思い付いたダンまち系短編集   作:色々残念

18 / 27
まだ本調子ではないですが書きかけで止まっていた話に、ちょっと文を追加して完成させてみました
今回は金時視点の話になります
ダンまちクインテットは、こんな感じで毎回誰かの視点になっていきます
次回の更新は未定なので待っていてください


ダンまちクインテットその2 極東出身、サカタ・金時は春姫を養っている

この世界に生まれ変わった転生者で集まることもあるオレ達。

 

チサキは転生者と言っていいのかはわからないが、仲間外れにしたりはしない。

 

今回は、オレとザニスにポイボスとチサキだけで集まってみた。

 

「で、実際今のオラリオは、どうなってるんだチサキ」

 

チサキに向かって問いかけるポイボスは、お前絶対何かやらかしただろ、と言いたげな顔をしているけど、チサキが何かやらかしてるのは間違いないとオレも思う。

 

「助けたアーディとアストレア・ファミリアは全員生存で、ベートはヴィーザル・ファミリアの恋人と結婚している。アストレア・ファミリアは、アリーゼと輝夜にリューがLv6で、ヴィーザル・ファミリア団長のベートもLv6になっているぞ。ちなみにフィルヴィスも助けたから怪人にはなっていないし、ディオニュソスは既に送還されてるな」

 

問いかけに答えて、様々な相手を助けていたことをポイボスに明かしていくチサキは、すらすらと喋っている。

 

原作知識とやらを持っているのはチサキとポイボスだけなので、オレには何が変わったのかはわからない。

 

「春姫がヒモとか原作壊れるとか言っときながら、お前も原作クラッシュしまくってるじゃねぇか!でも良いことしてるから怒れねぇ!」

 

これまでチサキの行ってきた行動で変わったことは沢山あるみたいで、普通に頭を抱えていたポイボスだが、誰かを助けたことを良いことだと考えるポイボスは、間違いなく善人だとオレには思えた。

 

そんなチサキの働きかけで、ヴィーザル・ファミリアとロキ・ファミリアは同盟を結んでいるそうで、共にダンジョンに向かうこともあるらしい。

 

「じゃあ、ヴィーザル・ファミリアのおれはロキ・ファミリアと一緒にダンジョンに行ってくるぞ。皆へのお土産になりそうなものをダンジョンで何か探してくる」

 

「オレのお土産は、ダンジョン産の果実が良いかな」

 

土産を探してくるというチサキに、オレは同居人の春姫に渡そうかと考えてダンジョン産の果実をリクエストした。

 

「無事に帰ってきて、土産話でも聞かせてくれれば、それでいいさ」

 

「土産にリクエストするものが思い付かねぇから此方もそれでいいぞ」

 

ザニスとポイボスは、チサキが無事に帰ってくるならそれでいいみたいだ。

 

「じゃあ今回の遠征の帰り道になる18階層で、山ほどダンジョン産の果実をゲットしてくる!」

 

親指を立てて、グッドサインを見せたテンションの高いチサキは、普通に外見がオーバーホールだから違和感が凄い。

 

そんなチサキだったから、ヒロアカのオーバーホールとは中身が別人だと気付けたんだろうな。

 

オレはヒロアカの方なら42巻まで揃えてたから、そっちの方がダンまちとやらよりも詳しかったりする。

 

オレ達が前世の話をしている時にヒロアカの話題になると「近所の本屋に42巻だけ置いてなかったんだよ!」と言い出すチサキは悲しそうな顔をしていることが多かった。

 

コミック派なチサキはヒロアカが大好きだったんだろうな、と思えたので、思い出せる範囲で42巻の内容について教えてあげると「金時、心の友よ」とまで言ってきたチサキ。

 

基本的にチサキはテンション高いような気がするかな、なんて考えながらザニスとポイボスとも別れると今日もオレはバイトに向かう。

 

力仕事が多い荷運びの仕事を掛け持ちしているオレは、大量に野菜の入った箱を持ち上げて料理店にまで運び、それが終わると続けて馬車からの荷降ろしと荷運びも手伝った。

 

オラリオでは力が必要な仕事も多く、バイト先には困ることがない。

 

態々冒険者にならなくても生きていけるなら、無理に冒険者になる必要はないかな、とオレは思う。

 

転生者仲間なザニスとポイボスは、ファミリアの団長だから、忙しそうにしていることも多かったかな。

 

それでも小まめに新たな転生者仲間のシンに会いに行く時間を作っていたザニスとポイボスは、シンとも仲良くしたいと考えていたそうだ。

 

一見では黒髪の少年という姿に見えるが、強力な波紋と波動を扱えるシンは外見通りの年齢じゃないんだろう。

 

それでもリリルカという子を親のように育てていたザニスは、子どもには基本的に優しいんで、少年に見えるシンへの対応が甘くなっているように見えた。

 

父性を感じさせる優しさを持ってシンやベルって少年に接するザニスに、明らかに戸惑っていたシンは、家族に愛されたことがないのかもしれない。

 

家族に捨てられた者が多数なオレ達の中で、両親が居ても育児を放棄されていただけなシンは、まだマシな方だけど、それが幸福だとは、オレは言えないな。

 

ヘスティア・ファミリアの駆け出し冒険者なシンとベルは、今日もダンジョンに行くようで、そんな2人が気になったのか、こっそりと2人の背後を着いていっているザニスを発見。

 

まるで初めてのおつかいをする子ども達を見守る親のような目をしていたザニスは、シンとベルを守るべき存在だと考えているように見えた。

 

シンは、そこまで弱くないから心配する必要がない筈だが、ダンジョンに潜るシンとベルが大丈夫なのか、やっぱりザニスは気になってしまったんだろう。

 

一部の神々に「鬼畜眼鏡」なんて言われることもあるザニスだが、かなり面倒見がいいのは確かだな。

 

ダンジョンに潜るシンとベルは、ザニスに任しておけば、きっと問題ない。

 

さて、オレはオレで、今日の夕飯の材料を買いに行くとするか。

 

久しぶりに米が食べたいんで、今日は極東の品を扱ってる店まで行ってみよう。

 

手に入れた米と醤油と味噌を使って、夕飯としてオレが用意した炊いた白米と焼き魚に味噌汁。

 

焼き魚には大根おろしと醤油をかけたりもしたけど、久しぶりの極東風は春姫には好評だった。

 

後日、ザニスに聞いた話によると、冒険者になって短期間で、上層では強力なモンスターであるウォーシャドウの群れを倒すことが可能になっていたベルの成長力の高さには驚いたそうだ。

 

戦闘と治療が両方可能なシンとの相性も悪くはなかったようで、前に出るベルを主体に、隙を補う形で動いていたシンは、ベルとの見事な連携を見せたらしい。

 

それでも上層程度でシンが本気になることはなく、動きもベルに合わせて制限していたのは確実で「本気のシンが何処まで動けるのかが気になるところだ」と言っていたザニス。

 

ポイボスはポイボスで、凄まじく人気の高い別神のアポロンが、人々や神々に囲まれているところを警護するのに忙しそうにしていた。

 

「サンキュー、エブリバディ!」とファンサービスには必ず応えるアポロンを警護するのは大変だったらしいが、それでも主神には、やりたいことを自由にしてもらうのがアポロン・ファミリアの方針みたいだ。

 

一丸となって警護に取り組んだアポロン・ファミリアは、主神のアポロンがファンサービスを全て終えるまで、アポロンを守り続けることに成功。

 

やり遂げたアポロン・ファミリアを大変そうだな、と眺めていたオレは、やっぱりファミリアには所属しなくてもいいかな、と思ったりもしたな。

 

なんてこともあったりしたがヴィーザル・ファミリアとロキ・ファミリアが合同遠征を終えて、ダンジョンから戻ってきたチサキ。

 

「はい、これ金時へのお土産」

 

「ありがと、チサキ」

 

オレがお土産にリクエストしていた迷宮産の果実を沢山持って帰ってきてくれたチサキに感謝して、受け取った果実。

 

かなり稀少だと言われる水晶飴も10個以上渡してくれたチサキは、太っ腹だ。

 

「これ見付けるの大変だったんじゃない?」

 

「偶然群生地みたいな場所を見付けてな、水晶飴を大量にゲットできたんだ」

 

買うとお高い水晶飴を指差して言うオレに、群生地を発見したことを教えてくれたチサキ。

 

「それは、運が良かったね」

 

「他にも雲菓子を大量にゲットできたけど、雲菓子が好物なバグベアーがめちゃくちゃ寄ってきたな」

 

「熊ってやっぱり甘いもの好きなのかな」

 

「多分そうなんだろう」

 

自宅でチサキと、そんな会話していると、タケミカヅチ・ファミリアの友人を連れて戻ってきた春姫。

 

ちょうどいいからチサキからの土産を、春姫の友人にもお裾分けしておくとしよう。

 

「こんなに沢山、よろしいのですか金時殿」

 

雲菓子と水晶飴を幾つか渡しておくと、申し訳なさそうな顔をしていたヤマト・命。

 

「いつも春姫が世話になってるからね。ダンジョン産の果実が嫌いじゃなければ、受け取ってもらえるとありがたいかな」

 

「いえ、此方こそ春姫殿を養ってくださっている金時殿には感謝をしても、し尽くせぬばかりでありまして、更にこのような贈り物まで頂いては非常に申し訳なく」

 

丁寧な口調で、そう言ったヤマト・命は本当に申し訳なさそうな顔をしていたが、きっと根がかなり真面目なんだろう。

 

「春姫を養うのは慣れてるんで、そこら辺は気にしなくていいよ。あ、ちなみに春姫の分はこっちね」

 

ヤマト・命に気にしなくていいと伝えながら、春姫にもダンジョン産の果実を渡しておく。

 

「金時様、これほどまでに大量のダンジョン産果実を何処で手に入れてきたのですか?」

 

「ダンジョン行ってたチサキからのお土産だよ」

 

雲菓子や水晶飴を見て、入手経路を聞いてくる春姫に、チサキからの土産だと教えておくと、春姫は納得していた。

 

「果実ハンターチサキと呼んでくれ」

 

自慢気に親指を立てて笑顔を見せたチサキのテンションは、今日も高い。

 

「果実ハンターチサキ、長いね。かっちゃん、でよくない?」

 

「いずれ心臓ぶっ壊されそうなアダ名は、やめてほしい」

 

「何故かっちゃんで心臓が」

 

何故かっちゃんというアダ名で心臓が破壊されるのかわからなくて困惑していたヤマト・命。

 

「ああ、気にしないで身内ネタみたいなものだから」

 

「仲間内だけでしかわからない冗談みたいなものを話して申し訳ない」

 

ヒロアカを知らないヤマト・命にはわからないネタを話していたことに反省しておくオレとチサキ。

 

とりあえずヤマト・命は、お裾分けを受け取って帰っていき、チサキもヴィーザル・ファミリアのホームへと一旦戻っていった。

 

チサキが所属するヴィーザル・ファミリアとロキ・ファミリアは合同遠征後に一緒に宴会をするらしく、豊穣の女主人という店に向かうそうだ。

 

たまにオレが食材の荷運びをする酒場が、豊穣の女主人だったりもしたが、あの店の店主は、ロキ・ファミリアの面々よりかは強そうだったな。

 

店員達も並みの冒険者達よりは強く、やけに戦力が集まっているあの酒場。

 

荒くれ者が多い冒険者でも、豊穣の女主人で暴れることは少ないらしい。

 

まあ、それでも暴れる奴は店員か店主に沈められるんだろうな。




ちなみに豊穣の女主人で酔っ払ったベートは、結婚している相手に、ヴィーザル・ファミリアとロキ・ファミリアの面々の前で子どもが何人欲しいか聞いた結果、恥ずかしがった結婚相手に殴られました
それを見ていたシンとベルは、あまり酒は飲まないようにして、女性には優しくしよう、と考えたようです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。