現代日本からONE PIECE世界に転生し、それからダンまち世界に転生した人の話になります
2度の生まれ変わりを経験した私には故郷と呼べる場所が3つある。
1つ目は最初に生きた世界の日本、2つ目は生まれ変わった別世界のワノ国、そして3つ目が更に生まれ変わっていた別世界である極東。
全て和風な感じな場所に生まれ変わっていたことは、かつて日本人だった私には嬉しいことであったのは確かだな。
まあ、現代日本と比べれば不便なところがあったりはしたが、それでも人というものは慣れて順応していくものだった。
2つ目の故郷であるワノ国を護る為に侍として戦った経験もあり、他国で技術交流として様々な武器の扱いや武術等を学んだ私は刀以外も扱えるようになっている。
2つ目の世界では竜や外敵を斬ったりはしたが、基本的に敵は人間が多かった。
3つ目の別世界には、数多くのモンスターが存在しており、人間以外の外敵の方が多い。
極東以外の場所を見て回るのも悪くはないと思い、3つ目の生まれ故郷の極東を出て、放浪の旅を続けていた私。
そんな私は18歳の頃に教育機関である「学区」に教師としてスカウトされることになり、それから6年が経過した今では板についてきた教師の仕事。
今日も学校に出勤する為、黒い礼服のような教師の服を着こみ、姿見を見ながら髪を整えて、だらしない格好になっていないか確認してから部屋を出る。
登校を行っている生徒達の邪魔にならないように歩き、移動しているとレオン・ヴァーデンベルク先生が近付いてきている姿が見えた。
「おはようございます、ヴァーデンベルク先生」
「おはようございます、サミダレ先生」
最初に朝の挨拶をしてからは並んで歩きながら、今日の戦技学科で教えることを互いに軽く話し、ヴァーデンベルク先生との会話を終えると到着した職員室。
他の先生達にも朝の挨拶を行っておき、自分の席に座った私は手早く書類仕事を終わらせて、戦技学科の授業を行う準備をしていく。
ヴァーデンベルク先生と同じく戦技学科の教師である私は、主に多種多様な武術と様々な武器の扱い方について生徒達に教えており、生徒1人1人に適性のある武術や武器の扱い方を教える私は、それなりに忙しい。
全体を教えるヴァーデンベルク先生と、それぞれ個別に教える私とで役割分担は出来ており、しっかりと学んだ戦技学科の生徒達は確実に強くなっている。
間違いなく生徒達は強くなってはいるのだが、言動や行動に問題がある生徒も数名存在していた。
「エイナ殿、パンツを見せてもらってもよろしいでござるか」
同性である女子生徒にセクハラを行うヒューマンの女子生徒のシノブノ・久能さん。
「まずは金的、次は金的、覚悟しやがれ、これが最後の金的だ!」
対人戦で相手が男性だとひたすら金的狙いで攻撃を行う女子生徒、狐人のサンジョウノ・九重さん。
「おばあちゃんが言っていた。蝶のように舞い、蜂のように刺せと」
何か喋る時は必ず「おばあちゃんが言っていた」と言ってから喋る自由人なヒューマンの女子生徒、テントウ・蒼子さん。
「サミダレちゃん、会いたかったで。ほな勝負しよか」
かなりの戦闘狂で、いつも私に勝負を挑んでくるのは、関西弁で片目に眼帯をしたハーフドワーフの女子生徒、マシマ・京子さん。
他にも問題がある生徒がいたりもするが、この4名は全員が私と同じく極東出身だ。
極東出身の4名はヴァーデンベルク先生も手を焼く問題児達であるが、私の言うことには従ったりするので、彼女達の指導は私が担当するようにヴァーデンベルク先生から頼まれていた。
小太刀による2刀流で戦うシノブノさんと、籠手と具足を装着して魔法と格闘術で戦うサンジョウノさんに、大剣を用いて戦うテントウさんと、刀を用いて戦うマシマさんの4名。
それぞれ戦い方が違う4名に適切な指導を行い、戦闘技術を磨いた4名と同時に戦って、しっかりと実戦経験も積ませておく。
数少ないLv4である生徒達の中でも、問題児だが実力者だと言える極東の出身の4名が集まってチームを組んでおり、攻撃と回復の2つの魔法を持つサンジョウノさんを中心に、前衛3人と近接戦闘も可能な後衛1人という第8小隊。
戦闘力という面で言えば生徒達の中で1番強い極東出身者だけの第8小隊は、連携もしっかりと行う為、戦闘面では問題はない。
性格や行動に問題がある極東出身の4名は、戦闘以外の面に不安があることは確かだ。
ヴァーデンベルク先生も頭を悩ませていた4名が、近々オラリオで行う実習で問題を起こしても不思議ではなかった。
ついに巨大な船である学区が港町メレンに帰港し、ダンジョンがあるオラリオで行われる生徒達の実習。
学区の生徒達のオラリオ入場が解禁され、ダンジョンで行う特別実習は、各小隊に能力に見合った階層を探索してもらい、指定されたモンスターのドロップアイテムを持ち帰ってもらう必要がある。
規定の迷宮成果に応じて、生徒達に与えられる戦技学科の単位。
報告書の提出も必須であるとヴァーデンベルク先生が伝えると嫌そうな顔をした生徒が数名居たが、報告書を書くのが苦手であっても書いてもらわなければ単位は与えられないので、頑張ってほしいところだ。
Lv4が4名集まっている第8小隊は、ダンジョンの下層まで向かわなければいけないが、流石に生徒達だけで下層に行かせるのは問題があると判断した教師達。
そこで私がダンジョンに同行することになり、生徒達が危険な時には助けることを許可された私は、教師としての制服から戦闘服である黒い着流しに着替え、腰の帯に2本の刀を差して荷物を背負い、準備を整えると第8小隊と合流。
第8小隊のダンジョン探索は順調に進み、17階層でゴライアスすらも倒した第8小隊の面々。
それから18階層で野営を行い、しっかりと休んでからダンジョンを進んで下層へと到着し、下層のモンスター達のドロップアイテムを集める作業を行っていった第8小隊。
ドロップアイテムを順調に集めることに成功した第8小隊は目的を達成し、下層の探索を切り上げて上の階層へと戻ると決めた生徒達。
帰り支度を整えた第8小隊が下層を移動していると、現れた下層の階層主。
双頭の竜であるアンフィス・バエナは、生徒達に任せるには荷が重い相手だと判断し、鞘から抜き放った刀を構えた私は、黒い刀身を振り下ろす。
歴戦を経て黒刀と化した刀を用いて飛ばした斬撃がアンフィスバエナを両断し、狙い通り魔石すらも斬り裂いた飛ぶ斬撃によって、灰と化したアンフィス・バエナの身体。
「それでは帰りましょうか皆さん」
そう生徒達に話しかけて、下層から中層へと全員で移動した。
学区の生徒である第8小隊に絡もうかと考えていた冒険者達も居ない訳ではなかったようだが、同行者である私を見ると顔を青ざめさせて逃げていく冒険者の数々。
何回かオラリオに来たことがある私は、ある程度は有名になっているらしい。