【書籍化】配信に興味ないダンジョン配信者は今日も配信する 作:もけねこ
黒焼き作ろうという感じではなくなったので、サブタイトル変更しました!
無計画ですいません!
追記:錬金周りで書いていなかったところがあったので、追記しました。
まあ、ミノタウロスの角が全然落ちないと言う問題はあったものの、とりあえず本題は果たした。なので、さっさと迷宮イモリを解体してしまう。
一応イモリの黒焼きについては調べてきたんだけど、今あれって食べないようにって注意喚起出されてるんだね。それに、作り方も結構えげつなかったし。オスとメスを竹筒に入れて蒸し焼きにするって結構……それに、そうすると、お互いを思う気持ちで心臓までよく焼けるからって怖いにもほどがあるよ。あとは、ちょっとアレな薬として使われてたらしいけども。
そういう変なところは完全に無視するとして。多分蒸し焼きにするのがいいんじゃないかと思うのだ。あくまでも多分だけどね。
流石に丸焼きにできるサイズではないから、ある程度小さくするとして……頭も無理そうだし、内臓取って胴体を蒸し焼きにして、ちょっと切る。そのくらいで行こうと思う。だから、2人に基本的に任せようと思う。そこまで難しくないと思うんだよね。関節で切るだけだし。
というわけで、2人にナイフを渡して解体を任せ、私は大鍋にお湯を沸かす作業にうつる。ナイフ作るぞー!
「えっと、これは胴体以外は切り落としていいんだよね?」
「うん。関節で切らないとうまく切れないと思うから気を付けて」
「はーい」
「わかりましたわ」
"お、解体は2人に任せんのか”
"ユキちゃんは…ナイフ作り?”
"まーた鍋で武器が出来ちまうな…”
"あの鍋マジで意味わからんよな”
"意味わからんのはユキちゃん定期”
"それ”
2人が迷宮イモリの解体に挑む傍ら、大鍋にお湯を沸かす。といっても、水入れてコンロにかけて……うん、遅いから一気に沸かそう。《ファイアボール》を水の中で発動してと。
ボコボコっという沸騰音が多少するものの、沸騰には程遠い。火の玉の周辺がそうなっているだけで、全体の温度はまだまだ低い。ゲームの大鍋が湯気を出していたから、ある程度温度がないとどうにもならないんだよね、私の《錬金》。ただの水だと、どうにもイメージとズレちゃってうまくいかない。そのまま《ファイアボール》とコンロで温度を上げていく。早く適温になるように棒でかき回しながらね。
"出たよこの方法”
"水の中で火の玉とか作れるんだもんなぁ…魔法ってすげぇよ”
"普段の料理…は流石に無理か”
"流石に材料が燃えそう”
……ちなみにだが、おそらく花奈さんのお酒造りを、《錬金》でやることはおそらく可能だと思う。どれだけ発酵させるのが難しかろうと、私の《錬金》には関係ない。材料を放り込んで、お酒出来ろーって思いながら作れば、それなりのものが出来るとは思う。もちろん、失敗する可能性の方が高いとは思う。お酒の味とかわかんないし。
でも、私はそうしたくない。花奈さんの冒険だし、それを邪魔するのは無粋だと思う。もし、花奈さんから頼まれたときの最後の手段。的なものだと思っていた方がいい。
まあ、もしやったとしても、完成には程遠いものになるから、そもそも意味がないんだけどさ。
何故かというと、私の《錬金》は、
それの何が問題って、
《錬金》は、イメージさえできれば何でも出来る。でも、イメージできないことは出来ないのである。私にとっては、お皿に乗ったパイを作るとか、ボトルに入ったワインを造るとかはイメージが出来ない。
だって、お皿は焼くものだし、ボトルは熱したガラスに息を吹き込んで作るものだ。大鍋の中でぐるぐるするだけで出来るイメージがわかない。前に作ったショートソードもそうだが、武器を素材の強度を弄るなんてことは出来ても、その形を剣に整えるのはハンマーで叩いた。だって、武器はそうやって作るものだから。
熱を加えて起きる変化とか、素材の性質を合わせるとか変化させるとか濃縮させるとかは出来ても、そこから逸脱すると途端に別の工程が必要になってしまう。
大本はあのゲームなんだけど、その上に私の普通の科学や工業の知識がのっかってしまって、変に工程が増えてしまっている。それが私の《錬金》なのである。
もし、お皿やボトルそのものを入れたとして、うまくいくか? と言われたら、うまくいかない。としか言えない。お皿に乗せるとかボトルに詰めるっていうのは、出来上がったその後に行うものだから、結局お湯が……うん。
そんなわけなので、お手伝いは出来るだろうが、その域を超えるのは無理そうなのである。どうせなら、深層に潜って色々持ってくるとかの方が役に立つだろう。
もしくは、時間加速とかの魔法を覚えてくるとか。『
「……うん、これくらいでいいね。じゃあここに角をぽいっと」
"マジでぽいっと入れるだけ!”
"そのままぐるぐるかき回すだけ!”
"でも、外見に特に変化はないんだよなぁ…”
"これマジで何が起きてるんだろうか?”
そんなことを考えている間にお湯がいい感じに沸いたので、そこにミノタウロスの角をぽいっと投入。柔らかくする。
ちらりとスマホを見れば、リスナーさんたちが困惑していたので、何をしているかの説明だけしておこうかな?
「《錬金》使って柔らかくしてるんだよ。ハンマーで叩くと形が変わるくらいの」
"その工程が意味わかんねーんだよ!!”
"柔らかくしてるんだよ。の工程をですね…”
"まあ、《錬金》ってイメージ大事なんでしょ? そういうことだろ”
"多分、熱入れて真っ赤になってるときとかあの感じにしてるってことでいいのよね?”
「そんな感じ」
うん、伝わったみたいだね。配信を始めてからというもの、割と真面目に会話が上手になった気がしている。話す機会が増えるって大事だね。
さて、柔らかくなったので、取り出してまず、マイナスドライバーで半分に割る。片方は鞘になる予定だ。まずは、ナイフ本体にする側をハンマーでコンコンと叩いて。今回はそんなに形を変える感じではなく、角の曲がり具合をそのまま生かして……峰の部分だけまっすぐにして、刃をちゃんとつければとりあえずオッケー。
そして、もう一回大鍋にぽいっと入れて完成。あとは、鞘を作るだけだね。といっても、これもそのままハンマーでコンコン叩いて……よし。オッケー。さ、大鍋にぽいっと。
"この工程で武器が一個出来るの、鍛冶師がブチ切れそう”
"キレる程度で済むのか…?”
"マジで一瞬でナイフと鞘出来るのいかれてるだろwww”
"うしろで解体が終わる前にナイフ製造終わるの草”
"マジじゃんwww”
あとは、ぐるぐると回して……よし、本体と鞘は完成。あとは皮を入れて……同じようにしてから、ナイフで切って包帯みたいにして、グリップに巻いていく。よし、完成! 見た目は普通の片刃のナイフである。ミノタウロスの角が素材なので、色が黒茶色だけどね。
よーし、彩音さんたちは……まだ終わってないね。よし、切れ味の確認も兼ねて、解体を手伝おう。そこまで切れ味はよくない……はず。少なくとも、今使っている解体用のナイフよりは上だが、ショートソードほどはよくない。だから、刃を入れたらそのまま骨ごとスパっといく。なんてことはないはずだ。
「アヤネさん、カナさん。ナイフ出来たから、これでやってみて」
「え、はや!?」
「凄まじいですわね……なんだか、リスナーとして見ていた時よりも、今の方がユキさんの特異性を思い知っている気がいたしますわ……」
2人にナイフを渡して、貸していたナイフを回収。こいつとも、今日でお別れかな。今までご苦労様。
ナイフを渡された2人は、早速残りの解体を始めた。切れ味のよさにご機嫌である。
「わ、すっごく良く切れる!」
「切りすぎないように注意しなくてはなりませんわね」
"マジでスパスパ切れてて草”
"あー、こんな感じなのか…”
"解体風景見る機会少ないもんなぁ…”
"こう見ると、結構グロくないな。血以外は”
私も試してみたいけど、いないから今回は見送りかな。流石に3頭も食べられないしね。いや、包丁代わりに使えばいいか。
さて、2人が解体を終えるまでの間に、片付けと準備をしてしまってっと。それにしても、ぱっと見は白身の肉だったので、あっさり目の味なのかもしれない。食べるのが楽しみだな。
それにしても、蒸し料理にするつもりとなると、味見も蒸しと焼きの二種類用意したいな。となると……フライパンと蒸し器の出番である。蒸し器っていうか、鍋に入れる網だけど。100円ショップで買ったやつ。何かと便利でよく使ってるんだよね。
調理器具の準備が終わったところで2人の解体が終わったようだ。ふむ。本当に2人とも上手だな……最初の頃の私と何が違うのか……? とはいえ、皮は剝いでいなかったので、最後の仕上げだけさせてもらった。うん、本当に切れ味いいねこのナイフ。頑丈だし、いいものが出来たと思うよ。
「よし、まずは焼いていこうか」
「どんな味かなー?」
「美味しいと良いのですが。見た目は綺麗な白身の……それこそ、鶏肉のような色をしておりますわね」
「ね、美味しそう!」
"モンスターの肉って、大抵見た目美味そうなの不思議だよな”
"そもそも、見た目マズそうな肉ってどんな奴よ?”
"紫色してるとか…”
"それはマジでマズそうwww”
"腐ってるやつで草”
というわけで、まずは、大小両方の肉を蒸し器に投入する。時間かかるし。
で、あとはフライパンで焼いていく。まずは中層の小さい方から。肉の焼けるいい匂いがするので、においに関してはクリアだね。あとは味。どうかな……? みんなで味見だ。
「いただきます」
はむ。うーん……美味しくはある。なんていうか、ささみ肉みたいだ。でも、ぱっさぱさ。水分が足りない。蒸した方がよさそうだねこれは。
彩音さんも花奈さんも微妙な顔をしている。
「パサパサしてる。味は鶏肉みたいな感じ」
「まさにそんな感じですわね。確かにこれは蒸した方がよさそうですわ」
"パサパサだったかー”
"でも、鶏肉の味するんや”
"これは唐揚げがワンチャン…”
"唐揚げ万能説来たな…”
"それは唐揚げがうまいだけ定期”
次に、下層の大きい方。これも多分パサパサになるんじゃないかなと思っているんだけど……大きさと生息域が違っても、同じモンスターだしね。肉の見た目もほぼ一緒だし。こっちの方が脂がのってるかなって感じはするんだけどね。
「うん? 味は美味しいね。脂ものっててさ。でも……」
「うん、味は美味しいね! 味は……」
「味は美味しいですわね……」
口に含んでその味の美味しさに喜びつつ、しかし、微妙な顔を見合わせる。いやだってさ。
「パッサパサだね……」
「うん……口の中の水分全部持ってかれた……」
「これは中々厳しいですわね……」
"【悲報】迷宮イモリ、パッサパサ”
"美味さをかき消すほどのパサパサなのか…”
"口の中の水分持ってかれてそう”
冗談でなく、パサパサである。口の中の水分大半持ってかれたもん。単品で食べるのは結構つらいものがある。みんなで水分を補給する。うん、口の中が生き返った。
うーん、美味しいんだけどなぁ……脂ものってて、高級な鶏肉って感じなのだ。硬さもそうでもない。しかし、本当にパッサパサだよコレ。こんなにパサパサになるんだ……
さて、蒸した方も出来上がったようなので、そっちに賭ける。中層の物よりも下層の方が美味しいとわかったので、悪いが小さいほう。君は食べない。
今度はどうかな……?
「! 美味しい。全然パサパサじゃない」
「適度に脂が乗ってて本当に美味しいね! 鶏肉っぽいんだけど、鶏肉じゃないみたい」
「いいですわね、この感じ。柔らかくて美味しいですわ。このままポン酢だけでもよさそうです」
"ええやん”
"蒸すだけでそんなに違うんか?”
"脂の乗った鶏肉ってどんな感じなんや…?”
"よーし、これは…サラダチキンとかでええか?”
"さっきのコメントで唐揚げ食いたくなって頼んじゃった”
"ここのリスナーはこうして飯を食うのである…”
脂が適度に乗っていて、パサパサしているでもなく、鶏肉のような味がする。そして、蒸さないと何故か水分がどっかにいく。
ふむ。つまり、鶏肉の蒸し料理がいいわけだね? よーし、腕によりをかけて作るぞー!
中層のイモリ「解せぬ……」