思い付いたダンまち系短編集   作:色々残念

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思い付いたので更新します
今回は凄まじく短いです


じゃが丸くんをひとつ

迷宮都市オラリオで腹を空かせて行き倒れしかけていた男が居た。

 

極東出身で着流しを身に付け、腰の帯に刀を差した男は、オラリオに向かう道中で金銭を使い果たしており、食料を買える金を持ってはいない。

 

腕っぷしには自信がある男だが、空腹には勝てず、倒れたままである。

 

このままなら飢え死にしてもおかしくはない男を救ったのは、じゃが丸くんの屋台で働いていた女神ヘスティアであった。

 

飢えていた男に、女神ヘスティアから差し出されたじゃが丸くん。

 

それはたったひとつのじゃが丸くんであったが、空腹の男を救ったじゃが丸くんの味を、男は忘れることはない。

 

生きる力となったじゃが丸くんと、女神ヘスティアに感謝した男は、恩を返す為に女神ヘスティアの眷族となり、ヘスティア・ファミリアの2番目の団員として活動を始める。

 

冒険者になったばかりなベル・クラネルというヘスティア・ファミリアの団長と共に、冒険を乗り越えていった男は、単独でインファントドラゴンの強化種を倒したことでLv2となった。

 

中層での冒険、負傷した仲間達を先に進ませて逃がしてからの17階層でのゴライアスとの戦闘、18階層での黒いゴライアスとの戦いを経て、Lv3へと到達した男。

 

Lv3となった男が団長になるべきでは、と言い出すベルを説得し、平団員を続けていた男は冒険者としての労働に励んだ。

 

酒場でベルがアポロン・ファミリアと喧嘩したり、ベルがパーティを組んでいたリリルカが所属していたソーマ・ファミリアと一悶着があったりもした。

 

それからしばらくして、ヘスティア・ファミリアと、アポロン・ファミリアにソーマ・ファミリアが加わった連合との戦争遊戯が決まり、ヘスティア・ファミリアの勝利条件は、アポロン・ファミリア団長とソーマ・ファミリア団長を倒すことに決まる。

 

ゴライアスを単独で討伐し、Lv4となったアポロン・ファミリア団長と、ミノタウロスの強化種を倒したことでLv3となっていたソーマ・ファミリア団長。

 

Lv3である男がアポロン・ファミリア団長を、Lv2のベルがソーマ・ファミリア団長を倒すと決めて、役割を分担しようと決めたヘスティア・ファミリアに新たな団員が加わったり、助っ人がやって来たりもして、開始された戦争遊戯。

 

城に攻め入ったヘスティア・ファミリアは、アポロン・ファミリアとソーマ・ファミリアの連合を相手に有利に立ち回り、敵の数を順調に減らしていく。

 

敵の大将であるアポロン・ファミリア団長とソーマ・ファミリア団長は、それぞれ別の場所に居るという情報を掴んでいたヘスティア・ファミリアは、城内で二手に分かれて行動することにした。

 

男とベルで、それぞれの戦う相手が居る場所へと向かい、戦うべき相手と対峙する。

 

アポロン・ファミリア団長ヒュアキントスを相手に打ち直された愛刀を構えて、ヒュアキントスと戦っていった男。

 

傷だらけになろうと何度でも立ち上がり、戦い続ける男の気迫に圧されてきていたヒュアキントスは、思わず問う。

 

「何故だ!何故お前はそこまでして戦う!お前が命懸けで戦う理由は何なのだ!?」

 

そのヒュアキントスからの問いかけに、迷わず男は答えた。

 

「じゃが丸くんをひとつもらったのだ」

 

それだけを答えた男、侍の覚悟に、完全に圧倒されたヒュアキントスは侍に倒され、ベルがソーマ・ファミリア団長を倒したことで、ヘスティア・ファミリアの勝利で終わった戦争遊戯。

 

これからも侍は、ヘスティア・ファミリアとして戦い続けるだろう。

 

女神ヘスティアに、じゃが丸くんをひとつ貰った恩を返す為に、侍が戦っていくのは間違いない。

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