アルテミスの中に入った俺達アークエンジェル、しかしアルテミスに入った途端、ユーラシア連邦の兵士たちが突如アークエンジェルを制圧、俺達を拘束したのだ。
それには流石のマリューさん達は歯を噛みしめるしかなかった。
その中で俺はその事にある程度予想は出来ていた。
「(このアークエンジェルは友軍の識別コードや船籍登録が無い、友軍の軍事施設に入港出来たとしても、こればかりは仕方ないだろうな…)」
俺は食堂でその事を思いながらも今どうするかを考えていた、劇中ではキラはミリアリアが乱暴にされそうになったのを見て、耐えきれずに名乗りを上げた、その上フレイからコーディネーターである事も明かされて、キラはこのアルテミスの司令官であるガルシアからは“裏切りのコーディネーター”である事を言われ、彼の心は深く傷つけられてしまった。
まあそんなの俺には効かないけどな、俺が動けばそれで良いだろうと思うけど、流石に民間人も含めサイ達を危険な目に合わせる訳には行かない…。
ちょっとばかし危険だが、あの作戦を考えるか。
「ユーラシアって味方の筈でしょう? 大西洋連邦とはそんなに仲悪いんですか?」
「そういう問題じゃねぇよ」
「はぁ…識別コードが無いのが悪い」
「それってそんなに問題なんですか?」
トールがそれを近くにいたチャンドラに問う。
「どうやらね…」
「…本当の“狙い”は別の所にありそうだがな」
「ですね…」
マードックさんの言葉にノイマンも頷く。
さて…少しばかりどう動くかね…。
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そしてマリューさん達はと言うと、このアルテミスの司令官であるガルシアと対面していた。
「成程、君たちのIDは確かに大西洋連邦の物だな」
「お手間を取らせて、申し訳ありません」
ムウは表向きの謝罪し、それにガルシアは全く気にしなかった。
「いや、なに。輝かしき君の活躍は私も耳にしているよ、“エンデュミオンの鷹”殿。グリマルディ戦役では私も参加していた」
「おや? ではビラード准将の部隊に?」
「そうだ、戦局では敗退したが、ジンを5機も落とした君の活躍には我々も励まされた」
「ありがとうございます」
ムウにとっては全く嬉しくもない言葉、それはちょっとばかりムウには事情のある事だ。
「しかし、そんな君があの艦と共に現れるとはな」
「特務でありますので、残念ながら仔細を申し上げる事は出来ませんが」
「成程な…、しかしすぐに補給と言うのは難しいぞ?」
「司令、我々は一刻も早く月の本部へ向かわなければならないのです。まだザフトに追われていますので」
「ザフト?あいつ等の事か?」
するとガルシアはテーブルのコンソールを押すと、背面の画面にザフトのローラシア級が映し出される。
「奴等の事は我々も把握している、だが奴等にこのアルテミスを突破する事は出来ん。傘を展開している内は何もな。奴等はいずれ引き返す、そしたら月との連絡も取れるだろう」
「しかし、司令」
「取り合えず、君達は少しばかり休むと言い、部屋を用意した。心配はない…このアルテミスは安全だ。母の腕の中の様に安心するといい」
そう言ってマリューさん達は少々納得がいかない感じでその場を去る、そしてガルシアは港の管制室に来て、副官に問う。
「どうだ?」
「はっ、艦の方は順調ですが…、モビルスーツの方が少しばかり…」
「何だと?」
ガルシアはその事に振り向き、副官の方を見る。
「どうもモビルスーツのOSにロックが掛かっていて、解除するのに時間が掛かっていますが、中々進んでいる様子はない模様で。それと格納庫にあった球体型の方はデータが何一つないんです」
「そんなバカな!データが無い訳がない!(くそっ!やってくれるな!!)」
一方外にいるローラシア級ではアルテミスの攻略を考えていた。
「傘は展開している間、実体弾もレーザーも通さない。今まで重要拠点ではなかったが、こうして見ると難攻不落と呼ばれる程の要塞…厄介な場所に逃げ込んだ様だ」
ローラシア級の艦長であるゼルマンはそれに眉をゆがませていた、アークエンジェルを鉄壁の要塞に逃がしてしまった事に頭を悩ませるのだからな。
そんな様子にディアッカが冗談を言う。
「だったらどうする?出てくるまで待つ?ふふふ…♪」
「ふざけるなよディアッカ、このまま評議会に呼ばれて戻られたクルーゼ隊長に『何もできませんでした』って報告するのか? それこそいい恥さらしだ」
イザークに注意されたディアッカはその事に黙り込んで、態度を改める。イザークは俺に負けた事を根に持っているため、何としても此処で潰しておきたいのだろう。
するとニコルがある事を問う。
「…傘は常に開いている訳じゃないんですよね?」
「ああ、周囲にザフト艦が無ければ傘は閉じる。しかしあの要塞のレーダーはとても有能だ、こちらの動きを察知すれば傘を展開される…」
ゼルマンはそうニコルに説明するが、ニコルは何か考え詰めた表情で言う。
「…僕の機体、ブリッツなら上手くできそうな気がするんです」
「何?」
「あの機体にはフェイスシフト装甲の他に、ちょっと面白い機能があるんです」
そしてガモフが一度アルテミスを離れ、格納庫ではニコルがブリッツの機能をチェックしていた。
「『ミラージュコロイド』電磁圧チェック、システムオールグリーン。はぁ…テスト無しの一発勝負か、大丈夫かな?」
そして格納庫から見せる控室で、イザークとディアッカはニコルが出撃するのを見る。
「しかし地球軍も姑息な物を作ったものだ」
「ニコルには丁度いいさ、
そう陰口を叩く二人、ニコルはカタパルトから出て、悟られずにアルテミスへと向かい、ミラージュコロイドを展開する。
ミラージュコロイドを展開したブリッツは姿を消す。
「ミラージュコロイド生成良好、散布減少率35%、使えるのは80分が限界か」
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俺達が食堂で待機している中で、ガルシアが副官と共にアークエンジェルにやって来た。
「この中にモビルスーツのパイロットと技術者は居るか!」
「パイロットと技術者だ!この中にいるんだろう!?」
「何故我々に聞くんです?」
「何!?」
ノイマンがその事を問いかけて際に副官は気に入らなかったのか、胸倉を掴んで睨む。
「艦長たちが言わなかったからですか? 聞けなかったからですか?」
ノイマン達は俺の事を隠そうと必死に抵抗する。俺の背後にいるマードックさんがバレない様に抑えてくれていたが、生憎この後のパターンは読めているんでね。
その後ガルシアがミリアリアを掴み、強引に割ろうとした際、俺が立ち上がって言う。
「止めな、彼女を離せ」
「お!おい!」
マードックさんが止めようとしたが、俺はそれを振り切って言う。
「あの機体のパイロットは俺だ」
その事にガルシアは思わず睨む、体格こそ他の兵士たちよりはしっかりしていたが、見た目なのかまだ若いと感じ、冗談と感じ迫る。
「坊主、彼女を庇おうとする心意気は買うがね。あれは貴様の様なヒヨッコが扱えるような物じゃないんだよ。ふざけた事するな!!」
っとガルシアは俺に拳を放ってきたが、俺はそれを軽々と受け止め、笑みを浮かばせながら言う。
「噓じゃないさ、あの機体のOSをロックしたのも俺だ。なんせ俺はコーディネーターだからな」
「な、何…?」
「総司!!?」
自ら暴露をする事で、ミリアリアの被害を最小限に抑える…、危険だがこれが今考えられる事だ。
俺が自ら明かしたことにサイ達は驚きを隠せなかった。
ガルシアはそれを聞いて、笑みを浮かべ、副官と目を合わす。
「成程な…では一緒に着て貰おうか?」
「…いいさ」
俺は多少取り押さえれるよな形で食堂から出て行き、それを見たサイ達は困り果てていた。
「総司…!」
「何よ?どうしてそんなに慌ててるの? ここは味方の基地なんでしょう?」
フレイがそれを何とも思わなかったのか、それを聞いた際にトールが叫ぶ。
「地球軍が何と戦ってると思ってるんだよ!!?」
格納庫に来た俺はガルシアの方を向く。
「それでOSのロックを外すのか?」
「まずはな…。だが君にはいろいろな事が出来るだろう?」
「…例えば?」
あえて知る俺はそれを聞き、ガルシアはストライクの方を見る。
「例えば…こいつの構造を解析し、同じものを作るとか、逆にモビルスーツに対し強力な兵器を開発するとか」
「おいおい…これと同じものを作れと? 無茶を言う…」
「だが君は裏切りのコーディネーターだ。どんな理由化は知らんが、どうせ同胞を裏切ったんだろう? ならば色々と利用価値があると思うがね」
「…それが狙いか」
劇中を知っている俺はそれに対し嫌気が差す、これによりキラは心に途轍もない傷を残した。今すぐこの場で殺してやりたいところだが、もうじきここにブリッツがやって来るからな。
早めに何とかしてこの基地から脱出しないと、後々面倒だからな。
「地球軍側に付くコーディネーターは貴重だよ。何、心配する必要はない。君は優遇されるさ…ユーラシアのな」
そう言い残し俺をストライクのコックピットに連れられてOSのロックを解除し始める。
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アルテミスの付近ではローラシア級が消えた事により傘の展開を閉じ、第2警戒態勢に入っていたが、その時ミラージュコロイドで接近していたブリッツがトリケロスのビーム砲で付近の対空砲を破壊した。
それに気づいた管制室の者達が慌ててアルテミスのリフレクターを展開しようとした、だがブリッツがビームサーベルで破壊した。
リフレクターが破壊された事をガルシアに報告して、それにガルシアは驚愕する。
「傘が破られた!!?そんなバカな!!!」
部下達が驚く中、俺はコンソールを戻して、近くの兵士を殴り飛ばす。
「おらよ!!!」
ドガッ!!!
「ぶああっ!」
俺に殴り飛ばされた事により、その兵士は吹き飛び、コックピットを閉めてカタパルトに向かう。
それにガルシアは怒鳴る。
「待て貴様!!!」
『待てと言われて止まる奴がいるか。それに攻撃を受けているんだ、こんなことしてる場合かよ!!』
「くそっ!!!」
そう捨て台詞を言い残してアークエンジェルを去るガルシアと副官。
そしてカタパルトで俺はソードストライカーパックを装着、フェイズシフト装甲を展開し、アークエンジェルの外に出ると、ブリッツがそこ等の艦やメビウスを撃ち落としながらやって来る。
「おーおー、たった一機でこんなところまで来るとは、大した度胸だ」
そう言って俺はシュベルトゲーベルを抜き、ブリッツと対立する。
ブリッツは左腕に装備されている3本の開閉式クロー『ピアサーロック「グレイプニール」』を離すも、俺がそれを軽々と回避して、更にそのアンカーのケーブルを切り、急接近する。
「っ!!」
ニコルは慌ててトリケロスの下部にある炸裂式の3連装超高速運動体貫徹弾『ランサーダート』を放つも、その二本を切り落とし、一本を躱して向かう。
シュベルトゲーベルの豪快な剣撃に回避するブリッツ。躱すと同時に腰のビームサーベルを抜いて、奴の左足を貰う。
「ぐっ!!」
「動きが教科書通りだぜ!!」
俺は急接近して、ブリッツの頭部に蹴りを入れる。
それによりブリッツは大きく怯み、俺は構えようとした時だ、辺りが徐々に爆発し始め、それに俺は思わず足を止める。
「…そろそろ脱出しないとまずいな」
『総司!総司戻って!! アークエンジェル発進します!!』
っとミリアリアの通信が飛んできた、マリューさん達もどうやら無事脱出した様だ。なら俺もいつまでも長居する訳にも行かないな。
そう思いながら俺はアークエンジェルのスラスターを全開した。
「っ!!逃げるのか!!!」
ニコルは俺を追いかけるが、爆風で進路を塞がれ、俺は何とかアークエンジェルに着艦する。
アークエンジェルは推力最大でアルテミスを離脱した。
さて…まだまだやる事が多そうだぞ…。
アンケートありがとうございます。