし,ピッコロさんの方がまだ良いと思うよ。」

 

未練はもう無いといっても何となく悟空の頼みは断りきれないルナ。チョロい女である。

しかしあまり戦闘には積極的では無い為,あくまで悟空とベジータの後の保険としてだ。ルナは元々復讐のために力をつけただけで,従来は戦いや争いが大嫌いの平和主義なのだ。

 

「本当か!?やりぃ!それじゃあ格闘試合の日になったらオラが瞬間移動で迎えにくるぞ!じゃあな!!」

 

そう言うだけ言ってまた消えた悟空。本当に私の事を何も気にしていないのだろうか……?とルナは思った。

 

「……もう相変わらず慌ただしい人だなぁ………………」

 

だが,何となく嬉しさを感じた自分がいた事に,ルナは少しバツが悪くなったのだった。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……オッス!ルナ!迎えに来たぞ!」

 

「…………」

 

ルナの元に約束通り悟空と何故かベジータが来ていた。

しかしルナは黙り込んでいる。その理由は…………

 

「…………」

 

「どうしたんだ?ルナ 」

 

「ふん……さっさとしやがれ」

 

悟空が心配そうにルナの顔を覗き込む。……すると

 

「……汚い」

 

「へ?」

 

「なんでそんなボロボロで髭ももじゃもじゃなの……?」

 

黙っていた理由は単純に自身の元に来た悟空とベジータがあまりにも汚れていたからである。話を聞くとどうやら2人でギリギリまで精神と時の部屋に入って修行していたようだ。だとしてもしっかり綺麗にしてから来て欲しいものである。

……あと何より精神と時の部屋で修行してた頃の自分はこれ以上に見た目がイカれてたとはいえ,似たようなモノを感じてしまうため精神的にもあまり見ていたくないというのがあった。

 

「……お風呂沸かすから入っておいでよ。私そんな汚れてる人と一緒に行きたくない。」

 

「……おぉ!悪ぃな〜ルナ」

 

「……ふん」

 

そんなこんな悟空とベジータは身支度を整えると,準備を終えたルナを連れて,ウイスの元に集まっている皆の所へと向かう。

 

 

 

 

 

 

「あらやっと来たわね。もう皆待ってるわよ!」

 

「あぁ!悪ぃ悪ぃ!」

 

「……」

 

何やらキューブ状の物体に仲間たち皆乗っているらしい。

悟空は明るげに会話しているが,ルナは来たはいいものの正直気まずくてしょうがなかった。何よりあの破壊神が一緒に乗っているというのも嫌でしょうがない。何故自身の知らぬ間にこんなに仲良くなっているのだろうか?正直信じられない。

 

「ルナちゃん……」

 

「……久しぶりです」

 

「ほらみんな乗ってるわよ?早くルナちゃんも乗りなさい」

 

「……!」

 

あまり気にしないよう接してくれてるんだな……とルナは思った。だが正直その対応が今のルナにとってはありがたい。

 

 

 

 

そしてキューブの中に入り,移動を開始するが,本当に仲間たちをみんな観戦に呼んだからか何処か旅行へ行くような感じで皆盛り上がっている。……めっちゃ気まずい。

 

 

 

 

「……」

 

「ルナさん!これ食べるか?」

 

「……ありがとうございますチチさん」

 

何事もなく話してくれたチチから手渡された料理をもぐもぐと食べる。……というか誰とも話すことがないので本当に食べるくらいしかやる事がない。

 

「……やぁ来てくれたのかい?憎んでいる僕の頼みでわざわざ来てくれるなんて存外優しいじゃないか」

 

「……黙れ」

 

「ふん……来たからにはしっかり働いてもらうぞ」

 

破壊神から話しかけられる。話しかけてくんなよコイツ……と嫌悪感丸出しの顔で睨みつけた。

一刻も早くこの和気あいあいとしたほのぼの空間からぬけだしたい。というか本当に仲間たちの殆どが集合してるんじゃないか?これ……とルナは思う。

 

 

ーーー早くつかないかな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな願いが叶ったのか試合会場へとしっかり着いたらしい。

名前のない星という場所で第6宇宙の破壊神であるシャンパが選抜した5人と戦うことになる。

どうやら先に着いていた界王神ら一行と悟空達が話しているが,ルナは知らんぷりで何かを考えるように会場の周辺を漂う超ドラゴンボールを見ていた。

 

そしてその後。筆記試験なるものがあったが,第7宇宙のメンバーはピッコロ,悟空,ベジータ,ルナ,モナカの5人だったため何とか全員通った。魔人ブウを連れてきていたら不味かったかもしれない。

 

 

 

 

その後格闘試合が始まるが,そこで予想外の事態が起こった。

 

「……なんで私が最初なんですか」

 

「……破壊神の命令だ。お前が先鋒で出ろ」

 

「…………名前だけで偉そうにしやがって」

 

試合が始まると思いきや,まさかの先鋒指名をされた。

……憎き破壊神から偉そうに命令され,つい態度が悪くなる。

 

「まぁまぁ!ルナならそう簡単に負けることはねぇって!ビルス様とも互角だったじゃねぇか!」

 

「互角じゃない!僕が勝った!」

 

「……なんで悟空くんはコイツの肩を持つんですか」

 

ちなみにビルスがルナを先鋒に命じた理由は簡単である。この5人目の戦士として連れてきたモナカはビルスが悟空に動機を与えるために連れてきた戦闘力皆無の一般人なのだ。そのため何としてでもモナカまで順番を回さないために,ルナを先鋒として出しておけば,何とかなるだろうという考えだ。

ある意味ではルナと真っ向から戦い,その実力を理解した上での信頼である。……最もルナからしたら何も嬉しくないくそったれな信頼だが。

 

「……はいはい分かりましたよ戦えばいいんでしょう。出ますよ」

 

ルナはやる気を感じられない,気怠げな態度で武舞台に向かう。結局順番はルナ,ピッコロ,ベジータ,悟空,モナカの順となった。割と磐石な順なのではないだろうか。

そして格闘試合のアナウンスが流れる中,ルナはゆったりとした足取りで歩きながら相手の選手をチラリと確認する。

アナウンスによるとどうやらボタモという選手らしい。随分な巨体だ。

 

 

「おーい!ボタモ!そんなひ弱そうな奴一捻りでぶっ飛ばしてやれーー!!」

 

場外から相手の破壊神のシャンパの声が響く。

……破壊神はろくな奴がいなそうだなとルナは思う。

 

「……ふん」

 

なおこちらの破壊神であるビルスは特に心配などなさそうに無言で腕を組みながら佇んでいる。……本当に殺してやりたい。

 

「ルナちゃーん!頑張ってね〜!」

 

「ルナさーんしっかりだぞ〜」

 

「頑張れ〜お姉さーん!」

 

観客席からはブルマ,チチ,悟天などのルナとそこそこ仲が良い人達からの歓声があがる。……少し嬉しかった。ただ流石にもうお姉さんは勘弁してほしいとルナは思う。いくら肉体は不老で見た目だけでいえば若々しいとはいえ精神的に結構辛い。

他の仲間たちもルナの戦いに興味があるようで,皆割としっかりルナの方を見ていた。確かに今までちゃんと戦闘したのは破壊神との戦いくらいだった気がする。恐らく物珍しいのだろう。

 

 

 

 

 

 

そしてコングと共に試合開始……その直後に相手選手であるボタモがまるでボールのようにバウンドしながら縦横無尽に舞台を駆け巡る。

ルナは動く必要性を感じられず特に動かない。

 

「…………」

 

「へへっ……全く俺の動きについて来れないようだな……!」

 

冷たい目でルナは相対する。

 

「……それだけ?」

 

「は?」

 

「なら。次は私の番ね」

 

瞬間。一瞬でその巨体の懐に潜り込むと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズンッ!!!

 

 

一発だけの掌底。それを胴に叩き込んだ。

……相手の動きが止まった。

 

「はーはっはっ!!そんな攻撃うちのボタモには効きませーん!!」

 

「……」

 

シャンパがそんなルナを嘲笑うように高笑をあげるが,その付き人のヴァドスや戦士のうちの1人であるヒットは鋭い目をルナに向ける。

 

「ごえっ……」

 

「……」

 

ボタモは多量の血を吐きながらその巨体は地に伏した。

やった事は簡単だ。掌底で物理的にダメージを与えたわけでなく,自身の気を送り込み相手の身体に同調させたことで内側から肉体を破壊しただけである。

 

……相手を見抜くことを得意とするルナは何となく攻撃が効きにくい体質なんだろうなと察した。あの速度で自身の身体を地にぶつけて加速するのは相当な威力がないとダメなはずだ。それをあんな平気な顔で行っていた。何よりあんなバウンドするように体が跳ねるのは明らかに普通では無い。そういう要素からルナはボタモの体質に何となく気づいた。

 

「早く運んだ方がいいよ……多分内臓とか全部ぐちゃぐちゃだろうし。」

 

「……は,はい!」

 

アナウンサーをしていた宇宙人のような見た目の者がそのボタモを運ぶように舞台から降ろしていった。

 

「……次」

 

ただ機械的に作業のように相手を処理する。

そして第2試合。フリーザに似た見た目の異形の戦士が武舞台に登ってくる。名はフロストというらしい

 

「とてもお強いのですね……素晴らしい戦いでした。あなたと戦えることを光栄に思います。」

 

「……」

 

握手を求められるが,スルーした。嘘くさ……とルナは思う。何処までも凡人の域の思考を出ないルナは基本的に見ず知らずの他人をそこまで信用しない。ここまで明らかに爽やかさをアピールしているような相手だと逆に怪しいと感じた。

 

「割と冷たいよなぁ……ルナさん」

 

「まぁ……あくまで格闘試合だからな……仲良しこよしする義理もないだろう」

 

場外からクリリンやヤムチャのそんな声が聞こえてくる。……最もルナは今は割と誰相手でもこんな対応である。

そして合図と共に試合が始まった。

 

フロストが開幕と共に体の畝りを使うことで尻尾を叩きつけようとする。

しかしルナはそれを意に介さずに一撃軽く鳩尾に拳を捻じ込んだ。

 

「……ゴホッ!!」

 

「早く変身しなよ……その見た目的に変身できるんでしょ?」

 

「……な…なるほど……私の奥の手がバレてたようですね……ならば私も出し惜しみはしません!!」

 

ルナは本気を出さずに向かってくるフロストに無駄な時間を過ごさせるなとでも言いたげに一撃を与え,変身を促す。

するとフロストはその催促通り変身した。

どこぞのナメック星で見た覚えがあるようなスッキリとしたフォルムの最終形態だ。

 

「……では行きますよ!!」

 

「……」

 

随分と勇んで攻撃を仕掛けてくるが全てを紙一重で避ける。別に造作もないことだ。

……異常なのはその回避動作が,限りなく相手の攻撃とほぼ同時に起こるのだ。動いた瞬間に認識されたら,もう回避動作が行われている。そして何より反応速度が尋常ではない。

まるで全てを予知されているように感じてしまう。

 

「……何かナメック星のフリーザと戦ってる時のルナさんを思い出すな……本当にあの時の焼き直しみたいな光景だよ」

 

「……奴の異常な回避能力…映像で見た通り狂気的な修練の末に辿り着いたものなのだろうが……あれは一体どういった原理だ?」

 

当時。ナメック星でフリーザと戦うルナの姿を見ているからかクリリンとピッコロがその姿に反応する。

 

「……ウイス。やはりアイツは……」

 

「いえ。違いますね。限りなく似ているものですが,決して神の気を用いたものではないです。あれは神々の技術でも人が辿り着ける領域でもない異質な技術ですね。」

 

ビルスとウイスが神々の技と類似するルナの技術に訝しげな目を向ける。ルナの技は決して神の技術でも人の技術でもない。ただの人にもそれ以外の存在にもなれなかった異質な人ならざる存在だからこそ得れた技術なのだ。

 

「…………私はッ!負ける訳にはいかないんですッ!支援復興のためッ!シャンパ様にご支援をッ!!」

 

フロストはまるで舞台の主演かの如く熱い心情をルナにぶつける。……別に何も思わない。見ず知らずの宇宙の見ず知らずの他人を想う心なんてルナにはない。

 

フロストがヘロヘロな体のまま,鈍い拳をルナにぶつけようとする。

 

「負ける……わけにはッ……!いかないんだァァッ!!」

 

本来ならばここでフロストはルナに勝てるはずだったのだろう。それは彼の秘策によって。

……だがたとえどんな初見殺しでも搦手でも彼女には通用しない。どんな状況でもどんな攻撃でもルナの世界の刻は意のままにゆっくりと進み続ける。死を乗り越えた狂人にしか授けられない人間を極限まで高めあげた機能だ。

 

 

 

 

 

 

キィィィ……

 

 

 

 

 

スロー現象。あるいは走馬灯。それは人でありながら人を乗り越えたモノにしか意のままに操れない人外の力

 

 

 

ーーー視えた

 

 

 

 

 

 

何か狙ってるとは思ったけど毒針……ね。案外しょうもない奥の手だったね。やっぱりろくな奴じゃなかった。何なら良い人演じてる分余計に胸糞が悪い奴だったし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボキンッ!!

 

 

 

 

 

 

「があァァっ!!」

 

 

その刹那。フロストの振り抜いた腕が,小枝のように綺麗に折られた。

のたうちまわっているフロストの隙を見逃さずに,残りの四肢の関節を狙った刺突を高速で繰り出した。その攻撃は見事に関節だけを上手く破壊し,フロストは実質的なだるま状態……戦闘不能となった。

 

 

 

 

 

 

「…………次」

 

ゆっくりと歩いて近づきながら恐怖の視線をルナに向けるフロストを一瞥して,場外へゴミを捨てるように放り出すとルナは何も無かったかのように次の試合を促す。

……正直見てる側からすると何も面白みがないだろうが,とにかく早く終わらせたいのだ。

 

ルナは基本的に本気で戦えば舐めプなんぞしないし,割と容赦なく試合を終わらせるタイプだ。それに特に相手を必要以上に甚振る趣味もない。これだけ実力差があれば,本来面白みのある戦いになんてならないだろう。ただの一方的な蹂躙である。

……何よりルナは純粋な地球人なため,サイヤ人達と違って変身による実力の振れ幅はないので消耗も無く常に全力を出せる状態である。わざわざ手加減する意味がないのだ。

 

 

 

 

「…………なぁベジータ。これ全員ルナにやられてオラ達の出番ねぇんじゃねぇか?」

 

「…………チッ…なぜ俺は3番目なんかに……!」

 

「……勝てるならそれに越したことはないだろう。」

 

「いいぞいいぞ……!やはりアイツを先鋒にして正解だった。」

 

場外の控えの選手達や,ビルスから色々聞こえてきた。

私だって好きに先鋒やってる訳じゃない…………とルナは思う。

 

「……おい。なんだよアイツ。どうなってんだよ……!!うちの選手達が手も足も出てないじゃないか!!アイツ……前ビルスのところに行った時はいなかったよな!?」

 

「……そうですわね。ただあの者は現時点でも力は未知数……もしかすると神々の領域にまで足を踏み入れてる可能性すらありますわ。」

 

「……おい!ビルス!お前あんなん反則じゃねぇか!!破壊神候補を選抜選手に入れるなんてズルだ!ズル!!」

 

第6宇宙の破壊神であるシャンパはあまりのルナの蹂躙劇に,顔を真っ青に青ざめさせている。付き人のヴァドスはルナの実力を分析し,その力は神々に匹敵するまでの可能性があると述べる。

そしてその話を聞いたシャンパはどうやらルナのことをビルスの次の破壊神候補だと思ったらしい。ルナからしたらとんだ勘違いである。誰があんなくそ神の跡継ぎになるか……と思った。

 

「ふん!アイツが破壊神候補?そんな訳あるかぁッ!シャンパァ!!お前のとこの選手が大したことないだけじゃないのか!?」

 

「なんだとぉッ!?」

 

しかも何か喧嘩し始めた。はよ進めろよ……とルナは顔を顰めて舞台の上で待機する。

そして色々あったが,試合は始まるらしい。しかしその前に第6宇宙側から新たなルールが追加された。四角形のバリアが武舞台に作られ,それに触れても失格になるようだ。多少動きは制限されるが,そもそも派手に動くタイプでは無いルナにとっては特段気にすることではない。

 

「……ねぇ破壊神。」

 

「なんだ?早く武舞台に上がれ!試合が始まるだろ!」

 

「……あっちがルールを追加したならこっちも多少は融通効かしてくれるよね?」

 

「……何が言いたい?」

 

ルナはするりとビルスの元までやってきた。ある提案をするためだ。

 

「選手の順番の変更……それくらい融通効かせてくれるよね?多分。だってあっちは突発的に新ルールなんてものを追加してるんだし……」

 

「それをしてどうすんだ?」

 

ルナがした提案は選手の順番の変更。近くで聞いていた悟空が会話に入ってきて,疑問を浮かべる。

 

「……正直このままだと私が絶対5人とも倒しちゃうし,悟空くん達の性格的にそんなのつまらないでしょ?もう2人倒してそこそこ役目は果たしたし,あとの相手は悟空くんとベジータさんで戦いなよ。」

 

ルナは純粋にそこまで先頭に意欲的ではないというのもあるが,最後の5人目の男以外は恐らく特に苦戦することなく倒してしまうことは目に見えてるため,結論から言えば自分1人で第6宇宙の戦士を全員倒せると考えている。ただせっかくの交流試合。この2人の性格的に戦いたいだろうなと考え,選手の順番の変更という提案をした。

 

ルナが考えている順はベジータ,悟空,自分,ピッコロ,モナカの順である。

理由は単純に,相手の残り選手をざっと観察した限り,ピッコロではもうキツイ相手ばかりだと考えたからだ。順が回ってこない最後の方に配置しておいた。あとはモナカについては流石にルナならその真実を見抜いていたため最後の方がいいだろうなと察した。なのであとはベジータ,悟空の順で戦ってもらい自分はあとの保険程度に3番目に入ればいいと思った結果がこの順番である。

 

そして第6宇宙と交渉の末,何とかこの案は受理され,順番を変更することができた。恐らくルナが自ら戦いから身を引いたためラッキーとでも思って承諾したのだろう。

 

「……ふぅようやく終わった。まぁベジータさんと悟空くんならあとの選手全員倒してくれるだろうし,もう順番なんて回ってこないでしょ」

 

「……おい。何となく言い分に納得したから僕も許可したが,お前自分が本当はもう戦いたくなかっただけだろぉッ!」

 

「……当たり前でしょ?そもそも私は元からこんな感じを想定してたのにどっかの誰かさんに偉そうに先鋒指名されたから出ただけだよ。それに2人倒したし役目は果たしたでしょう?」

 

ビルスが顔に青筋を立ててルナにキレ散らかす。

それに対してルナは冷めた目で,煽るように反論する。ビルスはそれにさらに怒るが……

 

「まぁまぁビルス様!あとの奴らはベジータとオラがしっかり倒すからそんな怒んなって〜」

 

悟空が何とかその場を宥める。一応近くにいるピッコロはそんな雰囲気最悪の選手席に気が気じゃなさそうだ。

 

 

 

 

 

ーーーはぁ本当になんでこんなクソ野郎(破壊神ビルス)と一緒にいなきゃいけないんだろう

 

 

 

 

 

 

 

ルナは今更この場に来たことを少し後悔するのだったーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







補足




〇第6宇宙の格闘試合に参加するルナ

復活のF編は殆ど本来と変わらずに終わりました。ルナも参加していないので。(悟飯が鈍ってないのでゴールデンフリーザと互角に戦えていたという差はあるが,結局悟空ベジータが来て本来通り)

そして第6宇宙編でビルスと直接戦って実力が知られているルナに声がかかり,ここから物語に絡んでいくことになりました。






〇ボタモ

物理を殆ど無効化する体質を何となく見抜かれ,内側からぐちゃぐちゃに破壊された。




〇フロスト

この小説では毒針を使用して発覚する前に,初戦のルナに見抜かれ毒針が使われることなくボコボコに倒されたため,本来と違い悪人バレしてない。(多分そのうちバレると思うけど)




〇順番変更

ルナが戦いたくないという理由と悟空ベジータに順番が回らない可能性があることを加味して,第6宇宙からの新ルール追加のタイミングでこの提案をした。順番はベジータ→悟空→ルナ→ピッコロ→モナカ。
ピッコロが後なのは相手の残りの選手的にキツイと考えてベジータ悟空ルナで戦いを終わらせようと考えたため。







〇ルナの知識

何となく分かると思いますが,ルナは本来でいう破壊神ビルス編(神と神)までの流れしか知りません。ここから先はルナにとっても未知の物語です。
まぁ最も今のルナは何に対しても無関心なので,新たな敵や存在が出てこようと特段それに関わろうと思うことはないと思いますが。
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