Link!Like!ラブライナズマイレブン!   作:バシム

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今回は悪役サイドの話です。

設定を出す回ですぞ~


理念

 

―ハーデスト石川支部―

 

 

大会での観戦を終えて戻ってきた竜平達。すぐに蓮ノ空に攻めに行くことを栞子に伝達し、現在その栞子が作戦を立てているところである。…1人の男子と一緒に…

 

 

党我「浦木党我(うらきとうが)だ。貴様のお目付け役、そして今回の試合で貴様と合同キャプテンを行う。よろしく頼む」

 

栞子「よろしくお願いします。そして、申し訳ございません。私が信頼を得られないばかりに、あなたのお時間をいただくことになってしまって…」

 

党我「謝罪には及ばん。我々『ハーデスト』の邪魔となる《真蹴球戦士(リアルマニズム)》共を我が手で葬る機会を得られたのだからな」

 

党我の手を煩わせることとなったことを謝罪する栞子。しかし党我はむしろ喜んでいる様子だ。

 

 

党我「本当は竜平様が直々に潰したいようだったが…忙しいが故、この俺にキャプテンを任せ、重大な任務に就くことになったことを光栄に思う」

 

栞子「…あの、竜平様達は一体何をされていらっしゃるのですか?」

 

自らの障害と成り得る存在を、力をつける前に潰す。最高実力者が言って然るべき任務だが、それをしない理由が気になる。

 

 

党我「それを語るには、まずは『ハーデスト』の素晴らしさを語らねばならん。『ハーデスト』は日本全国に支部を持ち、その全てで最新鋭の機材を使った特訓・強い身体を作るだけの十分な食事・選手を洗脳するためのマシン・学校に攻め入るためのバスがある」

 

栞子「こうして聞くと、本当にすごいですね…」

 

党我「そうだろう。しかしここで疑問が浮かばんか? これだけの環境を作る資金は、どこから捻出しているのかと」

 

栞子「確かに…財源がなければ、それを維持することは出来ません」

 

党我は『ハーデスト』の素晴らしさを語るが、それには人件費や食費、設備の維持費などの莫大な資金が必要。党我は続けて資金調達の方法を語る。

 

 

党我「竜平様をはじめとした『ハーデスト』の上位層の選手は…他の世界でサッカーを行うことにより、己を磨きながら金を稼いでいるのだ」

 

栞子「サッカーでお金稼ぎ…ですか」

 

党我「うむ。他の世界でプロ入りを果たし、年俸をもらったり、エイリア学園というサッカーで悪事をする輩や、オーガやプロトコル・オメガといったサッカーを消そうとする輩を追い払ったりして、その世界のサッカー協会から報酬をもらったりしている」

 

 

党我「そして竜平様は2つの世界に行き、それぞれのセリエAでキーパーとして活躍し、合計で7億を稼いでいるのだ」

 

栞子「セリエAというのはよく分かりませんが、2つの世界を行き来している故に忙しいという事でしょうか?」

 

党我「そうだ。そして竜平様ほどの実力者はみな他の世界でプロ入りし、億単位の資金を稼いでいる。そして、噂によれば3つのプロの世界を圧倒し、20億もの大金を稼ぐ者もいるとか…!」

 

これが最高実力者の面々が蓮ノ空を攻めに行けない理由である。先程の『ハーデスト』の環境を維持するには、3桁億ぐらいは必要。そのためいくつもの世界でプロ入りして金を稼いでいる者が多いのだ。

 

 

党我「しかし、それでも出せるだけの戦力はこの戦いに注ぎ込むつもりだ。今回は監督も呼んである」

 

栞子「監督…そういえばこちらにはいませんでしたね」

 

党我「さすがに監督は全てのチーム分配備出来んからな…しかし今回は重要な任務ということで来ていただいた。寺頭美音(でらずびおん)監督だ!」

 

党我がそう言うと大人の女性が姿を現した。彼女が寺頭美音のようだ。

 

 

 

美音「あなたが、浦木くんと合同キャプテンを務める、三船栞子さんですね?」

 

栞子「はい…よろしくお願いします」

 

党我「寺頭監督は日本代表としての実績を持ち、この『ハーデスト』を創生期より支えてこられたのだ」

 

栞子「日本代表…本当に長い間サッカーに携わってきたということでしょうか?」

 

美音「まぁ…そうなります。日本代表にあまりピンと来ないのは、異世界から来られたからですかね」

 

栞子「はい。申し訳ありません。私の世界には、サッカーというものが無くて…」

 

美音「なるほど…技連(ぎれん)さんに見い出されなければ、せっかくのサッカーの才能が生かされないところでしたね」

 

栞子「技連…?」

 

党我「こら、粗相をするんじゃない。技連様は『ハーデスト』の創始者なのだぞ!」

 

自身の生い立ち故にサッカーをあまり深く知らない栞子。そして、あまり深く知らない者の名前が出てくる。

 

 

 

栞子「申し訳ございません! …スカウトしてくださったというのに、技連様のことをご存じないなんて…」

 

美音「そうですね。何より、技連さんのことを知らないという事は、それすなわち『ハーデスト』の理念を知らないという事!それではいけません。今から、『ハーデスト』の成り立ち、そして理念を享受していただきます!」

 

栞子「は、はい! よろしくお願いします!」

 

党我「俺も、今一度技連様の意志を胸に刻むとしよう」

 

栞子に『ハーデスト』の理念を教えることにした美音。早速『ハーデスト』が成り立つ経緯を語り始める。

 

 

 

美音「私と技連さんは、元々同じ世代の日本代表でした。しかし、日本は世界に比べてサッカーレベルが低く、それ故にヨーロッパのチームに蹂躙され、バカにされ、果てには国として下に見られ、選手はもちろん、日本人自体が尊厳を奪われました」

 

栞子「尊厳を…!? サッカーによってそこまでのことをされるのですか!?」

 

美音「この世界は世界中でサッカーの人気が高いことから、『サッカー至上主義』というものがあり、サッカーの実力によって国の価値が決まってしまうのです。そして、技連さんはそのサッカー至上主義の犠牲者でもあります」

 

そう言うと、美音はさらに暗いトーンで技連のことを語り出す。

 

 

美音「技連さんには…幼少の頃から性別の垣根を超え、共にサッカーをして愛し合ったパートナーがいたのです。彼女もまた日本代表として技連さんと共に世界と戦いました。…しかし、彼女に一目惚れしたイタリアの選手に、そのパートナーを奪われてしまいました…」

 

栞子「…っ!」

 

党我「…」

 

一方で栞子はさらに驚愕。党我はその隣で拳を握りしめていた。愛し合う者同士を引き裂くというとんでもない蛮行。サッカーの実力があるからといって、このような蛮行が許されていたのだ。

 

 

美音「その後、私達日本代表は総出で、日本サッカーを強化し、世界を見返すためにサッカー協会で知恵を出し合ってきました。目標は、サッカー至上主義を逆に利用し、サッカーによる地上の支配を果たすこと。それなのに、あの忌々しい会長が邪魔をしてきたのです」

 

栞子「忌々しい会長…?」

 

美音「そうです。ああ! 名前も出したくない! あの男もまた私達と同じ日本代表で屈辱を味わい、技連さんがされてきたことを目にしたはずなのに、『あなた達のやり方は極端すぎる』、『非人道的だ』とか言って、活動を妨害したんです!!」

 

栞子「ひっ…!」

 

声を荒げて激しく怒る美音。あまりの怒気に、栞子は思わず委縮してしまう。

 

 

党我「監督…! お気持ちは分かりますが今一度冷静に! 栞子が怖がってしまっております!」

 

美音「! …失礼しました。話の続きを落ち着いて行いましょう」

 

 

美音「技連さんは会長のやり方についていけなくなり、自ら新たな組織を設立することとなりました。これから生まれる優秀なサッカー選手を収穫し、愚かな人間の罪と業を裁き、自らが神として君臨する…その願いを込め、『ハーデスト』の誕生です」

 

人間にとって悪い神とされるハーデス神、そして英語で収穫を意味するハーヴェスト、それらを掛け合わせたのが『ハーデスト』の名前の由来である。

 

 

美音「つまり…『ハーデスト』の理念は、日本に絶対に消えない屈辱を与えた世界、ひいてはサッカー至上主義にそれ以上の痛みを与えるため。そうすることが、技連さんに報いる唯一の道なのです」

 

栞子「これが…『ハーデスト』…」

 

党我「いつ聞いても、技連様や寺頭監督の当時の痛みや苦しみが伝わってくる。その無念を少しでも晴らせるよう、この浦木党我、一生はもちろん、たとえ魂だけの存在となろうと『ハーデスト』に尽くすつもりです」

 

美音「ありがとう、浦木くん。…異世界人のあなたはどう感じました?」

 

栞子「それは…」

 

『ハーデスト』にこれでもかと忠誠を誓う党我。それと比較されるように栞子の反応に注目される。栞子は、胸に手を当ててそれに応える。

 

 

 

栞子「党我さんと同じです。技連様や監督の辛さが、聞いているだけでも伝わってきました。特に、サッカー至上主義を基としたイタリアの選手の蛮行…許されるはずがありません」

 

 

栞子「『ハーデスト』のサッカーによる地上の支配…必ずや成し遂げましょう!!」

 

美音「…よく言ってくれました。ありがとうございます」

 

栞子は力強く宣言する。その言葉には確かな怒りが込められていることを、2人は感じ取るのであった。

 

 

 

党我「異世界人でも奴らの蛮行は許すべきではないという意見が聞けた。やはり我らの為そうとしていることは正しいという事だ!」

 

栞子「その通りです。ですので、その邪魔をする《真蹴球戦士》を何としてでも葬り去りましょう」

 

美音「そうですね。では早速《真蹴球戦士》を擁する蓮ノ空に攻め入る作戦を立てましょう」

 

栞子の気持ちが確認できたところで、本題である蓮ノ空に攻め入る作戦を立てる段階に移行することになった。重要な任務であるためか、出来る限りで戦力をつぎ込むつもりらしい。

 

 

 

党我「竜平様曰く、現在の蓮ノ空はチームワークがズタボロになっている故、特別な対策は必要ないとのことだ。しかしモーブを持ち込むなどあり得ん」

 

美音「そのため、私がここに来るにあたり、プロジェクトの選手をこちらに派遣させていただきました。鬼塚冬毬さん、天王寺璃奈さん、西木野真姫さんです。現在ここにいるメンバーと組み合わせれば、11人になるでしょう」

 

現在ここにいる栞子・党我、大会でも助っ人として出てきた千砂都・かのん・すみれ、以前の襲撃の際に『ハーデスト』に所属していたことり・きな子、そして竜平が新たに連れて来た論前で既に8人。そこに美音が3人を追加して今回の襲撃チームが完成だ。

 

 

栞子「…ところで特戦隊のみなさんは…」

 

牛乳「特戦隊が何度も出ると絵面が似たようなものになり、作品がつまらなくなるので今回はパスだ」

 

党我「! 貴様いつの間に。というかそういう発言は慎め!」

 

牛乳「相変わらず固い奴だ…まあ実際これは冗談で、俺はこれから5億の案件に挑んでくるので今回はパスするのだ」

 

美音「5億!? 相当大きな金額ではないですか…」

 

党我「貴様の腕で5億とは怪しいな…どんな案件なのだ」

 

先程も説明されたように、プロとして活躍している竜平でも7億。プロ入りしておらず、基本この世界で待機している牛乳が5億稼げると聞いて怪しさが出てくる。

 

 

 

牛乳「とある国の助っ人としてサッカーをしろとオファーが来た。そのレンタル料として、5億をもらうのだ」

 

美音「年俸ではなく、一試合で5億…怪しさしかありませんね。危ないと思ったらすぐに戻ってくるのですよ?」

 

牛乳「了解しました! この牛乳、ちょっとやそっと死んだくらいでは滅びませんので、必ずや5億を受け取り帰ってみせましょう!!」

 

そう言って牛乳はその案件とやらを引き受けに立ち去ったのであった…

 

 

 

美音「相変わらず愉快な方です…まぁ、いいでしょう。とにかく、先程組んだチームで蓮ノ空に攻撃を仕掛けます。お二人には合同キャプテンとして、チームを引っ張ってもらいますよ」

 

党我「はっ! して、襲撃はいつ頃に?」

 

栞子「五日後にしましょう。チームを作っていきなり実戦にあたっては、蓮ノ空の二の舞になるでしょう」

 

美音「そうですね…では、それまではチーム練習にあたります。必殺タクティクスも駆使し…蓮ノ空を葬り去るのです!」

 

こうして、『ハーデスト』は襲撃に行くチームメンバーを集め、練習に入るのであった…

 




オリキャラ紹介

浦木党我(うらきとうが) 妄想cv:大塚明夫


『ハーデスト』のDF。武人肌の男性で、体格は巨漢DF程ではないが大きめ。
『ハーデスト』による地上の支配を必ずや成し遂げるべきと考えており、そのためならば障害と成る存在をあらゆる手段を講じて防ぐ。

好きな食べ物はガトーショコラとにんじん。

これからの作者の創作、どれが一番楽しみ?

  • この作品
  • キャプ翼サンシャインのスピンオフ
  • スーパーラブライバー大戦
  • 蓮ノ空×ポケモン
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