思い付いたダンまち系短編集   作:色々残念

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思い付いたので更新します
今回は視点がザニス、金時、チサキ、ポイボス、シンへと順番に変わって、最後にザニスに戻ってきます
ちょっと読みにくいかもしれません
今回の話は6000文字になりました
一応これがダンまちクインテットの最終話になります
短編集自体はまだまだ続きますね


ダンまちクインテットその6 終 俺達の物語

シンとベルがオラリオに来てから様々なことがあった4ヶ月。

 

僅か4ヶ月で既にLv5に到達しているベルは、1ヶ月に1回のペースで急速なランクアップをしていた。

 

シンはLv1のままだが黄金の回転を身に付けて鉄球の威力を上げ、精霊馬を召喚する魔法も発現し、今は精霊馬に乗った状態で騎兵の回転の練習をしているシン。

 

この4ヶ月の間に、チサキが所属するヴィーザル・ファミリアとロキ・ファミリアは、アストレア・ファミリアとも協力して闇派閥に戦いを挑んだ。

 

闇派閥の本拠地である人工迷宮クノッソスの攻略ではチサキの個性、オーバーホールが猛威を振るい、立ちはだかる壁を分解して進むチサキを止められるものはいなかったらしい。

 

完全に闇派閥は討伐されたが、穢れた精霊の本体までは倒せていない為、警戒を緩めることはない3つのファミリア。

 

金時は、相変わらずバイト生活を続けていて春姫を養っていた。

 

養われていた春姫は春姫で、最近じゃが丸くんの屋台でバイトを始めたらしく、大変そうだが頑張っているので、ヒモは卒業したのかもしれない。

 

「たまに売れ残りのじゃが丸くんを持って帰ってくるんだよね」

 

なんて言って笑っていた金時は、頑張って働き始めた春姫に喜んでいたのだろう。

 

強くなる為に頑張っているポイボスは、ダンジョンに行く以外にも俺達と戦ったりもして、日々努力を続けて強くなろうとしていた。

 

時おりしっかりと身体を休める休息日も作り、アポロン・ファミリア団長としての仕事を忘れずに行いながら、ポイボスは努力を続けている。

 

そんなポイボスと戦っている内に、俺もランクアップが出来るようになり、Lv6へと到達。

 

俺がLv6になったことで、ソーマ・ファミリアの等級がBに上がり、増えてしまうのはギルドへと納める税金。

 

単独で行ける階層まで行って、稼ぎを増やす必要があるか、と考えた俺は、ダンジョンの入り口がある場所まで歩いて向かう。

 

その最中、オラリオの地面が大きく揺れ始めたが、これは地震では無さそうだ。

 

宿した火精霊の籠手を出現させて片腕に装着し、構えた俺の前でオラリオの路面が大きく割れて、飛び出してきたのは緑色で脈打っている巨大な肉塊。

 

とりあえず焼いとくか、と思った俺は火精霊の籠手から大火球を放つが、焼けることのない緑色の肉塊には、火への耐性がある。

 

火が効かないなら殴るしかないかと判断し、握った拳を叩き込もうとした瞬間、緑の肉塊が割れて、中から現れたのは緑色の髪と肌を持ち、極彩色の衣に覆われた女の身体を持つ人型の怪物。

 

「火精霊ノアナタモ一緒ニ成リマショウ」

 

笑みを浮かべて喋る怪物ではあるが、明らかに異端児ではない相手。

 

これが穢れた精霊という存在なのは間違いない。

 

かつて人々に力を貸していた精霊達がモンスターに喰われ、在り方が反転した存在こそが、穢れた精霊だとチサキとポイボスは言っていた。

 

既に、喰らい、奪うことしか考えていない相手とは、戦うしかないだろう。

 

極彩色の衣を靡かせて、地を蹴り、凄まじい速度で近付いてきた穢れた精霊が此方に手刀突きを繰り出す。

 

明確に心臓を狙ったそれを避けると、連続で繰り出されていく穢れた精霊の手刀突きは止まらない。

 

「【地ヨ、唸レ】」

 

更には攻撃を行いながら詠唱まで開始した穢れた精霊は、並行詠唱を続けていく。

 

「【来タレ来タレ来タレ大地ノ殻ヨ黒鉄ノ宝閃ヨ星ノ鉄槌ヨ開闢ノ契約ヲモッテ反転セヨ空ヲ焼ケ地ヲ砕ケ橋ヲ架ケ天地ト為レ降リソソグ天空ノ斧破壊ノ厄災】」

 

長文の詠唱を続けながらも、此方への攻撃の手を緩めることはない穢れた精霊。

 

「【代行者ノ名ニオイテ命ジル与エラレシ我ガ名ハ地精霊大地ノ化身大地ノ女王】」

 

高速で行われる穢れた精霊の詠唱が終わり、高まった魔力が、これから魔法が放たれることを現す。

 

「【メテオ・スウォーム】」

 

魔法円の輝きが打ち上がると、膨大な魔力が収束し、姿を現すのは黒光の隕石群。

 

オラリオの街中で巨大な隕石が降り注ぎ始める中、逃げ遅れていた1人の子どもを発見した俺は、手刀で身体を抉られようが迷わず駆け出して行き、その身を盾に子どもを守る。

 

降り注ぐ隕石の雨の中、倒れることなく立ち続け、身体を盾とした俺は、子どもを守りきった。

 

大量に降り注いだ巨大な隕石により、傷だらけとなっていた俺の身体を見て、泣きそうな顔をしていた子どもには「気にしなくていいですよ。子どもを守るのか大人の仕事ですからね」と丁寧な言葉で言っておき、笑いかけておく。

 

子どもに話しかけていた俺に近付いてきた穢れた精霊を、振り向かずに裏拳で迎撃。

 

「ここは危ないので、早く逃げてください」

 

最後に子どもにそう言った俺は、穢れた精霊へと向き直り、戦いを再開。

 

俺が本気で怒っている時だけ、ステイタスに高い補正がかかるスキル【憤火怒心】は、既に発動している。

 

穢れた精霊に子どもを狙ったつもりがなくとも、俺が盾にならなければ、あの子は確実に死んでいた。

 

燃え上がるような怒りが治まることはなく、拳に更なる力が込められていき、一撃ごとに力強さを増していく拳打。

 

強固な外皮と肉体を持つ穢れた精霊へと叩き込んでいく拳。

 

精霊が繰り出した手刀を迎え撃った拳が、精霊の手を砕く。

 

手を砕かれた痛みに「イヤァッ!」と悲鳴を上げる穢れた精霊。

 

痛みに悶えて隙だらけな穢れた精霊へと、火精霊の籠手を装備している片腕の拳を構えた俺は、放つ火炎を推進力に威力を極限まで高めた拳の一撃を繰り出す。

 

穢れた精霊に叩き込まれたその拳撃は、極彩色の衣に包まれた穢れた精霊の緑色の身体を完全に砕いた。

 

戦いが終わり、痛む身体を動かしてバックパックのポーションを確認した俺は、やはり割れていたポーション瓶に落ち込んだ。

 

だが、いつまでも落ち込んでいる暇はない。

 

オラリオに現れた穢れた精霊は、あの1体だけではなかったようで、オラリオの至るところで始まっている戦闘。

 

「加勢が必要なところを手伝うか」

 

そう決めた俺は、オラリオの街中を駆け出していく。

 

 

 

 

荷運びのバイトを終わらせた後に立ち寄ってみた春姫のバイト先。

 

じゃが丸くんの屋台で、働いている春姫は頑張っているので、そちらは問題ないが、問題がありそうなのは地面の下。

 

複数の何かが地上まで上がって来ていることを感じ取ったオレは、その何かを待ち構えた。

 

整備された石畳を突き破り、生えてきたのは緑色の巨大な肉塊。

 

とりあえず怪物だと判断して殴っといたら弾け飛んだけど、次に地面から出てきたのは肉塊ではなく、巨大な竜のような怪物。

 

此方も殴っておくと粉々に砕けた竜の身体。

 

「春姫の様子を見に来ておいて正解だったかもね」

 

なんてことを呟きながら、オレは次々と現れる怪物らしき存在にひたすら拳を叩き込んでいく。

 

オレなら一撃で倒せるが、春姫や他の人はそうもいかないので、守っておかなければいけない。

 

地上に怪物が出てこなくなるまで、ここで春姫達を守り続けた方が良さそうだ。

 

 

 

 

 

ダンジョンの地下から地上まで侵攻してきた穢れた精霊の分身と怪物達。

 

ヴィーザル・ファミリアはロキ・ファミリアと協力して、この事態に対処しようとしていた。

 

精霊の分身相手には第1級冒険者達で戦いを挑み、討伐することに成功するが、次から次へと姿を現す精霊の分身は、数が多過ぎる。

 

大量の負傷者をオーバーホールで治療しなくてはいけないおれは大忙しで働いており、休む暇がない。

 

ひたすら負傷者を治療して、精霊の分身や怪物相手にもオーバーホールを使用して分解していき、また負傷者を治療していく。

 

武器が壊れたという奴が居れば、その武器をオーバーホールで修復して渡し、戦線に復帰させていった。

 

休む暇が全く無い今の状況で、倒れる訳にはいかないと、自分にもオーバーホールを使用して体力を回復しながら続ける作業。

 

それでもオラリオの全てにまで手を伸ばすのは、2つのファミリアだけでは難しい。

 

アストレア・ファミリアとガネーシャ・ファミリアも協力して人々の避難を行いながら、穢れた精霊達と戦っている。

 

しかしそれでも数が多い穢れた精霊の分身を、全て倒すことはできていなかった。

 

精霊の分身達へと対抗するには、明らかに戦力が足りていない。

 

しかしその足りない戦力を補う方法を、おれは持っていた。

 

非常事態だから仕方ない、と思ったおれは、ヴィーザル・ファミリアの面々に触れてオーバーホールで肉体改造を施し、Lv3や4程度の団員達の身体能力をLv6並みへと引き上げておく。

 

突然上がった身体能力に戸惑う10数名の団員達には、肉体改造を施したことを教えておき「ひたすら動いて慣れろ!」とだけ言って精霊の分身との戦いに送り出す。

 

「覚えてろチサキ!」と、おれに文句を言いながらも実戦で身体を慣らしていったヴィーザル・ファミリアの団員達。

 

一気に10数名の第1級冒険者並みの戦力が増えたことで、精霊の分身達への対処に余裕ができたヴィーザル・ファミリアとロキ・ファミリア。

 

この調子なら、なんとか戦い抜くことが出来そうだ。

 

 

 

 

 

精霊の分身や怪物達が現れたオラリオで、主神のアポロンが率先してオラリオの人々の避難を手伝い始めた為、アポロン・ファミリアは一丸となって避難に協力する。

 

かなり頑丈な精霊の分身へと殺傷力と威力が高い光の矢を打ち込んで倒し、人々が逃げる時間を稼いでいた俺。

 

なんとかアポロン・ファミリアのホームの近辺の人々は完全に避難が終わり、アポロン・ファミリアはアポロンを避難させる為に動く。

 

アポロンを守りながら移動して、アポロン・ファミリアは避難場所に到着したが、怯えている人々が多い。

 

「ポイボス、オラリオでまだ戦っている彼等を手助けしてきてくれないか。オレ様のことなら心配ないさ、自慢の眷族達が守ってくれる」

 

そう言って俺を送り出してくれたアポロンに感謝し、避難場所を飛び出した俺はオラリオを駆ける。

 

道中で遭遇する精霊の分身を光の矢で倒し、俺はオラリオの人々を助けながら戦っていった。

 

 

 

 

 

 

ヘスティアを背後に庇いながら、俺とベルくんは、現れた奇妙なモンスター達と戦っていたが、戦況は悪い。

 

複数の種類が違うモンスターに襲われ、応戦している俺とベルくん。

 

倒しても倒しても終わりがなく追加されていくモンスター達。

 

モンスターを産み出している緑色の巨大な球根のようなモンスターを倒さなければ、おそらくモンスター達は無限に産み出され続けるだろう。

 

緑色で巨大な球根のような外見をしておきながら炎の効きが悪いモンスターには、ベルくんの【ファイアボルト】は効果が薄く、凄まじく分厚い身体には波紋と波動すらも奥まで通りにくい。

 

黄金の回転で回転させた鉄球でも、表面の1部だけしか破壊できないそいつの身体は強度が非常に高かった。

 

モンスター達の攻撃がヘスティアに届かないように、ベルくんと一緒に現れたモンスター達を倒す。

 

この球根のような母体のモンスターを倒すには、騎兵の回転を使うしかなさそうだ。

 

「【駆けよ駆けよ駆けよ、地を蹴り躍動するものよ】【大地を踏み締め、駆け抜けよ】」

 

精霊馬を召喚する為の魔法の詠唱を行いながら、ガントレットに流した弾く波紋で、振るわれた怪物達の攻撃を弾き、続けて放った波動弾。

 

「【走破せよ、あらゆる地を】【進むべき、荒野に道を切り開け】」

 

波動弾で怪物達の頭部を貫いて倒していくと、詠唱が完了し、後は魔法名を唱えるだけとなった。

 

「【フィネガス・オルタ】!」

 

召喚が完了し、現れた精霊馬。

 

精霊馬召喚魔法で呼び出した精霊馬に跨がった俺は、無詠唱魔法【スティール・ボール】を発動。

 

精霊馬を自然なフォームで走らせていき、辿り着いた黄金長方形のフォーム。

 

黄金長方形のフォームで走らせた精霊馬の力に、黄金長方形の軌跡で回転させた鉄球の無限の回転を加えることで、発動された騎兵の回転。

 

それにより緑色の球根のような怪物は、完全に破壊された。

 

ぶっつけ本番で成功したことに喜びはあるが、とりあえず今は残ったモンスターを倒すとしよう。

 

 

 

 

 

オラリオの地面が激しく揺れていき、地を突き破り生えてきた巨大な木。

 

大木は姿を変えていき、木で形作られた女型の巨人と化す。

 

階層主のゴライアスと比べても遥かに巨大な女型の巨人。

 

「【火ヨ、来タレ】」

 

巨人が口を開き、始めたのは魔法の詠唱。

 

凄まじく巨大な魔法円の大きさからして、オラリオ全てが、巨人の魔法の効果範囲となっていることは間違いない。

 

そんなものを続けさせる訳がなく、跳躍した俺とポイボスは巨人の顎に、勢いを乗せた拳を同時に叩き込んだ。

 

一旦巨人の口を閉じさせることは成功したが、ダメージにはなっていないようで、叩き落とされた俺とポイボス。

 

「効いていないな」

 

「いつからダンまちは、進撃の巨人になったんですかねぇ」

 

「冗談を言っている場合じゃないぞポイボス」

 

着地して軽口を叩いていた此方へと振り下ろされる巨人の足。

 

「【火ヨ、来タレ】」

 

連続で行われる踏みつけを避けていると、再び開始された魔法の詠唱。

 

「【猛ヨ猛ヨ猛ヨ炎ノ渦ヨ紅蓮ノ壁ヨ業火ノ咆哮ヨ突風ノ力ヲ借リ】」

 

詠唱を続けていた巨人の頭部へと投擲された鉄球。

 

巨人の頭部に比べれば、あまりにも小さいその鉄球が直撃した瞬間、巨人の頭部は砕けて破壊された。

 

「詠唱は止めさせてもらった」

 

現れたのは精霊馬に跨がっていたシン。

 

「無事だったか、シン」

 

「今のが騎兵の回転か、凄い威力じゃねぇか」

 

「騎兵の回転が成功したのは今日が初めてだ。それより、あの巨人から気配が消えていない。まだ終わりじゃないぞ2人とも」

 

シンのその言葉通りに、破壊された頭部を再生した巨人。

 

「【突キ進メ雷鳴ノ槍代行者タル我ガ名ハ雷精霊雷ノ化身雷ノ女王】」

 

再生した頭部の口で巨人が高速で唱えたのは短文詠唱。

 

確実に止めるのも避けるのも間に合わない。

 

そう考えていた俺達の頭上を閃光のような速度で飛んでいく様々な武器。

 

巨人に直撃する度に着弾箇所が大きく爆砕されたかのようになる破壊力を持つ武器達。

 

再び頭部も破壊されて、強制的に止められた巨人の詠唱。

 

ただ投げただけの武器にそんな威力を持たせることが可能なのは、このオラリオには金時1人だけだ。

 

「金時に助けられたな」

 

「金時本人が此方に来ないのは、春姫を守ってるからじゃねぇかな」

 

「金時の遠距離攻撃で巨人の身体は、かなり破壊されたが、まだあの巨人は再生するぞ。どうするんだ?」

 

「とりあえず今は、チサキ待ちだな」

 

3人で、そんな会話をしていると、現れたチサキ。

 

「もう大丈夫。何故って、私が来た!」

 

第一声で何故かオールマイトみたいな台詞を言ったチサキに「オールマイトごっことかいいから早く倒しに行くぞ!」と言いながら4人で巨人へと立ち向かっていく。

 

巨人が振り下した右腕を俺とポイボスで受け止めている間に、再び騎兵の回転を巨人へと叩き込んだシン。

 

騎兵の回転で、片足を破壊された巨人の動きが止まったところに、巨人へと触れたチサキにより、分解されていった巨人は跡形も残らなかった。

 

その後、精霊の分身や、分身が率いていたモンスターにより破壊されたオラリオの街中は、チサキのオーバーホールで修復されて、大部分が元通りとなり復興が続いている。

 

大勢の負傷者は出ても死者は出なかった今回の戦い。

 

暗黒期の時とは違って、オラリオの人々は暗い顔をしていたりはしなかった。

 

それは人々を守る為に戦った冒険者達が多かったからだろう。

 

これからも俺達は、オラリオで過ごしていくが、きっと何があっても仲間達が居れば、乗り越えていけそうな気がした。

 

頼れる仲間達と一緒に、今日も俺はオラリオで生きていく。




とりあえずチサキのオーバーホールのおかげでオラリオには死者が出ませんでした
オーバーホールによる肉体改造の希望者も増えましたが、そう簡単には増やしたりはしないようです
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