明日もこの時間帯になるかもしれません…
いよいよ試合当日。全員朝練の時間に集合し、監督の圭助も帰ってくる。
圭助「みんな、遅くなってすまなかった…」
海未「仕事が立て込んでいたのでしょうか…?」
圭助「そんなところだ。前日までにどんな練習をしているか見ているべきだったのに、本当に申し訳ない…」
花帆「大丈夫ですよ! あたし達、みんなで厳しい練習をがんばってきたんですから! 監督にサプライズで見せられるのが楽しみです!」
圭助「楽しみにしておくよ。さて、そろそろバスに乗ろう…」
試合前日までに戻ると言ったのに、実際には当日の朝に帰ってきた圭助。そのことを謝ってから、会場に向かうためにバスに乗り込むのであった…
―会場―
バスは無事に会場に到着。会場には既に多くの他校の選手で賑わっていた。
花帆「わあー! サッカー選手がこんなに! すごい、すごいですね、センパイ!」
梢「そうね。でも、あなたもその中のひとりなのよ」
花帆「うっ!」
自分もサッカー選手と聞かされて、ドキッとなってしまう花帆。まだまだ自信がない状態。周りの選手たちと同じ存在だと言われても、どうしても受け入れがたい。
花帆「ほ、ほんとにあたしたちがこの大会に出るんですか…梢センパイや四季ちゃん達はともかく、あたしが出ても大丈夫ですか!? 人もいっぱい来てますよ!?」
梢「そうね。久しぶりの試合として、申し分ない舞台ね。楽しみでしょう?」
花帆「楽しみは楽しみですけどぉ~~!」
花帆「うう…しかし、ここまで来たからには、もう逃げるわけにはいきませんよね…。覚悟を…覚悟を、決め……ます! あたし、きょうはとことんがんばりますからね!」
梢「ふふっ、がんばりましょう」
大会の参加手続きも当然済ませているため、逃げるという選択肢はあり得ない。花帆は不安をかき消すかのように気合を入れて宣言した。
―MEETING―
あれから大会のトーナメントが決定。我らが蓮ノ空は美野良高校という学校と試合をすることになった。
圭助「えー…当然ながら相手の情報は分からないので、相手の戦術を見て、その場で対応することになる。その時に練習の成果というのを見せてみてくれ」
梢「分かりました」
圭助「それと、こういう公式の大会ではミキシマックスは使わない」
さやか「歩夢さんや四季さんの髪が変わったあれですね」
圭助「そう、それだ。相手はそんなもの持っていないんだから、フェアプレーの観点から見て当然の話ってことだ」
圭那「姿は変えられないけど、足手まといにはならない…!」
圭助「圭那はベンチスタートだぞ」
圭那「あ、そうなんですね…」
スタメンから外れるのは圭那と綴理。公式戦とはいえあくまでインターハイとは違う、ちょっとしたイベント。あくまで強力な選手に頼らないようにプレーする方針だ。
梢「日野下さん、私が合図をしたら、伝統の必殺技をやりましょう!」
花帆「はいっ!」
ミーティングが終わり、フィールドに向かう中で戦術の確認。花帆は力強く返事をするが、何故か梢の方ではなく自分の脚を見ていた…
梢「あら、日野下さん? その脚、どうしたの?」
花帆「え? あ、実は! その、きょう朝起きたときタンスに小指ぶつけちゃって! それでまだちょっと違和感が!」
梢「寮の部屋にタンスなんてあったかしら…? 大丈夫? 走れそう?」
花帆「はい、それはもう! ばっちりです! いい試合にしましょうね!」
梢「ええ、そうね」
梢は違和感を覚えながらも、花帆が元気そうなので詮索はせず。美野良高校の選手たちも入場してくるので、自分のポジションに移動した。
花帆(…痛っ…でも、大丈夫…あんなにがんばったんだもん…うん…)
花帆は本当にケガをしていた。しかしそれを何とか気合でごまかし、相手チームを迎えることに…
5ばん「よーし! やってやるわよー!」
4ばん「かわいこちゃん達、俺らがしっかり守るから思いっきり決めてきて~」
論前「よろしくお願いします…」
かのん「分かった…」
相手チームの美野良高校の選手が入場。蓮ノ空とは違い、男女混合のサッカー部で、チームも男子と女子がバランスよく入って構成されている。
千砂都「…」
恋「! 嵐さん…? …それに、あのお二人もどこかで…?」
恋は相手チームの選手を見て驚く。どうやら前の世界で顔を見たことがあるらしい。
恋(ですが嵐さんはサッカーではなくダンスをされていたはずでは…私の知っている嵐さんとはまた違う方なのでしょうか…?)
―フォーメーション―
GK 論前
DF 3ばん 5ばん 2ばん
4ばん
DMF 8ばん 7ばん 6ばん
OMF かのん
FW 千砂都 すみれ
FW 歩夢 花帆 果林
OMF レアン 梢 絵里
DMF 恋
DF 海未 塔子 さやか
GK 四季
―観客席―
竜平「…」
大勢の観客が集まる中、フードを被って観戦する『ハーデスト』の構成員。
竜平(《
「竜平くんもここに来てたんだね…」
竜平「…ん?」
突然声をかけられてそちらを向く竜平。そこには自分と同じようにフードを被った少女が2人。
竜平「エマか…長野にいたはずなのにわざわざここに来たのか」
エマ「新しく仲間になった千砂都ちゃんがどんなサッカーをするのか気になったんだよー」
竜平「そうか…こっちも貸し出した選手がどう動くか見に来たってところだ。それにあそこは一応母校だからな」
石川支部に竜平が来た時に最初に会おうとしたエマという人物。フードを被っていて容姿が分からないが、彼女が千砂都を洗脳したようだ。
竜平「…で、お前は何をしに来たんだ。ミント」
ミント「…」
もう一人のフードの少女はミントという名前らしい。彼女はフィールドを眺めながら竜平の問いに答える。
ミント「この世界のあたしと、その友達のみんなのことが気になったんだ」
ミントはどこかで聞いたことのある声で、そう答えたのであった…
実況「さぁ~、いよいよ試合が始まります! 美野良は助っ人を3人も加えましたが、果たして蓮ノ空に勝てるのかぁー!?」
舞台はフィールドに戻る。審判がホイッスルに口を近づけており、いよいよ試合開始だ。
ピー!
千砂都「…」パスっ!
美野良のキックオフで試合開始。キックオフは千砂都が担当し、ボールをかのんにまわす。
花帆「勝負だよ!」
かのん「…」
花帆はすぐにかのんに向かって走り込む。最初はこの2人のマッチアップだ。
かのん「すみれちゃん…」
花帆(パス! だったらボールを取れるように…)
かのんはすみれの名を呼び、足を振りかぶる。どう見てもパスをする気なので、花帆はすみれへのパスルートを塞ぐように動き、待ち構える。
かのん「ドライブパス…!」パスぅっ!
花帆「え…? うわあああーーっ!?」
かのんが放ったのは必殺パス。花帆は読み通りにボールを触ることが出来たが、威力が強く、吹っ飛ばされてしまう。
梢「日野下さん! …絢瀬さん、葉月さん、3人でいくわよ!」
恋「はい!」
絵里「ええ!」
かのんの宣言通り、ボールはすみれに向かって飛んでいく。誰に飛んでくるのか分かる上、現在前線には千砂都とすみれしかいない状態。簡単に複数人で囲んでボールを奪える。
すみれ「…邪魔よ」ピカアァァっ!!
しかしすみれの右腕に紋章が浮かび、それがまばゆく光り始める。その状態ですみれは腕を振るった。
ビュゥゥンッ!!
絵里 恋「あああっ!?」
突然衝撃波が絵里と恋を襲い、2人は吹っ飛んでしまう。すみれは難なくボールをトラップし、梢とのマッチアップに入る。
梢「なによ…それ…」
すみれ「私の力よ…あんたは絶対に一人になるの」
必殺技とも化身とも違う超常的な何かに、戸惑いを隠せない梢。しかし、1人でもすみれからボールを奪うべくディフェンスを仕掛ける。
梢「このっ!」ドンっ!
すみれ「ぐうっ!」
梢の素早いショルダーチャージ。すみれは避けることが出来ず、弾き飛ばされてボールを梢に渡すことに。
梢「みんな! まずは1点きめましょう!」
歩夢「はい!」
果林「ここのみんなに練習の成果を見せてやるわ!」
ボールを奪ったので、当然蓮ノ空が攻撃に入る。花帆と絵里と恋が吹っ飛んで間もないので、まずは梢と歩夢と果林とレアンで攻める。
梢(それにしてもやけに守備が多いわね…これは決めるのに苦労しそうだわ)
相手はなんとDMFを3人、DFを4人でフォーメーションを組んでいる。シュートに持ち込むためには少なくとも4人の相手選手を抜き去らなければならない。
7ばん「止めてやるぞぉ!」
6ばん「こっちは遠慮なく囲んじゃうもんね!」
梢「…」
ディフェンスに向かってくる美野良のDMF。数が多いだけあって2人で1人を止めにかかってもディフェンスが手薄になりにくく、相手はそれをフルに活かしてキャプテンの梢にマークをつける。
果林「こっちよ!」
梢「ええ!」パスっ!
6ばんが梢に向かったことで右サイドの守りが手薄になる。そちらにいる果林にすかさずパスをまわした。
2ばん「かかったな! キラースライド!」シュバババ!!
しかし果林がボールを胸トラップしたところに2ばんが必殺技を仕掛けてくる。高速スライディングをしながら無数の蹴りを繰り出す。
果林「ふっ!」
2ばん「なにイ!?」
果林はすぐさま身体を捻らせながらジャンプ。ボールをキープしながら相手を跳び越すことに成功した。
論前「これ以上失点してたまるかーー!!」
この試合でまだ一失点もしていないのに、もう余裕がなさそうな論前。《縺医s縺ゥ縺?∪繧ゅk》という文字列を浮かべながら、オーラを解放する。
実況「こっ、これはー!? 論前選手の姿が変わったぞぉ!? バンダナが着きました!」
論前(Amix)「うぅー!!」
歩夢「あれってアナザーミキシマックスだよね…」
果林「話が違うじゃない…!」
『ハーデスト』との試合ではない以上、相手側はミキシマックスもアナザーミキシマックスも使ってこないはずなのだが、普通に使ってきた。蓮ノ空の選手たちは納得できないような表情だ。
果林「私のシュートで破ってやる…!」
相手がアナザーミキシマックスを使って来ようとゴールを決めなければならないことに変わりはない。果林は右足に輝く星のエネルギーを貯め込んで、思いっきりシュートを放つ。
果林「Starlight・Ⅴ3!」キラアァァンッ!!
練習によって技の練度が大幅に上昇。果林自身のシュート力も上がっており、より輝きを増した流れ星のシュートが論前に向かっていく!
論前(Amix)「だああーーっ!」
論前はマジンを出して飛翔。そして怒りに任せてマジンと共に拳をシュートに叩きつけた!!
論前(Amix)「怒りの鉄槌!!」
ドスウゥゥンッ!! 叩きつけられた拳の威力はすさまじく、シュートを完全に叩き潰してしまう。静止したボールを中心にでっかい窪みが出来た。
果林「止められた! …なんて力なの…」
論前(Amix)「いけっ! 嵐さん!」ギュンっ!!
特訓した果林のシュートを簡単にねじ伏せることに蓮ノ空が驚く中、なんと論前は千砂都に直接パス。ロングスローで勢いよくボールを投げる。
千砂都「…」
蓮ノ空が攻撃している間にゴール正面、ペナルティエリア付近に走っていた千砂都。ギリギリ塔子の妨害を受けない地点でボールをトラップした
千砂都「はあああっ!!」シュウゥゥゥン!!
千砂都は化身を出す。黒いモヤは両肩に扇風機のような砲塔を身に付けた機龍に姿を変える。
千砂都「【乱機龍マイトガツチ・参式】…!」
さやか「相手の化身使いだなんて…! 四季さん! 気を付けてください!」
化身を出した選手を実際に相手するのはこれが初めて。必殺技より強力なシュートを放ってくるため、さやかは四季を心配する。
千砂都「っ!」ビュウゥゥゥ!!
千砂都はブレイクダンスで舞うようにボールを蹴りまくり、その間にマイトガツチが両肩の扇風機を回してエネルギーチャージ。そしてチャージが終わったところで千砂都はブレイクダンスで浮いたボールに強烈なボレーを叩きこむ。
千砂都「ダブルストームタイフーン!!」
ドッビュウウウゥゥンッ!!!
千砂都のシュートと同時に、化身から2つの暴風が放たれる。シュートはその暴風に乗って、威力をグングンと上げて四季に襲い掛かる!
塔子「ザ・タワー・A!!」
四季1人では止められないと判断した塔子はすぐに必殺ブロック。でっかい塔でシュートの行く手を阻むが…
バッゴォォンっ!!
塔子「キャーーッ!!」
ほとんど威力を奪えず、シュートの威力と暴風で吹っ飛ばされてしまう。
四季「絶・セーフティプロテクト!!」
四季は今の自分の技を最終進化させて化身シュートに対抗。ゴールを盾で覆わせ、それを思いっきりシュートにぶつけるが…
バヒュゥゥンッ!!
四季「っ! うわああっ!?」
盾はすぐに全部吹き飛ばされてしまう。四季はシュートをまともに喰らい、ボールごとゴールに押し込まれる。
バシュゥゥゥンっ!! ピー!
四季「ぅ…」
恋「し、四季さん! ケガはありませんか!?」
ボールごとゴールに押し込まれてその場に倒れる四季。当然他のメンバーが心配して四季のもとに駆け寄る。
四季「だ、大丈夫…でも、あんなのどうすれば…」
なんとか起き上がる四季。しかしあまりのシュートの威力に止められるビジョンを見いだせずにいた…
花帆「あんなにすごいなんて…がんばりが足りてなかったのかな…? いや…そんなことない…みんながんばったんだもん…!」
相手のすごさに怯んでしまうのは花帆も同じだった。しかし梢達と練習をがんばってきた。それを無駄にすることや、否定してしまうことが花帆には絶対に出来ずにいた…
蓮ノ空 0
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