死にたくないので回避していたらヤマト操舵手になってしまいました   作:LIN001

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前回のあらすじ:家族との最後の通信も終わり、いよいよ太陽系外へと進出するヤマトでした。

推奨脳内BGM:星巡る方舟「寛ぎ」


11 第11番惑星

 「うーん、最近オムシス好調? 前よりおいしくなったような」

 「ええ、私もそう思います」

 「もしかしたら真田さんが何か改良したのかな?」

 

 ヤマト艦内、食堂。朝食をとっている真っ最中。

 僕の隣には雪ちゃん、相向かいには相原が座って一緒に食べている。

 

 「副長、結構食べますね」

 「ん? まあねぇ。身体小さいからあんまり食べてないのかってよく言われるけど、僕は結構食べるほうだよ?」

 

 うん、僕は昔から割と大食いだったのに、なぜか身体は成長してくれないんだよねー……胸はそこそこ、いやかなりあるけど。なんでや、身長伸びろや。

 

 「それにしても、オムシスって不思議ですよねぇ。いったいどうやって無限に食料が出てくるんでしょう」

 「……それは知らないほうが幸せだと思うなぁ」

 「あら、副長は知っているんですか?」

 「まあね」

 

 そりゃ、副長になるにあたり艦の仕様書とかいろいろともらえたからね。っていうか原作(ゲーム版ではなく2199のほう)である程度知っていたし。

 

 「まあ、以前の軍艦とは違ってこういう普通の料理を好きなだけ食べられるんだから、不思議に思うのはわかるけどね」

 「そういえば副長はほかの船にも乗っていたんでしたね」

 「ん、駆逐艦には厨房が存在しなくてね。レトルトの調理すらできずにエンジンの熱で温めただけのものだったよ」

 

 そう、ヤマトは無限のエネルギー供給ができる波動エンジンと人類最後かもしれない戦艦ということで、コスト度外視で超高性能なオムシスが搭載されたんだけど。

 以前の軍艦は電力カツカツだし狭いしコスパ重視だしで保存食しか食べられなかったからなー。

 

 駆逐艦に至っては厨房が存在しないから、出港後数日が温めたレトルト、それ以降はあんまりおいしくない保存食ばかりだった。

 

 「そういえば地球でも電力供給用の小型波動エンジンの開発と、循環型食糧プラントの建造計画を聞いたことがあります」

 「うん? 僕は聞いたことないなぁ。まあヤマトが完成したら地球の住環境の維持にリソースが回されるのは当然か……帰るまでに多少は改善しているといいけど」

 

 まあ、地球も地球でえらいことになってるからねー。

 

 日本人は食料事情が壊滅するとマジギレするので、政府がどうにかこうにかバイオプラントだの高層ビル型農場だのを作って維持していたけど。

 海外はゴムみたいなまずい保存食しか食べられなくなった国もあるって聞いたな……お気の毒に。

 

 と、僕がモグモグしていると。

 

 『艦長、副長、至急艦橋までお越しください。通信が入りました』

 

 と、放送がかかったので残りを慌てて口に突っ込む。この声は小宮さんだな。

 

 「副長、私が片づけをしておきますわ」

 「んぁ、ごめん……ふぅ、行ってくるよ」

 

 何とか飲み込んで、急いで主幹エレベーターまで。今ここって、地球と通信できたっけ?

 

 

 

 

 

 

 「こちら地球の宇宙戦艦、ヤマト……儂が艦長の沖田十三だ」

 『ガミラス銀河方面軍、ソーラー星系第11番惑星基地の司令、レミ・レアよ。当方に戦闘の意思はないわ』

 

 なんと艦橋に入ったらびっくり、ガミラス側と通信をしていた。

 第11番惑星……確か2199では人工太陽の不調で使われていなかったガミラス軍基地があったけど、PS版では何の言及もされていなかったから全く考えていなかったよ。

 

 相手は女性で、青い肌に瑠璃色の瞳、髪はロングストレートの……勝色あたりか。

 すごくきれいな人だ……僕もあんなふうになりたかった。

 

 『交渉をしましょう。我々第11番惑星及び、その駐屯艦隊はヤマト帰還まで地球に対し一切の干渉をしない。その代わり、ヤマトはこの第11番惑星の存在を地球に対して報告しない……良い条件だと思うけれど』

 「むぅ……しかしそれでは、第11番惑星基地所属以外の艦隊が地球に向かう可能性もあるのではないでしょうか」

 『正論ね。ただ、わが第11番惑星基地は人工太陽の不調によって本格稼働していないので艦隊の往来も最低限だし、銀河系内部での戦争もあるので他の艦隊がこんな僻地に来る余裕もない』

 

 あ、こっちの世界でも人工太陽の不調で第11番惑星基地は本格稼働してないのか。

 あと銀河系内部での戦争って……まさか、ボラー連邦か?

 

 『どちらにしろ、あなた方には受ける以外の道はないと思うけれど? 当方の戦力でヤマトを潰すことは不可能だけれど、地球を潰すことなら容易いわ』

 「……わかりました、その条件を受け入れましょう」

 『交渉成立ね。それでは、こちらからはこれ以上の干渉はしません。通信終了』

 「通信、切れました」

 

 あ、言いたいことだけ言って切った……まあ、第11番惑星で余計な戦闘をせずによくなったのはいいことか。

 

 「総員に通達、ガミラス第11番惑星との交渉により、我々はこれを見なかったことにする。第11番惑星が太陽系に存在することは、帰還まで忘れておけ……以上だ」

 

 ……ところで僕、来た意味なかったのでは? 艦長が交渉終わらせちゃったし。戻っていいかな?




 第11番惑星基地司令はオリキャラです。

 ※誤字報告ありがとうございます。今回はひどかったと反省しております(´・ω・`)
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