【書籍化】配信に興味ないダンジョン配信者は今日も配信する   作:もけねこ

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感想、お気に入り登録、誤字報告ありがとうございます。

感想を見て、自分でもわかんなくなりそうだったので一旦まとめます


ドロップアイテムの取り扱いについて

未成年はドロップアイテムのダンジョン外への持ち出し、売買の禁止
加工品は持ち出し、売買オッケー

なので、ダンジョン内で拾って加工まですれば持ち出せる。
今回で言えば、剣の欠片を拠点まで持ち帰って、ナイフか何かに加工すれば持ち帰れた。

危険なダンジョン内で加工する頭おかしいやつなんていねーよ。ということで禁止されていないだけです。


クランの依頼、冒険者学校に所属している等で、ダンジョン外への持ち出しが許可される。売買はクラン、学校が行う

クランの依頼や仕事による未成年の酷使に関しては違法。違反すると以降未成年の加入が行えなくなるので、普通のクランは違反しない。うまくやってるところはあるだろうけど。

違反の詳細なラインは未設定。これは、小説書いてるときに夢希の実働時間がー、倒したモンスター数がーとか考えたくないから!!

イレギュラーのドロップアイテムに関しては、解決した当事者間(パーティ、クランなど)の話し合いで分配される。この間、一時的にそのドロップアイテムは、ギルドのものという形になる。これはイレギュラー解決の記録を取るため。
もし話し合いが紛糾するようならギルドが仲裁する。

この作品のトロルのような、特殊個体のドロップアイテム(一点もので超高価値)を分配されるような活躍をする未成年をそもそも想定していないので、未成年の云々が記載されていない。

上記のことから、ダンジョン外への持ち出し判定がギルドなので合法。また、地上での未成年へのドロップアイテムの進呈が禁止されていないため、トロルのドロップアイテムを夢希がいるパーティに渡せた。

売買は禁止なので、この方法でもらったとしても、そのドロップアイテムは売れない。


大体こんな感じになります。分かりにくかったらすいません。



配信に興味のない私と家に帰らせていただきます!!

 

「ど、どうしたの2人とも……」

「なんというか、ぺしょぺしょですわよ……?」

 

 "めっちゃへこんでて草”

 "ボスのレア泥捨ててきたらなぁ…”

 "ぺしょぺしょ草”

 "道中八つ当たりで消し飛ばされたトロル君の悲しき現在”

 "し、死んでる…”

 

 ボスであるオークキングを倒し、その肉を拠点に持ち帰った私と鬼灯は、それはもうへこんでいた。

 だって、あの大剣の欠片って全然でないで有名なんだよ? 文字通りのレアドロップ品である。持ち帰りたかったよ。武器の良い素材になるんだからアレは。石のくせに。

 帰り道にたまたまトロル(普通のやつ)に出くわしたので、鬼灯と一緒に八つ当たり気味にぼっこぼこにして来たものの、気は晴れない。

 …………一応、仕事なので太ももあたりの肉を適当に剥いできたが、これどう使うつもりなんだろうか本当に。

 

「オークキングのレアドロップ持ち帰れねーんだもん、萎えるわー……」

「うわ、それは……」

「未成年の制限がこんなところで……」

 

 "そもそも未成年が倒すことを想定してないっていう”

 "それな???”

 "マジでそれ”

 "バグキャラが生えてくること想定しろっていう方が無理あるw"

 

 テーブルに溶けている鬼灯を慰めている2人を横目に、私は収納魔法から肉を取り出していた。

 とりあえず、狩ってくることには成功したんだ。肉はここにある。だから、まずは味見だ。もうこれが美味しくなかったら、私は鬼灯と一緒に深層のオーク軍団を全部ぶっ飛ばすくらいの大暴れをしかねないぞ。そもそも、この後酔っ払いたちに巻き込まれることが確定してるんだからな……!

 まずは、オークライダーの肉から行こう。うーん、見た目的には豚肉っぽくないんだよなこれ。大丈夫かな。なんていうか、牛肉っぽい感じなんだよね、脂の入り方とかがさ。

 一口大に切って、フライパンに投入。肉の焼けるいい匂いがする。油もそれなりに出てきてるし、多分美味しいと思うんだけど、どうだろうな。肉の焼ける音と匂いで鬼灯が体をテーブルから離した。現金な奴め。

 味付けは軽く塩コショウを振るにとどめて、つまようじに刺してみんなに差し出す。さ、美味しいといいな。

 みんなで一斉に口に放り込む。

 

「ん……?」

「うーん……?」

「おーん……?」

「ほほう……?」

 

 "反応が微妙だぞ?”

 "大丈夫か?” 

 "どうした?”

 "マズかったか?”

 

 口に入れてみんなして微妙な反応になってしまった。いや、美味しいんだよ。美味しいんだけど、なんかこう、オーク系の豚っていう情報とバグってしまって違和感があるというかさ。

 

「牛肉……?」

「上品な赤身の牛肉って感じだよね?」

「豚っぽい甘さはあるよな?」

「牛の赤身の旨味と豚の甘みを合わせた感じですわね。美味しいですわ」

 

 全員の総意がまさにこんな感じである。美味しい赤身の牛肉のような噛み応えと旨味、そこに豚肉特有のほのかな甘みがある感じ。正直、とても美味しい。美味しいんだけど、お前豚じゃないのか? っていうツッコミが先に来ちゃったんだよね。

 だって食感は完全に牛肉だもんこれ。ステーキで食べるか、青椒肉絲辺りに使えそう。チャーシューにはちょっと使えないかもしれない。

 

 "赤身の牛と豚肉の相の子?”

 "美味そう”

 "豚肉だと思って食ったら牛肉だったら困惑するわなw”

 "ステーキにはいい感じか”

 

 とりあえず、オークライダーは分かった。次はジェネラルだ。

 これは、完全に豚肉の見た目なんだけど、ちょっと脂身が多いかな……? って思う。味はどうだろうか。

 これも先ほどと同じように一口大に切って焼いて配る。

 

「美味しい。こっちはちゃんと豚肉だ」

「美味しい! けど、脂がすごいね」

「最初は美味いけど、後できつくなる奴だこれ」

「ええ、少量食べるのが美味しく頂くコツになる奴ですわね」

 

 "あー、そういう感じなんだ”

 "見た目からして脂身多いもんな”

 "あれか、サーロインステーキみたいな…”

 "脂がくどくなってくるやつね”

 

 美味しい。文句なしに。でもこれはあのビューンカジキと同じ感じだ。途中で脂がキツくて美味しくなくなる奴。でも、これは多分上質なバラ肉の代わりになるはず。これでチャーシューを作ろう。絶対に美味しい。角煮でもいいかもしれない。

 そして最後。本丸オークキングである。正直、めっちゃへこみながら解体してたから、あんまり記憶がないんだけど、どんな感じだったっけ……?

 そう思いながら収納魔法から取り出して、テーブルの上に肉の塊を置く。

 

「美味しそう……」

「サシの入り方が高級肉のそれですわ……」

 

 "美味そうだよなこれ”

 "マジで高級肉のそれなんよ”

 "超ウマそう”

 "テレビとかでしか見たことないぞこんなの”

 

 彩音さんと花奈さんが目を見張る中、私と鬼灯はというと困惑していた。本当に、本当にへこんでたから全く覚えてなかったんだよね。もし仮に覚えていたら、多分拠点に帰ってくるまでの間に切り替えられていたと思う。だってこんなに美味しそうなんだよ? まあ、トロルがぼこぼこになるのは変わらないと思うけど。

 芸術的にまで入ったサシと、わずかに脂が溶け出しているのか少しテカリを持っている表面。輝いて見えるピンクの肉。これは絶対に美味しいやつです。

 一口大に切って、フライパンへ。肉の焼ける音とともに、その匂いが鼻に届いた。

 

「……!」

「わぁ……!」

「ゴクリ……」

「これは……!」

 

 "テンション上がりすぎてるw”

 "一気に天井まで届いたかwww”

 "全員画面の中に入ってきたの草”

 "前のめりすぎるwww”

 

 彩音さんが目どころか顔全体をきらっきらに輝かせ、鬼灯が目を見開いて生唾を飲みこみ、花奈さんが手で口を覆う。いや、これはぜっっったいに美味しい。間違いない。

 火が通ったところで、待ちきれないといった感じで、全員で同時に口に放り込む。

 一口噛んで、目を見開いた。

 

「おいひい……」

「しあわせ~……」

「うっま……」

「はぁ~……」

 

 "声が溶けてる!”

 "そのレベルだと…!?”

 "マジで幸せそうで草”

 "一杯食え…”

 

 いや、これ本当に美味しい。脂のくどさなんかは全く感じない。舌の上で脂が溶けていく。肉自体も非常に柔らかい。豚肉の甘みも上品に少しだけあるくらいで、ほとんど肉そのものの旨味を感じ取れる。

 なんていうか、牛肉っぽい豚肉だったオークライダーを、徹底的にブランドものにしました! みたいな味である。もうこれは美味しい。正直なところ、あと数頭くらい乱獲してきたいくらいの味である。

 彩音さんは蕩けた笑顔で頬に手を当てているし、鬼灯は目を閉じて幸せを嚙みしめているし、花奈さんは胸を押さえている。私も、ほおが緩んでいる自覚がある。

 

「……もうすべて許したわ。これが食えるならもういいや……」

 

 "【朗報】オークキング許される”

 "もう死んでるんだよなぁ…”

 "ホオズキちゃんが酒を飲むのを忘れるレベルなのか…”

 "確かに飲んでねぇ!?”

 

 鬼灯の機嫌も一瞬で直ったらしい。そりゃそうだ。私ももうレアドロップとかどうでもよくなったもん。この肉食べられるならもうなんでもいいよ。

 でもな、この肉……ただ焼くんじゃもったいないよな……

 これだけ美味しい肉なんだ、ステーキにするだけでも美味しいことには美味しいだろう。でも、もっと美味しく食べたいじゃないか。それこそ、もっと肉の柔らかさを感じながら、肉の旨味を噛みしめることができるような。そして、冷えたら美味しくなくなってしまうような調理法ではないものが。

 そう、つまり、オーブンで低温調理したロースト的なやつとか……!! 肉汁でソースだって作っちゃうよ! もう、これは絶対にそれの方が美味しいと思う。

 

「……あのさ。これ、オーブンで低温調理したら美味しそうじゃない?」

「「「!!!」」」

 

 三人の顔がバッと私の方を向く。全員目を見開いているので普段なら怯えているところだったけど、今は何も思わない。この時、私たちの考えも意志もすべてが統一されたと思う。

 

「じゃあ、片付けて帰ろう!」

「うん!」

「おん!」

「ええ!」

 

 号令をかけて一斉に行動を開始。テーブルの上の調理器具を軽く洗って、テーブルやイスを片付け、レジャーシートをたたむ。過去一番の速度で撤収が済んだ。私たちの間にはかつてないほどの結束がある。

 

 "えっ!?”

 "は?”

 "食わないのか!?”

 "え、配信は!?”

 

「配信はここまで! 私たちは家に帰らせていただきます!」

 

 全てを収納魔法の中に放り込み、最後にカメラの向こうに向かって宣言すると、そのまま配信を切った。

 さあ、ここから全速力で帰るぞ。道中のモンスターは全部蹴散らす。今の私たちを止めたいなら、あのトロルくらいは連れてくるんだな……!

 全員で目をギラギラさせながら全力疾走だ。早く帰ってこれを食べるんだ……!!

 

 "はああああああああああああ!?!?!???”

 "初めてユキちゃんに対して許せねぇと思った”

 "おいこらぁあああああああ!!!!”

 "待てえええええええ!!!”

 "生殺しすぎるだろ!!”

 " 阿 鼻 叫 喚 ”

 

 




ちょっと短めです。

次回。オークキングのローストとオークジェネラルのチャーシュー。
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