一般通過農民の不運   作:トマトは後ろから呼んでもトマト

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第四話です。
なんだか迷走を始めた気がします。




第四話

男の友人。

それは、いつぞや話してたであろうほかの都市で暮らしている友人の事である。

男は中学を卒業してからすぐにそのまま親の家業を継いだ。

そして、その友人はそのまま別の都市の学校に行くためにこの町を離れた。

 

本来であれば、それで関係は終わりである。

 

しかし、なぜかは分からないが、男とその友人の奇妙な関係は中学を卒業してからも続いていた。

というのも、男は理由は知らないがその友人が男と月一で会うことを要求してきたのである。

 

男としては特に断る理由もない。

というのも、彼は村から大分離れた位置で暮らしていたため、いわゆるご近所づきあいというものが大分希薄だったのだ。

もしかしたら、彼女も男のそういった希薄な人間関係を気遣い、男が寂しくない様に連絡を取り合ってくれたのかもしれない。

 

とは言っても、別に会って何をするというわけでもない。

その友人の都会での思い出話を聞いて、一緒に食事をとったり好きな本についての話を語り合ったりして一日を過ごすだけである。

男の農業の繁忙期には手伝ってもらったりもするが、今は農閑期なので彼女が今別荘として使っている…彼女がもともと住んでいた家で二人で過ごすことになるのだろう。

 

そして、今月も友人に会いに行くために男は支度を開始したのだが。

今月はいつもとは違うイレギュラーが発生していた。

 

そう、フェイタルの存在である。

まぁ、当たり前の話ではあるのだが。

この子外に出せないし。一緒に連れていけないだろう。

 

だって、推定宇宙人だし。

そんな奴友達との食事会に連れていけるわけがない。

 

そう言った事情もあり。

男は少女に初めて丸一日のお留守番を告げることにした。

当然フェイタルはそれについて文句を言ってくる。

 

『え~!?ま、丸一日ですか!?今までは、ちゃんと夜には帰ってくれたじゃないですか!』

『私に一人でずっとここにいろっていうんですか!?』

 

そうだよ。勝手に外に出ちゃだめだからな。

食材は好きに使っていいし、書庫とかに入らなければ何しててもいいから。

家事をしなくていい日だとでも思っておいて。

男は少女にそう告げる。

 

『い、いや…そんな休息日いらないんですけど…』

『私が好きでやってることですし…居候ならそのくらい当然ですから…』

 

あぁ、そう?

じゃあ、じゃあ俺がいない間もいつもみたいに部屋の掃除とかしといて。

居候ならそのくらい問題ないんだろう?

 

『うぅ…あなたがいないのが一番の問題なんですけどぉ…』

 

少女が小さいながらも抗議の声を上げる。

『だ、だいたい!それなら私も連れて行ってくれたっていいじゃないですか!』

『どうしてそんなに頑なに私を町に出すのを嫌がるんです?』

『私、そんなに子供に見えますか?』

 

『絶対、絶対に迷惑をかけませんから!』

 

ダメ。子供は家で大人しくしてなさい。

男はそう彼女の言葉を両断する。

 

『…むぅ。ひどいです。鬼、悪魔!』

少女は可愛らしく男に反対の意を示す。

その後、本当に悲しそうに、どこかすねたような様子で、男に文句を言った。

 

『こんなに願っているのに…あなたは私を信じてくれない』

『いったいどうすれば、信じてもらえるんです?』

 

もっと成長して、もう少し大人になったら信じよう

男はそう少女に返す。

 

フェイタルは全く納得いっていないようだったが、一応引き下がってくれた。

 

『…分かりました。分かりましたよ』

『なら、お土産は楽しみにしてますね』

 

少女はそう言うと、男の腕から手を放し。

少しだけ、悲しそうに微笑んだ。

 

その、愁いを湛えた表情と佇まいを見て。

 

顔と声は整っているし、きっと多くの人が彼女を好意的に思うだろう。

人間じゃないってことを知ってるだけで、こうも苦手意識を覚えるとは。

不思議なものだ。

 

男は、そんなことを思っていた。

 

うちの村にお土産になるようなものなんかないよ。

期待しないでくれ。

 

そんな言葉を吐いて。

男は外出の支度を完了させ、フェイタルのいる家を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そうして、男は暫く山を下っていく。

その間、ちょっとした考え事をしながら。

 

まぁ、この状態でする考え事など決まっている。

当然、あの子の事だ。

あれは今の今まで、自分に対して従順だ。

献身的で、何をさせても基本的に完璧にこなしている。

 

しかし、彼女が物事を学び、より知性を深めていくほど。

彼女の成長速度は加速の一途を辿っていた。

 

もはや、あれを幼子程度の知性と考えるのは間違っているだろう。

あれはもう、中学時代の自分の能力をはるかに超えてしまっている。

もしかしたら、今の自分なんかよりもよっぽど賢いかもしれない。

 

それ故に、彼女はもう暫くしないうちに外への興味を爆発させるだろう。

子供だから、という脅し文句が通じるのは本当に幼い子に対してだけだ。

男はそう推察し、次第に憂鬱な気持ちになってくる。

 

あぁ、憂鬱だ。今まで抑圧してきた手前、反動はかなり大きいだろう。

外に出したら最後、かなーり、面倒なことになりそうな予感がするのだが。

 

まぁ、考えていても仕方がないだろう。もう家を出てきてしまったわけだし、うだうだ悩んでいてもどうしようもない。

なるようになれ、だ。

 

そして、もう一つ。

男にはとんでもなく不安なことがあった。

 

それも当然、フェイタルの事なのだが。

 

あれ、家に残してきてよかったのかなぁ。

外に連れ出すわけに行かず、仕方なしに家に置いてきてしまったが。

家に残すのもそれはそれで問題ではある。

 

一番不安なのは、家にある書庫の存在である。

一応カギは掛けてあるし、彼女には入らないように言ってあるが。

フェイタルはずっと書庫や男の私室に入りたがっていた。

 

カギは厳重にかけてあるが、もしかしたら彼女はカギをこじ開けてしまうかもしれない。

そう言った面でも不安だった。

 

書庫には多くの本が保存されている。

当然その中には、人体図鑑や医学雑誌などもあるわけで。

 

もしも、フェイタルがそれを読もうものなら。

彼女は自身の本当の正体に気づいてしまうかもしれない。

 

例えばの話だが。

彼女が自分の本当の正体に気づいて…。

男の事を騙していた悪い奴だと見なしたりしたら…。

 

ゾッとする。そうなったら、男はきっと見るも無残な姿になってしまうだろう。

あの子の触手がどれだけの出力なのかは分からないが、少なくとも男の首をへし折れるくらいはあると見ていい。

そう言った面でも、彼女を家に一人で丸一日置いておくのはかなりの賭けだ。

 

しかし、よく分からない生き物と同棲していることを友人に知られる可能性とフェイタルが大人しくしている可能性を天秤にかけた時。

男は少女が家で大人しくしている可能性の方を取った。

 

ただ、それだけの話である。

 

あぁ、願わくば。

どうかあの化け物が、自分の言うことを聞いて、きちんと大人しくしていてくれますように。

男はそんなことを思い、そのまま山を下りていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そんなことを考えていると、あっという間に村にたどり着く。

男はそのまま駅にまで歩みを進める。

 

ちょうど同時刻。

歩みを進めてきていた男の目の前で鉄道の列車が止まった。

 

そして、駅の出入り口から一人の女性が出てくる。

彼女は男を見ると、にこやかに話しかけてきた。

 

『久しぶり、元気してた?』

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

男とその友人が横並びになって歩く。

彼女の別荘までの距離はそう遠くはないが、話しながら歩いていればそれなりに時間は経ってしまう。

 

基本的に話すのは友人の方であり、男の方は話題を振ることはない。

というのも、彼女の住んでいる町では多くの人が住んでいるのに比べて、男が暮らしているこの村ではなにかイベントが起こる事なんて稀だからである。

それに、男は週に二回しか降りてこないから、直接イベントに出会う事なんかほぼない。

 

だから、男と友人の会話は基本的に一方的なものだ。

 

けれど、二人で話しながら歩くのに全くの違和感を感じない。

外からはそう見えなくとも、二人の間では心地よい空間が展開されている。

彼女と男の関係は、そのようなものだった。

 

『ん~やっぱりここはいいね!』

『のどかで、あそこみたいにうるさくないし!面倒な人たちの事相手にしなくていいし!』

『君みたいに山奥に住むのは勘弁したいけど…やっぱり故郷に帰ると落ち着くな』

 

男の友人はそう笑い、男に話しかけてくる。

 

君、いつも同じこと言ってないか?

男はそう返し、友人は笑う。

 

『あはは!そうかも!』

『だってここ、何もないんだもん。確かにのどかでいい場所だけど。すぐに飽きちゃうしね』

『君がいなかったら、わざわざ月一で帰ってきたりしないよ』

 

自分に会うために帰ってきてくれてるのか?

それはどうも、光栄なことで

 

『むぅ、そうやって茶化すの、良くないと思いまーす』

 

そんな風に中身のない、単調な会話が続く。

けれど、退屈に感じることはない。

 

そんな不思議と心休まる、幸せな時間だった。

特に最近現れた謎の生き物によって緊張しっぱなしだった男にとって、その会話は猶更幸せに感じただろう。

 

そして、二人の男女は一つの家に入ってってから二人きりで。

本を読んだり、今まで読んできた本たちの評論をしてみたり。

一緒に商店で買い込んだ食材を使い、協力して料理を作り、それを食べてみたり。

男は自分を取り巻く環境をすっかり忘れ、ゆっくりと友人との時間を楽しんだ。

 

そうして、夜になってから、二人でゆっくりと湯船につかった後。

 

横に並べた布団に二人で寝ころびながら、男が微睡みつつ小説を読んでいると。

真横で男の顔をムニムニとつまみながら、友人がこんなことを言いだした。

 

『そういえばね~最近、こっちの町で一個話題になってる話があってさ』

『とある研究施設からいろいろな危険生物が逃げ出したって噂があるんだよね~』

 

『私の好みじゃないけど、君、意外とそういう話好きだったよね。どう思う?』

『個人的には、そういうのって面白いとは思うけど―』

 

 

 

 

逃げ出した危険生物…逃げ出した危険生物?

男には心当たりがあった、危険かどうかはともかく、どうしようもないほど心当たりがあった。

もしもこの心当たりが当たっているのなら、少しでも多くの事を知る必要があるだろう。

 

彼はそう考え、すぐに行動に移すことにした。

 

それ、詳しく教えてくれないか

 

男は読んでいた小説を畳んで、友人の話を聞くことにした。

 

『んぁ?いや、私も詳しくは知らないんだけど…』

そこまで食いついてくるとは思わなかったのか、友人は面食らったように男の事を見る。

しかし、男のまなざしを受け、必死に思い出そうとしてくれる。

 

『ええと…』

『本当に詳しくは知らないんだけど、その、知り合いの噂好きの子が言うにはね?』

『軍の極秘研究施設から、いくつかの実験動物が逃げ出したって話』

『そもそも出典が不明だし…そこまで気にするようなことでもないと思うけどなぁ…』

 

『なんでこんな噂が広がりだしたのかは知らないけど…』

 

他には?何かないか?なんでもいいから

男が友人に聞く。

 

『え、えぇ?なんでそんなにがっついてくるの…?』

 

『ええと、その子が言うには、逃げ出した生き物の内の一体は人知を超越したすごい力を持ってるとかなんとか…』

『それ以外にも常人よりも優れた学習能力を持ってて…人類よりも優れた身体能力を持ってる…だったかな?』

『でも、そんなのありきたりだし、よくある設定でしょ?』

 

『たかが噂だし…』

 

 

 

常人よりも優れた学習能力を持っていて…人類よりも優れた身体能力を持っている…

研究施設から逃げ出した…危険生物…?

 

…あれこれフェイタルの事では?

 

男は意図せぬところでフェイタルの正体にたどり着いた。

確定していいわけではないが、今の男にとってそれが最も有力な説であることには変わりない。

 

宇宙人でないのは良かったが、結局面倒な生き物な事には変わりがない。

というか、さっき、軍がどうこう言ってなかった?

え?あいつもしかして軍が関わってるやばい生き物なの?

男の背筋が凍る。もしやこれ、あの子の手放し方を間違っても死ぬのでは?

 

 

男は自分の人生が無茶苦茶になる可能性に怯えていた。

 

ただ、死にそうな人がいたから看病してあげただけなのに。

なぜそれだけのことが人生の致命傷にならないといけないんだ?

男はそう心の中でぼやく。

 

 

しかし、目の前にいる友人はそんなことを知る由もない。

 

『ていうか、なんでその噂をそんなに知りたがるの?』

『もしかして…何か心当たりがあるの?』

 

男が急に黙ったのを皮切りに、逆に質問をぶつけてきた。

 

男の心臓が飛び跳ねる。

しかし、男の良心が叫ぶ。巻き込んではいけない。

友人だけは守るべきである、と。

 

 

そ、そんなわけないだろう。

男は声を震わせ、必死に否定する。

 

『…分かった』

『君がそう言うなら、そうなんだろうね』

 

友人は男に怪訝な目を向けながらも、男の言い分を飲んでくれた。

 

『それじゃ、もう寝よっか。夜も遅いしさ』

そう言うと彼女は灯りを消し、男の隣にある布団にもぐって行ってしまう。

 

男もそれに同意し、二人で二つの布団を使って横になった。

そして、男が目を閉じていると。

 

友人がぼそりと呟く。

それは、独り言でもあり、男に向けたメッセージでもあった。

 

『もしも、本当にどうにもならなかったら、いつでも相談して』

『私に出来ることなら、いくらでも手伝ってあげるから』

 

男がゆっくりと目を開けると、優しい笑みを湛える友人がいる。

彼女は、男と目が合うと、満面の笑みを見せて。

 

『それじゃ、おやすみなさい』

 

そういいながら、男とは反対の方向を向いて眠りについた。

男は、そのやり取りをして。

 

彼女を巻き込まないため。

そして、ここまで言ってくれる大切な友人を失わないために。

絶対に、彼女を頼らないことを決意するのだった。

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

時間は少し前に巻き戻る。

 

男が友人と楽しくやっている中、家に一人取り残されたフェイタルはというと。

男が出ていった扉をボーっと眺め、退屈そうに思案に耽っていた。

 

 

 

…あの人。本当に私を置いて行ってしまいました。

寂しい。とっても。

 

彼は、同性の友人との大事な約束と言っていたけれど。

男同士の友情って、そんなに大事なのだろうか。

 

あまり良い事ではないのは分かっているが、その人に嫉妬してしまう。

 

小説でも、彼氏にほったらかしにされて怒る女の子がいた。

今ならその子の気持ちが、とても理解出来る気がした。

まぁ、私と彼の関係はそこまで発展しているものではないけれど。

 

…取り敢えずその友人の名前は彼から聞き出した。

いつか会った時、ちょっとだけ皮肉を言ってやる。

 

 

そんなことを考え、一人でぼやきながら玄関に座り込んでみるけれど。

お兄さんが戻ってくるはずもない。

 

 

昔は一人になることについて何とも思わなかったはずなのに、人同士の触れ合いに慣れてしまったからか。

広い家が、とても空虚なものに感じる。

 

…一日。一日。

半日なら置いて行かれたことはあるけれど、丸一日というのは初めてだった。

 

なんだかムカついてきた。

私はこんなにもあの人の事を思っているのに。

あの人は、私を直視してくれない。

 

私には、あの人しかいないのに。

あの人は私以外にも世界を持っていて、そこに行ってしまえることが出来る。

今回だって、私を置いて行ってしまった。

 

そんなの不平等じゃない?

あの人も、私と同じように…

 

そんな、唾棄すべき思考が頭の中に浮かぶ。

…やはりだめだ。独りで何もしないでいると、嫌な思考しか頭を巡らない。

 

一人になると、あの施設での嫌な記憶を思い出してしまう。

それが原因で、思考が嫌な方に持ってかれやすい。

 

あの人のおかげでここまで賢くなれたけど。

その反動は、決して軽いものではなかった。

 

賢くなればなるほど、あそこの異常性が浮き彫りになる。

私は、いったい何なのだろう?人であるのは間違いない…と思う。

しかし、物語を読んでも、私のような子供は出てこない。

 

本当に、あの人の言う通り。

私は『少数派』なだけなのだろうか?

 

 

 

…やめよう。こんなことを考えていても気が滅入るだけだ。

 

こういう時は体を動かしたり、何かを学んだりするに限る。

取り敢えず、部屋の掃除でもしよっと。

 

そう思い、私は部屋の掃除を始めた。

いつも以上に丁寧に。

 

いつもだったら、ある程度掃除するとあの人が止めるのだが。

今日はあの人はいない。

 

だから、念入りにいろいろなところを掃除することにした。

そして、普段だったら見ないようなところを掃除していると。

キラリと、日光に照らされて。

どこかのカギのようなものが見えた気がした。

 

…なんだろ。

私はそのカギを手に取る。

 

カギに名前は書かれていなかったけれど。

今まで見たことのないタイプのカギだったから。

恐らく書庫かお兄さんの自室のカギなのだろう。

 

…邪な考えが頭に浮かぶ。

ダメなのはわかってる。分かってはいるが…。

 

そもそも、あの人が私を家に置いていかなければ、この鍵を見つけることはなかったはずだし。

チョット見るくらい、多分問題はないだろう。

 

物を動かしても、それをもともとあるべき場所に戻しておけばいい。

うん、そうだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

邪な考えを持った少女は、カギを拾うとまず最初に書庫の扉に嵌めてみる。

しかし、こちらは開かない。

そして、次に男の私室に対して使用してみた。

 

ガチャ。

そのような音を立て、カギが開いた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

扉が開き、部屋に入る。

部屋は思いのほか綺麗ではあったけど、やっぱり、私が掃除しているところに比べると汚れていた。

思わず掃除しそうになってしまうけど、そんなことをすれば部屋に入ったことがバレてしまう。

 

取り敢えず、何か面白そうなものはないかな?

躊躇はしていたけれど、いざ新しいものを目にすると好奇心が勝ってしまう。

しょうがないのだ。きっとあの人も、謝れば許してくれるはずだから。

 

 

 

そうして、部屋を漁っていると面白そうなものを見つけた。

…卒業アルバム?

確か、学校を卒業した時にもらえる奴…だったっけ?

 

その本を手に取り、ぺらぺらとページをめくる。

そうすると、一つ。おかしなものを見つけた。

 

それは、アルバムの中の一枚の写真だった。

 

目を擦ってもう一度確認する。

…やっぱりおかしい。

 

この写真の名前、お兄さんから聞いた人とおんなじ名前だ。

でも、この人。女性だよね。

ほらやっぱり、性別欄にも女性って書いてある。

 

 

 

…お兄さんは確か、『同性』と泊りがけの用事があるって、言ってたんだけどな?

 

 

同性と異性じゃ、泊りがけの用事の意味が大きく変わってくることくらい、私でも知ってるよ。

 

…なんで嘘をついたんだろう?やましい事があるからかな?

私に嘘をついてはいけないって、教えてくれたのに。

 

 

自分は嘘をつくんだね。

 

 

また、お兄さんから教えてもらわないといけないこと。

増えちゃった。

 

 

 

あぁ、明日が待ち遠しい。

 

早く帰ってこないかな。

ねぇ、お兄さん。

質問をたくさん準備して、待ってるね。

 

 

 

 

 

 




第四話終わりです。
友達以上恋人未満な関係って、いいですよね。

第5話も、適当に待ってくださるとうれしいです。


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