陽だまりに焦がれて   作:oir.1

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第ニ話

 

 

 

 

「あら!孫君じゃない!久しぶりね!」

 

「おーブルマか!」

 

ルナとの出会いから1年。

悟空とブルマはドラゴンボールの旅を終え,その後別れて互いの道を進み,そして現在天下一武道会にて再会を果たしていた。

そこにはヤムチャやウーロンといった旅で出会った仲間たちも居て,そこでクリリン,武天老師,ランチと共に合流をしていた。

 

「ヤムチャも天下一武道会に出るのか!?」

 

「ああ……お前らも武天老師様に随分鍛えられたんだろ。俺だって負ける気はないぜ」

 

このように仲間たちで様々な話に花を咲かせているとそこに少し子供っぽい鈴の音を転がすような綺麗な声が聞こえた。

 

「……久しぶりです。ブルマさん」

 

「……!?ルナちゃん!」

 

誰の声だ?…と皆が辺りをキョロキョロと見回すとそこに居たのはドラゴンボールの旅でブルマと悟空が最初に出会った少女であるルナだった。

 

「ルナちゃんあの山からこんな所までどうして……?」

 

「…………私格闘技好きなんですよね!だから天下一武道会が開催されると聞いて時間はかかりましたが,ここまでやってきたんですよ!」

 

あそこからここまで来るのなんて相当な距離があると思うけど…とブルマはあのパオズ山の最奥の森を抜けた先に居るルナがここまで来たことに疑問を覚えた 。だがルナの返答を聞いて,とても格闘技が好きな子には見えないお淑やかさだけど…と意外な感情を持ったが,一応納得した。

……しかし一人そんなルナに目を光らせている者がいた。

 

「……」

 

ーーー今,突然ブルマの背後に現れたように見えたが,気のせいかのぉ……何よりあの佇まい……まるで隙がない。何者じゃ,あの娘……

 

武天老師はルナに鋭い視線を向けるが,ブルマや悟空と親しげに話すルナを見てひとまずは警戒を解くことにした。

 

「……悟空くんも大会に出るんですか?」

 

「ん?あぁ!出るぞ!」

 

「ふふ……頑張ってくださいね!」

 

悟空に優しげな笑みと共に応援の言葉を送るルナ。

 

「……ちくしょうお前ばっかあんな可愛い子に応援されて……!羨ましいぞ!」

 

「なんか言ったか?クリリン」

 

こんな可愛い子に応援されるなんて…と悟空に嫉妬の感情を向けるクリリンだが,彼は将来勝ち組になる事をまだ知らない。

……その後仲間たちとルナは互いに紹介を済ませ,天下一武道会は始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「…………」

 

「それにしても意外ね〜ルナちゃん格闘技が好きなんだ。女の子にしては珍しいわね」

 

「……!はいそうですね。私もあんな所に一人で暮らしているので,自衛の為に見かけによらず結構強いんですよ?

………………まぁこういう大会に出るほどじゃあないですけどね。」

 

「まぁあんな危ない場所で一人暮らししてればねぇ……」

 

少し考え事をするようにボーッとしていたルナはブルマに話しかけられた事によって,意識が戻ってきた。

 

そんなこんなで大会も始まると,ルナは意外にも楽しんで観戦しているようだった。

ブルマはルナに対して歳の割に大人びたイメージがあった為,年頃の少女らしく楽しんでるルナを見て,意外な感情を覚えた。

……なんだか張り詰めたような雰囲気も無くなったので,そんなに格闘技が好きなのかしら?…なんて考えるが,その真意はルナにしか分からない。

 

そして決勝戦。悟空とジャッキー・チュンの戦いとなったが,その激しい攻防の末に観客席に瓦礫が飛んできた。

……それがルナの方へ向かって来て,ブルマが「危ない!」と叫ぶと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グシャ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………あ。えーっと……危なかった……ですね」

 

「ル……ルナちゃん……?」

 

まるで紙のように瓦礫がルナに到達する前に見る影もなくぐしゃぐしゃになったのを見て,ブルマは困惑した。

ルナは何かバツが悪そうにして,やってしまった……とでも言いたげな顔をしていた。

 

仲間たちの困惑の目線を居心地が悪そうにしているルナだが,結局大会の結果はジャッキー・チュンの優勝となった。

 

そして大会終了後……

 

 

 

「……?ブルマ。さっきの女の子はどこ行ったんだ?」

 

「え?ルナちゃんの事?それならそこに……ってあれ?」

 

ヤムチャがふとルナの事をブルマに聞く。

さっきまでそこで一緒に…とブルマは先程までルナが居た場所に目を向けるが,そこはもう空の席となっており,忽然とルナは姿を消していた。

 

「なんだが……不思議な子でしたね。」

 

「うーむ……やはりあの娘只者ではないぞ……」

 

ランチも謎が多いルナに首をかしげ,武天老師も先程の瓦礫の粉砕をしっかりと見ていた為ルナへの疑念を募らせる。

 

「…………」

 

悟空はなんだが複雑そうな表情をしていたが,何を思っての表情なのかは悟空にしか分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

…私はずっと独りだった。誰もいない山奥の中にポツンとたった1人天涯孤独の身で生きていくんだと幼少期の頃から漠然と考えてしまうくらいには,私の世界には私というたった1人の登場人物しかいなかった。

 

寒い,寒い,寒い…ずっとずーっと私はこの寒さを耐え続けていた。

なにを食べても,なにを着ても,なにをしても私の中から氷河期のような寒気が止まらない。

 

…けどあの日ようやく私の寒さが無くなったんだ。暖かくて,気持ちよくて,幸せでずっとずーっとこの陽だまりのような暖かさに包まれて生きていきたかった。

私はただ平和な毎日を……

 

私が今していることなんて私自身よく理解できてない。

ただ我慢ならなかっただけだ。

…もう一度,陽だまりに私は…… ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命が変わり始めた……否。運命が正常なものに戻った……と言うべきだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

 

それから……悟空達は冒険と戦いを繰り返し,それと同時に頼もしい仲間たちも増えていった。そしてピッコロ大魔王も倒し,更に年月が経ち,再び天下一武道会にて仲間たちと再会を果たそうとしていた。

 

「アンタ本当に孫くん...なの?だいぶでかくなってるけど...」

 

「おお!だからそうだって!久しぶりだから忘れちまったんかぁ?でも確かに背は伸びたかもなぁ!」

 

「伸びた伸びた!」

 

第23回天下一武道会の会場では,久しぶりに集まった仲間たちが悟空の大きな成長に一同全員驚愕していた。

一同が久しぶりの再会に会話を交わしていると,何処かデジャブを感じるように,鈴の音を転がすように美麗な,大人の女性の声が響いた。

 

「……こんにちはブルマさん。久しぶり……どころじゃないので忘れてしまっているかもしれませんが……」

 

「……え……と。こんにちは……その……どちら様……ですか?」

 

「……?誰だ」

 

皆が振り向いた先にいたのは綺麗な黒い髪を結い,青い宝石のような瞳,スラッとしたスタイルのとても美人な女性であった。

……心做しか少し化粧を施してあったり,何処かお洒落をしているような雰囲気を感じられる。

ヤバいこれまで見た事ないレベルで美人な子だ…とブルマは全く見覚えのない女性に困惑し,背後の仲間たちをチラリと見ても誰も分かっておらず,誰かの知り合いという訳でもないようだ。

 

「…………ルナじゃねぇか」

 

「……え!?ルナちゃん?」

 

悟空が静かに一言呟く。それはその女性の正体についてだった。しかしその悟空の表情は昔天下一武道会で会った時のような明るいものではなく,少し鋭い視線を向け,何処か警戒心を感じさせれられた。

 

「ちょ……ちょっとルナちゃん!久しぶりじゃないわよ!何年会ってないと……!私ピッコロ大魔王の騒動の時にも心配で……!」

 

「……あーすいません。少し事情があって……」

 

ルナの住んでいる場所的にも様子を見に行くことは難しい為,全く音沙汰が無かったルナにブルマは駆け寄って心配の言葉をかけるが,ルナは何処か濁すように誤魔化す。

 

「や……やっぱり……き……綺麗な子だよなぁ……なぁ悟空?」

 

「…………」

 

「悟空?」

 

「……ん?あぁなんだ?クリリン」

 

あぁ…変わらず可愛い子だなぁ…とクリリンは昔会った時の事を思い出しながらしみじみとルナの事を見て,自分の昔からの知り合いの子があんな美人さんになってどんな気持ちだよ?…と揶揄うように自身の親友へとルナの感想を問いかける。

しかし悟空はずっと何かを葛藤するような……迷うような表情をしている。

 

そうしてルナはブルマ達と互いに久しぶりの会話に花を咲かせながら,大会も始まるので観客席へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「それにしても美人になったわね〜ルナちゃん!」

 

「そうですか?私あんまり人と会わないのでよく分からないんですけど……」

 

「いや本当に美人になったわよ〜……そこの(ウーロン)がジロジロ見てるしね〜……さっきから」

 

「な……なんだよ……」

 

ちょっとだけ触ってもいいかな…と先程からチラチラとルナを見ているウーロンにルナちゃんに何かしたら分かってるんでしょうね?…としっかり牽制を入れるブルマ。

 

「……私は自分が知っている女性の中でブルマさんが1番綺麗で尊敬してる女性だと思ってますけどね……ずっと……()()()会った時からそう思ってます。」

 

「あらヤダ〜そんなに褒めても何も無いわよ〜」

 

「満更でもなさそうなクセに……」

 

「なんか言った〜?ウーロン」

 

あらヤダ可愛い…とルナの純粋な褒め言葉に気を良くするブルマ。

そんなダラしない顔しといてどの口が…とウーロンは吐き捨てるようにそのブルマに突っ込むが,ブルマの圧によって一瞬で押し黙る。

 

 

そして天下一武道会の本選も始まり,試合が進んでいく,そして第2試合の悟空と匿名希望という女性の試合となった。

特に問題無く試合は進んでいったと思いきや,その女性と悟空は何か一悶着あるらしく,噛み合わない問答が続いた。

 

 

 

……しかし結果として悟空の勝利となり,なんとその女性は悟空が昔結婚の約束をしたというチチだった。

悟空は結婚なんて事は全く意味が分かってなかった。しかし仲間たちから説明され,案外軽いノリで結婚する……と思えたが,()()()()()()()ような様子が見えたあと結局悟空はチチと結婚した。

 

 

「へ〜あれがあの時の子か〜。それにしても孫くんが結婚ね〜……ルナちゃんはそういう相手がいたりするの?」

 

「……」

 

「ルナちゃん?」

 

ルナちゃんもこんな美人だし彼氏の1人や2人作ってるんじゃないかしら?…とブルマはルナに話しかけるが返答は無い。……いや2人は問題なのだが

それはさておきブルマは返答のないルナを不審に思ってふとそっちの方を見てみた。

 

 

 

 

 

 

「…………ぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………見てしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

ルナside

 

 

…………端的に言うけど結局試合は悟空くんとピッコロさんが勝ち進んで決勝となった。

私は何となく眺めていたけど,何も頭に入ってこない。

いつの間にか会場も吹き飛んで,仲間たち以外の観客はみんな逃げたらしい。

 

…………まぁ吹き飛んだ時に全くの無傷だった私を見て神様や武天老師様が不審な目で見てきて居心地が悪いんだけどね……

 

結局激闘の末勝ったのは悟空くんだった。まぁ当たり前だよね。

私も早く1人になりたい気分だったので,ぼちぼち帰ろうかと思ったが,呼び止められた……そりゃそうか。

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

「少し……待って貰えないだろうか」

 

「……なんですか?神様……でしたっけ」

 

私はただの一般人です…とでも言いたげにルナはあくまで何も知らないかのように振る舞う。

 

「そなたは……何者なのだ……」

 

「……何者?別に何者でもないただの人間ですよ。」

 

「……神様?一体どうしたんですか?」

 

…そんな訳なかろう……と言ったように神はルナに警戒の目を向けながら,問いかける。

そのやり取りにヤムチャなどの仲間たちはどうしたのか…と不審の目を向ける。

 

「……うむそうじゃの……そろそろハッキリさせておきたいですな。お主は不審な点が多すぎるのじゃ……前に天下一武道会で初めて現れた時からのぅ……」

 

「武天老師様も……?ルナちゃんが何を?」

 

恐らく今があやつの素性を探るチャンスじゃ…と同調する武天老師に,クリリンも困惑する。

 

「………………そうだな。オラも神様と修行して割と強くなったつもりだ……気も上手く使えるようになったしな……だからこそ分かんだ……おめぇから感じる底知れねぇ気や圧がな……」

 

「…………」

 

「なぁ……昔初めて会った時オラを花畑に連れて行ってくれた時のおめぇと今底知れねぇものを感じるおめぇ……一体どっちが本当の姿なんだ……ルナ……」

 

……悟空がこの天下一武道会でルナに会ってから,葛藤していた理由はこれだ。自身が気というものを理解し,神との修行で強くなったことによって今まで感じる事が出来なかったルナの異質な気や圧を何となく感じていた。

悟空にとってルナは初めて会った時,あの花畑での純粋な姿が強く印象に残っていた。だからこそ今のルナから感じるものとその時の姿,どちらを信用すべきかの葛藤が悟空にあった。

別に責めるつもりはない……ただ悟空はルナの素性をはっきりさせたかっただけだ。

 

 

……そんな悟空の言葉にルナは押し黙る。否何も言えなかったというのが正しいか

 

「ちょっと!何よアンタ達!みんなでルナちゃんに寄ってたかって!」

 

まだ若い幼気な少女が大の大人達に詰められて言葉を失っている状況にブルマは思わず神や武天老師,悟空に激昂する。

 

「……いいんですよ。ブルマさん……」

 

ボソリとルナは静かに呟いた。……きっと何かを悟ったのだろう

 

「…………そうですよね。私は皆さんからしたら不審な点が多いですし,そうなりますよね」

 

「……では,素直に話してくれると……?」

 

「はい……素直に話しても…………いいと思ってました。」

 

「なんですと……?」

 

不気味なくらいスムーズに会話が進んだと思いきや,ルナの要領を得ない回答に疑問が深まる武天老師。……言葉を一語一句丁寧に口に出すようにゆっくりと…それでいてしっかり溜めながら話すルナにゾクリと何処か恐怖心をあおられる。

 

「皆さんから信用を得るために話してもよかったんですけどね……でも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうどうでもいいや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルナちゃん……?」

 

「ごめんなさいブルマさん……私の素性については話せません……いやもう話さない方がいいと思います。

もう話した所で良い事なんて無いんです。それにもう……どうでもいいんです。」

 

「……え?どういうことなのルナちゃん……?」

 

ルナの言葉に疑問を浮かべるブルマ

ブルマはルナの言葉の意味を理解するために今話した言葉を頭の中で処理していく。

それでようやく次の言葉を見つけたのかブルマはルナに再び話しかけようと意識を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルナちゃ……って……あれっ!?」

 

しかし一瞬。ほんの少し意識を離した隙にルナは消えてしまった。

 

「……!一体何処に……」

 

「……やはり謎が深まるばかりじゃのぅ……あの娘」

 

神様や武天老師は,ルナへの疑念が拭えない。

 

「……ちょっとアンタ達……!何でルナちゃんをあんな追い詰めて!最低よ!!」

 

ブルマ自身現状をまだ上手く理解出来ていないというのもあるが,流石にあれはないわ!とブルマは追い詰められた様子だったルナの事を思って言葉を荒らげる。

 

「ルナちゃん……天下一武道会の試合が始まってからずっと何か追い詰められたような……この世の終わりのような表情をしてて……!確かに不思議な所が多い子だけど……!あんなに寄ってたかって言い寄ることはないでしょ!?」

 

ブルマだけが知っているルナの姿。偶々見てしまったルナの弱さ,理由は分からないが何かしらルナは隠している事があると察したブルマだが,わざわざ無理矢理聞き出すことはないと思っていた。

だからこそあんな追い詰めるような形でルナを問い詰めた事をどうしてもブルマは納得できないのだ。

 

「…………」

 

「……悟空さ?」

 

悟空はやはり何かを思い詰めるように考え込む。

ま。いいか……と。悟空は結局何かを振り切ったように元の能天気で明るい様子に戻った。

 

「……ま,もうしょうがねぇか……よし!チチ行こうぜ!」

 

「ご……悟空さ!?」

 

…筋斗雲ッーーー!!と。悟空は周りの雰囲気を断ち切るように筋斗雲でチチを連れて,飛び立っていった。

 

「……まぁ俺達もぼちぼち解散するか」

 

「ほらブルマ……落ち着けって……」

 

「…………ルナちゃん大丈夫かしら……」

 

よく分からないことだらけだけど…まぁ一件落着なのかな…と。クリリンが一段落ついたのを見て解散の提案をする。

全く今日のブルマの相手は絶対大変だぞ…と。ヤムチャは未だに気を荒らげるブルマを宥める。しかしブルマはやはりルナへの心配が拭えないのだった。

 

 

 

こうして少しの疑念を残したまま今回の騒動は終わったーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

「つい……逃げてきちゃった」

 

ルナは自宅に逃げ込んで布団に包まるように潜り込んでいた。

 

ーーー何で

 

何故?そんな疑問しか今のルナからは出てこない。

寒くもないのに体が震える,ポツリと涙が溢れてくる。

たった一人で居る今の状況に思い出したくないことを思い出してしまう。

……またこの感覚を思い出してしまう

 

「これから……どうすれば……」

 

今のルナはもうあったはずの目的の意味を見失っていた。

仮に目的を果たしてもルナの望みはもう叶わない。

…いや。最初から目的…ではなく過程だったのだ。本当は全部どうでもよかった。只々自身の本当の望みを叶えるための過程だった…だがルナにはもう望みは叶うはずもなく,過程のみが残ってしまった。これからどうするべきなのだろうか……?

 

否……そんなことは考えない。それは自身の今までの全てを否定してしまう事になる。

何の為に……何の意味が……なんて事は考えない。

そうだ……()()()()()()()()()()()……アイツを……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺せば……何かが変わるはずだ……

 

 

そうだきっと殺せばいい……。だってこれはそのための(私の復讐のための)世界なんだから。余計なことを考える必要なんてない……ただ私が今までの人生を懸けて身に付けた力で……殺すんだ。

そして……きっとそうすれば何かが変わるんだから……変わるはずだから……そしたら……()()…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……寒い…苦しい…………死にたい」

 

 

 

 

 

 

辛いよ……苦しいよ……私は何で……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは陽だまりに焦がれてしまった哀れな少女の話だ

 

 

 

 

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