Quietum die   作:裸エプロン閣下

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改名してほのぼのしようと思ってすぐこれだよ。
これもきっとBGMの所為だな、Ont logy聞いてたし。
てなわけで今回のBGMはOnt logy(戦国ランス)、もしくはHolocaust(Dies irae)を推奨。
それはそうと今回あのお二人×2が戦います。特に後半はいろいろ盛り込んだw



喧嘩と争奪

「フハハハハハハハ!!!」

 握りしめた拳が枯れ木のような男の頬に入る。拳の威力と男の体つきから首が折れてしまうのではないかと、普通ならば思うだろう。しかし男は口から少しばかり血を出すだけで全くダメージを感じていないかのようだ。

 

「フハハハハハハハ!!!」

今度は枯れ木のような男が指を揃えて拳を握っていた男の腹部に槍のように早く、鋭い一撃を喰らわせる。第二関節までめり込んだそれは間違いなく急所をついているようだ。これまた普通ならば死に至るのではないかと思う。だが男はふん、と鼻で笑い刺してきた男に腕をつかみ自分と同じように腹部に強烈な一撃を叩きつける。さすがにこれは効いたのか僅か、本当に僅かだが体勢が崩れる。プロでも気付くことないような僅かな力の緩みを見抜き鼻っ柱に再び強烈な一撃を見舞う。あまりの勢いに顔が一気に持ち上がり血飛沫が両者の顔を汚すがそんなことを気に掛けず、持ち上がった顔にさらに振り下ろしの一撃を加えようとし、

 

「ッ!」

当たる刹那の瞬間攻勢だった男の顔が枯れ木のような男と同じよう、否それ以上に跳ね上がる。その際に放された腕で再びの貫手が、それも四発。先ほど刺した場所に加えて都合五か所の出血、重症だ。しかしそれを筋肉を締めることによって止血する。

 

「やるな、カール」

「そちらもな、ハイドリヒ」

 そう言い貫手を喰らった男、ラインハルトが枯れ木のような男、カールクラフトに惜しみのない賛辞を呈する。対するカールも同じように呈する。互いに全力での殴り合い、もし相手が余人だったら一撃どころか気迫で沈んで、いや死んでいるだろう。

 

「やはり卿との喧嘩は全力を出せて心が躍る。なによりも、生きている感じがするよ」

「私もあなたとの喧嘩は全力を出せて心が躍る。この三億年間マリィと過ごしているとき以外、何時如何なる時も退屈すぎて詰まらなかった。だが今この時、この瞬間はその怠惰に過ごした三億年を上回るほどに、生を実感するよ」

「ならば」

 そう言いラインハルトはどこからか黄金に輝く槍を取り出す。

 

「そう、ならば」

 カールの足下が白く輝き、そこから白い双頭蛇が出てくる。白蛇は富をもたらし信仰される蛇、そして双頭蛇はキリスト教で戒律か欲望に揺れる人の象徴だ。それの意味を理解できるものは少ないだろうが、ラインハルトには判る。

 

 ――カールクラフトは幸せを願っている。

 もっともその幸せまでは分からない。今行っている闘争か、それとも愛娘との日々か、少なくとも今あげた二つはありえないだろう。この男の性根は無限に続く螺旋よりもなおねじ曲がっている。故に彼の望む幸せとは非常に簡単で、単純で、一瞬で済む事。それ故に最後の最後まで気付けないだろう。

 まあいい。そんな先の事は置いて今は目の前の事に集中しよう。

 すでに両社は当初の目的を忘れており、ただこぶし(たましい)をぶつけることだけを考えていた。それは怒りでも悲しみでもなく、愛ゆえに。

 

「「行くぞぉおおおおおおおお!!!!!」」

 

 PS.現時点での被害総額、\2,489,200,000也。

 

 

 ※※※

 

 

「おっらぁ!! もらったぁ!」

 朱槍のように伸びた腕が眼前の狼を蹴散らし、入り口から最も遠く離れた弁当コーナーに残った最後の一つを掴もうとする。

 

「おぉっと、そうはさせませんよ。そぉら!」

 横からロープが絡まり腕は弁当から離れそのままコーナーのガラス部分へ突っ込む。そしてそこには鋼鉄の男、岩谷巻奈がいる。そのまま男、ヴィルヘルムは強烈な一撃を受けて遠路はるばる(それほどでもないが)アイスコーナーまで吹き飛んでいった。

 

「ふ、相変わらず容赦がないな、シュピーネ」

Yetzirah(イェッツラー).ですがそれはあなたも同じことではないでしょうか。いかにここが戦場で狼と言えど些かやり過ぎだと私は思うのですが」

 互いに雑談をしながらも攻撃の手は一切休めない。当たれば一撃死(りだつ)は免れないマキナの拳に、からめ捕られたら名持ちの狼とて逃れられないというシュピーネの捕縛術。おまえら教師だろ大人だろ家帰れよ自炊しろよ、という言葉が聞こえなくもないが家に行っても経ったひとり侘しい食事、そして自炊できる男がこんな年まで浮いた話の一つや二つ、無いわけがない。

 

「戦場には俺とお前の二人、勝利は一つ、ならば」「Yet(イェツ).戦うしかないでしょう」

 マキナが拳を大きく振りかぶる。シュピーネが使ったロープを一気に回収する。

 

 マキナが全身全霊の拳を放つ。シュピーネがロープで捕縛を狙う。

 

 結果は――

 

「グッファ!!」

 シュピーネの負け、顔面に全身全霊の一撃を受けて吹き飛ばされちょうど客が来て開いた自動ドアの向こうへと消えていった。その数秒後、急ブレーキ音がいくつも聞こえたが気にしない。

 

 それを見届け、マキナは弁当コーナーに残っていた最後の弁当を手に取る。ちなみに品名は【粘れ諸君! オクラ納豆とろろ蕎麦!】(四四〇円・半額シール付)だ。好みなのか普段は全く見せない笑みをわずかに見せる。

 

「(マ、マキナが笑ったぞ……っ!)」

「(な、なんだと……っ!?)」

「(そ、それは……)」

 

「「「(((誰得なんだよ……)))」」」

 全くだ。レジでお金を払い悠々と出ていくマキナ。倒れ伏した狼たちはそれを見てもまだ立ち上がることが出来なかった。近くで聞こえる救急車のサイレンを聞きながら痛みを癒すしかなかった。

 

「……司狼も、シュライバーもいねぇのに、俺が欲しい弁当は、奪われるのか、ょ……」

 それがお前の定めだ、諦めろ。

 




今回はちょっと短め、風邪で超頭痛喰らって昨日の昼ごろから今日の昼ごろからダウンしてた影響か頭が回らん……。

あとシュピーネ、YetzirahをTes.みたいに使うなw
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