思い付いたダンまち系短編集   作:色々残念

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思いついたので更新します
今回はアポロンが別神になっていることを知っている人の話になります


アポロンが別神だと俺だけが知っている

生まれ変わったが、赤子の頃に捨てられた俺は、今生は親には恵まれなかったようだ。

 

森の中に放置されて、このままなら獣の餌にでもなるか、餓死してしまうのではないかと考えていた俺に近づいてくる何か。

 

獣なら今生もこれで終わりか、と思っていたが、現れたのは獣ではなく、赤い髪をした男性。

 

「おや、こんなところに可愛らしいベイビーが」

 

そう言って俺を抱き上げた男性の顔を見たが、どう見ても終末のワルキューレのアポロンだった。

 

「見たところ捨て子のようだが、親がいないならこのオレ様が育てるとしよう」

 

そんなことを言ってきたアポロン似の男性は、俺を育てるつもりらしい。

 

「ベイビーには名前が必要だ。キミには特別な名を授けよう」

 

俺に笑顔を見せながら、名付け親にもなってくれる男性は悪い人ではなさそうだ。

 

「ポイボス、キミの名前はポイボスだ」

 

名付けられることもなく捨てられた俺に名前を付けてくれた男性。

 

「キミが美しく輝けることをオレ様は願っているよ」

 

それから俺は男性に育てられることになったが、どうやらアポロン似の男性は本物の神アポロンだったらしく、人ではなかった。

 

そしてこの世界はオラリオとダンジョンが存在することから、終末のワルキューレの世界ではなく、ダンまちの世界だったみたいだ。

 

いやアポロンが別神なんだが、どうなっているんだろうか、としか言い様がない。

 

ダンまちのアポロンと違って、普通にモテるこのアポロンは女性に囲まれていることも多く、人気が高い神であった。

 

眷族になることを望む女性も多かったが「キミ達には他に輝ける場所があるさ、ビューティーズ」と断るアポロン。

 

自身の眷族にする相手は、ちゃんと選んでいるアポロンは、ダンまちのアポロンとは違って強引に眷族にしようとしたりはしない。

 

時は過ぎ去っていき、ちょうど俺が10歳になった頃にアポロンから拳闘と弓を教わることになる。

 

アポロンが才能ではなく努力で身に付けた拳闘と弓を、惜しみ無く俺に教えてくれたことには感謝しかない。

 

3年間の特訓で、拳闘と弓を扱う技術を身に付けた俺は、アポロンに頼んで神の恩恵を刻んでもらうことになった。

 

俺には2つの魔法が発現していたらしく、1つは光の弓矢を形成して光の矢を放つ【アポロン・エピクリオス】で、もう1つは魔法で形成された巨大な弓に自身を番えて矢として打ち出す【アリュギュロトクソス】という魔法だ。

 

どちらも終末のワルキューレのアポロンの技であり、このアポロンが天界で使える技でもあったようで、驚きながらも喜んでいたアポロン。

 

「流石はオレ様の子だ」

 

そう言って嬉しそうに笑って俺の頭を撫でたアポロンは、俺を本当の子どものように今まで育ててくれた。

 

しっかりと育ててくれたその恩は、ちゃんとアポロンに返さないといけないと、俺は思う。

 

その後、アポロン・ファミリアに俺以外の眷族が増えたり、モンスターとの戦いで俺が2度ランクアップしたりもしたが、続けていたアポロンとの旅。

 

何度も練習して、移動しながら魔法の詠唱を行う並行詠唱も身に付けた俺は、走りながらでも魔法を使うことができるようになる。

 

旅先で、封印されていた黒い蠍のようなモンスターとも戦うことになったが、あれはアンタレスだったのかもしれない。

 

アンタレスは、まだアルテミスは取り込んでいなかったので、神の力を使ってくるようなことはなく、俺の光の矢で倒すことができた。

 

アンタレスに似た黒い蠍のモンスターを率いていたアンタレスとの戦いで、アポロン・ファミリアの全員がランクアップし、3度目のランクアップをした俺はLv4に到達。

 

旅の終着点となるオラリオに辿り着いたアポロンとアポロン・ファミリアは、探索系のファミリアとして登録され、アポロンの護衛となる団員を数名残して、ダンジョンの情報をギルドの職員に教えてもらうアポロン・ファミリアの面々。

 

モンスターや地形などの情報を手に入れてからダンジョンに向かったアポロン・ファミリアは、モンスターとの戦いには慣れているので、苦戦することなく18階層にまで到着。

 

アポロン・ファミリア副団長のヒュアキントスが「アポロン様にお渡しするのだ!」と張り切って迷宮産の果実を採取しに行き、大量の水晶飴を持って帰ってきたことには全員が驚いていたな。

 

オラリオでの活動を続けていると、いきなり中堅派閥となった此方が目障りだったのか、他のファミリアに戦争遊戯を吹っ掛けられることになったアポロン・ファミリア。

 

この戦争遊戯では1名だけなら助っ人を他のファミリアから呼ぶことも可能になっていたが、アポロンが「オレ様のファミリアには助っ人は、いらないよ」と言ったことで、此方だけ助っ人が無しになる。

 

まあ、アポロンらしいな、と思ったので、俺はアポロンに文句を言ったりはしない。

 

くじ引きで勝負方法を決めた結果、今回の戦争遊戯は一騎討ちとなり、アポロン・ファミリアからは団長の俺が出ることになった。

 

そして対戦相手のファミリアは一騎討ちに助っ人を選んだようで、現れたのはイシュタル・ファミリア団長で、Lv5のフリュネ。

 

Lv4対Lv5の対決が決まり、行われている賭けではフリュネに賭けている冒険者達が多いそうだ。

 

オラリオ近辺の野外で行われることになる一騎討ちの戦い。

 

アンタレスの甲殻を加工してもらった黒い手甲を両手に装着した俺が、戦いの場へと向かう時「ポイボス、キミの魂の輝きを見せてくれ」と言ってきたアポロン。

 

主神のご期待には、応えておくとしよう。

 

始まった一騎討ち、戦斧を振るうフリュネを相手に、手甲を装着した双拳にて戦いを挑んだ俺は、拳打を放ち続けた。

 

「ヌルイねぇ!」

 

此方の打撃をものともせずに、そう言い放つフリュネの身体は光輝いており、どうやら春姫の階位昇華の魔法で、一時的にLv6となっているようだ。

 

「喰らいなっ!」

 

振り下ろされた戦斧を避けきれないと判断し両腕を交差し、手甲で戦斧を受け止めた俺は吹き飛ばされる。

 

一時的な階位昇華の魔法が切れるまでに勝負を決めたいのか、苛烈な攻めを行ってきたフリュネは、攻撃を止めることはない。

 

裂傷に打撲、様々な傷が俺の身体に刻まれたが、それでも俺は立ち上がり続けた。

 

「【己を知る者はすべからく、己が美を誇るべし】【汝、自身を知れ】」

 

俺が始めた並行詠唱を止めようと、更に凄まじさを増すフリュネからの攻撃。

 

「【我が身、太陽の如く美しく、輝きし刻】【女神の弓に自らを番え】」

 

格上のLv6を相手に、攻撃の直撃を避けながら俺は、並行詠唱を続けていく。

 

「【銀の矢と成りて】【アルゴスの防壁を撃ち崩せし也】」

 

傷付こうと前を向いて歩み続ける者こそを、美しいというアポロンの眷族であるなら、俺は何度でも立ち上がり戦う。

 

「【魂を射抜く銀矢】」

 

詠唱が完了し、拳を握り、まるで弓を引くように拳を構えた俺は魔法名を唱えた。

 

「【アリュギュロトクソス】!」

 

現れた巨大な弓が俺を矢として番え、真正面から超高速で放たれた俺の身体。

 

矢として放たれた俺は銀の輝きを身に纏い、構えた拳をフリュネの腹部へと繰り出す。

 

戦斧を盾にしたフリュネの防御を突き破り、全てを貫いた俺の拳で倒れたフリュネは動かない。

 

俺の勝利で終わった一騎討ちの戦争遊戯。

 

戻ってきた俺を「ナイスビューティー!魂焦がして闘ったキミは、美しかったよ!」と笑顔で出迎えてくれたアポロン。

 

そんなアポロンに拳を掲げた俺に、アポロン・ファミリアから大歓声が上がる。

 

今回の戦いで、俺はLv5にランクアップし、アポロン・ファミリアの等級もAとなった。

 

アポロンが別神であっても、こんなアポロンなら悪くはないのかもしれない。




今回はダンまちのアポロンを除外して、終末のワルキューレのアポロンにしてみた話になりました
とりあえずこのアポロンのアポロン・ファミリアはヘスティア・ファミリアに戦争遊戯を仕掛けることはありません
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