「......ランニングしてたらいつの間にか来てしまった......」
尊とある町にやってきていた。知らない町だったので、散策してみることに。
河原でずぶ濡れの男の子が母親と思われる女性に怒鳴っているのを目撃した
「......ほっといてよ!」
「蓮......」
「あの、なにかありました?」
「......あなたは」
女性に尋ねられた尊は頭を掻きながら答えた。
「庭瀬尊です。ランニングしてたらここまで来て、困ってそうなので声を......」
「庭瀬さん....話を聞いてくれるかしら」
事情を詳しく聞く。この近辺は鬼久保という一家が牛耳っており町の人々は鬼久保に逆らえないということ、そして家族全員目をつけられて酷い目にあっていることを聞いた。
「......鬼久保、ですか......」
「......夫も、息子も苦しめられていて......」
「......そーいえば、僕の家の隣がたまたま空き家になったんですよ。知り合いが不動産経営してるんで、話つけときますよ」
尊と主婦は一旦別れる。その時、別の気配を感じた尊だったが、気のせいかとおもいそのまま去った。
そこに、鬼太郎と猫娘が現れる。
「鬼太郎!姐さん!」
「尊!?......あの人と何を話してたんだ?」
「なんか困ってたから話を聞いただけだけど......」
「あの人は妖怪水虎を解放したんだ」
「マ!?......俺と話してるときはそんな素振り見せてなかったけどな」
「当然よ、初対面のアナタに恨みなんてないもの」
「色々まずいことになるかも。水虎ってのに用があるなら、急ごうぜ」
......
翔子との会話に出てきていた"鬼久保"が乗り込んできた翔子を捕らえていた。
「殺してやる!おめぇの無能な旦那も、息子もな!」
「......」
「何だテメ......うわあっ!?」
ゴルフクラブを振り上げたタイミングで、液体のような姿をした虎に水分を吸い取られてしまう。
......
鬼太郎と尊は走りながら会話していた。
「ってことは......復讐に動いてるってことか」
「ああ......」
3人で翔子の家へ向かう。そこでは既に夫と息子が水分を奪われていた。
「!?」
「......夫と、息子が......こんなこと望んでなかったのに」
「嘆いていても旦那さんも息子さんも戻ってきませんよ」
鬼太郎は冷たく言い放つと水虎を追いかける。愕然とする翔子に尊が優しく声を掛ける。
「.....憎しみと水って似てますね」
「......」
「どんなに頑丈なものでせき止めても、いつかは溢れ出てしまう。でも、どこかで止めないと溢れ出たままになってしまう。そして自分が意図しないところまで被害を伸ばしていく......今ここで食い止めないと、大変なことになりますよ」
「......あなた、本当に高校生?」
「高校生っすよ、ピチピチの」
「......やるべきことが分かったわ。手伝ってくれるかしら」
翔子の車に乗り、ある場所へ移動する。
「ここは?」
「アレがたくさん貯蔵してあるはずよ。これを車に積み込むわ」
「ドア開けて待っててください、俺が運んできます。力には自信ありっす」
「お願い」
「押忍!」
尊と別れ水虎を追っていた鬼太郎は学校のプール付近で水虎と対峙していた。物理攻撃が効かないため苦戦している。
「鬼太郎さん!」
「翔子さん......」
翔子と尊が駆けつけ、液体窒素を水虎に吹きかけた。
「ぐおおっ!?」
「液体窒素を僕に!」
鬼太郎に液体窒素をかけると、液体窒素を吸い込んで冷気の指鉄砲を放ち、水虎を魂ごと凍らせた。
もとに戻った鬼久保たちはまだ懲りていなかった。
「くそぅ......あの女許せねぇ......」
「今まで以上の地獄を見せてやるわ」
「僕も頑張るよ!」
「まだやるかい......?」
突然話しかけてきた少年に声を荒げるが、背後にいた人々を見て驚く。
「なんだこのガキ......ってヤクザ!?」
背後に峯の配下がずらりと並んでいた。
「......さんきゅ、峯さん」
「どうします?」
「鬼久保食品はまるごと貰って庭瀬食品にしちまおう。こいつらは…サカナの餌でいいわ....さ、始めよっか」
尊の目がきらりと光る。鬼久保一家の運命は.....
......
後日、辰川一家は庭瀬家の隣に越してきた。旦那さんは尊から事情を聞いた叢雲が四葉重工の技術職でスカウトし、翔子さんは撫子と意気投合、息子の蓮は尊に弟子入りして稽古に励むことになった。