ロリサキュバスと同居生活してたらいつの間にか淫魔の王になっていた話 作:自宅戦闘員
夢魔ラエティティア・ソムニウム。
最恐と呼ばれるらっちゃんだけど、直接戦闘に限れば然程脅威ではない。
<夢幻世界>は夢をキーワードとする以上、相手が眠った状態でないと効力を発揮しない。戦場で遭遇しても、普通に強い上級種というだけだ。
だけど、住処が知られていた場合は、途端に恐るべき存在となる。
寝込みを襲って暗殺なんて誰でもできる? いやいや、そんなレベルじゃない。らっちゃんが視認しただけで原因不明の集団昏睡事件が発生。人々は永遠に目覚めることなく、夢魔の餌として淫らな悪夢に苛まれ続ける。
「わたしそんなことしませんけど!? ……なのじゃ!?」
救いなのは、らっちゃん自身がそう言う真似を忌避する善良な淫魔な点だろう。
ヤバい子だったら市民全員覚めない夢を見続ける静かな地獄が完成するところだった。
ていうかね、これまで出会った淫魔っ子が三人ともいい子なのよ。最近はもう、淫魔って基本が善良でアウトローな奴らが問題起こしてるだけなんじゃないかって思えてきた。
そんなことを呟くと、サナちゃんが「いえ、ほんっとーに淫魔は危険ですよ」と訂正された。
「ただ、五大淫魔に限って言えば、エクソシストが『俺らじゃ勝てねぇ、こいつらに近寄んなよ!』って雑にまとめただけですからね。性質・性格は度外視です」
「それより、さなさなが当たり前のようにキモブタさんの膝に座っているのは何故なのかのう……?」
五大淫魔最恐が、僕とサナちゃんの関係性にビクビクおどおどしてらっしゃる。
本当は、せっかくだしらっちゃんとコラボ動画の打ち合わせをするつもりだった。
だけど「この子がなにかしないよう見張ります」と、サナちゃんも参加している。
なぜ膝の上にいるのかは、上級淫魔一流の深淵なる智謀ゆえなので、無知な僕が突っ込むのも良くないと思ってそのままにしています。
サナちゃんは、質問に堂々と答える。
「お膝はひーちゃんから借りました」
「できれば僕から借りてもらっていい?」
なんで僕の膝の権利の持ち主がひーちゃんなんだろう。
「あの、そうではなく。妾が聞きたいのは、妙に親しい理由の方で……」
「ナオトくんとは魂霊契約を交わした仲なんです」
「ふぉうっ!? こここっ、こんれひっ!? それっ、それつまりっ!? さなさなは、キモブタさんとっ!? あはーん♡ おーいぇい♡ なことを!?」
「してませんよ私を何だと思ってるんですか血液摂取による契約です!?」
なにと言われると、サキュバスなんです、サナちゃんは。
動揺してるらっちゃんも大概だけど。
「いや、あの、らっちゃんも淫魔、だよね……?」
「らーちゃんも私やさーちゃんと同じ。夢で魔力を集められるから、えっちなことをする必要がない」
「あぁ、なるほど」
この子たちは上級淫魔の中でもトップクラス。
サナちゃんが堕淫魔術で、ひーちゃんが淫蟲を使って絶頂させ魔力を回収できるように、らっちゃんは淫らな夢経由で似たようなことができる。
能力が高すぎて、肉体的接触というシンプルな搾精に頼らなくても問題ない勢なのだ。
「ちなみに、私も魂霊契約してる。おにーさんとは、キスをした仲」
「きっ、きしゅぅ!? 乱れておるっ! 淫魔業界が淫らに乱れておるのじゃ!?」
これはあくまで僕個人の見解ではあるんだけど、そもそも淫魔業界って淫らに乱れてるのがスタンダードなはずじゃないのかなぁ……。
「もしやキモブタさんはロリーなコンデンスミルクなお方かや……?」
「ぜんぜん違います」
「そうですよ。ナオトくんはロリコンではなくこの魅惑のつるぺたボディの虜なだけです」
「サナちゃんもやめてもろて?」
話が、話が進まない……!
参戦しようとパーカーを脱ぎかけるひーちゃんを手で制し、僕は本題であるコラボ企画の話を切り出した。
「ともかく、炎情シュウさん。えーと、リアルの僕とアバターのシュウさんのぶらり商店街巡り動画を撮りたい、でいいんですよね?」
「うむ。あ、普通にらっちゃんで。敬語もいらないのじゃ」
「そう? じゃあ、まずは企画を練ろうか」
「いやいや、机で話し合うより、まずこの街を直に見て回りたいのじゃ。映像にしにくい角度があるかもしれぬし」
一理ある。
僕もアバターを使った動画は作ったことないし、それを専門としている炎情さんに現地を見てもらいながら考えるのもいいかもしれない。
「それなら、今日のお昼を食べながら打ち合わせでどう?」
「おー、それがいいのじゃ」
にぱっと笑う猫耳淫魔。
サナちゃんが「なら、私も……」と言いかけたところで、らっちゃんは僕の手を取る。
「キモブタさん、いこいこ!」
「あー!? ま、まってください、らっちゃん!?」
呼び止めにも聞く耳もたず、そのまま彼女は勢いよくマンションを出た。
というか、つるぺたロリっ娘なのに力が強い……!? そういや僕、ひーちゃんと弱体化したサナちゃんとしか触れ合ってないから、真っ当な淫魔っ子の身体能力を見るのって初めてだった。
※ ※ ※
「おや、佐間くん。今日はまた違う女の子連れてるねぇ!」
ちっちゃい女の子ですけどね。
商店街の広報担当みたいなチャンネルを運営しているので、お店のおじさんから声をかけられることもそれなりにある。
金髪ボブカットの猫耳淫魔は、今は普通の女子小学生っぽい格好で僕の隣にいる。
ごめんなさい、嘘吐きました。
猫耳は消しているけどチューブトップにホットパンツの、肌色の目立つ大変けしからんメスガキっぽい服装です。
「おおっ、お団子! あんこがたっぷりのお団子なのじゃ!」
中身はメスガキには程遠い好奇心旺盛で明るいのじゃロリだけど。
でも大変露出度が高いので、またあらぬ誤解が発生するのではと気が気じゃない。
「キモブタさんのおすすめはどんな店かのう?」
「色々美味しいところはあるけれど、逆にらっちゃんの好みは?」
「なんでも! ……と言いたいけどぉ、できれば苦いのはやーなのです……なのじゃ」
ところで、今朝も自分のこと「わたし」と言っていたし、この子のじゃロリってたぶんキャラ付けの演技だよね? 若干口調が怪しくなるタイミングがちらほらと。
だとしても突っ込むのは野暮だろう。
「お肉とお魚だと?」
「おさかな!」
「和洋中……だと、あれか。こってり、さっぱり?」
「うーん、さっぱり? なのじゃ」
「生ものは大丈夫?」
「ナマは大好き!」
なぜか一瞬周囲がざわめく。
やめてください。
「なるほど……つまり、はまかぜ食堂の、マグロとホタテの二色丼だね。うま味の濃い赤身と、ほんのり塩味とホタテ自体の甘みがたまらない。醤油ではなく、甘さ控え目の特製タレでいただく、母なる海がもたらす聖杯……」
「おぉ、よく分からないけど、なんかすごそうなのじゃ!」
ノリよくパチパチ拍手をくれる。
ありがとう、らっちゃん。君はとってもいい子だ。
軽く流されたらどうしようかと。
「ってことで、お昼ははまかぜ食堂で。大将は気のいいおじさんで、ちゃんと丁寧に挨拶して、迷惑をかけないのなら撮影許可もくれるよ」
「うむっ」
力強く頷いてくれて、お手々を繋いでお店まで。
大将にはものすごいびっくりされた。そう言えば、ここサナちゃんとも来たや。キモブタがまた別の美ロリっ娘を連れてきたのだから、その反応も仕方ない。懇切丁寧に趣旨を説明して、なんとかご納得いただきました。
はまかぜ食堂は魚料理メインの和な定食屋。
お昼は先程言った、まぐろとホタテの二色丼。
こんだけたっぷり新鮮な刺身が乗って1100円は破格と言える。
「いただきのじゃます!」
言えてない言えてない。
らっちゃんは、にこにこ笑顔で美味しそうに食べている。
でも、お箸の使い方はちょっと下手。これはひーちゃんもいっしょで、最初から綺麗にお箸を使えるサナちゃんがすごいってだけだろう。
「動画で出すなら、ちゃんと小物の3Dを準備した方が見映えがいいかな?」
「うんっ、おいしっ!」
打ち合わせどころじゃなかった。
「もー大将ー。どんぶりが美味しすぎて話が進まなくなっちゃいましたよー」
「はっ、そいつぁ嬉しいね」
まぐろとホタテに一意専心ならっちゃんです。
大将と軽く雑談をしてから、僕も食べ始める。
相変わらず美味しい。とろりと甘いホタテ。臭みの一切ない、口当たりの良いマグロ。タレのいい具合のしょっぱさに、ご飯が進む進む。
「はひゅぅ……ごちそうさま、なのじゃっ」
「一気に食べちゃったね」
「それは仕方ないのじゃ。こんなに楽しいご飯初めてかもしれないっ」
そこまで喜んでくれるなら、案内した甲斐があったというものだ。
食事がひと段落したら、お茶をすすって少し休み、可能な限り早めに店を出る。
ランチタイムに席を長々と占拠するのはデブの主義に反します。
「そういえば、らっちゃんってこの辺りに住んでるんだっけ?」
また商店街を散策しつつ、僕はラッちゃんに問いかけた。
淫魔っ子の生活がなんとなく気になった、程度の興味だった。
「うむ、そうなのじゃ」
「動画の件といい、人間世界に溶け込んでるなぁ。ちなみに、戸籍とかってどうしてるの? アカウントを作るまでにも出費はあるだろうに、お金とか。収益化は書類が色々あるから、淫魔だと難しかったんじゃない?」
あれ、そう考えると変だな。
未成年だと、保護者の名前がないと収益化が不可能だ。
気になって聞いたら、らっちゃんは一瞬固まった。
答えに窮し、あたふたとして、困ったように僕を見上げる。
なんでか、ちょっと瞳は潤んでいた。
「しまった、のじゃ。作り込みが、甘かった……」
そうして、名残惜しそうに彼女は僕に手を伸ばし。
※ ※ ※
……そんな、夢を見た。
僕は布団から飛び起きる。
飛び起きた理由は、分からなかった。
「……あれ?」
なにか変な夢を見ていたような気がするけど、内容は全然覚えていない。
まあ、夢ってそんなもんか。
僕は特に気にせず、ひとまず顔を洗いに行こうとした。
「もー、ちょっと……」
でもひーちゃんに寝間着を掴まれた。
起こさないようにそっと小さな手を放し、洗面所へ。歯を磨きながら、考えるのは動画作成のことだ。
「あー、どうしよっかな、炎情シュウさんのコラボ企画」
お金のことを考えると受けたいけど、“まだ返信はしていない”。
キモブタ地元メシちゃんねる初めてのコラボなのでしっかりと考えたかった。
「おはよーございます、ナオトくん」
「おはよう、サナちゃん」
「ふふ……今日は! なんと、私が朝ごはん作りましたよー」
「えっ、ありがとう」
「中々の出来栄えだと自分では思っています」
すでに起きていたサナちゃんが台所でリズムをとっている。
掃除洗濯完璧な彼女だけど、料理だけはできない。でも時々練習して、その性かもちゃんとできるようだ。
トーストと、ちょっと歪なプレーンオムレツ。
でも焦げたりはしていないし、ちゃんと美味しい。
「うん、おいしい」
「ほんとですか? たまご、しょっぱくなりすぎてないです?」
「うん、ぜんぜん。いい塩梅だよ」
「よかったぁ」
はにかむサナちゃん。
そうしているうちにひーちゃんが起きてきて、三人で食卓に。
いつも通りと言えるくらいに馴染んだ朝の一コマだった。
ご飯の後はちょっと散歩に。そう思って家を出ると、同じタイミングで隣の人も出てきた。
「おっ、おにーちゃん、おはようなのじゃ」
「あれ? おはよう、らっちゃん」
“らっちゃん”は隣に住んでいる、金髪ボブカットの女子小学生だ。
ここに引っ越してきてからの一年、なぜか妙に僕に懐いてくれている。
今や僕にとっても妹みたいな女の子で、サナちゃん達が来るまでは僕と親しくしてくれる異性なんてらっちゃんくらいだった。
「おでかけ?」
「うむっ、せっかくのお休みだからの。おにーちゃんは?」
「僕もお散歩」
「なら一緒に行きたいのじゃ!」
そう言って抱き着くように僕の腕をとった。
いつものこととは言え、やっぱり照れる。間近で改めてみると、この子はやっぱりものすごくかわいい。なんで僕なんかにこうまで好意的なのかは分からなかった。
特に目的があるわけでもないので公園をぶらつく程度。でも、らっちゃんはすごく楽しそうだ。
「そうだ、飴食べる?」
「食べますっ、のじゃ」
ポケットから取り出したのは個別包装のソーダ味の青いキャンディ。
ひーちゃんが甘いの好きだから常備する癖がついた。
「んー、あまー」
ころころ口の中で転がすらっちゃんは満面の笑顔。
その後は二人でお喋りをしたり、公園でかけっこなんかもした。当然のように僕が負けるけど。
僕、体力なさ過ぎ……? ぜひぜひと呼吸も荒く寝っ転がる僕の上にらっちゃんが覆いかぶさってきた
う、柔らかい。
素肌の部分が多いし、これはたいそう危険だ。
「らっちゃん、ちょ、ちょっと恥ずかしいよ」
「えー? なにがー、なのじゃ」
困った。
くそう、分かっていてニヤニヤしているな?
この子、意外といたずらっ子です。
「どいてほしかったらー、お泊りっ! おにーちゃんの部屋で、お泊りしたいのじゃ」
「あー、それは、ちょっと、難しいかなぁ」
サナちゃんとひーちゃんがいるからね!
いくら妹みたいな女の子でも泊める訳にはいかない。
変なことで正体バレとかしても困るし。
「えー、なんでー?」
「いやあ、僕にも都合的なものがありまして。泊まるのはご勘弁を」
「どーしても?」
「どうしても。他の埋め合わせで、どうにかならないでしょうか……?」
困ったように笑うと、らっちゃんは何故かより強く僕に抱き着いてきた。
「そっかぁ……仲がいい、妹みたいな子が相手でも。ちゃんと、淫魔の子たちのことも考えようとするんだぁ」
「らっちゃん?」
何故か彼女は嬉しそうな、でも寂しそうな不思議な表情を見せて……。
※ ※ ※
……そんな、夢を見た。
僕は布団から飛び起きる。
今度は……今度は? いや、ともかく僕は“らっちゃん”のことを覚えていた。
周囲を見回す。僕の布団に潜り込んだひーちゃん、ベッドで寝ているサナちゃん。
なんの変哲もない朝の景色。けど、おかしなことに気付き僕は驚きに口を押えた。
「味がする……ソーダの、味……!?」
ちゃんと目覚めたはずなのに。
夢で食べたはずの飴の甘さが、勘違いでなく舌に残っている。
なんだこれ、起きたのに。現実を、浸食するレベルの夢?
ぞくりと、背筋が寒くなる。
僕は慌てて布団を抜け出して、パソコンを立ち上げる。
「炎情シュウさんからの、依頼メールはある……でも、僕、返信していない……」
じゃあ、炎情さんのことは現実?
でも、中の人がらっちゃんだった。
いや、淫魔が個人でそんなできるものなの?
夢はそこから始まってる? 分からない、頭の中がグルグル回っている。
『どもっす、ご依頼振りです。今回はコラボ受けて感謝です、キモブタさん』
『どうも、ご依頼ぶりなのじゃ。今回はコラボ受けて感謝するぞ、キモブタさんや』
……なんで、だ?
なんで、メールの返信をしていないのに、炎情さんと打ち合わせをした記憶が、二種類もあるんだ?
どっちが、夢なのかも分からない。いや、もしかしたら両方とも?
かたかたとカラダが震える。
「ふぁ……どうしたんですか、ナオトくん?」
目をこすりながらサナちゃんが僕の様子を見に来た。
僕は慌てて彼女の両肩をがっしりと掴んだ。
「さ、サナちゃん! らっちゃんが、夢をっ、夢魔術でっ!?」
「らっちゃん? えーと、夢魔ラエティティアのことですか?」
僕は今の異常事態をまとまらないながらもなんとか伝えた。
だけどサナちゃんは小首を傾げている。
「らっちゃんの夢攻撃を受けている……? それは、どうなんでしょう?」
「でもっ」
「ナオトくんを疑っているとかじゃなくて。もしも、本当にらっちゃんにされたら、たぶん夢だってことに気付けませんよ? あの子の<夢幻世界>は、夢の中でも五感があって、登場人物も完全に再現できてしまいます。気付けるようなほころびなんて、ちょっと想像がつかないです」
「う……」
でも、明らかにおかしいんだ。
狼狽する僕のことを、サナちゃんは変な目で見たりはしない。
むしろ優しく、ぎゅっと頭を自身の胸元に引き寄せた。
「大丈夫ですよ、落ち着いてください」
サナちゃんに抱きしめられている。
小さな胸の柔らかさ。伝わる温かさと、彼女の鼓動。
その心地良さに少しだけ落ち着くことが出来た。
「ごめん……あの、ありがと」
「いえいえ。可能性があるとすれば、らっちゃん自身が気付けるようにしている、でしょうか。そうすると、意図が見えませんね」
そうか、夢を自在に操れるなら、僕が悪夢に気付けるよう調整もできるのか。
それなら、らっちゃんには何らかの目的がある?
頭なでなでされてる僕。サナちゃんの手、優しいな。すごく、いい匂いがする。
いけない、煩悩が混じってしまった。
そんな僕に、サナちゃんはくすりと優しい微笑みをむける
「私は、ナオトくんが嘘を言ってるとは思いません。だから、
※ ※ ※
……そんな、夢を見た。
僕は布団から飛び起きる。
サナちゃんの柔らかさと、甘い香りがまだ残っている。
でもベッドを見れば、彼女はまだ眠っていた。
「…………………っ!」
夢だった。
らっちゃんの、夢魔ラエティティアに攻撃されている事実に気付いた、という夢を見ていた。
「僕は、夢を、見ていた? 夢の中で、“夢を見ている”という夢を見ていた……そういう、夢をさらに見ていて、夢の中で考えて、その考えさえ夢だった?」
なんだこれ。
起きても起きても夢から覚めない。
動いてないのに息が荒れる。
今の夢は最悪だった。
「僕は、
サナちゃんの優しい言葉は、温かさは夢だった。
なら、サナちゃんとの出会いは? 交わした契約は、本当に現実?
いっしょにご飯を食べたし、触れあって、楽しい時間を過ごしてきた。
……その全てが夢でないと、いったい誰が保証してくれる?
サナちゃん達との出会いが、全て夢だったとしたら。
<夢幻世界>は、そんな荒唐無稽な想像を、簡単に実現してしまえる。
「あ──────」
これが五大淫魔最恐。
これが夢魔ラエティティア・ソムニウム。
その恐ろしさに僕は、声にならない悲鳴を上げ、そのまま気を失った。
※ ※ ※
……そんな、夢を見た。
僕は布団から飛び起きた。