世界の振動を聴けなくなった後藤ひとり   作:きせとん

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#1/ひとりぼっち東京

駄文です。

 

 

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「知らない天井だ…」

そして私はすぐに、ここが病院の天井だと気づいた。

なぜ私は病院にいるのだろう…

そうだ、私は文化祭のライブでダイブに失敗し、頭をぶつけて、病院に搬送されたんだった。だんだんと記憶が鮮明になってきた。

それにしても、病院なのに物音ひとつしないし、甲高い耳鳴りだけが私を包み込む。とても不快だ。

何 か が お か し い。

まさか落下した衝撃で聴神経がダメージを受けてしまったのか?

まるで私だけが世界から遮断されているような静けさだ。

最悪の事態を想像する。

生きがいのギターまで失い、空っぽな人間になってしまうこと。

結束バンドのみんなから「耳が聞こえないギタリストはいらない」と言われること。

そんな考えが頭の中で何度も巡る。息がうまくできない。

そんな私の様子を見に来た結束バンドのメンバーがいつの間にか目の前にいた。

喜多ちゃんが何か話している。リョウさんも、虹夏ちゃんも。

でも、何も聞こえない。何も言葉を発せられない。

私だけが静寂に取り残されている。

その瞬間、私は何かを悟った。

「あぁ、私は耳が聞こえなくなったんだ。」

私はうまく息ができず、その場で意識を失った。

 

 

---

 

数時間後、私は目を覚ました。

急に音が聞こえるようになっていた。

「ぼっちちゃん! 大丈夫!?」

「あっ、あああぁ、大丈夫です…ご迷惑をおかけしました…」

「よかった。ぼっち、搬送されたときも呼びかけにも反応しなかったし、さっきは気絶して、ちょっと焦った。」

「リョウは焦りすぎて、さっきはベッドの上のぼっちちゃんの胸で泣いてたじゃん。」

「うっさい、虹夏」

リョウさんの目はだいぶ赤かった。

「ひとりちゃんが無事でよかったですね!」

「本当にね〜。でもぼっちちゃんには安静にしてもらいたいから、今日の打ち上げは中止ね!」

「あっ、はい。」

「さてと、もう夜だし、お暇させてもらうね!」

「じゃあね、ぼっち。」

「じゃあね、ひとりちゃん、また学校で!」

スライドドアが閉まる音がして、3人は帰っていった。

正直、耳が聞こえなくなったときはとても焦った。

もう3人の声や家族の声、ギターの音色が一生聞けなくなると思って、絶望に打ちひしがれていた。

だから耳が突然聞こえるようになったときは、本当に安心した。

「もうこんなことがなければいいなぁ…」

私は心の中でそう呟いた。

 

 

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