インフルで死にかけたのと、急に文章が難産になりました…
2週間以上も待たせて、最悪ですね…
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圭助「最初に言っておくと、今回は《真蹴球戦士》の力によって、みんなが周りを見なくなった一因にもなってしまった…」
海未「どういうことですか…? 私が悪いのでは…」
圭助「では上原が力に目覚めた時、みんなはどんな気持ちになった? 仲間が力に目覚めたし、自分は無理しなくてもいいかと感じたかい?」
絵里「いいえ…私達も後れを取るわけにはいかないって気持ちで、さらに練習を張り切ったわ…」
圭助「そうだろう…つまり、元々みんな周りが見えていなくて、無理をしていたが、これによって完全にブレーキが壊れてしまったんだ…」
歩夢「…じゃあ私、チームを最悪な方向に引っ張っただけなんだ…」
歩夢はそう言って下を向いてしまう。自分の力で花帆を助けるつもりだったのに、全く助けになっていないどころかもっと悪い結果にしてしまったようなもの。
圭助「そう気を落とす必要はない。さっきも言った通り、俺の注意不足のせいでそうなってしまったんだ。それに関して、今から詳しく話すよ…」
落ち込む歩夢をなだめる圭助。ここで圭助は《真蹴球戦士》の力に関して話を始める。
圭助「《真蹴球戦士》の力には2つのタイプがある。ある時に突然力が一気に覚醒する《突発型》と、少しずつ力をどんどん覚醒させていく、《段階型》だ」
四季「突発型と段階型…」
圭助「ここで留意して欲しいのは、《真蹴球戦士》の力は神によって見出された一部の選手にしか目覚めない、普通のサッカー選手を遥かに凌駕する力。そんな力なので、当然すぐには覚醒しないことだ。特に突発型の場合は相当長くサッカーをしていないといけないし、何なら手がかりを掴めなければ一生覚醒しない」
レアン「つまり歩夢は段階型っていうのになるの?」
圭助「ああ、そうだ。しかし段階型でもここで力に目覚めるのは早すぎる…正直、まだ《真蹴球戦士》の力に目覚めるものはいないだろうと、そう思っていた。だから《真蹴球戦士》の力に関して、ちゃんと説明できていなかったんだ…」
圭助「上原は恐らく《真蹴球戦士》の力に相当期待していたんだろう…?」
歩夢「はい…すっごく強くなれる、花帆ちゃんを救えるって、私は勝手に思ってた…」
圭助「そうなるのも無理はない。なにせ世界を救えるなんて言ったんだ。このことをちゃんと伝えていれば、キミが《真蹴球戦士》の力に期待しすぎることも、《真蹴球戦士》の力を見て他のみんなが無茶をし続けることもなかっただろうに…本当に申し訳ない…」
圭那「私も、ごめんなさい…私もこのことは知っていたのに、初めて《真蹴球戦士》の力の兆しを見たからって、何も考えず調子に乗ってしまった…」
圭助と圭那、それぞれ歩夢に謝罪する。このことを伝えていれば、歩夢が自分の力で花帆を救えると思い込むことも、みんな余計に無理をしたり、周りが見えなくなったりしまう事もなかったと思うだけに…
圭助「正直言うと、今の上原が《真蹴球戦士》の力に目覚めてもあまり強くならない。さっきも言った通り、段階型にしても覚醒が早すぎる。おそらく、相当段階を踏んで、本当に少しずつ強くなるタイプの力だ」
歩夢「そうか…なんで気づかなかったんだろう…」
圭那「それは私達が言ってなかったからで、歩夢ちゃんが悪いわけじゃ…」
歩夢「ううん。違うの」
一見予測不可能な結果論を言っているように見える歩夢。何故そう思うのかを語り出す。
歩夢「自分でも思うんだ…私はコツコツと努力して、一歩一歩進んでいくタイプなんだって。だから、いきなりすごい力に目覚めて、一気に花帆ちゃんを救えるまで強くなるなんて、私らしくなかったんだ…」
歩夢「私…周りどころか自分のことすら見えてなかったんだよ…」
海未「歩夢…」
圭助「《真蹴球戦士》の力は、その人の持つ強みや特徴を最大限に引き出すとされている。だから、自分のことが見えていなければその力をフルに活かすことが出来ないという意味では正しい見方だと言えるな…」
歩夢の考えに共感を示す圭助。歩夢の言ったことは間違いではないようだ。
圭助「それと…若菜、キミに関しては本当に災難だったな…」
四季「…」
圭助に呼ばれて思わず俯いてしまう四季。自分の能力のせいで恋をケガさせてしまったようなもの。彼女もまた、罪悪感を深く抱いていた…
四季「私のせいで、恋先輩が…」
恋「若菜さんのせいじゃありませんよ…」
四季「…!?」
ケガをしてベッドに倒れていたはずの恋が、いつの間に目を覚ましていた。これには四季はもちろん、他のメンバーもビックリである。
絵里「れ、恋!? 大丈夫なの!?」
恋「はい。ご心配なさらず…痛っ…!」
恋はシュートを受けた腹部を押さえる。意識が回復したとはいえ、傷自体はとても深く、時折恋に痛みを感じさせていた。
圭助「痛みが引くまでは無理せず休んでいてくれ…」
恋「はい…」
四季「恋先輩…ごめんなさい…」
恋「大丈夫ですよ。四季さんだって、わざと私にシュートがぶつかるようにしたわけではないのでしょう?」
四季「うん…どうにかしないとって考えたら、いきなり右腕が光って…」
暗い表情をして謝る四季に対して、優しく話す恋。あの時はお互いに起きた状況に戸惑っており、四季が悪意を持っていたわけではないことを恋は当然知っていた。
圭助「そうだな。あれは様々な要因が重なって起こってしまった、不幸な事故だ」
四季「事故…」
圭助「若菜の腕が光ってから何が起こったかを話そうか…」
圭助「あの時、《ブロックオーダー》という能力が若菜に発動したんだ。これは相手にシュートを放たれた時、特定の選手をゴール前に呼び寄せ、シュートブロックをさせる能力だ」
恋「それで私が四季さんの前に…」
圭助「ああ。本来ならシュートブロックして威力を弱めたところをキーパーがボールを取ることが出来る強力な能力なのだが…ブロック技を持っていなければシュートをモロに喰らうことになってしまう」
圭那「何より、相手のシュートが強すぎたんだよ。あの千砂都って人、とんでもない強さだよ…」
これが四季の能力で恋がケガをした事故の全容である。突然発動した能力、恋がブロック技を覚えていない、強すぎる相手ストライカー…その全てが最悪の形でかみ合い、恋のケガという最悪の結果を生み出してしまった。
歩夢「うぅ…」
海未「歩夢…? どうされたのですか?」
千砂都の話になった途端、再び気を落としてしまう歩夢。
歩夢「実は…私のせいで《真蹴球戦士》が大したことがないって思われて、『ハーデスト』が攻めてくるんだって…多分あの千砂都って人も来るだろうし、どうすればいいのか分からなくて…」
四季「あの人が撃つシュートはとても止められない…」
海未「『ハーデスト』は今が好機と見たようですね。これは私の責任でもあります…」
『ハーデスト』が攻め込んでくることを知らされる一同。ケガ人が4人、そしてチームワークがなっていない今の蓮ノ空。この状況で千砂都やかのん、すみれといった強敵を相手しなければならない。
圭助「大丈夫。無理をしたり、周りが見えていなかったりしただけで、練習を重ねて強くなったことに変わりはないんだ。だから、身体を休めて、ケガを直して、みんなが仲間のことを見ることが出来るようになれば、勝てる…!」
塔子「監督…」
圭那「それに、さっきは大会で『ハーデスト』に攻められてなかったから負けても反省会で終わったけど…『ハーデスト』に攻め込まれて負けたら今度こそそこで終わりだよ」
果林「そうだったわね…今度こそ、勝たないといけないのよね…!」
『ハーデスト』に攻められた時のサッカーは、蓮ノ空サッカー部を賭けた戦いと言っても過言ではない。例えチームの状態がどうであろうと、逃げるという選択肢はない。
圭助「さっきの試合でデータは集めている。これに関しては日野下や乙宗たちも聞かなければいけないので、詳しくはミーティングで話す。その代わり…」
レアン「…?」
圭助はバックをガサゴソと漁る。そして小型のデバイスを取り出した。
圭助「あの子達がどの世界出身なのかを、少し話しておきたい」
果林「どの世界…?」
圭助「ああ。薄々察しがついているかもしれないが、あの助っ人の3人は他の世界から来た人間だ」
圭助「そもそも俺が出張に行ったのは、前に出会ったことりさんが本当に園田と同じ世界のことりさんかどうかを確かめるためだった。若菜も『ハーデスト』に親友を攫われたと言っていたので、今度からすぐに敵がどの世界から来たのかが分かるように、このデバイスをもらったんだ」
圭那「それで…あの千砂都って人がとんでもない経歴だって事が分かったみたい…」
圭助はデバイスを操作。するとホログラムが出力され、千砂都に関する情報が皆の前に映し出される。
圭助「彼女は元居た世界では日本代表、ひいては世界代表のエースストライカーとして活躍していたようだ」
絵里「世界代表…要するにその世界の中でも、かなりサッカーが巧い選手ってことかしら?」
圭助「そうだ。だから今日の試合は世界一のストライカーと戦ったようなものだな…今のキミ達ではまともに戦った場合、勝つのはほぼ不可能だったんだ」
恋「そんなに強い方が…何故あのような所に…?」
圭助「どういう経緯かまでは分からないが…少なくとも『ハーデスト』に攫われて、我々の敵として出てくることだけは確かだな…」
今日この世界に帰って来たばかりの圭助では、当然千砂都がどういう経緯で『ハーデスト』の手に堕ち、今日の試合に出たかは分からない。そこは『ハーデスト』に送り込んでいるスパイに聞くなりして、後々明らかにするつもりのようだ。
圭助「それと、残りのあの二人の選手だが…彼女達は葉月と同じ世界の人間だ」
恋「わ、私と…ですか…!?」
続いて、かのんとすみれに関して話す圭助。自分と同じ世界の者であったと知らされ、恋は驚きを隠せない。
絵里「恋、あの人たちとは知り合いなの?」
恋「いいえ…どこかで見たことはある気がするのですが、正直全く記憶にありません…」
圭那「たまたま同じ世界に住んでいるだけって感じだね…」
皆の視線も恋に集まるが、当の本人はかのんやすみれに関して全くピンと来ていない。同じ世界に住んでいるだけで、接点や関わりは全くないようである…
圭助「まぁそんなこともあるさ…おっと、もう蓮ノ空に帰る時間が迫っているな…後の事は明日、日野下や乙宗達が集まってから、話すことにするよ」
海未「はい…」
非常に話が長くなり、気が付けば蓮ノ空へのバスが出る時間までもう少し。これ以上話を続けるわけにはいかないため、ここで切り上げとなる。そして、最後に一言皆に語り掛ける。
圭助「いいか、これからはチームのみんなの事を見て、サッカーをするんだぞ…我々は世界を救う『ヒーロー』じゃなくて、蓮ノ空のみんなと一緒に戦う『仲間』なのだからな…」
海未「肝に銘じます…」
歩夢「…」
初期の方に言われた言葉を、改めて言われたことで自分たちがどのようなサッカーをするべきか思い出す《真蹴球戦士》達。自分だけでなく、仲間のことも考えて、仲間のためにサッカーをしようと胸に誓ったのであった…
―廊下―
ガチャ…
圭助「急ごう。結構時間が押してしまった…」
恋「は、はい…うっ!?」
果林「やっぱり痛いわよね…私が支えるから、一緒に歩きましょう」
四季「私も手伝う…」
話が終わったので、ドアを開けてバスに向かう《真蹴球戦士》達。恋はまだケガの影響が出ており、四季と果林が支えながら歩いていくのであった…
「ふ~ん。パラレルワールドってこんな身近にあったんだね…」
その近くには、先程梢の部屋にいたセンパイが、腕を組みながら圭助達に見つからない場所に、立っていたのであった…
目標は年内に3章完結…と言いたいけど、ここまで遅れたらもう絶望的や…
これからの作者の創作、どれが一番楽しみ?
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