イナイレ新作楽しんでます。ですが投稿もちゃんとやっていかねばと思う所存です。
―教室―
あれから数日、朝練も組み込んで梢が考案した練習メニューをこなしている花帆達。今は女子高生らしく朝のホームルームの前に仲良く会話をしており、花帆とさやかが座っている周りで歩夢と四季が立っていた。
花帆「あのね、あたし生まれて初めて、『朝練』ってやっているんだ…お布団の時間を削って体動かすとか、意味わかんないよね、へへへ…」
四季「朝から身体を動かすと睡眠の質が良くなる。だから寝る時間を削る意味は十分」
歩夢「だけど、やっぱり大変だよね…私も今は慣れたけど、1週間前はまだ寝てたい! って思ったし…」
さやか「わたしも朝の練習はずっと続けていますけど…」
花帆「そ、そうなの!? 世界であたししかやってないんだと思ってた…すごいね…みんな、すっごくがんばってるんだね…」
さやか「ふふっ。最近は、花帆さんもがんばっていますよね」
花帆「まあ、うん、まあね~…おかげで毎日筋肉痛~…」
この日も朝練に取り組んでいたからか、それに関する話題で話を弾ませる4人。しかし花帆には朝練が良くも悪くも身体に効いており、楽しく話している中でも痛そうな顔をして身体を押さえていた。
花帆「そっかぁ、さやかちゃん達は昔からこんなに大変なことをしていたんだねえ…偉い子だねえ…だからみんな上手なんだねえ…」
さやか「そんな、おばあちゃんみたいに…」
歩夢「それに私もさやかちゃんに比べたら、花帆ちゃんとほとんど変わらないよぉ…」
筋肉痛から来る痛みにでも引っ張られているのか、おばあちゃんのようなしんみりとした口調になってしまう花帆。本当に持つのか見ていて心配になる。
花帆「うん、でも、いちおーはがんばるって決めたから…。弱音を吐きつつも、がんばっていきますので!」
さやか「はい、応援しています! 一緒に練習しているのですし、わたしにできることがあれば、なんでも協力しますから」
歩夢「私も。花帆ちゃんの隣で一緒に練習するから、困ったら頼って!」
花帆「ほんとに? ありがとう!」
こんな調子ではあるが、リタイアする気はさらさらない花帆。歩夢やさやかも出来る限り花帆をサポートしていくつもりだ。
そして朝のホームルームが始まり、その後授業を一通り終え…
花帆「よっし、放課後だ!」
歩夢「じゃあ、これから一緒にサッカー部に行こう」
花帆「うん、だけどその前に、購買部寄ってこ!」
歩夢「購買部?」
花帆「注文していたマンガが届いたの! あたしずっと楽しみにしてて…」
歩夢「あ…」
花帆がウキウキで購買部に寄る用事を話していたところに、見覚えのある人影がいきなり現れる。花帆や歩夢とは違う緑色のリボンをつけており、つまり先輩だ。
梢「さ、日野下さん。練習に行きましょう」
花帆「えええ!? こ、梢センパイ!?」
いきなり後ろに現れたものなので立ち上がってビックリする花帆。どうやら梢はわざわざ教室まで花帆を迎えに来たようだ。
花帆「でもあの、あたし、ちょっと購買に寄らなくちゃいけなくて! その、生活必需品が!」
梢「マンガなら、購買部が取り置きしておいてくれるから、大丈夫よ」
梢「そうね、なら大会が終わった後のご褒美にするのはどうかしら。大会まで、さらにがんばる理由ができたわねえ」
花帆「そ、そんな餌をぶら下げられなくても、がんばりますから! せ、せめて30分だけでも! いえ、10分、10分でいいですから先にー!」
ウィンクしたりにっこりしたりしているが、無理やり連れていく気満々の梢。マンガが読みたくて必死になる花帆だが…
花帆「うわーん!」
梢に制服の襟を引っ張られてズルズルと引きずられる花帆。結局直接部室に行く形となったのであった…
歩夢(梢先輩、最初は優しそうな人だと思ったけど、練習となるとすっごく厳しいなぁ…大丈夫かな? 花帆ちゃん…)
その様子を当然見ていた歩夢。花帆がかわいそうに見えて、本当に大会まで持つのか不安になるのであった…
―グラウンド―
部室で着替えを済ませた後、朝練に引き続き梢の考案した練習メニューを始める花帆達。まずはグラウンドを15周するところからだ。
果林「…」
海未「…」
レアン「…」
全員が一定の足音を立てて進んでいく中、先頭を走るのはこの3人。競争目的の練習ではないのだが、3人とも明らかに「ライバルに負けたくない」という顔つきだ。
さやか「夕霧先輩、あれ…」
綴理「みんな速い…こずとかほに追いつきそうだ」
さやか「そうですね…ですが、まだ花帆さんとサッカーをしている時間が変わらないのにあんなペースで走って大丈夫なのでしょうか…?」
圭那「過去に何かしらの運動経験があれば行けるでしょうけど…」
その後ろを走るのはさやかと綴理、圭那。3人とも以前からサッカー経験があり、その分体力は他の部員よりも高い。果林達はそんな3人より前を走っている状態だ。
圭那(この世界に来るにあたって圭助さんから《
梢「日野下さん、あと3周。もう少しよ!」
花帆「ぜぇ…ま、まだ3周も…というかもうちょっとゆっくり…」
最後尾では梢と花帆が足並みを揃えて走っていた。とはいえ梢は一定以上のスピードを出しており、花帆も置いていかれないように同じスピードを出さなくてはならないため、花帆にとってはかなり体力を使う状態になっている。
梢「ゆっくり走ると練習にならないし、何より日が暮れて…」
果林「…」
梢「…っ! 朝香さん!!」
果林「!?」
花帆を諭そうとしたところに気配に気づいて声を荒げる梢。どうやら果林が後ろからぶつかるところだったみたいで、果林は梢の声にハッとしてすぐに避け、海未やレアンと共に走り去る。
梢「日野下さん、ケガはないかしら?」
花帆「こ、梢センパイ…? すごく怒っているみたいでビックリしました…」
梢「ごめんなさい。日野下さんや朝香さんにケガをして欲しくなくて、つい…」
敵にも見せないような剣幕だったものなので、少し怖がってしまう花帆。しかし、当の梢もどこか花帆と似た表情をしている…
梢(日野下さんに合わせていたとはいえ、私達はそれなりのペースで走っていたはずよ。それなのに私達より1周分速く走るだなんて、朝香さん達は相当速いペースで走っているじゃない…)
最後尾を走っていたのに抜かれたという事は、花帆と梢は周回遅れをしていることになる。しかし先述した梢の指導法によって、2人はそれなりに速いペースで走っている。…にも関わらず抜き去られてしまうことに違和感を覚えたのであった。
花帆「ぜぇ、はぁ……ぜぇ、はぁ……」
梢「ふう、それじゃあしばらく休憩ね、日野下さん」
花帆「梢゛セン゛パイ゛……」
圭那「大丈夫!? 花帆ちゃん、毎回死にそうになってる…」
四季「慣れる気配がしない…」
歩夢「15周も走るのは数日じゃとても慣れそうにないよ…私だってキツイし…」
15周走りきり、胸を押さえながら息を切らす花帆。他のメンバーは競争感覚で走っているが、当然本来はそんな感覚で済ませられる練習量ではない。
梢「滋養強壮のドリンクを作ってきたから、よかったらどうぞ」
花帆「わぁ、ありがとうございますぅ…」
そう言って花帆に水筒を渡す梢。花帆はそれをありがたく受け取り、すぐさま中の飲み物を自分の喉に流し込むように飲み込む。
花帆「ごれ゛苦いですぅ゛…」
梢「そうね、でもとっても体にいいのよ。…どうしても口に合わなかったら、残しても構わないのだけど」
花帆「うう゛…これも大会のため、みんなのためぇ…」
この滋養強壮ドリンクとやらはお世辞にもおいしいとは言えない味だったようだ。しかし効果があるのは確かなので、頑張って飲む花帆。
歩夢「どんな味のドリンクなんだろ…」
梢「気になっているみたいだけど、ごめんなさい。あなた達の分はないの」
圭那「え~…効果があるなら全員分作ればいいのに…」
四季「多分コストと手間がすごくかかるんだと思う」
梢「正解よ。若菜さん。ちゃんと体に効くように良い材料を選んで、そこから手作りしているから、毎日全員分を用意するのは難しいわね…」
圭那「そうなんですね…まぁ花帆ちゃんの反応を見るに今日初めて飲んだみたいだから、本当に限られた場面でしか出せない感じですかね?」
梢「ええ。今は大会前で特に体に負担をかけるから…ね」
花帆「ご馳゛走゛様゛です……」
梢「よろしい」
歩夢達がドリンクについて話している間、なんとかそのドリンクを飲み切った花帆。梢はよくやったという感じの表情をするが、すぐに申し訳なさそうな顔になる。
梢「ごめんなさいね、日野下さん」
花帆「ふぇ? なにがですか?」
梢「やっぱり、もう少し早く、どうしたいのか聞くべきだったかしら、って。そうすれば、あなたももうちょっと余裕を持って練習できたと思うの」
梢「よかれと思って放任していたのだけれど、どうしても私は、もっといいやり方があったんじゃないかって、後から考えちゃうのよねえ…」
苦笑いしながらそう語る梢。実際、花帆を放っておいた結果他のメンバーに実力面で大きく後れを取り、その負債を大会までに頑張って埋め合わせるために詰め込みのような練習になってしまっている。
花帆「だ、だめですよ!」
梢「えっ?」
花帆「梢センパイがそんな風に優しくしてくれると、あたし、際限なく甘えたくなっちゃいますから! う、嬉しいですけど、 でも、だめです! ちゃんと大会が終わるまでは、あたしに対して、厳しくしてください!」
梢「なあにそれ。面白いこと言うのね」
花帆「か、かといって今より厳しくされるとへこたれちゃうので、今ぐらいがちょうどよく…! い、いえ、もうちょっと厳しくされても、大丈夫だとは、思いますけど…」
頭を人差し指でかいて、ちょっと笑いながらそう言う花帆。厳しい練習とはいえ、大会を絶対に後悔しない結果にしたいという意思は確かにあるようだ。
梢「そう? じゃあさらに手厳しく…」
花帆「ぴっ」
梢「なんて、言わないわ。オーバーワークは怪我の元。今だって、かなりギリギリなんだから。もう少し休憩していてね」
花帆「ほっ…」
前にさやかが言ったように、ケガなんかしようものなら大会に出場すること自体不可能になる。もちろんそうなれば確実に後悔する結果にしかならない。
花帆「でも果林センパイに海未ちゃんとレアンちゃんはすっごく頑張れてますよね?」
梢「そうね…園田さんは武道の経験が豊富で、レアンさんは元々サッカーをしていたみたいだから、既に日野下さん以上に頑張るだけの体力がついているのよ」
花帆「そうですけど…塔子ちゃんやさやかちゃんに綴理センパイも前からサッカーをやってるけど、それでも果林センパイ達の方が頑張ってる気がして…」
梢「確かに最近の朝香さんと園田さんとレアンさんは誰よりも頑張っているわね。恐らく、大会やサッカーに懸ける想いがとても強いのよ。日野下さんと同じくらい…」
歩夢「…」
花帆にとってはオーバーワークな練習をこなす果林達。彼女たちが大会に向けて張り切っていることは当然花帆や梢にも伝わっている。
梢「と言う私も、蓮ノ空のサッカー選手として誇りを持って臨むつもりだから、大会への想いは強いつもりよ」
花帆「梢センパイも…」
梢「蓮ノ空には、必殺技や戦術、それに今着ているユニフォーム。様々なものが伝統として受け継がれているの。今も、蓮ノ空というだけで応援してくれる人が多いのは、そのためなのよ」
花帆「なるほど! 愛されているんですね!」
梢「蓮ノ空に来たのは、近隣の学校では一番サッカーに力を入れていたから、だったのだけれど…いつしか、この学校で先人たちの想いに触れて、蓮ノ空が大事になっていったわ」
歩夢「そんなに歴史あるサッカー部だったんですね…」
四季「てっきり芸術に力を入れている学校かと…」
蓮ノ空サッカー部がサッカーに力を入れており、歴史あるサッカー部であることに驚く歩夢達。さやかと浴場で話した時に、彼女がサッカーから離れるために蓮ノ空に来たという話を聞いていたためである。
梢「あくまで近隣の学校、だから。ここからは遠いのだけれど、実際には同じ石川県でも石川光晴館や豪星女学院の方がサッカーに力を入れているし、最初は私も通えるのだったらそちらの方に通いたかったと思っていたの」
圭那「でも実際に蓮ノ空のサッカーに1年間触れてきて、その気持ちも変わっていったと…」
梢「そうよ。そして今では、この学校でサッカーをしていることが嬉しくて、私の誇りなの」
花帆「この学校でサッカーをすることが誇り…」
梢「ええ」
歩夢達の質問も交えながら、梢が蓮ノ空のサッカー選手として誇りを持つ理由を聞いた花帆。思うところがあったのかしばらく何かを考えているかのように下を向いていたが、その後険しい顔になって話し出す。
花帆「だったらあたし…やっぱり、もっと練習しなきゃですよね!?」
梢「わ」
いきなり距離を詰めながらそう言ったものなのでビックリする梢。花帆はさらに続ける。
花帆「だって、綴理センパイや梢センパイはもちろん、さやかちゃんや歩夢ちゃんや四季ちゃんだって上手なのに、あたしだけまだまだだったら…それって、恥ずかしいことですよね!?」
梢「前にも言ったと思うけれど、あなたの魅力はちゃんと他にあって」
花帆「でも…」
どうしても焦ってしまう花帆。彼女が純粋にサッカーを楽しんでいることが魅力とはいえ、もはやそれで片づけることは出来ないようだ。
梢「ごめんなさい。余計なことを言ってしまったかしらね」
花帆「そんなこと…ただ、みんなサッカーを頑張る理由があるんだな、って、改めて気づいただけっていうか…それなのに、あたし…」
梢「もどかしいかもしれないけれど、今は、目の前のメニューを一歩一歩、着実にね。それがあなたにとっては、いちばんの近道なんだから」
花帆「うううううう、あたし、とにかくがんばります!!」
梢の言う通りもどかしそうに体を震わせながら答える花帆。休憩時間ももうすぐ終わり。再び特訓に身を置くのであった…
次回は日曜日に投稿します。
イナイレ新作発売という事で、今が読者のかき入れ時。そのため来週は『1週間投稿チャレンジ』をさせていただきます!
来週は毎日この作品を楽しめるように努めますので、何卒よろしくお願いします!
これからの作者の創作、どれが一番楽しみ?
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