尊と峯がオフィスを出ると、尊の恋人達が集合していた。
「およ?お前達どーしたん?」
「港区がどういうところか気になって」
「みんなでいきましょうということで!」
「港区に来ちゃいました」
「文さんが車の用意をしてくれて」
「1日港区デートですわ♪」
「尊、行きましょう」
黒髪ロングヘアでスタイル抜群の美人が一歩前に出てきた。
「文さん」
「引率はわたくし文と峯さんが勤めます」
「え?」
峯は想定外の事態に驚く。文だけが引率なのかと思っていたようだ。
「奥様から「尊を遊びに連れ出したことはわかっていますからね。尊と義娘達の引率で許しましょう」と言伝をもらってます。」
「く、やはりバレていたか....流石奥様」
「それでは行きましょうか」
ゆかり達は港区の街並みを歩き、楽しんでいた。
「結構高いねぇ」
「買いましょうか?」
「峯さん、財布,取られないように気をつけてな?」
「肝に銘じます」
その時。
「美人沢山連れてデートかい?」
「1人くらい分けてくれよ」
ガラの悪い男たちが声をかけてきた。
「文さん,皆を」
「はい,若様。峯さん、若様を護衛してくださいね」
「任されました」
尊と峯はゆかり達を安全な場所に避難させたことを見届けると、拳を構えた。
「峯....?そーいや最近出てきてシマ広げてる白峯会の!」
「ってことはあのガキは庭瀬組の?」
「いや、ガキだ。大方組長の倅だろ」
「人質にとって庭瀬組からがっぽり金をあべし!?」
チンピラが喋り終わる前に峯が右ストレートを叩き込む。
「取らぬ若の皮算用,といったところでしょうか。つべこべ言わずにかかってくるといい」
「このっ!」
尊、峯とチンピラたちとの戦いが始まった。2人は巧みな連携でチンピラ共を倒していく。
「おいおい離れすぎだぜ」
「んお!?」
「しまった!」
「庭瀬の倅とっぐぼぉ!?」
尊の背後を取ったチンピラが突如吹き飛んでしまった。
ゆかり達を避難させた後の文が駆けつけたのだ。美脚に遠心力を加えた蹴りが炸裂した。
「若様に触れる事はこのわたくし、文が許しません」
そして3人を撃退し、港区ツアーを再開する。
・・・・・・・・・
文と尊ラバーズは仲良く庭瀬組が経営するスーパー銭湯のお風呂に入っていた。ふと、文の背中を見たのどかが文に訪ねる。
「文さん、お背中どうしたんですか?」
「背中ですか?これは火傷の痕ですね」
「火事に?」
「にしては形が整ってるわね。アイロンかしら?」
「恥ずかしながら....わたくし、学生時代はいじめを受けていたんです。その時に背中にアイロンを押し付けられて。それ以外にもお弁当を捨てられたり蹴られたり机に落書きされたり発言一つ一つを笑われたり…教師に貞操を狙われたりもしました」
「酷いです!」
「許せないよっ!」
つぼみとラブが代表して怒った。他のラバーズもその理不尽ないじめに怒りを露わにする。
「就職する時も大変でした。いじめていた人たちに何度も邪魔されて、それでも会社に入れましたが....ひどい環境でした。行きたくもない飲み会に連れ出されたくさん飲まされ.....なんとか居酒屋から抜け出したのですが、ごろつきに絡まれてしまい......服を引きちぎられ、背中の火傷痕を嘲笑われ、全てに絶望していた時、庭瀬組と出会ったんです」
「私は助け出されたのち本家に連れて行ってもらい,そこで若様のお世話係を任されました。というのも、私が組に入った日、若様は事故で腕を負傷してしまっていたのです」
ゆかりがふと思い出したのように口を開く。
「そういえば、尊、1ヶ月くらい腕が使えない状態になってたわね。学校にも行けなかったのよね,確か」
「わたくしは、若様の腕が完治するまでお世話係をすることになりました」
・・・・・・・・・
「あーまただ.....ドア開けられねぇこと忘れてた」
「失礼します,若様」
「文さん」
文は戸を開け尊を誘導する。そして服を脱がせた。
「文さんは脱がなくていいの?濡れちまうぜ?あ、なるべく見ないようにするから.....」
「いえ、脱ぎます。少々お待ちください」
文も服を脱ぎ尊と共に風呂に向かう。
「文さん、背中,何かあったの?」
文は自分の身の上を話す。
「そいつらの名前と住所教えて。カチコむから。こんなに綺麗で優しい文さんを傷つけるなんて許せねぇ」
「わ、若様!?大丈夫です!今は幸せです。あの人達と顔を合わせるくらいならずっと若様のそばにいたいです。若様の手を煩わせるほどのことでもありません」
「そか」
・・・・・・・
「一時期ご主人様と呼ぶか迷いましたが、結局,呼び方は若様に落ち着きました」
「尊さん,優しいです」
「惚れないわけないよー!」
「ハートをキャッチされちゃいましたっ!」
「そういうところよ、尊…」
ゆかりたちは黄色い悲鳴をあげながら改めて尊の魅力を再認識した。
その後、一行は峯が手配した車に乗り庭瀬組本家ヘ。
その様子を陰気な男が見つめていた。
「あれは......四葉会長のご息女....呑気なものですね。」
陰気な雰囲気の男は部下に車を出すよう命じ、その場を離れるのだった。
オマケ
数日後。
尊は風呂場で服を脱いでいた。その時、いつの間にか入っていた文が声を掛ける。
「若様」
「おわっ!?文さんん!?」
「お背中,お流しします」
「1人でできるし......腕使えるし」
「ゆかりさん達とお話ししてたら、また一緒にお風呂に入りたくなりました」
「そっか。じゃ,お願いしようかな」