ロリサキュバスと同居生活してたらいつの間にか淫魔の王になっていた話   作:自宅戦闘員

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D vs D ~デブ対デブ~

 

 

 

 僕は信者さんにすぐ連絡した。動画の件で話がしたいと言うと、朝一で会ってくれるという。

 同時に、ひーちゃんの力を借りて目玉羽虫で退魔巫女側を監視。何か動きがあったらすぐついて行けるようにする。

 どうやら巫女たちは、GPSと霊力による追跡を無効化され、春乃宮さんの行方を車の経路から割り出しているようだ。

 しかしすぐには見つからず、お互いに朝を迎えてしまった。

 

 だから僕はこちらの情報に懸ける。

 学校をサボって心光の癒し総本部に直行。

 動画の件で話がしたいと言うと、すぐに通してもらえた。応接室で待っていたのは古参のお偉いさんらしい。

 本当は、回りくどく違和感なく話を聞き出すつもりだった。

 けれど余裕のない僕は最もシンプルなやり方を選んだ。

 

「答えろ。教祖の正体、共同施設の場所、知ってることを洗いざらい」

 

 脅すような詰問。真実の魔術を習得した僕の前では偽ることなど出来ない

 もがもがと言い淀んではいたが、耐えきれず教団の幹部は情報を漏らした。

 

「心光の癒しは、もともとはドロップアウトした人を救済する、対人関係の訓練とボランティア活動を主とする特定非営利活動法人だった……。ぐっ、しかし数年前に真面目な教祖が引退し、今の教祖が新たにその地位についた。彼は不思議な力があって、金のある信者に多額の寄付をさせ、見目麗しい女性を意のままに操り淫らな奉仕をさせている。……俺達幹部は、広報や、教団運営を請け負う代わりに、へへ、若い女を、あてがって……」

 

 僕も分類としては外法術師だ。

 そんな男が彼らに義憤を覚えるなんて間違っているのかもしれない。分かっているのに、言いようのない苛立ちを感じてもいた。

 務めて冷静に振る舞い、質問を繰り返す。

 共同施設は市外にある、洋館風の豪邸らしい。それも教団の資金で建てられたとか。

 この幹部がSNSや動画投稿サイトを利用した広報全般を請け負っているというのも聞けた。

 ただ、教祖が外法術師であるということは理解しておらず、単に不思議な力、程度の認識しかなかったようだ。

 聞き終えた僕は、騒がれても困るので張り手を一発かまして幹部の意識を刈り取る。

 移動手段はタクシーくらいしかないのが未成年の悲しいところだが、本部を後にして共同施設に急ぐ。

 そうして幹部から聞き出した情報から、さも幹部候補ですみたいなツラして侵入した僕は、春乃宮さんが連れていかれたという祭壇の間に辿り着く。

 分厚い扉があるけど、鍵を探している時間はない。

 

「魂霊契約、サーナーティオ・ドゥルケ・スアーウィス」

 

 サナちゃんとの繋がりを強め、全身に魔力をまとう。

 夏雅城パイセンとナレーターのサナちゃんさんのおかげで、ちょこっと魔力が溜まっている。

 足に力を溜め、踏み込む際に爆発させるように解き放つ。

 パイセンから見様見真似で学び、我流で鍛えた魔力加速ぶちかましだ。

 

「名付けて、“ファットチャージ”……!」

 

 日本語訳、デブ突進。

 僕という体積を魔力によって強化、上昇した硬度・速度でぶつける大砲の弾だ。

 くそ、一発じゃぶち破れなかった。

 

「なら、もう一発……だっしゃおらぁぁぁぁぁ!?」

 

 木製の扉が砕け散る。

 無理矢理押し入った室内には、全裸のデブ教祖と、めちゃくちゃエロい修道服を着た春乃宮さんがいた。

 やばい。お胸が、やばい……!

 なにあの先端を隠せればええやろの精神から生まれた修道服。神に仕える者がしちゃいけない恰好ですよ。

 

「何者だ……? いや、その身に宿すのは魔力。なるほど、商売敵、か」

 

 違いますけどね? 商売なんてしてないです。

 ベッドから離れた教祖は、魔力を収束して弾丸のようなものを放った。

 僕は咄嗟に避ける。その間に、更なる弾丸が雨のように降り注ぐ。その全てをサナちゃん式身体強化で回避していく。

 

「ぐひっ、反応は上々。それなりにやるようだなぁ?」

 

 強化した身体能力で動き回り、避けきれないものは魔力張り手で相殺する。

 あの魔力弾、威力はそれほどでもないが、とにかく回転率が早い。

 

「手乗りサナちゃん」

「魂霊契約じゃありません。あの太っちょ教祖は、普通の外法術師です。でも、魔力を使っています」

 

 外法術師には二種類いる。

 一つは、淫魔の力を研究・解析して、霊力を用いて再現した術師。この中には、自身の霊力を餌に下級淫魔を使役する者もいる。

 もう一つは僕のように、上級淫魔と魂霊契約を交わし、淫魔の力そのものを借り受けたタイプだ。

 こちらは霊力ではなく、快楽から得られる魔力で特殊な能力を行使する。

 ただし契約した淫魔と同調しないといけないので、使い手は限られる。

 教祖は前者の亜種だと手乗りサナちゃんは言う。

 

「淫魔との繋がりも感じられます。でも魂の繋がりではなく、下級種にする主従契約。ただし、逆っぽいです」

「つまり」

「あの教祖こそが、魔力を餌に淫魔に従う『使い魔』。女の子にえっちなことをして魔力を集めてご主人様に献上、代わりに魔力を融通してもらっている、という形です。根幹たる能力までは使えないのは幸いですね」

 

 心光の癒しは、そのための餌場なのだろう。

 となると、何年にも渡り女の子を食いものしてきた教祖と、その裏にいる淫魔は相当な魔力を蓄えていることになる。

 

「ごめん、サナちゃん。……無茶するよ」

「賛成です。ふちょっ祖は、ここで倒すべきです」

 

 太っちょな教祖だから、ふちょっ祖。逆に言い難い気がするけど、今は置いておこう。

 更に苛烈になる魔力弾。調子に乗った教祖は、顔を歪めて大笑いしている。

 

「ぐひっ、ぐひひっ。いかんなぁ、避けるのは。“教祖様に逆らうなんて普通に考えれば悪いこと”だと言うのにぃ」

 

 そのセリフには多少の圧迫感のようなものが感じられた。

 すぐにサナちゃんが説明を入れてくれる。

 

「人格に害を及ぼす洗脳よりも少し弱い、暗示に近い魔術。おそらく思考誘導でしょうか。なんにせよ、大淫魔サーナーティオと魂で繋がっているナオトくんには効果がありません」

 

 それなら安心。逆に教祖は変化のない僕を見て動揺している。

 だけど優位になったとまでは思わない。

 あの術で女の子たちを食いものにしてきた分、あちらは魔力量が多い。僕よりも外法術師歴が長いから、こういう荒事にも慣れているだろう。

 

「ファットチャージ」

「ぬぉぅっ⁉ こ、この一撃は、まずいっ」

 

 隙を見てのぶちかまし。

 高速で肉の塊が突っ込んでいくのだ、さすがに教祖も冷や汗を流していた。

 だが、あちらも魔力による身体強化を使っている。それに魔力弾だけでなく、魔力を炸裂させて爆弾のようなものまで作り出してみせた。

 

「食らうがいい!」

 

 放たれた魔術が着弾と同時に炸裂する。

 壁や床に穴をあけるほどの威力だった。ぶっちゃけ避けきれず、サナちゃんお手製の黒外套が半分くらいは消し飛んでいた。

 

「外套は、一応防御用の呪具だったんですが」

「これがなかったらヤバかったよ。……あの魔力爆弾、僕にもできるかな?」

「技量より魔力量の問題ですよ、あれ。弾丸も術式として優れてる訳じゃないですし。退魔巫女乱交プレイでめちゃくちゃにイカセまくる! とかすれば」

「ごめん、無かったことにして」

 

 教祖がここまで強いのは、ちょっと予想外だ。

 僕が逃げている間に、すぐに二発目の爆弾を用意していた。

 あ、ダメだ。今度は位置的に、春乃宮さんが巻き込まれる。

 僕は咄嗟に彼女を抱えて、大きく後ろに飛んだ。

 

「ぐひぃ。どうやら、外側向きの魔術は覚えていないようだなぁ?」

 

 よく分かんないけど、たぶん飛び道具ねーじゃん、くらいの意味なんだろう。

 確かに僕は、まだ電流の魔術を実戦で使えるほどには習熟していない。

 

「教祖様、ご無事ですかっ!」

 

 騒ぎ過ぎたのか、側近らしき男性信者たちが集まってきてしまった。

 それぞれが拳銃を持っている。金を持っているというのは、違法な品を仕入れられるってことでもあるらしい。

 

「ぐひっ。これでこちらの優位ぃ」

 

 春乃宮さんを抱きかかえ、遠距離魔術は使えず、拳銃を持った男に囲まれている。

 勝ち誇る教祖。彼はニタニタと笑いながら語る。

 

「拠点に攻め入るのがどういうことか、考えられなかったのかなぁ? 迂闊迂闊……だが、思考誘導を無効化し、なおかつここまで戦える奴などそうはいない。どうだ、心光の癒しに入団しないかぁ? ここなら楽に女を犯し魔力を蓄えられる。外法術師にとっては良い環境だろぉ?」

 

 教祖の提案に僕は驚くが、向こうからしたら淫魔の術で女の子を犯す同じ穴の狢だ。

ある種の同族意識からの勧誘なのだろう。

 だけど、気に食わない。僕は、同じ言葉をそのまま返す。

 

「拠点に攻め入るのが、どういうことなのか。考えられなかったのか?」

 

 そんなもん前準備はしっかりしているに決まっているだろうに。

 言葉を言い終わるよりも早く、側近たちが全員ぶっ倒れた。

 突然のことに教祖は状況をまるで理解できていない。

 だから、僕は分かりやすく示してやった。

 

 

 

 ─────

 

 

 

「なら、私がお手伝いする。だから大丈夫」

 

 そう言ったひーちゃんは、自分から僕にキスをした。

 しっとりと柔らかい唇の心地良さに、状況を忘れてしまうくらいの衝撃を受けた。

 

「ひひっ、ひーちゃん⁉」

「……? 契約には、体液が必要……」

「け、契約?」

「おにーさん、魂霊契約しよ。私は弱いけど、私の淫蟲はすごい」

 

 蟲魔ヒラルス・ラールアの根幹たる能力、淫蟲創造。

 春乃宮さん救出のため、それを貸し与えるとこの子は言ってくれる。

 

「……いいの?」

 

 申し出は有難いけれど、本当にその意味を考えているのか、僕は遠慮がちに問う。

 本来、ひーちゃんは魂霊契約する意味があんまりない。

 サナちゃんは封印の影響で弱体化していた。

 だから単独行動をするよりも、力を与える代わりに快楽のエナジーを収集してもらう、という形で僕との契約が成立した。

 でもこの子は淫蟲を使って同じことができる。

 今はガス欠でも時間さえかければ魔力は集められるのだから、契約をするメリットがほとんどないのだ。

 

「変な話、僕が得するだけの契約になっちゃうしさ」

「ん……? 私は、得とか損とか考えないと、おにーさんのところにいちゃいけない?」

 

 ひーちゃんは僕が何を気にしているのかさえ分かっていない様子で、こてんと首を傾げる。

 僕は自らの発言を反省し、「ふんっ!」と壁に頭突きをかます。

 めっちゃ痛かったけど僕みたいな大馬鹿野郎はこんくらい痛い目に合っておかなきゃいけない。

 

「おにーさん、頭だいじょうぶ?」

「だ、大丈夫じゃないけど大丈夫。怪我的にも思考回路的にも」

 

 ひーちゃんは、メリットどうこうで契約を持ちだしたんじゃない。

 すごくシンプルに、僕が困ってるから力を貸してあげる、そのために魂の繋がりを認めるくらい、僕に気を許してくれてるのだ。

 僕はひーちゃんの手を包むように握りしめた。

 

「ごめん、ひーちゃん。力かしてもらえる?」

「おっけ」

 

 ものすごく軽い了承だった。

  

「なので、体液が必要。おにーさんの唾液をちょうだい」

「ちょ、ちょちょっ!? ひーちゃん、何をおっしゃってるんですか!? 体液は別に血液とかでいいんですよ!? 唾液っていうことはナオトくんと舌と舌でれろれろしちゃうことに!?」

「分かってる。それくらいはおっけー」

「なんで!?」

 

 お友達のキスにテンパる大淫魔。淫魔というのは、清純という意味も含む言葉なので使う時は注意してください。

 あと、れろれろやめてもろて?

 

「はやく」

 

 ひーちゃんは勢いよく飛び掛かり、僕に唇を押し付け、さらに舌を突っ込んできた。

 めっちゃ、ぬるぬるしてて熱い。絡み合う舌、ぴちゃりと淫らな音が鳴った。

 ていうか、これ、僕ファーストキスだ。

 すごく、甘い。まるで、チョコみたいな……。

 

「チョコ食べといた。これでちゃんと美味しい味がする」

 

 ぐっとひーちゃんがサムズアップ。

 みたいっていうかそのものチョコでした。

 

 

 

 ──────

 

 

 

 経緯は衝撃的だったけど、僕とひーちゃんは契約を交わした。

 僕は春乃宮さんを床に寝かせながら魂の繋がりを明確にする。

 

「魂霊契約、ヒラルス・ラールア」

 

 僕の周りには多数の媚毒バチが飛んでいる。

 ひーちゃんと契約した僕は堕淫魔術だけでなく、淫蟲創造のスキルも行使できる。

 倒れた側近たちは媚毒バチの高濃度媚薬を一気に注入されて意識を失ったのだ。

 しかも、淫蟲によって得られた快楽のエナジーを、創造主は受け取れる。

 つまり今の男たちが悶えた分の魔力を、自らに還元できるのだ。

 ふふふ、どうしよう。

 恰好付けたけど僕、淫魔っ子たちと契約してから男しか絶頂させてない……!

 いや、魔力は回復したからいいんだけどさぁ。

 

「動ける淫蟲使い、これけっこうすごいですよ。ひーちゃん、小学生並みの運動能力しかないですからね」

 

 今の僕はサナちゃんの身体強化とひーちゃんの淫蟲を併用できる。

 ただ、実際にやってみると蟲をつくるのって、ぶっちゃけファットチャージよりよっぽど魔力を消費するんだよね。

 多用は出来ない。ダブル淫魔っ子の力で短期決戦だ。

 

「ぬっ、ぬぅ!?」

 

 どこか余裕を持った態度だった教祖が焦り始めている。

 弾丸じゃ、空を飛ぶ淫蟲は捉えきれない。魔力の爆弾で散らすのがせいぜい、そんな隙を見せれば、ファットチャージが飛んでくる。

 

「がぁっ!? なん、とぉ」

 

 直撃……いや、障壁で防がれたか。蟲の接触も阻まれている。

 なら、もっと負荷をかける。相撲の押し出し。シンプルに魔力を込めて障壁を押す。

 いくら魔力量が多くても、集中できていない状態じゃ強固さは保てない。僕の肉圧に耐えきれず、障壁が砕けた

 

「おおおおっ⁉」

 

 次の障壁を張る前に蜂が殺到する。

 しかし意外と教祖は根性があった。

  

「ぐひっ、舐めるなぁ」

 

 超至近距離での魔力爆弾の炸裂。自分が巻き込まれることを覚悟の上で、蟲を処理しようとした。

 すごい。でも、敵は淫蟲だけじゃない。

 既に僕は距離を詰めている。魔術が完成する前に、狙うは頭部。僕は腕を振り上げ、全力で突き出す。

 

「“ピッグスラップ”……!」

「あが、ぎゃ、ぐああああああ!?」

 

 日本語訳、豚張り手。

 魔力で強化しただけでも高威力なのに、振動の魔術を併用し、直撃した瞬間に脳をシェイクする。

 顔面に張り手をされて、教祖はその衝撃にすっ飛んで壁にぶち当たる。そのまま床にべちゃりと落ち、完全に意識を失った。

 ぴくりとも動かないのを確認して、僕は静かに息を吐く。

 

「ふん……」

 

 ちょっと気分が良くなって、なんか余裕でしたーみたいな雰囲気を出してみせる。

 実際はけっこうやばかったです。ともかく敵は倒した。

 ……このふちょっ祖。悪い奴だよね? 悪い奴ということは、ちょっとぐらい痛い目見た方がいいよね?

 となると、魔力も消費したし……いいよね?

 

「淫蟲創造。乳吸いヒル、ア〇ルねぶり芋虫」

 

 うん、準備万端。

 じゃあ、せっかくですし、罰ゲームということで。

 

 

 

 ─────

 

 

 

<注意>

 ここから先は淫魔の主キモブタの淫蟲によるお仕置きが繰り広げられます。

 レオタードな退魔巫女姉妹が相手ならともかく、キモい教祖のおっさんが乳首をヒルにちゅうちゅう吸われたりお尻の穴を芋虫にほじられながら悦楽に悶えちゃう様は大変見苦しいため割愛させていただきます。

 サイト的に巫女姉妹も合法ロリ教師巫女もこういう目に合う可能性は皆無です。

 

「んほぉぉぉぉぉぉぉおぉぉ♡ おふ、おぉ、おほぉぉぉぉっ♡」

 

 なお、たとえ教祖が妙な快楽に目覚めたとしても、淫魔の主は責任をとる気が一切ありません。

 あなおそろしや、淫魔の主。

 

 

 

 ─────

 

 

 

 魔力、回復。

 ついでに感度向上をかけておいて、しばらく僕の糧となってもらいましょう。

 

「我が主よ、淫魔の主らしくなりましたね」

「よくぞここまで大きく……みたいな優しい瞳やめてもろて?」

「まぁまぁ。春乃宮咲綾さんは、まだ暗示の影響下にあります。魔力を洗い流しましょう」

 

 絶頂の余韻でピクピクと痙攣する教祖を尻目に、僕は春乃宮さんを介抱する。

 大事なところ以外まるで守れていない修道服なので可能な限り視線はそらした。

 暗示は解呪の魔術を使うというより、魔力で効果を洗い流すイメージだ。終えると少し楽になったのか、春乃宮さんの顔色がだいぶ良くなった。

 

「終わった? 淫魔の主」

 

 そのタイミングで、祭壇の間に退魔巫女装束姿の美桜さんがやってきた。

 退魔巫女とは突入のタイミングが被った。向こうも、途中までの位置情報から屋敷の所在地を割り出したらしい。

 ただ、教祖は精神干渉系の魔術を持つ。

 だから、謎の外法術師として、美桜さんに「我が戦う」と進言した。

 かなり不満はアリアリだったけど、なんとか退魔巫女が屋敷の制圧と・信者さんの救出に回る形に収まった。

 

「うわっ、なに? くさっ!? ……えっ、きもっ!?」

 

 全裸で仰向けに寝転がるデブ教祖を見て、あからさまに顔をしかめる。

 もう暗示の効果が残っていないのか、普通に嫌悪感しかないみたいだ。

 

「今私たちが魔力でやったことを、自然に霊力で行っているのでしょう。それに霊力の質なのか、お姉さんより基本的な抵抗力が高いみたいです」

「じゃあ、彼女には精神系は効かないの?」

「いいえ。かからない、ではなく回復が早い、ですね。もっとも、短期間に重ね掛けをされたら別です。発情の魔眼も、おそらく長く使えば通りますよ」

「別に使おうということではなく」

 

 なんにせよ美桜さんが無事ならよかったや。

 

「お姉ちゃん、すっごい恰好してる……」

 

 心配してすぐに駆け付ける。

 穏やかな呼吸音を聞いて安堵の息を吐くも、お姉さんのきわど過ぎる修道服に若干引いていた。

 

「……美桜さんの巫女レオタードも、けっこうえっちですよね?」

「サナちゃん、しーっ」

 

 事実だけども。

 わりと股の布地の角度が大変なことになっており、布地も汗で透けちゃうレベルの極薄です。

 無事を確認した美桜さんは、立ち上がって僕と正対する。

 

「とりあえず、あんがと。五大淫魔の主。あんたの淫蟲のおかげで、屋敷の制圧に人員が要らなかった」

「気にするな」

 

 意識して低い声で答える。

 幹部の顔は教団のビルで覚えたからね。護衛も幹部も、逃さず全員媚毒バチの餌食です。

 

「では、信者の女性たちは?」

「そっちも薫せんせと楓が救出中」

「おそらく、教祖により長い期間、思考誘導の魔術をかけられている。処置を頼む」

「おっけ。……ああ、私の代わりに、デブ教祖と戦ってくれたのも、あんがと」

 

 ビルでの美桜さんの様子を見てるからね。

 教祖のことイケオジとか言うの、なんかちょっと嫌だったし。どちらかと言うと僕の心情が理由だから、感謝されるとちょっと困る。

 

「我の都合だ」

「ふーん。ま、いいけど。蟲魔ヒラルスと魂霊契約を交わした化物にしては、話せるじゃん」

「ぬかせ」

 

 あんまり話しててもボロが出る。

 このまま颯爽と去っていこうと思った瞬間、美桜さんがしゃなりと体をくねらせる。

 

「でさ、直人。お礼何がいい? 今ならちょっとくらいえっちなやつでも応えてあげようかなー。レオタ、ずらしてみたりー?」

「ごふっ!? ななななっ、なにを!?」

 

 僕は思わずツッコんでしまった。

 って、あ。

 

「な、なんのことだ……?」

「いや、無理があるって。マント破れてるし、仮面半分壊れてるし。あと、戦いに集中し過ぎて認識阻害系なんも使ってないでしょ?」

「あ」

 

 そういや、魔術を使ったら隠蔽と認識阻害は解けちゃうんだった。

 だからサナちゃんは魔術による快楽のエナジーの収集が難しいのに、完璧に忘れてた。

 

「じゃ、詳しい話聞かせてもらっていい? 淫魔の主・佐間直人。薫せんせには黙っておくからさ」

「……うっす」

 

 僕は頷くしかできなかった。

 

 

 

 

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