遅れてすいませんでした。少々手直しした部分があったため予約投稿から少し遅れてしまいました。
「ちくしょう!なんなんだこの女っ!!」
「…当たんねぇッ!!」
「……」
とうとう開幕した力の大会。第7宇宙メンバーは力の大会が開かれることになった要因でもあるので,早速他宇宙から集中砲火されることとなった。
だがしかしそんな状況でもこのメンツでは協力なんぞできるわけもなく,皆それぞれ別れて活動することとなってしまう。
…それはルナも例外ではなく,早速偶々目に付いた犬のような見た目の戦士3人…第9宇宙のトリオ・デ・デンジャーズと戦闘を開始する。
「……馬鹿な!?我が宇宙の選抜メンバーであるベルガモ達ががこうもあっさりといなされ…!?」
見た目ひ弱そうな女に全く手も足も出ていない戦士たちを見て,第9宇宙の破壊神であるシドラは動揺を隠せない。
…まるでレベルが違う……そう感じてしまった。
「…シッ!!」
「…ごはぁッ!?!?」
「…う…嘘だろ…?ま…まて!」
「まずは一匹…そして……」
相手の意識を縫った神速の貫手が赤い戦士…バジルの鳩尾を穿った。…そしてそのまま動揺が抜けきらない黄色い戦士…ラベンダに標的を定める。
「…待て!そう簡単に我が宇宙の戦士たちは落とさせんぞ!」
ラベンダを倒そうと踏み込んだ直後,この戦いの場へ数人更に戦士達がやってきた。
「お前ら…!」
「ベルガモ…どうやら苦戦してるようだな。我らも協力するとしよう…!!」
どうやら来たのは第9宇宙の他の戦士のようだ。
これで今戦況は第9宇宙VSルナの状況だ。ほかの目から見たら圧倒的不利な戦況だが…
「……ルナさん!!大丈夫ですか!?僕も一緒に…」
「来ないでいいよ!!悟飯くん!第7宇宙の指揮をとれるのは貴方しかいないんだからそっちに集中して!!」
遠くからこの状況を見てルナに加勢しようとする悟飯だが,ルナはそれを止めるよう叫んだ。悟飯には第7宇宙のリーダーとして中核を担っていてほしいからだ。
「…まぁそもそもだけど」
ーーー君たちがいくら加勢に来ようと私を止めれるの?
ゾクッと……無意識に後退りしてしまう。冷や汗が止まらない,動悸が早い,本能が叫んでいる。
…この女と戦ってはいけないと。
第9宇宙の戦士達は今,最も絶望的な戦いに身を投じることとなってしまったのだった。
「まぁ当然の結果だろうな……」
ビルスは鼻を鳴らして,何処か嘲笑うように呟いた。
「………第9宇宙消滅です」
ルナと第9宇宙の戦いが始まって間も無く,そんな大神官の呟きと共に第9宇宙は絶望の表情を浮かべ,嘆きながら全王の手によって消滅したのだった。
「……………面倒くさ」
1人。特に苦戦することなく1つの宇宙を葬り去ったルナの表情は,決して喜びや楽しさが浮かんだものでは無く,何処か悔しさや罪悪感が滲んだものだった。
ーーーそれは最期に落としたベルガモの絶望や嘆きの様子に過去の自分を重ねたからかは分からない。
……ただ一つ。分かったことがあるとすれば
結局彼女はどんなに変わっても,絶望しても,覚悟を決めても,完全には冷酷になりきれない,情を捨てきることが出来ない。
……どこまでも平凡な少女でしかないのだ。
〜〜〜〜〜
「………化け物じみてるね」
「ハハッ!味方なら頼もしい限りなんだけどな!」
たった1人で飄々と1つの宇宙を葬り去ったルナに,少し恐怖を感じてしまう18号。
クリリンはそんな18号に割とルナとは付き合いが長いからか多少擁護する言葉をかける。
「……まぁ私たちもやるとするかい」
「あぁ……だな!」
そしてクリリン,18号も第4宇宙の戦士たちとの戦いに身を投じるのだった。
「………チッあの地球人やはり癪に障る…なんなんだアイツは……!!」
フリーザは力の大会の戦況を見ながら,忌々しそうに呟く。
思い出すのはナメック星での戦い。この宇宙の帝王である自分がたった1人の下等生物の女に簡単に遊ばれてしまった屈辱である。
「ひゃ〜やっぱりやるなぁルナの奴
……オラもそろそろ次のステージにいかねぇとな。」
悟空はたった1人,次の世界を見据える。それはどこまでも高みを目指すために。
「………奴は危険だな。早々に落としておかねば,足元をすくわれるかもしれん。」
「……俺らで行くか?トッポ」
「あぁ我らプライドトルーパーズなら絶対に負けん……よしいk……」
第11宇宙の戦士たち,プライドトルーパーズがルナを倒そうと立ち上がる。……だがそんな中今まで微動だにしていなかったと男が目を開いた。
「やめておけ」
「………!!!!」
「ジレン……!」
今。この力の大会において最強の男が動いた。
果たして,これからこの戦いはどのように変化していくのだろうか……
〜〜〜〜〜
力の大会も残り30分と少し程だろうか?ルナはあれから第2宇宙や第3宇宙の戦士達とも戦い,続々と相手を撃墜していった。辺りを見渡せば,だいぶ人数も減ってきたようだ。
……そして今。ルナは何をしているかというと。
「…………」
「貴方達ね!?変身には全部のプロセスに意味があるの!邪魔するなんて有り得ないわ!!!」
何故か敵である第2宇宙の何処ぞのプリティでキュアキュアなアニメのような変身をしようとしていた女達に説教をされていた。……17号と2人で
いやあんな隙だらけの変身してたら流石に攻撃するでしょ……と。ルナは思う。
「おめぇ達変身くれぇさせてやったらいいじゃねぇか〜」
「変身?」
「戦士は見栄を張ってこそジャスティス!!貴様ら無礼だぞ!!」
「何でそっちの味方なの……?悟空くん……」
何故か悟空とよく分からない大男……トッポからも説教をされて首を傾げ困惑する17号とルナ。
……周りの声も相まってとりあえず変身の邪魔はしないという方針になった。間違ってるのは私たちの方なんだろうか?
「……あなたとは今1番気が合いそうな気がするよ」
「……奇遇だな。俺もそう思っていたところだ。」
一旦目に毒なくらいキラキラした変身を17号と見届けるルナ。変身が終わったらしく姿が現れるが,どうやら口だけでなくそこそこ本当にパワーアップしているようだ。
「……じゃ。その変身とやらも終わったっぽいしさっさとやりますか」
「血気盛んだな……意外だ。」
「私もそれなりに目的ってものがあるからね。それじゃあお先に……!」
そう告げてルナは一気に加速すると。真ん中の大きなふくよかな女……リブリアンの顔に膝蹴りを叩き込んで吹き飛ばす。
「ぐぇっ!!」
「ふッ!」
流れるように背後に移動し,バキッ!!っとその吹き飛んだ勢いそのままで回し蹴りを頭の後ろに当てた。
まるでボールのように縦横無尽に場を吹き飛びまくるリブリアン。ルナは一切手を緩めない。
「…………!!」
「ちょ……ちょっとまっ……!!」
ルナはそのままラッシュを仕掛け,みるみるうちにリブリアンはボロボロになっていく。そして最後にスレッジハンマーで地面に叩きつけた。
「……あの者も曲がりなりにも同じ乙女であるはずであろう!?乙女の顔に容赦なく攻撃を叩き込むなんて……!!」
「……ふん。戦場に乙女も何もあるか。何よりアイツはそんな感性もう持ち合わせちゃいないだろうね。」
「よ……容赦ないよなぁルナさん……」
観戦していた破壊神のへレスがあまりにも容赦ないルナに慄いた。ビルスはルナの心の底の心情を理解しているからかそんなへレスの言葉を嘲笑った。
クリリンや他の宇宙の神々も少し引いているようだ。
「これで終わりかな……」
ルナは掌に溜めた気弾を無造作にリブリアンに投げつけた。
これでリブリアンは脱落かと思いきや……
「「うわぁぁぁッ!!」」
「ザーブト!?ハーミラ!?」
リブリアンを庇うように前に立ったザーブトとハーミラが代わりにルナの気弾を食らい脱落した。
当たり前だ。ルナはどんな状況だろうと勝負に手を抜くことは無い今の無造作な気弾だって100%相手を戦闘不能にできるように殺さないラインは守りかなりの威力を込めていた。
「……よ……よくもわたくしたちの仲間を……!!」
「……大丈夫。貴方も直ぐに後を追わせてあげるから。今の変身すら解けたあなたじゃ逆立ちしても私には勝てない。」
「あなたみたいな愛の欠片も無いような女に……!!わたくし達の愛が負けるわけないわ……!!」
「…………愛……"あい"ね」
愛が負けるわけない……か。そうだといいなぁ……
「貴方なんて誰にも愛されたことも愛したこともないでしょ!?そんな貴方にわたくし達は負けるはずがないわ!!!」
「………………………………あるよ。」
何かの憧憬を思い出すようにポツリと呟く。
「……私も愛した人はいたよ。」
「ふん!どうせ貴方みたいな女じゃ相手にされなくて別れたんでしょ!?」
「……ふふ。そうかもね。私じゃその人のパートナーとして相応しくなかった。」
相手から馬鹿にされてるにも関わらずルナは何処か後悔と懐かしさを混ぜ合わせた表情を浮かべ語る。
「……ならさ」
ルナは彼女に聞いてみたかった。この戦いの場で愛を語る彼女に,純粋な思いで聞いてみたかったのだ。
「………………貴方は何で愛は負けないなんて断言できるの?」
「は?」
ルナは問う。彼女から目を逸らさずに強い視線を送って問いかける。
「愛は不滅よ!この世に愛がある限りわたくしは戦い続ける!だから……」
「無理だよ」
「え?」
「いくら貴方が誰かへの愛を持って戦おうとも限界があるよ」
「何を……!!」
愛を否定するルナにリブリアンは怒りを込めた視線を送る。
「………………だって」
ーーー
「ひ……!」
リブリアンは心の底から震えた。自身が生まれてから信じてやまなかった綺麗で不滅で美しい愛の
「……貴方なら私に教えてくれる?」
教えて欲しかった。
「アナタなら私を救ってくれる?」
救って欲しかった
「私の愛は間違ってなかったのかな?」
私と彼の日々は,選択は間違ってなかったと
「彼が私に向けてくれた愛は嘘じゃなかったのかな?」
彼の愛してるという言葉は間違いじゃないんだって
「ねぇ……何で何も言わないの?」
誰かに教えて欲しかった。何年何十年何百年経っても分からなかった事を
「……何で震えてるの?」
思い出すのは彼が死んでから塞ぎ込んで絶望して震えるしか無かった自分自身。
「……愛のために……彼のために強くなったよ戦い続けたよ」
彼を救って再び幸せな日常を取り戻すために人であることすら捨てた
「……ねぇ」
けどその先にあった結末は………………
「私の
彼女の物語の結末の先にはもう何も残っていなかった。
あるのは無駄に強くなった己,たった独りだけ。
「……………………あ……貴方みたいな愛を汚すような人にま……負けないわ…… 」
リブリアンは震えながらも立ち上がる。それだけで彼女の信じる愛というのは決して嘘ではないのだろうと分かった。
『『頑張れー!!リブリアン!!!』』
第2宇宙の声が届いた。それは観客席から,武舞台の中から,そして第2宇宙の星々から
全ての愛がリブリアンを包む。
「……みんなの愛がわたくしの体を包んでいく…負けないわ……絶対に……」
「偽物の愛よ!!消え去れぇぇ!!」
「……偽物の愛か」
ーーーまるで本当にアニメみたいだ。あっちが正義のヒーローで私が悪い悪い悪の女王様って所かな?
桃色の極太の気功波がルナに迫る。
ーーー多分悪者が正義に最後は敗れてしまうっていう在り来りなよくある展開
「………………」
『かめはめ波見せてよ〜悟空くん』
『え?なんでだ?』
『だってカッコよくない?かめはめ波ー!ってさ!』
『そうなんかな?オラはそこまで考えて使ってたわけじゃねぇけんど……』
ある日の日常。2人きりで久しぶりに出かけた中。いつもの花畑でのやり取りだ。
『私も使えるようになれたらなぁ〜』
『なんでだよ?おめぇ戦いは嫌いじゃねぇか』
『……まぁそうなんだけどさ。私も戦えるようになればもし悪者が来ても悟空くんが傷つかなくてもいいかなって思ってさ』
悟空が命を懸けなくてもいいように……彼女は心の中でそんな願いを持っていた。彼には彼が大好きな戦いをしていつも笑顔でいて欲しかった。
……でも決して彼が傷ついて,命を懸けてる姿を見たい訳では無い。だから悟空の代わりに地球を守る戦士がいれば…なんて単純な考えを持ったのだ。
『……うーん。確かに悪りぃ奴と戦うよりもよ。ピッコロとかベジータと戦ったりする方が楽しいけどな』
『でしょ?』
『でも……分かんねぇけど…オラはあんまおめぇには戦って欲しくねぇ』
『……!』
悟空はその想いが何かを口にすることが出来ない。まだ分かっていないのだ。
『……私も同じ気持ちなんだよ。悟空くん。
まぁ……私なんて戦いの役に立てるわけないし…何時でも悟空くんが帰ってこれる居場所を作ってあげることくらいしか出来ないかな。』
『……!』
『ねぇ……悟空くん。』
ーーー愛してるよ
「か……」
彼女は目を開いて目の前の敵を見据える。それは彼女の決意の証明。
「め…………」
蒼い気が彼女を包み,掌に溜まっていく。
「は………………!!」
愛が間違ってるかどうかなんて分かるはずがない。
「め…………………………っ!!!」
それを証明するために私は今戦ってるんだろう
「ぐ……ぎぎ……そんなっ!!わたくしたちの愛が……こんな紛い物に……!!」
「きゃあぁぁぁぁッ!!!」
勝ったのは………………ルナの愛だった。
「…………そうだよね。大丈夫。」
ルナの愛が本物だったから勝ったのか……それは分からない。
ただ少なくともリブリアンの愛はきっと嘘ではなかった。何故なら彼女はどんな絶望的な状況でも最後まで立ち上がってみせたのだから。
その愛が嘘だったのなら,全てを諦め,全てを投げ捨てたはずだ。……きっとルナのように
ーーー私と悟空くんの選択が間違ってなかったって私自身で証明するんだ
ーーー超ドラゴンボールで願いを叶えて,私の元の世界で再び悟空くんとの日々を取り戻す。
ーーーそれがきっと私の愛は間違いじゃないって悟空くんの選択は間違いじゃなかったっていう証明なんだ。
「……だから勝つのは私なんだ」
力の大会残り28分ーーー