ソシテアナタニ   作:カニ漁船

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無料十連で賢さルドルフ引いて50連しないうちに目的のシービー引いたので撤退。勝ち組じゃ勝ち組じゃー!


いざ、海外遠征へ

 グランドマスターズの交流会も終わった。そんなわけなので。

 

「いざ、ドバイに行きましょうッ!」

「イクイちゃん、気分が悪くなったらすぐに言ってね?」

「だ、大丈夫です先輩。なんとか我慢してみせます」

「いや我慢したらダメだからね!?ダメそうなら本当にすぐに言ってね!」

 

 ドバイのレースに出走するため、飛行機に乗ることになった。今回はチームメンバーだけじゃなくて、シュガーライツさんや協力してくれるみんなもついていくのでかなりの大所帯である。

 移動手段は飛行機、なんだけど。

 

「まさか理事長が飛行機そのものを用意するとは思わなかった……」

「理事長さんの行動力ならやりかねないと思ってましたけどね」

「強く否定できないね、それは」

 

 なんと秋川理事長が用意したプライベートジェットで行くことになった。理事長曰く。

 

「プロジェクトL'Arc以降、海外遠征が活発になってきたからな!URAと連携することで、海外遠征用のプライベートジェットを購入した!機内も快適、ベッドも完備!これで遠征も盛んにできるというものっ!わーっはっはっは!」

 

 らしい。にしても飛行機そのものを購入するとは。URAとも連携しているらしいし、たづなさんも反対できなかったのかもしれない。真相は分からないけど。

 

「URAとしても、日本のウマ娘が海外で活躍するのは嬉しいことなのだろう。ありがたく使わせてもらおうじゃないか」

「Exactly──その通り、だ。ただ、Gorgeousすぎる、気がするが」

「クハハ!我らを運ぶ箱舟は、こうでなくては!」

 

 とにかく、このプライベートジェットでドバイへ。あえて使用感を言うのであれば……めちゃくちゃ快適だった。

 

 

 で、ドバイについたわけだけど。

 

「うっぷ……」

「わー!?イクイちゃんが大変なことにー!」

「ひとまず水を飲んで。すぐに移動はしないし、このまま空港で落ち着くまで待とうか」

「わ、分かりました……」

 

 イクイノックスが酔いでダウンした。一番酷いのが彼女で、他のメンバーも大なり小なり影響が出ている。ナリタタイシンもちょっと気持ち悪そうにしてたし。空港で落ち着くのを待ってから移動した方がいいだろう。別に急ぐこともないし。ミーティアのメンバーは慣れもあるせいかほとんど影響なしである。

 

(ドバイのレースが終われば次は欧州。対策は考えておくべきだね)

 

 今回も対策はしたけど、それでもこれだ。リサーチ不足かもしれないし、もっと効果があるような情報を調べておかないと。

 全員の調子が落ち着いたら、次はホテルへ。遠征の時にいつもお世話になっているホテルでゆっくりとくつろぐ、前に。

 

(ドバイシーマクラシックとドバイワールドカップに出走するウマ娘のリストアップ。そして乗り物酔い対策になりそうな情報を検索、と)

 

 リストアップの方はあらかた終わっている。レース映像のチェックは後回しにしよう。今はまず、イクイノックス達の方が大事だ。

 とはいっても、ほとんど見たことある情報しか載っておらず。

 

(なにかあればいいんだけど……これも見たし、こっちもやったけどあんまり効果はなかった)

「地道に積み重ねるしかない、か。本人もついていきたい、って言ってるし」

 

 後学のためにも、今後のためにもレースを見るのは大事だ。できることを最大限にやろう。

 

「さて、と。ドバイのレースに出走するウマ娘のレースを「バクシンバクシーーンッ!就寝の時間ですよトレーナーさんッ!」……終わりか」

 

 この後バクシンオーに連行されて寝ることとなった。僕の信用がなさすぎる。当たり前だけども……!

 

 

 そして翌日のトレーニング。3回目のアップデートイグザムを遂げたサティによる、強化版トレーニング……かと思いきや。

 

「ふぐぬぬぬ……!」

「Challenge.まだまだ、いけるはずだ」

 

 シュガーライツさん自身のトレーニングも並行して始まっていた。シンボリクリスエスが付きっきりで教え込んでいる。

 なんで?と思うかもしれないが、これに関してはサティがフルダイブ型のロボットというのが関係しているらしい。博士の身体能力が向上すれば、その分だけサティの能力も向上が見込める、なんてことをエアシャカール達が推察していた。

 

(加えて、サティのスペックが向上するにつれて博士の身体が追い付けなくなってきている。だから博士本人の身体も鍛えなきゃいけない、か)

「良い調子ですよシュガーライツさん。その調子で、もうワンセット行きましょうか」

「わ、分かったっ、聖トレー、ナーっ!」

 

 エアシャカール達の推察を聞いて、シュガーライツさんも実践することを決めた。もう一度トレーニングをすることはないだろうと思っていたらしいけど、これが夢に進むための一歩だと信じて進んでいる。なら、それを後押しするのが僕の役目だ。

 

「Good.次は、ラットプルダウンだ」

「ハァ……ハァ……き、きつい……」

「お疲れさまだねぇ。では、ミーティア特製の疲労回復プロテインドリンクだ」

「光ったりしねェだろうな?」

「安心したまえ。それはトレーナー君にしか飲ませないから」

 

 できれば僕にも飲ませないでほしいのだけど。

 

 

 

 

 

 

 ドバイについてからのトレーニング。もう何度か来ているので慣れたものだ。

 

「今回のレースではキングジョージの勝ちウマ娘が出走してくる、が。君ならば問題なく勝てるだろうね」

「当然だ。年が明けて最初のレース、落とすわけにはいかない」

 

 ドバイシーマクラシックを始動戦に選ぶウマ娘は多い。日本からも、私以外に出走してくるようだからな。無論負けるつもりはないが。

 トレーニングも抜かりなく取り組む。グランドマスターズの交流会で、自分の至らなさを突き付けられた。

 

(ドリームトロフィー。トゥインクル・シリーズで結果を残したウマ娘のみが進むことを許される、猛者の舞台。特にテイオーさんと戦えたことは、私にとって幸運だった)

 

 彼女の強さを肌で実感できた。彼女だけではなく、タマモクロスさんとも走ることができた、三女神様とも走れた。それのなんと幸運なことか。

 

(願わくば他の猛者とも戦いたかったが、それは次の機会だ。グランドマスターズ……本戦へ進むことができれば、おのずと戦うことができる)

「そのためにも私自身が強くなる必要がある。荒々しくいくぞッ!」

「おっとぉ、随分な気合の入りようだ。その調子で頑張りたまえよ!」

 

 それに、先達だけではない。私にはキタサンを筆頭としたライバル達がいる。特にキタサンは、私よりも先に適性Sの高みへと至っている。おいていかれるわけにはいかない。

 

(さらに、サウンズオブアースには一度負けた。そのリベンジを果たさなければならない)

 

 有馬記念の彼女は素晴らしいものだった。映像で見返すと、ゴールドシップの後ろに張り付き、最後に躱して追い抜く。ゴールドシップを風除けに使うことでスタミナの消耗を抑え、脚もしっかりと溜めておくというしたたかな一面を見せていた。あのスタイルは私も見習うべきだろう。

 それに、キタサン達もだ。有馬記念はキタサンに先着できなかった、シュヴァルグランとクラウンはシニア以降強敵となるだろう。

 

(時間が進むにつれて、ステータスによる差はなくなってくる。そうなると勝敗を分けるのは、経験値の差だ)

 

 レースの技術に対応力、いかに冷静にレースを運ぶことができるか。この海外遠征で、しっかりと磨いておかなければならない。

 

「目標に向けて、ひたすらに進む。まだまだ、私はここで終わらないッ!」

「はーっはっは!自己ベスト更新だねぇ!ドバイシーマクラシックに向けて、準備は万端じゃあないか!」

 

 当然だ。勝って、トレーナーに勝利をもたらすのだからな。

 

 

 トレーニングが終われば、いつものようにトレーナーが私の脚を診てくれる。文句の一つも言わないで、だ。

 デビュー前からずっとそうだ。体調管理に脚の状態の見極め、それに応じたトレーニングメニューの更新。彼には足を向けて寝られないな、本当に。

 

「……異常はないね。それに、今後はもう少し負荷を強めてもよさそうだ」

「本当か!?」

「嘘は言わないよ。それじゃ、メニューの見直しをしようか」

 

 よし、よし。これでさらなる負荷のトレーニングができる。そうすれば、もっと高みへと至れる!

 

「なァおい高村トレーナーよォ。もしかして、てめェがいつも診てんのか?」

「……どういうわけかね。気づけば普通に触診できるようになったよ」

「しかし、専門職の方がいいのではないかね?いくら君が勤勉とはいえ、限界はあるわけだし」

 

 他の人、か。それは少し抵抗があるな。医者の方が確かなのは分かるが、それでも私はトレーナーの方がいい。信頼を置いている彼の方が、私も安心して委ねられるというもの。だから彼にしてもらうことこそが最適解だ。

 

「僕もそう主張してるんだけどね。みんなが僕の方がいい、っていうから……だから今は専門職にも劣らないってレベルにまでなったよ」

「……アンタもよくやるね」

「まぁ、みんなのためだから」

「みんなのため、で本職の人にも劣らない触診ができる君は大分おかしい気がするよ」

 

 そうだろう、エアシャカールのトレーナー。私のトレーナーは凄いんだ。

 それにしても、これでさらに強い負荷でトレーニングができるな。これまで怪我無く来れている。全部、トレーナーのおかげだ。

 

「しっかしまァ、なんたってトレーナーに……あぁ、そういうことか」

「気づいたかシャカール君。まぁ、そういうことだろうな」

 

 食事の調整、疲労回復ドリンクの作成にも関わっていて、極めつけにはこの触診だ。

 

「めっちゃ耳と尻尾が動いてるね。そこんとこどうなの?」

「……よく分からないけど、嬉しそうだし良いんじゃない?」

 

 やはり私のトレーナーは凄い。うん、素晴らしい人物だ。

 

「まァ、なんだ。気をつけろよ」

「なにを?なにに?」

 

 そのためにも、次のドバイシーマクラシックはしっかり勝たねばならない。私達が勝てば、トレーナーは嬉しそうにする。逆に、負けたら悔しそうにする。いつだってそうだ。唯一、私とキタサンが勝負をする時だけは複雑な表情をしているが、それは仕方ないことだ。

 とにかく、私は。

 

(彼の笑顔のためにも、頑張ろう)

 

 気合いが入る。勝つとしよう。私はドバイシーマクラシックで、キタサンはドバイワールドカップで。レースは、もうすぐだ。




多分ナレ死される可能性が高いドバイのレース。
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