死にたくないので回避していたらヤマト操舵手になってしまいました 作:LIN001
ヤマト艦内、作戦指令室。
ここでは今、ヤマトの士官が集まって今後の航路を決めていた。
「外宇宙っていうと、なにもないところを想像してたけど……いろいろあるんですね」
「艦長、このオレンジ色のはアステロイドですよね? では、この紫の部分はいったいなんですか?」
「星間ガスだ。たとえ外宇宙といえども、まったく何もない空間がひたすら続くわけではない。
希薄な星間ガスや岩石などが空間に広がっている部分も多数存在するのだ」
うん、コスモレーダーの探査結果を見た雪ちゃんも驚いてたもんねー。
「これらのガスは非常に希薄なものだが、超高速で進むヤマトにとっては大きな抵抗になりうる宙域だ。
また、その中には濃密な暗黒ガスもあるかもしれん」
「ガス帯、ですか」
さて、ここで僕が真田さんに頼んで改良してもらったレーダーの出番である。
真田さんが一歩前に出て説明を始める。
「暗黒ガスの中ではレーダーが利かない可能性もありましたが、撃沈したガミラス艦のレーダーを解析しヤマトのコスモレーダーを改良しておきました。
応急的なものなので精度はイマイチで、メインレーダーには手を加えていないのでメインレーダーは使えなくなりますが……通常航行する程度は問題ないはずです」
うん、レーダーが使えないと割と真面目に迷子になるからねー。
暗黒ガスの中だと光学観測も多分使えないだろうし。間に合ってよかったよ。
「うむ、次にここを見てくれ」
「星……ですか? なんだか、こちらのほうは道が開けていますね」
「うむ。太陽に最も近い恒星とされる、ケンタウルス座α星だ。この星は見てのとおり3重連星になっている……。
もしこの恒星系に惑星があれば、有用な資源を入手し、ヤマトの強化に役立てられるかもしれん」
うん、これは艦長と僕で事前に話し合った結果、こちらの恒星系に立ち寄ってみることになった。
ただ、問題は――
「ただし、こちらの開けた場所を通る場合、ガミラス艦隊としても身動きがとりやすくなるだろう」
「ガミラス艦隊の中を突っ切ることになるかもしれない、ってことですか」
「そうだ……。警戒態勢のまま行く必要があるだろう、特にメインレーダーの利かない暗黒ガスの中ではな」
「目視での観測になりそうですね」
というわけで、アルファ星系へ向けて航行することになった――のだが。
「艦長、微弱なパルスの発信源が進路上にあります」
「ふむ……発信源が何かはわかるかね?」
「不明です、非常に小さい物体としか。望遠鏡で拡大投影してみます」
と、ここでイスカンダルのスターシャさんが打ち上げてくれた、カプセルを回収するイベントが起きた。
そういえば、PS版ではカプセルの回収とかもあったね。確か最初のカプセルは大事な中身が脱落していたはずだけど。
「カプセル、か」
「そのようですね……艦長、回収許可を」
「ガミラスの罠という可能性は……いや、そうだな。回収してみよう」
というわけで、カプセルを回収した結果――なんと、カプセルの中身は無事だったのだ!
いや、びっくりしたよね。地球からイスカンダルへの航路マップとその周辺地図、さらにガミラスとイスカンダルが双子星であることもここで分かったんだから。
中身を解析したのが、艦橋だったので……まあ御察しのとおり、パニックになった。
「ガミラスとイスカンダルが、双子星!?」
「このままだと、ヤマトはガミラスに向かうことにもなるぞ!?」
「艦長、どうしましょう、艦長!」
「もうだめだぁ、おしまいだぁ」
「止まるんじゃねぇぞ……ブツブツ」
うーん、このカオス。もうそろそろ艦長が喝を入れるはず――
「おちつけぇい! 我々はたとえどんな困難があろうとも、絶対にイスカンダルまでたどり着かねばならん!」
「し、しかし艦長――」
「たとえガミラス艦隊が待ち受けていようとも、行かねばならん……すでに我々は、不可能だと思われていたガミラス冥王星基地を壊滅させている。
我々とこのヤマトがある限り、不可能はない……真田君、データを残らずすべて書き出し、ヤマトのメインフレームにコピーしておいてくれたまえ」
「了解しました」
いやぁ、まさかの中身が地図とはね。
最初のカプセルにとんでもない爆弾を入れてくれたものだよ、スターシャさん……知らぬが仏という言葉を知らないのかな?
ゲーム通りの展開だけだと面白くないかなと思ったので、ゲーム版をもとに少し違った展開をしてみました。
次回、アナライザーがやらかします。