授業を終えて放課後に。早速花帆が歩夢の所に来て提案してきた。
花帆「歩夢ちゃん、さやかちゃんと私で一緒に学校をまわってみよ!」
歩夢「うん、行こう」
四季「それじゃあ、私は昨日の部室行ってくる」
一方で四季は早速サッカー部室に向かうことに。そして既にお迎えの先輩も来ていたようだ。
恋「若菜四季さん…ですよね。行きましょう」
四季「はい」
部室の集会で姿を見せていた黒髪ポニーテールの少女。恋が一緒に部室に行こうと連絡したようである。
歩夢「私達も、そろそろ行こう」
花帆「うん!」
こちらも出発。3人で蓮ノ空を一通り見て回った。
―運動場―
色々回って最終的にここに来た3人。
花帆「学校の周りをぐるっと回ってみたけど、ほんとになにもないとこだねー…名産は緑。特色は山。名物は坂道で、名所は高台…って感じ」
さやか「一応、校内に購買部があって、必要なものはそこで揃うみたいですけど…あの、本当に何も知らず、蓮ノ空に来たのですか?」
歩夢「…」
さやかの質問にひと時の静寂が訪れる。歩夢も花帆も、蓮ノ空に来た経緯には思うところがあるみたいだ。
花帆「…あたしね、小さい頃は身体が弱かったの。だからお母さんたちをすごく心配させちゃって。あ、小学校行く頃はもう大丈夫だったんだよ!でもお母さんたちの心配はそのままで。学校には送り迎え。門限も厳しくて、あんまり友達とも遊べなくて」
花帆「だからね、そんな毎日がず~~~っと続くのは、どうしてもいやだったの!」
静寂を破ったのは花帆。まずは自分の過去を語る。
さやか「花帆さん、お嬢様だったんですか?」
花帆「そういうわけじゃないけど!」
歩夢「お母さん達が心配し過ぎてたんだね…」
花帆「だからね、お父さんとお母さんと、粘り強~く交渉して…!ようやく手にしたのが、蓮ノ空への切符!」
花帆「不合格だったらきっぱり諦めるつもりだった。言うこと聞いて、迷惑かけないいい子になろう、って。けど、あたし、合格したんだよ!それなのに、それなのにぃ~~~!」
花帆は下を向いて落ち込む。当然蓮ノ空に入学するために受験勉強などの努力を相当積み重ねた花帆。その結果がこれでは絶望するのも無理はない…
花帆「あたしね、ずっと花咲きたかった」
さやか「それ、先ほども…」
花帆「うん」
改めて自分の夢を語る花帆。そしてさらに続ける。
花帆「お花って、道を歩いても目に留まるでしょ。羨ましかったの。好きな事をしている友達とかが、とてもきれいに見えて。あたしだって、自由に自分らしく生きられたら、きっと花咲けるんだって思ってた」
さやか「だから環境を変えるために、この学校に?」
花帆「うん。家を離れて、好きな事をして、楽しく過ごしたかったのに……ここには、学校しかない。学校以外、なんにもない…また勉強だけの毎日なんて、やだよ…」
歩夢「花帆ちゃん…」
花帆が家を離れて学校で好きな事をして過ごしたかったようだ。しかし肝心の学校は好きな事がなかなかできない環境。花帆の希望とは大きくかけ離れてしまっていた…
さやか「わたしも、その、花帆さん風に言うなら、いろいろあって、この学校にやってきました。だからやりたいことを思うようにできない、花帆さんの気持ち、少し、分かります」
花帆「ほんと…?さやかちゃんも、一緒なの…?」
さやか「はい。わたしも、自分を変えるために、蓮ノ空にやってきたんです。花帆さんも、楽しいことを見つけられたらいいですね」
さやかは笑顔でそう伝える。純粋に花帆が楽しくなれるように、それを願って伝えている。
花帆「さやかちゃん…うん、ありがとう。そうだよね、待っているだけじゃだめだよね」
さやか「花帆さん?」
花帆「うん、なんかあたし、わかったかも!環境を変えるためには、まず自分が動かないと!そういうことだよね!?」
さやか「え、ええ。たぶん」
花帆「よーし、あたしすごいことやっちゃうんだから!」
花帆は現状を打開するために何か行動を起こすことに。再び初対面のような元気が戻ってきたぞ。
花帆「ありがとうね、さやかちゃん。もしかしたら短い付き合いになるかもだけど、これからもよろしくね!」
そう言って花帆はどこかに行ってしまうのであった…
さやか「あ、花帆さん!もう、行ってしまいました。オンとオフしかない蛍光灯みたいな人ですね…」
歩夢「蛍光灯…」
さやかはそんな花帆を心配そうに見送る。花帆の両極端な性格に対する例えに歩夢も思わず共感してしまう。
歩夢(さやかちゃん、優しいな…さやかちゃんが…本当にあんなことを…?)
歩夢は最初に飛ばされた時に見た光景を思い出す。あの時のさやかは確かにサッカーで花帆達を蹂躙し、再起不能になるまで叩き潰していた。しかし、歩夢が蓮ノ空に来てからというもの、さやかがそんなことをする人間とは少しも思えない。
さやか「うん?あれは…」
歩夢が考える横で、さやかはなにかを発見してそちらを向く。
さやか「……サッカー部」
歩夢「!?」
そのサッカーがさやかの前に現れ、歩夢はびっくり。同じ方向を向く。
歩夢(もし私がサッカーで『ハーデスト』と戦って、あれを防げるなら…さやかちゃんがみんなを傷つけるような人にならずに済むなら…)
サッカー部を見て歩夢はそう考える。
歩夢「…」
そして…彼女は静かに目標への一歩を踏み出したのであった。
花帆「そうだよ、お行儀よく待ってなくたっていいんだ。あたしにはあたしの道が、無限の未来が待ってるんだから。そのためには、まずは学校を――」
花帆「脱走だ!」
一方で花帆は学校の外へ。まだ分からない夢への一歩を勢いよく駆け出したのであった…
花帆「あたしは自由になるんだ!いくぞー!」
―竜星学園―
10ばん「またお前ミスしやがったな!」
6ばん「もうお前とはやりたくない…気分悪いんだよ!」
ゴスゥっ!!
横好「ひゃあん!」
蓮ノ空とは違う石川県の学校のサッカー部の様子。田野
横好「何するんだよ!」
6ばん「うるさい!お前みたいな無能がサッカーしてると邪魔だしイライラしかしないんだよ!」
7ばん「必殺技も使えない、基礎能力もダメダメ…何もできないサッカー選手でゴミね」
横好「そんなこと言っても…俺はみんなと同じ練習してるんだ!サッカーも好きなんだし続けさせてくれよ!」
9ばん「練習だと?この結果で笑わせるな!この努力詐欺師が!!」
6ばん「出てけ!」ゴスゥっ!!
横好「ああーーーーっ!!」
6ばんは先程よりも怒りを込めて横好を蹴とばす。結局横好は部を追い出されてしまう。
横好「何で俺はクソみたいに才能がないんだ…」
「かわいそうな人…」
横好「うわっ!?お前誰だ!?」
部を追い出されて途方に暮れる横好に、フードの人間が現れる。声は女性だ。
「私は『ハーデスト』の者。あなた…サッカーしたいのに出来なさそうでかわいそうに見えたから…」
横好「そうだよ!俺はサッカーがしたいのに、みんなと同じ練習しても上手くなれないんだ!そのせいでサッカー部を追い出されちまった!」
「そう。だったら…私と契約しない?そしたら力をあげる♡」
横好「本当か!やらせてくれ!俺にあんなことした奴らにも復讐したいんだ!」
「もちろん出来るよ~。この“アナザーミキシマックス”を使えばね…!」
そう言うとフードの者は銃型のデバイスと金髪の男性選手が象られた金色の【スピリット】を取り出す。
「“アナザーミキシマックス”、セット」
ビュンっ!フードの者はデバイスに【スピリット】を装填し、横好に向けて発射。当たった途端紫色のオーラが横好を包む。
横好「うっ、うおおおおーーっ!!」
オーラは横好に順応。紫色のオーラの次に《螟ァ豬キ鮴堺ケ》という文字のオーラが現れ、横好の髪色を金髪に変えた後にそれが消えた。
「“アナザーミキシマックス”、コンプリート」
横好(Amix)「ケー!けっけっけ!!力が湧いてくる…!早速あいつらに復讐してやる!」
「そっかぁ~じゃあ私、協力してくれる人呼んでくるね」
横好(Amix)「すぐ来いよ!俺は早くあいつらをぶっ飛ばしたいからなぁ!」
そう言って横好は来た道を引き返す。自分を追い出したサッカー部に再び向かっていった。
「行っちゃった…ま、その方が都合いっか」
そう言うとフードの人間は次に石を9個取り出した。
「出てきて、『モーブ』」カランカランカラン
ブワァ!!撒き散らされた石はモヤを発して、それが晴れると『モーブ』と呼ばれる灰色の人型が9人現れる。
モーブ2「…」
「それじゃ、今から竜星学園に行くよ~」
フードの人間はこの『モーブ』を引き連れ、横好と同じ場所に向かっていった…
横好(Amix)「おいお前らぁ!さっきはよくもやってくれたな!」
11ばん「なんだぁ?てめえ。性懲りもなくまた来たのか」
7ばん「無能のくせに私たちに逆らうつもりぃ?」
「その通りだよ〜」
竜星学園に戻って元チームメイトを威嚇する横好。言い争う内にフードの人間が追いついてきた。
「私たちは『ハーデスト』。今日はここのサッカー部を支配しに来たよ」
10ばん「なにっ!?『ハーデスト』ってあの…ぷぷぷ…げらげらげらげら!!」
『ハーデスト』の恐ろしさは既に日本全国に伝わっている。しかしキャプテンの10ばんはそれを前にして下品な笑いを見せた。
10ばん「サッカーで恐ろしいことしてるって聞いたことあるけど、こんな無能を仲間にする組織だったのかギャハハハハ!!」
7ばん「あー!お腹痛い!どうやら大した連中じゃないみたいねえ?」
「じゃあ…早速試合しよっか」
自分達が無能の烙印を押した横好がチーム入りしており、嘲笑が止まらない竜星学園サッカー部。そんな中でもフードの人間は落ち着いて試合の準備をした。
「先攻いいよ〜」
10ばん「ふん!横好がいるチームなんか、10-0で勝ってやる!」パスっ!
そう言って乱暴にボールを蹴るキャプテン。
7ばん「ほーら無能、あんたには使えない必殺技よ〜」
ボールを回された7ばんは横好に勝負を仕掛ける。マウントを取るかのように必殺技を放った。
7ばん「ワープドライブ!」ビリリリ!
7ばんはドリブルしながら手に電気を纏い、その手を前に。手からワープホールが展開され、7ばんはそこをくぐり抜けて横好を突破。
モーブ4「…」
7ばん「ザコ!」ヒョイ
モーブの1人が7ばんに突っ込むが、7ばんはそれをあっけなくかわす。
7ばん「見た目通りモブみたいな奴らね〜。決めちゃえ!」パスっ!
モーブは名前の通りモブ。その実力はとてもお粗末なもので、『ハーデスト』にとっては人数合わせのためのものに過ぎない。
11ばん「くらえ!メテオアタック!」
それはそうと11ばんに高いパスがまわされた。11ばんは両足で上空から勢いよくボールを蹴り、流れ星のようにボールをゴールへ落とす。シュートは大気圏突入のごとく燃え上がり、どんどん勢いをつけていく!
「ふふっ…」
バチィン!!ここでフードの人間がブロックに入る。必殺シュートにもかかわらず、ただの蹴りで止められてしまう。
11ばん「なにぃっ!?」
「はぁ…こんな実力でよくチームメイトに威張れるね…」
11ばん「なんだと!事実横好はゴミなんだ!一緒にいてイライラするんだ!」
「そう…」パスっ!
喚く11ばんを軽く聞き流してフードの人間はパス。ボールは横好にまわる。
6ばん「なに?オレらに勝てると思ってんの?」
横好(Amix)「けーっ!けっけっけ!今の俺はお前らとは違うのだ!」ビリリリ!
そう言うと横好はドリブルしながら手に電気を纏い、その手を前に。
横好(Amix)「極・ワープドライブ」
手からワープホールが展開され、横好はそこをくぐり抜けて6ばんを大きく突き放して突破。
6ばん「必殺技!?」
7ばん「そんな!あれは私の技よ!」
自分の技をより強い形で使われて驚く7ばん。一方で横好はもうDFを抜き去ってボールを打ち上げ、シュート体勢に入っていた。
横好(Amix)「メテオアタック・S!」
ドオォォンっ!!今度11ばんが使っていた技を2倍以上の威力で放つ。
キーパー「トルネードキャッチー!」グルグルグルグル
キーパーは扇風機みたいに回転してボールを掴みにかかる。
キーパー「ぐほおおおーっ!!」
バシュゥゥンっ!!シュートはキーパーの技を簡単に突破してゴールに吸い込まれた。
11ばん「貴様ー!オレの技を泥棒しやがったな!」
横好「ギャハハハハ!俺は強くなったんだ!」
10ばん「調子に乗ってんじゃねぇぞー!」
その後も横好に怒りをぶつけて襲い掛かる竜星学園のメンバー。しかしアナザーミキシマックスで強化された横好に全く敵わず…
10ばん「ぐ、ぐふー…」
7ばん「う…」
横好「フハハハ!コイツらの技全部覚えて俺の勝ちだ!」
「弱かったね~。それじゃ、この学校のサッカー部はもらったよ。この人達は洗脳しても役に立たなさそうだし…とりあえずここから追い出すだけでいっか」
『ハーデスト』は竜星学園サッカー部の乗っ取りに成功する。元の部員は横好以外全員追い出されてしまうのであった…
「もしもし…竜星学園サッカー部を乗っ取ったから、ここは任せたよ…」
フードの人間は端末を取り出して連絡を取る。相手は恐らく他の『ハーデスト』の構成員だ。
―蓮ノ空女学院―
花帆「うわあああん!」
先程勢いよく駆け出した花帆。今はそのスピードで何かから逃げ出していた…
「あら、今の声は…?」
逃げ出した先には、紫の髪色で右側にサイドポニーの髪型の少女が立っていた。
前作で没案に近い形で出た"アナザーミキシマックス”。
今作は物語に合わせてキャプテン翼・イナズマイレブン・ラブライブ×イナイレシリーズから様々な選手モチーフのアナザーミキシマックスを出しますので、よろしくお願いします。