ということでまた本腰入れていきます。
目標に向けて
―サッカー部部室―
『ハーデスト』の襲撃をひとまず退けた蓮ノ空。その翌日、試合中に助っ人として入ってきた圭那を、改めて迎え入れるところだ。
圭那「神圭那です。ここの監督であり、私の父である神圭助の紹介で、是非蓮ノ空でサッカーをやりたいと思ってきました。これからよろしくお願いします」
歩夢「よろしくね、圭那ちゃん」
梢「圭那さん、昨日は本当にありがとう。私達蓮ノ空サッカー部は、あなたを是非とも歓迎するわ」
圭那「ありがとうございます。昨日のように、蓮ノ空サッカー部の役に立ってみせます!」
部室に来て、みんなに挨拶をする圭那。昨日の試合でお世話になったサッカー部のみんなは、感謝を伝えながら圭那を快く受け入れるのだった。
梢「さて、圭那さんも入ってきたところで、当面の目標を定めたいと思うの」
花帆「目標、ですか?」
梢「ええ。せっかく練習をするのなら、その成果を活かすところが欲しいでしょう。モチベーションを保つためにもね」
花帆「なるほど、確かにそうですね!」
花帆が入ってきた時にも話題にしていた部全体での目標。あの時はまだサッカーを始めたばかりなので特に目標も定めることもなく楽しくサッカーをしていたが、そろそろ何かしらの目標を定めたいところだ。
花帆「では、あたしは卒業する直前の、十二月までは試合をせずに基礎トレーニングをする、ということで…」
果林「えっ…!?」
梢「お待ちなさい」
花帆「だってあたし、まだまだですから! それぐらいいっぱい練習しなくっちゃ!」
梢「これはなかなか重症ね…」
他のサッカー部のみんなや『ハーデスト』に差をつけられているからか、いきなり3年になるまで試合をしないと言い出す花帆。さすがにこれにはストップをかける。
梢「いい? 日野下さん。最初から完成度の高いパフォーマンスを見せられたら、それは確かに理想的だわ。だけど、そのためにあなた自身の楽しさを我慢する必要はないの」
花帆「あたしの、楽しさ…」
梢「一週間も連続で試合するくらい好きなんだから。試合を二年も我慢するだなんて、本当は嫌でしょう?」
花帆「ううう…はい、試合したいです…」
梢「だったら、目標を定めて、それまでにみっちりと練習をしましょう」
圭助「試合しないと経験が積めないから、結局上手くなれないぞ。だから練習用対戦ルート以外の、実際の試合はガンガンやっていくし、既に予定も組んでいる」
梢「その通りよ。まだサッカー選手になったばかりなんだもの。今の時期は、やればやるほど得るものがあるわ。ほんの数日でも、見違えるほどにね」
花帆「たった数日…えっ、試合の予定日ですか!? 早すぎませんか!?」
梢と監督に諭されて、これからも積極的に試合をしていくことに…なったのだが、なんと数日後に早速他校との試合が組まれているらしい。
花帆「しかもこれ、市の開いているサッカーフェスティバルって、規模大きくないですか!?」
梢「市内から大勢のサッカー部が参加する催しよ。たくさんの人に成果を見てもらう、いい機会ね」
花帆「それは楽しそうですけど…! あ、でも! ほら! 蓮ノ空って学校外には出られないんですよね? だったらむりなんじゃないかなーって!」
梢「問題ないわ。部活動として正式な理由があれば、ちゃんと外出許可も出ますから」
圭那「自由とは程遠い学校みたいだけど、外とのつながりを完全に断ち切るわけじゃないんだ…」
圭助「いくら規則ガチガチだからってそんな学校があってたまるか」
戸惑いながら大会には出られないのではないのかと言う花帆。どこか大会に出ること自体を遠慮しているように感じる。
梢「この大会はトーナメント形式で順位もつくから。出るからには上位入賞…いえ。一位を目指して、がんばりましょう!」
果林「ええ。やるからには誰にも負けないくらいの気持ちでいきましょう」
海未「ここで結果を出して、『ハーデスト』と戦う礎にしてみせましょう」
花帆「うううう…! わ、わかりました! がんばりますってば! 楽しいサッカーのために! おー!」
梢「その調子、その調子」
他のメンバーもバリバリに乗り気なので、もう断るに断れない。身体を起こし、腕をブンブン振るわせて気合を入れる。
梢「では、こちらが私と監督で組んだ練習メニューよ。きょうからしばらく、猛特訓ですからね」
花帆「あーもう! どんとこいですよ! 矢でも盾でも持って来てください!」
気合を入れた勢いそのままに梢の練習メニューを引き受ける花帆。なのだが…
花帆「…えっ!? あ、あの、センパイ…これ一週間分のメニューですか…!?」
梢「もちろん、一日の内容よ。私が中学生のときにこなしていたメニューをまとめてみたの。まずはこれぐらいから始めてみましょうね」
花帆「…あたし、やっぱり今のままでも…!」
梢「なにか?」
花帆「いえ!! がんばります!!」
どうやら花帆の想定よりとっても練習量が多いらしい。やっぱり後に引こうとしたが、結局練習を頑張ることに。
圭助「話もまとまったところで俺から業務連絡だ。俺は明日から出張に行くことになって練習は見れない。その間は練習用対戦ルートも使用できないから、乙宗が提示した練習メニューを頑張ってくれ」
さやか「出張ですか…試合も監督抜きでやることになるのでしょうか?」
圭助「いや、それについては心配ない。ちゃんと試合前日までには戻ってくる」
花帆「じゃあその分、試合はお預けってことですね…」
圭助「すまないな。だが乙宗の練習メニューをこなしてから試合に臨んでみると景色が変わるかもしれない。それを楽しみに数日は試合を我慢して練習、頑張ってみてくれ」
一方で圭助は出張に行くようだ。しばらくはチームを離れることになるぞ。
梢「それでは…早速練習を始めましょう」
歩夢「花帆ちゃん、私も一緒にがんばるよ!」
花帆「歩夢ちゃん…よーし! やるぞー!」
こうして、早速練習に取り掛かることにした花帆達であった…
そしてその夜…
圭助「よし、《
海未「はい。総員八名、欠員はありません」
歩夢達が蓮ノ空に来てから何回か行われていた《真蹴球戦士》の集まり。昼と同じ部室にて、いつぶりにまた行われる。
圭助「それでは今回は、昼には話せなかった圭那や俺についての情報を話そうと思う」
圭那「…」
四季「圭那や監督の情報…」
昼にある程度自己紹介や連絡はしたが、あくまで普通の高校生に見えるよう当たり障りなく発言していたものである。ここでは花帆や梢、さやかや綴理には知らせるわけにはいかない情報を話す。
果林「…というと、差し当たり圭那も神様の使いってことを言いたいのかしら?」
圭助「鋭いな。正解だ」
レアン「圭那は監督の娘だから、そう考えるのが自然ってとこね」
圭那「あぁー、それなんだけど私と圭助さんって別に親子じゃないんだ…」
絵里「…え?」
圭助の身の上と関係性から圭那がどういう存在であるかを言い当てる果林。しかし、圭那が圭助と同じ神の使いであることは合っているものの、圭助と親子関係ではないようだ。
圭助「この世界に人間として降り立つにあたって、そういう設定で転生しただけなんだ…」
圭那「もともと圭助さんはサッカー観戦が趣味の
歩夢「一般神…」
海未「つまりあなた達は単なる親戚であると…」
圭助「そうなるな。まぁ学校じゃ親が先生だったらお父さんって言っちゃいけないらしいから、むしろ公私混同しなくて助かるというものだな」
圭那「とりあえず、今後は圭助さんのことは監督って呼ばせていただきますっ」
圭助「おう、よろしく頼む」
この世界に来る前、神様の中では普通の生活をしていた2人。一応神様の世界でもそれなりに面識はあったようだ。
塔子「それにしてもサッカーすっごくうまいね! 神様仕込みのサッカーってやつ!?」
圭那「うん。神から人間になるにあたってそれ相応の身体能力になってしまったけど、それでも神だった頃は色んな世界の試合を参考にしてテクニックを磨き続けたんだ。昨日見せた色んな選手に変身する能力も、人間になる時に最高神様から賜ったんだよ」
絵里「相手のキャプテンや栞子って人も使っていた能力ね」
圭助「そうだな」
歩夢「ということは、あのキャプテンと栞子ちゃんは神様の力を…!?」
圭助「いや、《
圭那「人間になるわけだから、当然得られる力は人間の能力に限られるってことだね」
続いて圭那の力の秘密を語る。神であった時から練習を重ねており、それに加えていわゆる転生特典的な感じで、様々な選手に変身する能力を備えたようである。
海未「ところで私達が最初に出会った時にフィールドで戦っていたはずですが、何故すぐに合流出来なかったのですか?」
ここで海未が実質的に最初に出会ったところ…さやかが蓮ノ空を蹂躙し、それに圭那が挑んでいた時の話をする。
圭那「実はあの時にしつこく抵抗していたらケガをしてしまって…監督に迎えに来てもらった後にケガを直しつつ、監督に呼ばれるまで秘密裏に特訓して待機してたんだ」
圭助「ケガ自体はすぐに治ったが、こちらとしては《真蹴球戦士》である君たちに経験を積ませたいからな。だから緊急事態が来るまでは待機させておいたんだ」
果林「上手い人をあんまり頼りにしてるとためにならないって、梢も言っていたものね」
圭助「その通りだ。出来ればみんながもう少し実力をつけた後にしたかったのだがな…」
そう言って腕を組み、難しい表情をする圭助。『ハーデスト』が強力な刺客を送り込んでくるものなので、《真蹴球戦士》が実力をつける前にやられてしまうリスクを常にはらんでいる状態だ。
圭助「そうだ、次は俺の出張の件について詳しく話そうか…表向きは普通の出張だが、実際はことりさんの事について調べるべく、元いた世界に戻るのが目的だ」
海未「ことりのこと…ですか」
圭助「園田があれだけ必死にしていたところ申し訳ないが、実はあのことりさんはまだ園田が知っていることりさんである保証はないんだ…」
海未「そうなのですか…!?」
圭助「ああ。もしかしたらまた違う世界のことりさんかもしれない。だから本当に君と同じ世界出身なのかをまずは調べなくてはいけない」
もしあのことりがこちらの海未と違う世界の人間だった場合、救出したとしてもそれは海未の幼馴染を救出したことにはならない。間違えて違う世界のことりを海未のいた世界に連れ帰ろうものなら大問題だ。
圭助「実際、《完全変化》によるものとはいえ君の幼馴染がもう1人出てきたが、あれも君の知る幼馴染とは違う存在だ」
海未「あれは私の知っている穂乃果に変身したわけではないのですね」
圭那「その通り。あれはまた別の世界でサッカーをしている高坂穂乃果の力を利用したものだよ」
海未「そうですか…しかし、あの穂乃果は私達よりもさらに実力が上と見受けられます」
圭助「《完全変化》によるものだから、厳密には栞子の実力だがな…しかし、いずれにせよ今の君達を上回る実力であることは事実だ」
レアン「だったら、私達もっと強くならないといけないわね」
海未「はい…!」
海未は拳を握りしめながら答える。『ハーデスト』の名ありの選手より明確に実力が劣る今の《真蹴球戦士》。自分たちが強くなる必要性を嫌でも突きつけられる。
圭助「あと、出張の際には洗脳を解く方法の研究もしておく。あのことりさんがどこの世界の人間だったとしても、救出して元の世界に返さなくてはならないことに変わりはないからね」
海未「分かりました。監督が調べている間、私達は少しでも実力をつけられるよう精進させていただきます!」
圭助「ああ。みんな、俺がいない間は頼んだぞ!」
こうして今回の集まりは解散となった。海未が気合を入れて宣言したことで、解散した後もまだ重い空気が感じられる。
歩夢「ねぇ…海未ちゃん、なんだかすごくピリピリしてるような…」
四季「当然。幼馴染はそれだけ大事なんだから」
歩夢「! そ、そうだよね…」
四季「私も頑張らないと。ここのキーパーだから…!」
歩夢(そっか、私も『ハーデスト』の選手より実力が劣るんだ…花帆ちゃんのこと心配してる場合じゃないかも…!)
海未の言動を心配するが、それは当然のことであるとすぐに考える歩夢。四季が同じ様にピり付くのを見て、歩夢も自分に危機感を抱くのであった…
今度、2章の最後らへんに特別編を投稿します。
リンクラ名物のWith×meetsといったところです。こっちでも1章に一回の企画にしようと思います。
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