「…………」
「…………」
お互い満身創痍の1VS1。今更言うことは無いとルナとジレンはお互いの隙を探りつつ構える。
「……ルナ」
「……頑張れ!ルナちゃん!!」
「…………勝てるはずだ」
第7宇宙の雰囲気は悟空がやられた時に比べて随分と良い雰囲気となった。……それは恐らくここまでどんなに倒れようとも立ち上がってきたルナに見えたのだろう。そう……孫悟空と同じ背中が。
……第7宇宙の皆はここまで必死に戦い抜いたルナを信頼し始めていた。
「…………はあぁぁッ!!」
先に動いたのは……ジレンだ。
満身創痍だろうとお互い同じ程度の疲労な以上,肉体スペックは自身が上。そのため肉弾戦のゴリ押しで勝てると踏んだのだ。
「…………っ……」
ーーー身体……が……もう……
どんなに根性を出そうと……どんなに強い感情を持とうと……そんな都合よくダメージと負担を負いすぎた肉体は動いてくれない。
……ルナの肉体は,もうーーー
「がはッ……!!」
「……ふんッ!!」
みるみるうちに蹂躙されていくルナ。その地力の差は明らかだった。
「……くっ…はぁッ!」
「効かんッ!!」
「うあぁぁッ!!」
ルナの素の力で苦し紛れに撃った一撃など,ジレンはビクともしない。返しの一撃で再び地に叩きつけられる。
「…………ぐ……ぅ」
ーーー駄目だ……みんながここまで託してくれた……のに……
あぁ……
「私……は……叶えたい……願い……が」
もう一度……私の世界の……悟空くんに…。今度は対等に……頼りきりじゃなくて……私がいるよ……って…………今の私を悟空くんに見せたい……から……
「…………うっ…… 」
頭が上手く働かない。血を流しすぎたのだろう。
体が上手く動かない。ダメージを負いすぎたのだろう。
ーーー意識……が……
その瞬間。ルナの視界が真っ黒に染まった。
〜〜〜〜〜
ーーー悟空くん。私今とっても幸せだよ
ーーーどうしたんだよ?突然
ーーー悟空くんは……幸せ?
ある日ふとルナは気になってしまった。自身で理解していたのだ。悟空が自身のことを考えて,あまり積極的に修行を行っていないことを。
自身はこれ以上ないほどに幸せだ。……でも
家族に良くしてくれる。自身を想ってくれる。自身を愛してくれる。それは悟空本人の望んでいることなのだろうか?
自分をそもそも妻として選んでくれたのだって……本当に悟空は望んでいたのだろうか?悟空が自身を好きになってくれる所なんて自分で見当がつかない。ルナはそう思ってしまった。
ーーーオラはさ。最初。おめぇの家族が欲しいって願いを考えて,あとおめぇのことを何か思い出しちまってさ結婚っちゅーのをしたんだ。
ーーー……
それは紛れもなく悟空の本心だった。
ーーーでもさ。おめぇと一緒に暮らすようになってオラは驚くことばっかだったんだよな
ーーーえ?
ーーーオラさ。こんなにオラのことを心配そうにしてくれる奴なんて初めてだったんだ。
それはルナと共に暮らすようになってからの悟空自身の変化を表していた。
ーーーおめぇはオラがボロボロになるといっつも泣きそうな顔で心配してくれっし。オラが帰ってくるといっつもすげぇ笑顔で迎えてくれんだろ。
ーーー……
ーーーオラが死んじまった時なんてまるで死人みてぇな雰囲気してる。
それは……
ーーーそれに地球を襲う悪いやつとオラが戦わなくてもいいようになったらいいなー。とかおめぇ言ってたろ?そんな事言われんのも初めてだった。
ーーーだって……
ーーーオラさ。こんな変なこと言うのもどうかと思うけどさ。……おめぇがオラの為に泣いたり,笑ったり,心配してくれたりすんのが何かすげぇ嬉しかったんだ。
彼女の宝石のような瞳から自身の為に流してくれる愛の欠片が不覚にも綺麗だと悟空は感じてしまった。
ーーーオラは戦う事が好きだ……へへ。サイヤ人っちゅー種族だからなんかな?けどさ……おめぇと一緒にどっか出かけたり,一緒に笑ったりして過ごすのも悪くねぇななんて今は思っちまってる。
ーーー悟空くん……
ーーーおめぇがよく言うさ,愛してるとか幸せとか最初結婚した時はよく分かんなかったけど……今は…多分これが幸せっちゅーやつなんかな?
それは紛れもなく悟空からの………………
ーーーオラはおめぇと結婚してからおめぇの良い所がよく分かったんだ
〜〜〜〜〜〜
「…………さらばだ脆き戦士よ。力の無さを恨むんだな」
「…………」
目が……覚めた。見るとジレンが自身へトドメをさそうと炎のような赤さを持った気功波を此方に向けている。
ーーーこんな所で死ねない……絶対に私は,もう一度
「ルナさん!!」
「ルナ!!」
「負けたら承知しませんよ……!!」
「目を覚ませ!!」
第7宇宙からの声が響くように聞こえてきた。倒れ込んで動かない私に声をかけてるのだろう。
「………………この…一撃に……全てを懸ける……」
「……!」
ピッコロが何かを思い出したかのように目を見開いた。
『オラのすべてをこの拳にかける……!!』
遠い遠い昔の……
「…………ああああああああぁぁぁッ!!」
「………………馬鹿なッ!!!どこにそんな力がッ!!」
そのルナの一撃はジレンの気功波を弾き,目の前まで向かってくる。
……その姿からは黄金色の龍を纏っているような錯覚を覚えた。
……そしてそれはジレンだけではなく,皆を驚かせた。
ーーーこれは…………
だが……ルナを支えるように背中を押すその孫悟空は,今この場にいる孫悟空とは少し雰囲気が違う気がした。
……これはーーー
「ルナッ!!」
[いけぇぇぇぇッ!!]
第7宇宙の皆の声が…………それは彼女が全てから解き放たれ,1人の人間として完成されたことを表していた。
『おめぇのことをーーーどこまでも真っ直ぐで,オラのことを想ってくれるおめぇのことを……愛してるぞ
きっとルナはたった1個の想いでどこまでも頑張れる人間だろ?』
ーーー頑張るよ……悟空くん。あなたが……好きって言ってくれた…………
ルナのその一撃がジレンを喰らった。
ーーーあぁ……そうかこれが……信頼……第7宇宙の力……
ジレンは認めた。第7宇宙の力を
ーーーそしてこれが愛……というものか…しっかりと…その証明を見届けたぞ……誇り高き戦士……ルナよ
そして最期に自身を打ち倒した強き戦士の名を呼びジレンは…………
「第11宇宙……ジレン選手脱落です。」
「…………見てくれた…?悟空くん…………」
勝ったのは…………第7宇宙だ。
〜〜〜〜〜
「それでは優勝した第7宇宙の最後まで残った選手であるルナさん……超ドラゴンボールの願いをどうぞ……」
何を考えているか分からない瞳を向ける大神官が無機質にルナへと問う。
「…………いいの?」
「あたりめぇだろ!おめぇのお陰でオラ達の宇宙は勝てたんだ。その権利がおめぇにはある。…………それに叶えてぇ願いがあんだろ?」
ルナは第7宇宙の皆に少し遠慮するように聞くが,皆。最期にジレンを打ち倒したルナの願いを否定する者はいなかった。
「オラは他の宇宙の奴らと戦えなくなんのはちょっぴし残念だけどな!でもオラは負けちまったし,何も言う権利はねぇからな」
「うん……!!ありがとう……みんな……」
皆が笑顔でルナの願いを肯定してくれた。彼女が長い長い年月をかけてずっと心の底から願っていた想いを。
「願いは……決まっているようですね?」
「はい。…………私の願いはーーー」
ルナはとうとうその願いを口に出す。
「お父様……少し理不尽すぎるのではあーりませんか?」
「……え?」
ルナを遮るように口を挟んだウイスに困惑の視線を向ける。
「天使の身で肩入れする訳ではありませんが……そもそもこのルナさんの願いは恐らく
「うむ……やはりそう思いますか?」
「はい。ルナさんはともかく……他の皆様方にとってはとてつもない理不尽だと思いますよ。」
「……では。本来と予定は狂ってしまいますが,皆さんには真実をお話しましょう。」
「………………なに?」
ウイスと大神官が意味の分からない会話を繰り広げる。
「…………そもそもの話ですが,力の大会においてこの超ドラゴンボールで全宇宙の復活以外の願いを叶えたら優勝した宇宙も全王様は消滅させるおつもりでした。」
「…………え?」
まさかの真実に第7宇宙の皆は衝撃の目を向ける。
「…………じゃ……じゃあルナさんの願いは叶えられないということですか!?」
「…………その事が問題なのですがーーー」
悟飯がルナのことを思い大神官に問いつめるが,大神官はその質問に対して困ったような顔を向ける。
「…………恐らく貴方の願いは自身を孫悟空が生き返った元の世界へ戻して欲しい……ですよね?」
「……は……はいそうです。」
「……これがかなりイレギュラーな願いなのです。」
大神官は説明する。
「……全王様が関与する範囲はあくまで
そう。ルナは元々未来トランクスなどとも違いそもそも完全に別の世界線から来た人間なのだ。
「……ですから。ルナさんの願いを超ドラゴンボールで願えば
何となく……ルナは大神官の言いたいことを察してしまった。
「ですので……お仲間方とも相談することをおすすめします。この第7宇宙を消滅させて,貴方は願いを叶え元の世界に戻るか……それとも全宇宙を復活させてこの世界で生きていくか……」
「…………あ」
要するに……そういうことだ。あくまで全王が関与するのは自身の生きる世界のみ。根本的に世界線が違うルナの世界に関与することはないのだ。
だからルナが願いを叶えれば,問題無くルナは悟空が生き返った自身の望む元の世界へ帰れる。……しかしこの世界の第7宇宙は本来の決まり通り全王によって消滅させられるだろう。
……だからこそ。ウイスは大神官に対して今回の件に関しては理不尽なのではないかと進言したのだ。ルナの願いは全王の意向の範囲に入らない願い。普通ならば気にせず,自身の願いを叶えるだろう。
……だがそれはあまりにもほかの者たちにとっては理不尽すぎる結末だ。だからこそ今回のような形になった。
「さぁ……どうしますか?」
この世界を消して,悟空くんともう一度生きるか……
それとも全宇宙を復活させてこの世界で生きるか……でもその場合もう……悟空くんとは…………
「…………私……は」
彼女の,願いはーーー
「……ルナ」
「……っ……」
みんなの顔が見れない……言われることは分かっている。でも嫌だ。私は悟空くんと……
「……おめぇの願いを叶えればいいさ」
「…………え?な……なんで!?止めないの……?」
「…………言ったろ?勝ったのはおめぇのお陰なんだから願いを叶える権利はおめぇにあるって。」
悟空から言われたまさかの言葉に驚くルナ。
「僕たちのことは気にしないでください!」
「ふん……そもそも貴様が別の世界の人間なら,そんな貴様がいなければ勝てなかった俺たちの宇宙が消滅してしまっても仕方がないだろう」
悟飯とベジータも特に止める様子もなく語る。
「……俺も言うことはない。」
「…………老い先短い老いぼれが今更生に縋ったりせんわい」
ピッコロと武天老師も……
「……まぁいいんじゃないか?結局最後まで残ったやつが願うべきだ。」
「はは……ルナちゃんのあんな過去見ちゃったらやめろとも言えないよ……」
「…………あんたも意外と普通の女だった…ずっと会いたかったんだろ?その愛した男と。」
クリリンと17号,18号も特に止める様子もない。
「ふざけるな!!絶対に許さんぞ!そんな事!!貴様……絶対に全宇宙の復活をーーーむぐっ!?」
「ふん……良かったんじゃないか?間接的にとはいえ,あれだけ恨んでた僕を殺せるんだ……願ったり叶ったりだろ?」
唯一ルナへと激昂するフリーザだが,ビルスがそのフリーザの口を塞ぎ,皮肉げに言う。
「……みんな」
あれだけ皆頑張って,宇宙の為に色んな思いを託したのに……………………
「ありがとう……みんな……」
私はやっぱりまた悟空くんと元の世界で生きていきたい。
みんなも認めてくれてる……だから…………
私は悟空くん以外の皆にそこまで思い入れはない。
破壊神ビルスだって死ぬほど憎んでいる。
この世界だって……嫌いだった。
私が間違っているんだと見せつけてくるこの世界が。
どっちの願いを叶えるかなんて…………
ーーー私は悟空くんを愛している……
だからーーー
ーーー悟空くん。
ーーーなんだ?
ーーー愛してるよ
ーーーあぁ……オラも愛してるぞ
ーーー悟空くんが私を選んでくれてよかった
『……オラもーーー』
〜〜〜〜〜〜〜
「……ただいま」
優しいそよ風が私を撫でる。暖かな日が私を照らす。
……そして背後から騒々しいブルマさんの怒鳴り声が響いてきた。
「なにやってんのよ!!あんたたち!!」
「……ブルマ」
「なんで……なんで……ルナちゃんがまだいるのよ……!!」
ルナはそんなブルマをただ何か思う事もなく見つめる。
「……ルナちゃんは…自分の世界の孫くんを生き返らせて元の世界に帰るんじゃなかったの!?なんで…………だってこの機を逃したらもう二度と…………」
「それは……ルナが……」
「私自身で願ったんですよ」
「……どうしてよ!!あんたにそれ以外の願いなんてあるわけないでしょ!?」
ブルマはルナの服を掴み,必死に詰め寄ってくる。
「…………別に誰かに言われたとか,ただ優しさとかで願ったわけじゃないです。」
「……じゃあ……なんで……」
「…………わからないです。私はこの世界に思い入れなんてないし,何なら嫌いです。私の世界の悟空くんのが百億倍大切です。」
ルナはポツポツと話していくが,その表情には後悔は浮かんでいなかった。
「でも私は決して誰かのためとか,この世界のためとかで願ったわけじゃない。」
ルナは……ただ…………
「私は……今まで,間違いだらけの愛だったとか…自分は相応しくなかったとか言ってたけど…………」
ただ…………
「ならせめて……最後くらいは…悟空くんに相応しい妻になりたかった……っ……」
どこまでも悟空のことを想っていた。
「あのまま……この世界を消して,私の世界に戻って悟空くんともう一度会うことができても……」
ーーー悟空くんが……愛してくれた私じゃなくなる気がした
「…………悟空くんは…私の事を愛してくれていたから…………」
私は彼の愛してくれた私のままでいたかった
「…………悟空くんは……私に沢山の幸せをくれたから……」
彼を裏切りたくなかった
「……だから…………っ……」
あのまま悟空くんと再び会うことが出来ても……彼が
「会いたいよ……っ………また……一緒に生きたいよ…っ…でも……私は孫悟空の妻だから…………誰が何と言おうと……私は…………最後まで悟空くんの選択は間違いじゃなかったって…………証明を……っ……」
私と彼の愛は本物だったんだってーーー
「…………オラは…元からルナさんの愛が間違ってただなんて思わねぇだ」
「……チチ…さん…… 」
「……少なくとも……オラならルナさんみてぇにそんな事気にしねぇでまた悟空さと会う選択を選ぶだ。……ルナさんみてぇにそんな強くて優しい選択は……オラはできねぇ……」
チチのその言葉は,正しくルナを尊敬する言葉だった。
……自身がずっと本物の愛を持ってる人だと思っていた…強い人だと思っていたチチからの本心からの言葉だと分かった。
「…………それにルナさんの記憶の中の悟空さはオラが知ってる悟空さと別人のようだったべ。オラは少なくともあんなに家族と妻を想ってくれる悟空さは知らねぇべ」
ギロリとチチは悟空を睨んだ
「いっ!?いやオラじゃねぇよ……いやオラなんだけどさ」
「…………まぁ少なくともオラはこっちの悟空さとはまた違う幸せを持ってる悟空さに見えただ。だからオラが合ってるとか,ルナさんが間違ってるとか……ねぇと思うだ」
ーーー少なくともオラは,ルナさんはオラなんかよりよっぽど優しくて強ぇ女性だと思うべ。きっとルナさんの世界の悟空さはそんな所に惚れたんだな
「…………そっか」
今まで追いつけないと,敵わないと思っていた女性は思っていたより自身と変わらない……たった一人の女性だったのだとその時分かった。
「……皆さんお話のところ申し訳ないのですが…………」
「どうしたんだ?ウイスさん」
ウイスが突然話に割るように入ってきた。
「ルナさん……お父様からのお言葉ですが……
「え……?」
「お父様はルナさんはきっと自身の願いを叶える……全宇宙の復活は願わないと考えていました。……ですが見事そんな神々の予想を裏切ったわけですね。」
ウイスがスラスラと語る。
「……何も神は人々に試練と罰だけを与える存在ではないということです。今回は特別に……」
ーーー貴方の世界の孫悟空さんをこの場に呼び出す許可がお父様から降りました。
「…………!」
「ですが…………5分だけです。本来破壊神に破壊されたもの……それも完全に別世界の者の魂を復元し,呼び出すなど禁止事項もいい所なのです。それを貴方への特別なプレゼントとして5分間だけならと許可が降りました。」
「……悟空……くんを……?」
「はい」
ルナは思考が夢のようにふわふわしてまとまらなくなる。
……そんな予想外の出来事
「…………ではお父様から預かっていた貴方の世界の悟空さんの魂を呼び出しますね」
「…………」
ウイスが杖を地にコンコンと叩くと,フワフワとした雲のようなモノが出てきて造形はあまりハッキリと見えないが,人型のような形となった。……それは煙の中から人影が見えているような状態に近い。
ーーーへーここがそうなんか
声が……聞こえた。皆が……ルナが聞き馴染みのある声が。
「……事情と今までのルナさんのご活躍は事前にお父様が説明しておいてくれました。それでは5分間ご自由にどうぞ」
「……悟空……くん?」
ルナは震える声で,その影に問いた。もし。これが夢だったら今度こそ自分が壊れてしまう気がした。
ーーー久しぶりだなぁ……ルナ
「ぁ…………」
その言い方は,この世界の悟空とは違う……ハッキリと分かった。この影は……
「……っ…悟空くんッ……!!」
ーーー悪ぃな……先に死んじまって……
「…………悟空くん……っ…ごめんね……私……私……」
ーーー色々聞いたぞ……おめぇが色々悩んだり後悔したりしてたってな
ーーーオラはさ……
自身に駆け寄ってくるルナ。悟空は全てを聞いていた。自身のためにここまで進み,傷つき,頑張ってきた彼女に贈る言葉は……
ーーーオラはおめぇを選んで良かったってずっと思ってる
それは自身の今までを肯定してくれる言葉
ーーー死んじまった今も。一回も後悔したことはねぇし,間違ったなんて思ったことはねぇ……
それは自身が最も欲しかった……
ーーーオラはずっと真っ直ぐでずっとオラのことを想ってくれるおめぇと一緒に生きてきて……幸せだった。
ーーーおめぇと一緒にいた時間を後悔したことはねぇ……
戦いばかりの自分に別の幸せを与えてくれた彼女に……
ーーーオラはずっとルナのことを愛してるぞ
「……っ私も…ずっと愛してるよ…悟空くん」
これは陽だまりに焦がれた少女の物語。
……何の因果か選ばれるはずがなかった平凡な少女が,選ばれてしまった物語の結末。
生きる価値を無くし,その真っ直ぐさを……一途な想いを誤った方向に進み続けた彼女の悲劇は終わった。
彼女は自分自身の意志と力でこれから彼女の道を強く強く生き続ける。
そして……彼女はもうその道を違えることもなければ,自身を見失うこともないだろう……
なぜなら
私は小説を書く時大体のテーマを決めて書くのですが,今回の小説のテーマは[愛]というテーマを元に書いていきました。
ドラゴンボールの主人公である孫悟空の妻が,何の変哲もない一般的な女性だったら……というもしもの話からこのテーマを題材に書きました。
この小説の主人公であるルナは最後,自身の愛する者と再び会う選択ではなく,その愛する者が愛してくれていた自身のままでいるための選択をしました。
そうすることで自身からの愛だけでなく,彼からの愛が,彼の選択が,間違いではなかったと証明するために。
皆さんにとっての愛とはなんでしょうか?
少なくともこのルナが最期に選択した愛はきっと間違いではないと思いたいですね。
ここまで応援ありがとうございました。