ロリサキュバスと同居生活してたらいつの間にか淫魔の王になっていた話 作:自宅戦闘員
今回の話はわりとエロネタ多めです。
苦手な方は「なんやかんや魔力を回復し、カス兄戦に向けて直人は決意を固めた」という点だけ踏まえ読み飛ばしてください。
サナちゃんは僕が強くなれる道筋を示してくれる。
それは淫魔としては当たり前の、性行為による魔力の確保。
僕に自信がなくて、選べなかった道だった。
でもここまで来たら、もう他に選択肢はないのかもしれない。
「さあ、選ぶのですナオトくん……!」
「キモブタさんは妾の<夢幻世界>が使えるから、みおーさんとさーやさんに許可を取ってから淫夢を見せればそこそこの魔力は確保できるのじゃ」
「……………………えっ?」
「夢なら、さなさなの
「……………………あぅ」
他の選択肢ありました。
らっちゃんの冷静な言葉にたじろぐサナちゃん。
ビシッと決めた後だからか、すっごく真っ赤になっていた。
そしてひーちゃんは、震えるサナちゃんの肩に手を置いて。
「おにーさんが淫蟲でサアヤたちをぬちょぬちょにしても」
「そっちは本気でダメですよ!?」
「………むぅ」
さすがにそこはちゃんとツッコむ。ひーちゃん残念そうでした。
でもごめん。僕も美桜さん×蟲、咲綾さん×蟲はあんまり見たくないです。
その提案を聞いた美桜さんは、なんだか安堵したような表情になった。
「な、なんだ、けっこう簡単な方法あるんじゃない。ね、ねえ、お姉ちゃん?」
「う、うん。そうだね? やっぱり、うん」
咲綾さんもこくこく物凄い勢いで首を縦に振っている。
サナちゃんが「逃げましたね……」とか呟いていたけど、姉妹ともに視線を逸らしていた。
「でもそれって、デメリットはないの?」
咲綾さんがぎこちなく問うた。
上級種の根幹たる能力だ。その辺りは確かに心配になる。
「あると言えばある、かの?」
らっちゃんは腕を組んで、むむぅと小さく唸った。
「淫魔は絶頂の際の快楽のエナジーを糧とする、というのは知っておろ? つまり、淫夢で魔力を得られるということは」
そこで姉妹は初めて夢幻世界の恐ろしさに気付き、言葉を失った。
でもサナちゃんは遠慮なく言った。
「ああ、なるほど。咲綾さんにしろ美桜さんにしろ、眠りながら性的快感を得て絶頂しますね。しかもそれを直人くんにがっつり見られますね」
「いやあああああああ!? 無理、ぜったいに無理っ!?」
美桜さんの絶望の叫びが響き渡る。
当たり前やんけ。同級生に寝イキを見られるとかマトモな精神じゃ耐えられないに決まってる。
さらに、らっちゃんによる追撃が叩き込まれる。
「あ、でもでも。眠ってたらカラダがスッキリー、みたいな感覚を味わえるのじゃ。まあ、火照りと敏感状態が起きて一時間くらいは続いちゃうけど」
なんて……なんて恐ろしい能力なんだ……!
お二人のそんな姿見たらもうたぶん僕の方がやっばい。
サナちゃんとひーちゃんはヒソヒソお話。
「それは危険です。咲綾さんは追い詰められると我慢しちゃう流され系黒髪ロング巨乳清楚美少女。そこに敏感+火照りが重なれば、後はもうNTR同人のように」
「心はあの人のもの、でも甘いものは別腹なのぉ……。ひーは洋梨のタルトがいい……」
「あなた達はなんの話をしてるの!? 特にヒラルスは本当になんの話っ!?」
淫魔っ子たちに翻弄される退魔巫女。
よくよく考えたらこの場に男がいるのってよろしくないんじゃなかろうか。
「変なとこ見られるのやだっ。でもっ、ロリサキュバスハーレムよりは……!」
「私が劣勢なのは分かってる。今決定的な判断は、よろしくない……! だからと言って……!」
ものすごく苦悩する姉妹。
サナちゃんはその様子を見て、困ったような顔をする。
「あのー、らっちゃん。ここまで拒否感があるので、ほら、夢幻世界は無理じゃないかなーって。ここはやっぱり、ナオトくんが覚悟を決めてごにょごにょ……」
「でもでも、こんな流れで誰かを選ぶのも、選ばれるのも嫌ではないかのう? キモブタさんは妾の手を握ってくれた人だから、あんまり変なことで悩んでほしくないのじゃ」
……ものすっごくいい子!
正直なところ、彼女いない歴年齢な僕は、意外と恋人関係に夢を持っている。
そこはやっぱりしっかり手順を踏みたいというか。
「う……ああ……」
呻くサナちゃんが、力なく崩れ両手を床に付き頭を差し出す。
なんか舞台演劇みたいな流れるような動きだった。
「さ、サナちゃん!? 大丈夫!? どっか痛い!?」
「……ごめんなさい、ナオトくん。わ、私は、穢れていました。欲望に負けた自分が恥ずかしいです……」
「いや、なにが!?」
多少悪ノリではあったと思うけども!
様子が変なのはサナちゃんだけじゃない。らっちゃんの言葉を聞いた美桜さん達は、ぴたりと動きを止めた。
そしてじーっとらっちゃんを見つめる。「の、のじゃっ?」と思いっ切り困惑しています。
しばらく何かを考え込んだ後、姉妹は視線を外し、それぞれ僕の方に向き直る。
「い、いいわよ、やってやるわよ……! 夢幻世界、どんとこい。私は屈しない……!」
「直人くん。受けるよ……覚悟は、できたっ。色んな意味でっ」
美桜さん、無茶言ってる。屈してくれないと魔力回復しないよ。
咲綾さんもいっぱいっぱいなご様子だ。
まず大前提として、僕も美桜さんも咲綾さんも、他の誰かを犠牲にするという考えが初めからない。
なので誰かを襲うとワンナイト、パイセンは初めから除外。
いや、僕が恋人を作るのもわりとハードルは高いんだけど。
で、結局残るのは僕が恋人をつくるか、ハーレムか、淫夢なわけで。
ぶっちゃけ、淫夢しか選べそうになかった。
「あ、この剣攻撃力下がった。ゲームバランスをナーフで調整するの止めて欲しぃ……」
あと、もう飽きたのかひーちゃんは普通にゲームをやっています。
ということで、第六の選択肢・退魔巫女姉妹の淫夢に決定しました。
まあ、僕は助かったのかもしれない。
らっちゃんの言う通り、魔力のために恋人っていうのはどう考えてもおかしい。
……だから今回の件が終わったら、改めて僕も覚悟を決めよう。
※ ※ ※
さて、美桜さんも咲綾さんもご自宅に電話をして、今日は友達の家に泊まると約束してウチのマンションに宿泊する。分かりやすすぎる外泊の言い訳です。
っていうか、さすがに六人いると狭い。僕が二人分だから実質七人分だ。
「第二十四回、サキュバス会議を開催します! 今日の議題は“ピザの具、なににする?”ですっ。うーん、美味しそうですねぇ、やはりここはスタンダードなデラックスを。いえ、マルゲリータもありですね」
「ハワイアン……パインどっさりのやつ……」
「照り焼きチキン……ネギしらす? プルコギ。くぅ、迷うのじゃ……!」
夕食を今から作るのもしんどいし出前で済ませる。
三柱の淫魔っ娘がどれを選ぶかかなり悩んでいた。
「咲綾さん、美桜さん、どれがいいですか?」
「サキュバス会議なのに私たちも参加していいの?」と咲綾さんが小首を傾げる。
「大丈夫です、お二人ともサキュバスの才能は十分に有ります」
「サキュバスの才能ってなに?」
美桜さんのツッコミは軽くスルーされました。
まあ結局ピザはそれぞれの好きなヤツを乗せたクォーター×2に決定。
皆で仲良く夕食を終えて、ついにその時を迎えた。
今夜は春乃宮姉妹にベッドで寝てもらう。
咲綾さんは手で顔を隠した状態で寝転がっていた。
「どうしたんですか、咲綾さん?」
「あの……寝顔を見られるのが、恥ずかしくて」
「何を言ってるんです、乙女ですか」
「乙女だよ!?」
サナちゃんと咲綾さんがわちゃわちゃしてる。
美桜さんもらっちゃんとお喋り中だ。
「みおーさん、寝たー?」
「そ、そんな簡単に寝れるわけないでしょ……」
何度かこういうやりとりを繰り返す。
緊張でスムーズには眠れないようだ。
そのため温かいお湯を飲んだりホットタオルで目を休めたり、サナちゃんマッサージなどをして、ようやく眠りにつく頃にはすでに日付が変わろうとしていた。
「よし、眠ったみたいだね。では、魂霊契約ラエティティア・ソムニウム……」
「キモブタさん、妾がサポートするのじゃ。夢の中に入るのではなく、外部から干渉して淫夢を見せる……。細かく夢の内容も作れるけど、それより願望を夢に反映させる方がいいかの? ゆっくり、ゆっくり魔力で肌に触れ、その奥に入り込むイメージ。大丈夫、わたしの力はすでにあなたに宿っているのです……のじゃ」
僕の手を握りながら、力の使い方を指導してくれる。
「こうやって、単に淫夢を見せる場合、覗こうとしないとみおーさん達がどんな夢を見たか分からぬ」
「あ、つまり」
「うむ。妾、キモブタさんの味方だけど、みおーさんやさーやさんが嫌がることもしたくないのじゃ」
「そっか。らっちゃん、いい子」
「のじゃー。あとは、さなさな、ひー、準備を」
おー、と静かに応え、サナちゃんがヘッドホンを、ひーちゃんがアイマスクを僕に装着する。ちなみに流れる音楽はサキュティちゃんねるのテーマソングだ。
淫夢に悶える姉妹を見ないよう声も聞かないように、という気遣いである。
さらには鼻栓まで突っ込まれた。
「あの、目と耳はともかく、鼻栓もいるの?」
「……おにーさんは、気遣いが足りない」
ヘッドホンを一度外して、ひーちゃんからのダメ出し。
ちょっとショックかも。
「ともかく。キモブタさん、イクのじゃ」
「うん、夢幻世界……『惑いの淫夢』」
そうして僕は、二人に根幹たる能力を行使した。
────────
【咲綾さんの淫夢】
そうして、夢から覚めた。
咲綾は気付けば、木々の多い場所にいた。
ここは、近くの自然公園? なんで……。
しかも何故か退魔巫女装束を着ている。
目の前には直人が、黒衣の外法術師モードで立っていた。
「僕は、淫魔の力を。発情の魔眼を使うことができる」
仮面を外した直人はそう言って一歩を進む。
何故? まるで敵対しているような。
「やっぱり、僕は決めたよ。君を奪うし、夏雅城先輩を潰す。もし、それが嫌なら、逃げてもいいし僕を倒してみせて。そうしないと、君は僕に犯されるよ」
「なに、を」
「家の事情なんて関係ない。君が欲しいと思った、だからあんな奴には渡さない」
ああ、そうだ思い出した。
咲綾は、夏雅城俊哉と婚約をしている。けれど直人はそれを認めず、淫魔の力を使って、咲綾を墜としてでも奪ってみせると言ったのだ。
「なおとくん、ま、待って」
「撤回はしないよ。さあ、どうするの?」
「私は、わた、しは……」
咲綾は動けない。
だってこれまで、自由に選んでこられなかったから。
周囲のしがらみが彼女を縛り、どうにもならない袋小路に追い込んでしまった。
「もう、遅い」
だけど直人は、俊哉の婚約者である咲綾を、丸ごと奪おうとしている。
発情の魔眼。
目を合わせた対象を昂らせ、感度の向上・性欲の増大を引き起こす堕淫魔術の基礎だ。
退魔巫女とはいえ、それを至近距離で受けた。
咲綾のカラダは昂り……
<注意>
ここからは春乃宮咲綾さんの尊厳のために描写を控えさせていただきます。
退魔巫女装束の咲綾さんが黒衣姿の直人君にムリヤリ迫られてアレでコレでほにゃららなことになっています。
強引シチュ+婚約者である自分を奪ってくれるシチュの複合が彼女の憧れだったみたいです。
────────
【美桜さんの淫夢】
そうして、夢から覚める。
気付けば美桜はホテルの一室にいた。正確には備え付けの浴室でシャワーを浴びている最中だった。
とりあえず汗を流して部屋に戻る。
内装は、普通の宿泊ホテルにしては、妙に色合いがビビットというか、いかがわしい雰囲気というか。
しかも大きな丸型のベッドが中央に置かれている。
「あれ、ドラマでみたような……」
なんのドラマだっけ……と考えていたが、ベッドに座っている男性の姿を見てどきりとする。
え、なんで直人が? これどういう状況?
……って、そうだ! 自分で連れ込んだんだった!?
テンパり過ぎていたが、ようやく経過を思い出す。直人とちょっと喧嘩をしてしまった後、色々なわだかまりを解消するために自らホテルに誘うという大胆な行為をやらかしてしまったのだ。
どうする、どうすればいい?
悩みながらも、待たせるわけにもいかず美桜は努めて明るい調子で浴室を出る。
「おまたせー。ラブホのシャワールームって豪華なのね」
声、上擦らなかったよね?
緊張しつつも、直人の隣に座る。すると、彼の方も緊張でガチガチになっていた。
なんだ。お互い様か。そう思えば少しだけ肩の力が抜けた。
不思議な感覚だ。まさか、直人とこんな関係になるなんて。
でも、嫌な気分じゃない。美桜はそっと、彼の太ももに手を置く。
「苦しいなら……慰めた方がいい?」
悪戯っぽく誘惑をしてみせる。
次第に二人の距離は近付き……。
<注意>
ここからはやっぱり春乃宮美桜さんの尊厳のために描写を控えさせていただきます。
R15の壁は高く、直接的な表現は出来ませんが、美桜さんもなんだかんだオーソドックスにオーラルにアレがアレな感じです。
どうやら強引・激しめが好きなお姉さまよりもちょっと大人しめの嗜好のようです。
────────
聞こえない。
僕にはなんにも聞こえない。
わりと咲綾さんが声大き目でヘッドホン越しでも、なんて知らない。
あっ、魔力が回復した。……また魔力が回復した。
なので完全に背を向ける。
「も、もう大丈夫だよね。それじゃあ、今日はビジネスホテルに泊まるから!」
ヘッドホン付けてるから返事は聞こえないけど、僕は逃げるように自室を後にした。
そうして、朝を迎える。
僕は、まだまだらっちゃんを過小評価していたようだ。
“こと”が終わった後、僕がいる訳にもいかないから今日だけは駅前のビジネスホテルで夜を過ごした。
朝、マンションに戻ってくると粗方の片づけはサナちゃん達がしてくれていた。
美桜さんも咲綾さんもすでにシャワーを浴び、身だしなみを調えていた。
「あはは……♡ もう、甘えん坊なんだからぁ……♡」
「うふふ……強引すぎるよぉ……♡」
「どっからどう見てもアウトっ!?」
美桜さんも咲綾さんも頬を紅潮させ瞳を潤ませ、とろんとろんに蕩け切った表情を晒してる!
ちゃんと一時間経ってから来たのに全然余韻引きずってる!
年頃の娘さんがしちゃいけない顔をしてますがっ!?
「のじゃっ!」
らっちゃんは満面の笑顔でバシッと決めポーズ。
いや、すごいよ? すごいけどいろんな問題がね?
「安心するのじゃ。起きたら淫夢を忘れるよう、ちゃんと調整しておるはずじゃろ?」
「そりゃそうだけど……うまくいってる、よね?」
「大丈夫っ」
太鼓判を押してくれたから一安心。
らっちゃんは朝から元気だ。
というか、サナちゃんもひーちゃんもなんかつやつやしてる?
「はふぅ……久々にたっぷりの魔力をいただきました」
「退魔巫女、すごい」
あ、そっか。
もともと契約者が得た魔力の分け前が淫魔にもいくシステムだっけ。
「たしかに、退魔巫女から得られる魔力良質すぎ。そりゃあ淫魔も襲うよね」
昨夜はビジネスホテルで過ごしたけど、遠く離れた状態でも不定期に魔力が僕に注ぎ込まれた。
時には二、三回連続で。
そのおかげで、三人に分けてなお、未だかつてにないくらい僕の魔力は充実していた。
「み、皆のおかげで魔力を大幅に回復できたよ」
「よかったです。……今回は、私はよろしくありませんでした。目先の欲に眩んだというか」
ちょっと落ち込み気味なサナちゃん。
でもそれをらっちゃんが「んーん」と否定する。
「今回は、妾がひきょーだっただけなのじゃ」
卑怯?
どういう意味だろうか。
考えているとらっちゃんが僕を手招きする。
「キモブタさんかがんで、かがんで」
「う、うん」
視線が合う。
改めて見ると、この子もキレイな顔立ちをしている。ちょっとドキドキしてしまう。
「妾は、ぼっちだった。昔っから。五大淫魔というけど、実際には四大淫魔うぃずラエティティアくらいのぼっち具合。でも、ここはとっても楽しい! キモブタさんがいて、さなさながいて、ひーがいて。みおーさんもさーやさんも、おじいちゃんも来る。だから……さなさなは動かそうとしたけど、妾は引き伸ばしたかったのじゃ」
そう、申し訳なさそうに俯く。
でも再び顔を上げると、僕の胸元に倒れ込んだ。
抱き着くというよりは、縋りつくような頼りなさだった。
「妾は、ちょっと、キモブタさんにも落ち着ける時間を上げたかった。選ぶって、きっと大変だから。落ち着いて考える時間も必要だと思うのじゃ」
それが、今なのだと。
明確な繋がりでなく、夢で魔力を得る形は、彼女のくれた曖昧な時間だ。
でもきっとずっと続けてはいられない。
らっちゃんは……夢魔ラエティティアは一度離れると、透明な微笑みを滲ませた。
「ありがとう、らっちゃん」
「んーん!」
けれどすぐに、いつもの彼女に戻る。
本当、いつも僕は助けられてばかりだ。
だからこそ、決着をつけようと思う。
兄さんのことも……なあなあにしてしまった、関係のことも。
一個ずつ片付けていく。
まずは兄さんをぶちのめす。だって兄さんは触魔ブラキウムで既に女性を明確に襲っている。もうとっくにラインは越えているのだ。
「そして、それが終われば、今度こそ」
ぐっと奥歯を噛み締める。
悶える春乃宮姉妹の蕩け声をBGMに、僕は改めて心に誓うのだった。
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