今日は雨だった。
「ちっ......雨かよ......」
「今日はお客さん来るかな〜」
「雨宿りしには来るんじゃない?」
「それもそっか......」
3人でキラパティに向かうと、いちか、ひまり、あおい、シエルが先に着いて待っていた。
「尊さん!皆も......!」
「皆さん、早く入りましよう!」
「少し寒い......」
尊達はキラパティで準備を進めていた。ゆかりはため息をつきながら髪をまとめている。
「雨......あまり好きじゃないのよね......。湿気で髪が重くなるわ」
「確かに、しっとりしてるなぁ」
「......触る?」
「やめとく。」
オープンしたはいいが、客足が悪かった。多くて3人ほどだった。
「全然来ないなぁー」
「.....雨だからですかねー」
「ごめんなさい......」
いちかが皆に謝るが、あきらやゆかりは笑顔で応じる。
「謝ることじゃないよ」
「暇を持て余すよりは皆と話している方がいいわ」
「あと1時間くらい待って、お客さんが来なかったら今日は店じまいにすっか」
尊の提案に賛成する皆。
......30分後。
「全然来ないぃ......!!」
頭を抱えるいちかにひまりは声を掛ける。
「今のうちに塾の宿題を済ませますね」
「個室使って勉強してきな。お前らも何かやりたいことあったらやってて。俺が店番するよ」
「はーい!」
「あたしは作詞を......」
「私も勉強しようかな」
「新しいレシピをまとめるわ!」
「わたしは......アイスコーヒーもらおうかしら。砂糖多めで」
尊がレジに立っているのだが、結局誰も来なかった。
「.....しっかし、本当にこねぇな......忙しいのは面倒だが、暇なのもなぁ」
ぼんやり嘆いていると、その時、1人の女の子が入ってきた。
「あ、あの......ケーキありますか?お持ち帰りしたいです」
「ちょうどグッドタイミング!このケーキラスト1個だったんだ」
「ラッキーだ......」
「普段いい子にしてたからかな」
そして尊は丁寧にケーキを箱に入れ、その箱をそっと袋に入れて手渡す。
「お兄ちゃんありがとう、また来るね!」
「おう。......いや、はい、お気をつけて。またのご来店をお待ちしています」
丁寧に対応する尊にゆかりが声をかける。
「......なんか変な感じね」
「ゆかりさんん?」
「それじゃ閉店しまーす!みんな風邪を引かないようにー!」
「いちかもなー!」
閉店準備を終え、それぞれの家へ帰宅した。
「......今日は早めに風呂入っとくか......」