死にたくないので回避していたらヤマト操舵手になってしまいました   作:LIN001

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推奨脳内BGM:2199「哀しみのスカーフ」

前回のあらすじ:ヤマト主砲から99式徹甲弾が発射されて困惑したよ!


03 ヤマト発進

 「皆、よく集まってくれた。では聞いてくれ。

 我々はこれから14万8千光年のかなたにあるイスカンダル星へと旅立つ。往復29万6千光年という、遥かなる旅だ……。

 だが、いくら宇宙戦艦ヤマトが完成したからとはいえ、ガミラスと我々の戦力の差は歴然としている…。だが、それでも我々はやらねばならん。1年という限られた日数の中で生きて帰り、この星を……地球を救わねばならんのだ。

 しかし、わしは諸君らの安全を保証してやることすらできん……」

 

 翌日、大ホールで沖田艦長の演説。僕は副長なので、沖田艦長の斜め後ろに控えて聞いている。

 並んでいる顔ぶれを見ると、原作通り古代の隣に島がいるな、ヨシ! ……昨日書類で確認したけど、島は航海班副班長になっていた。つまり僕の直属の部下である。

 

 「だから、わしは諸君らに選択の機会を与える。抜けたいものは、搭乗までの間に抜けてくれても構わん。わしはヤマトで待っている。……以上だ」

 「各員、乗船開始」

 

 乗船開始の号令は僕が出した。まあ副長だからね。

 

 そしてあの、行進シーンである。色々と声をかけられるけど、それぞれ家族と挨拶を済ませるんだよねー。

 そして、僕も。

 

 「お姉ちゃん!」

 「鈴音」

 

 妹の鈴音、今世で唯一の家族である。

 

 何だろうね、僕って親に恵まれないらしく、両親は鈴音を産んですぐ音信不通、今は生きてるのかどうかすらわからない。

 

 「お姉ちゃん、帰ってくるよね……?」

 「はっはっは、僕が操縦する船が沈むわけないからね。安心して待ってなよ」

 「うん!」

 

 いやぁやっぱ妹ってかわいいね。僕に似てちょっとちっちゃいけど、僕よりもかわいらしい……これから1年近く会えないとなると辛い。

 

 「んじゃ、行ってくるよ」

 「うん、行ってらっしゃい。……頑張ってね」

 「よーしお姉ちゃん頑張っちゃう!」

 

 やったぜ、妹に頑張ってねって言ってもらったぞ! ヒャッホウ!

 

 

 

 

 

 「次郎、親父、おふくろ……待っててくれよ、きっと、帰ってくるからな」

 「島、甘い夢は、今のうちに捨てておいたほうがいいぜ」

 「なに!? どういうことだ、古代!!」

 「……もちろん、俺は全力を上げてこの計画に命をかけるつもりだ……しかし、いざ出港したら俺達の運命は沖田艦長にすべて握られてしまうんだぞ!」

 「古代……きみは沖田艦長が信用できないのか……?」

 「たしかにあの艦長はすごい人だ。だが、その影で死んでいった人だってたくさんいるんだぞ!」

 「わかったよ、古代……俺は家族の見送りを受けて、少しいい気になりすぎてた。君のたった一人の家族だった兄さんも、冥王星戦線で戦死したんだったな……」

 「ただ…俺は沖田艦長の冷たさが、少し気になるだけなんだ……」

 

 艦橋についてから、古代と島の会話である。そういえばあったね、こんなシーン。

 このあと古代が沖田艦長を呼びに行って、写真を見つけて「あっ……」てなるんだっけ?

 

 なお、島は古代を挟んで反対側の副操縦席に座っている。

 

 さて、次は超巨大ミサイルが飛んでくるんだっけ。エンジン始動は僕の役目かな。

 

 

 

 

 

 

 「艦長、超巨大ミサイルをキャッチしました!」

 「メインパネルに表示しろ」

 「はい」

 

 上部のメインパネルに、例の惑星間弾道弾が表示される。

 

 「冥王星付近から発射された模様です」

 「弾道から計算して、敵ミサイルの進路を予測しろ!」

 「はい! ……進路計算完了、敵ミサイルの進路は北緯30度43分、東経128度……つまり、ここです! 目標は、このヤマトだと思われます!」

 「くそっ、この大事なときに! 艦長!」

 「慌てるな! 鈴、波動エンジン始動!」

 「了解、波動エンジン始動します」

 

 よしきた、今に備えて脳内シミュレーションは完璧なのである。

 

 「波動エンジンエネルギーコンデンサ120%!」

 「補助エンジン動力接続」

 「補助エンジン、動力接続。スイッチオン」

 「バイパス解放、フライホイール始動」

 「バイパス解放、フライホイール始動。低速回転100、200、500、1200……」

 「フライホイールの接続とともに出力全開、一気に飛ぶ。真田さん、準備を」

 「了解」

 

 アニメ版ではしっかり始動を確認してから飛んでいたけど、まあその必要はないだろう。

 フライホイールの回転数が完全に落ちると出力が落ちてしまうので、最初から出力全開にしてしまうのだ。

 

 「よし、岩盤爆破を! フライホイール接続・点火!」

 「総員、対ショック用意! あれだけ大きなミサイルだ、爆発したときの衝撃は凄まじいものだろう。砲撃と同時に衝撃波を抜け、その爆風に乗って一気に大気圏外へ浮上する。

 宇宙戦艦ヤマト、発進!」

 「ヤマト、発進します!」

 

 有り余るエンジン出力を使って、慣性制御で浮上。

 同時に、主砲3基9門がミサイルの方へ向く。

 

 「主翼展開」

 「主砲、全門斉射!」

 

 主砲から白い光線が発射され、ミサイルに直撃−−大爆発。

 ヤマトは地面スレスレにいるので、横向きの爆風に煽られる。コレに乗って、一気に大気圏外へと浮上する。

 

 よし、うまくいった。次は初戦闘だったかな?




 旧作では沖田艦長の息子さんは冥王星戦線で戦死していますね。
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