思い付いたダンまち系短編集   作:色々残念

13 / 27
思いついたので更新します
今回はラキア出身の鍛冶師の話になります
2400文字程度なので短めの話になりますね


ラキア出身、鍛冶師アダマス

ラキアという国の鍛冶師の家系に生まれ、鉄を打ち、武器や防具を作ることを覚えた俺は、様々な武器や防具を作っていく。

 

俺が打った武器は素材が鉄でも、アダマンタイトを斬り裂くことが可能であり、ラキアの兵士や騎士達には人気が高い。

 

ラキアを治める主神アレスは、かつてのクロッゾの代わりに、鍛冶貴族の地位を俺に与えるかどうか考えているそうだが、そんなことには興味がない俺は今日も鉄を打つ。

 

いつものように鍛冶仕事を終えたある日、俺はマリウスという幼い少年と出会った。

 

「オラリオで冒険者になりたい」と夢を語ったマリウスの目には、特に夢を抱くこともなく鍛冶だけをしていた俺にはない眩しい輝きがある。

 

そんなマリウスの夢を叶えてやりたいと思った俺は、マリウスを連れてラキアを出ることを決め、立ち塞がる障害を全て剣で斬り伏せて進んだ。

 

やたらと障害が多いと思っていたら、どうやらマリウスはラキア王国の王子であったようで、アレスに恩恵を刻まれることが決まっていた為、ラキアの総力で取り返しに来ていたらしい。

 

「何で神の恩恵授かってないのにそんなに強いんですかアダマスは!」

 

俺がLv2も混じった騎士達を倒したことに驚いていたマリウスに「鍛冶師として武器と1つになれば、この程度は容易い」とだけ答えておく。

 

その後は、オラリオまで向かう行商人の馬車に乗り込み、到着したオラリオで運賃のヴァリスを支払い馬車から降りた俺とマリウスの2人。

 

「探索系ファミリアに入りたい」と言っていたマリウスは、面食いなロキという女神にスカウトされてロキ・ファミリアの一員となったようだ。

 

夢を叶える為の第一歩を踏み出したマリウスに、祝いとして用意していた装備を渡した俺は、鍛冶師としてオラリオで活動することを決める。

 

ラキアで稼いだヴァリスは全て持ってきていたので、ある程度のヴァリスを支払って鍛冶工房を手に入れた俺は鍛冶師として働き始めた。

 

鍋や包丁などの品も作成し、工房の近くで店を開いて売りに出してみるとそれなりに売れ、冒険者向けの武器や防具の装備品も売れることが増えていく。

 

鍛冶神が店にやってきたりもして、俺が神の恩恵を授かっていないことを知ると驚きながらも勧誘してきたりもしたが、それは断っておき、鍛冶師として働く日々。

 

闇派閥とやらが襲いかかってきたりもしたが、試し斬りついでに返り討ちにしておくと、闇派閥が来ることもなくなった俺の店。

 

それから時は過ぎ去っていき、かつては少年だったマリウスが二十歳になり、Lv5に到達。

 

祝いの品としてミスリルで作成した装備一式をマリウスには渡しておいたが、喜んでくれていたのは確かだ。

 

俺を専属鍛冶師にしているマリウスは、定期的に俺の店にやってきて、話せる範囲でロキ・ファミリアのことを話したり、こうしてオラリオで冒険者になれたことへの感謝を俺に伝えてきたりする。

 

「私がこうしてオラリオで念願の冒険者になれたのも、貴方が私をラキアから連れ出してくれたおかげです。ありがとうございますアダマス」

 

笑顔でそんなことを言ってきたマリウスは、少年だった頃の面影を残しながらも、凛々しい騎士のような美青年に育っていた。

 

「夢を抱いていたマリウスの目が輝いていたから、俺はその夢を叶えてやりたいと思っただけだ」

 

素直に思ったことを言葉にした俺に、マリウスは照れくさそうな顔をしていたな。

 

夢を抱くマリウスの目がどれだけ輝いていたかを星空に例えながら説明していくと「恥ずかしくなってきたので、もうその辺で勘弁してください」と言うマリウスの顔は赤い。

 

長い付き合いのマリウスとは友人のような関係になっている俺は、今日も鍛冶師として働いていく。

 

いつものように鍛冶師として働いた後、明らかに駆け出しの冒険者の少年が落ち込んだ様子で歩いている姿が見えた。

 

その少年の落ち込んだ顔が気になった俺は、落ち込んでいる理由を聞いてみたが、どうやらギルドから支給されていた短刀の刃が大きく欠けてしまったようだ。

 

実際に短刀を見せてもらったが、かなり刃が欠けていて、少々研ぎ直した程度では元に戻ることはないだろう。

 

駆け出しの少年にとって唯一の武器である短刀が、そんなことになっているのは、落ち込んでも仕方のないことかもしれない。

 

ここで少年と出会ったのも何かの縁かと思った俺は、短刀を俺が鍛え直すことを提案してみる。

 

「いいんですか?でもお金が」

 

申し訳なさそうな顔で、お金のことを気にする少年。

 

「気にするな、払えるようになったら払いに来い」

 

料金は後払いで構わないと言っておき、少年から短刀を受け取った俺は、鍛え直す為に自分の工房へと移動。

 

しかし何故か俺に着いてくる少年は「あの、鍛冶をするところを見ていてもいいですか?」とまで聞いてくる。

 

「鍛冶師以外には面白いもんでもないと思うが、それでも良ければ見ていくといい」

 

少年に返答し、到着した工房で炉に火を入れた俺は短刀の鍛え直しを開始。

 

熱せられた短刀を鎚で打ち、形を整えていくと火花が飛び散る。

 

欠けた刃を打ち直し、新たな刃を作り出していく鍛冶を行い、完成した刃。

 

丁寧に研いでいった刃は鋭さを取り戻し、刃が大きく欠けていた短刀は、武器としての性能を取り戻す。

 

「まあ、こんなもんだな」

 

鍛え直した短刀を持ち主に手渡すと「ありがとうございます!」と頭を下げてきた少年。

 

「いずれは支給品じゃなくて、ちゃんと自分の装備を用意できるようになれよ」

 

「はい!頑張ります!」

 

笑顔でそう言って立ち去っていった少年は、とても嬉しそうな顔をしていた。

 

そういえば少年の名前を聞き忘れていたが、俺も自己紹介していなかったな。

 

オラリオであまり見たことがない白髪で赤目の少年だったが、まだオラリオに来たばかりなんだろう。

 

その内会うことがあれば、名前も一応聞いておくとするか。

 

そんなことを考えていた間に、少年が有名な冒険者になっていったことに鍛冶師が驚くまで、あと数ヵ月。




ちなみにマリウスは王子騎士という2つ名を持っていますが、プリンスナイトと読みます
アダマスとマリウスは友人としても仲良しですね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。