化身アームドした千砂都にボールを持たせ、再び点差を付けようとする『ハーデスト』。それを止めるため、同じく化身アームドした花帆が千砂都の前に立ちはだかる。
千砂都(アームド)「…」
花帆(アームド)「…」
お互いに無言で相手を見つめ、相手の出方を伺っている。どちらに点が入るか、ひいてはどちらが勝つかのターニングポイントにもなるこの対面。少しも気は抜けない。
花帆(アームド)「…ねえ!」
千砂都(アームド)「…?」
しかしこの状況で相手に話しかける花帆。声をかけられた千砂都は取られるスキを見せないようにしつつも、わずかに戸惑いを見せる。
花帆(アームド)「あなたのサッカー…とってもすごかったよ。ここにいる誰よりもうまいって、見ただけで分かる」
千砂都(アームド)「…」
花帆(アームド)「あたしもサッカーをやって、感じたんだ。…きっと、あなたも誰かと手を取り合って、あたしとは比べものにならないくらい、サッカーをやってきたんだって!」
花帆(アームド)「あなたと一緒にサッカーをやってた人が、きっといるはずだよ!」
千砂都(アームド)「う…!?」
花帆(アームド)「!」
花帆が千砂都に訴えかけた途端、千砂都の体に激しい電流が流れる感覚が。それによって千砂都にスキが出来る。
花帆(アームド)(どうしたんだろう…いや、ボールを取らないと! そうしなきゃ、四季ちゃんも、この人も救えない!)
花帆(アームド)「とるっ!」
千砂都(アームド)「っ!? させない…!」トンッ!
スキをついてボールを奪おうとした花帆だったが、千砂都はすぐにボールに触れて自分の後ろにボールを逃がす。
冬毬「っ!」パスっ!
そしてすぐにボールを別の場所に蹴り出し、千砂都がそこに走り込む。ワンツーに近い形で花帆から逃れる。
花帆(アームド)「まだまだ!」
千砂都(アームド)「…!」
しかし花帆はすぐに追いつく。再び化身アームド同士のマッチアップだ。
千砂都(アームド)「今度は騙されない…!」
花帆(アームド)「騙すつもりなんてないよ! あたしはあなたを救いたくて…!」
千砂都(アームド)「…っ!」
花帆(アームド)「くっ!」
千砂都を説得しようとするが、彼女は心を固く閉ざし、化身アームドで強化されたスピードで一瞬のスキをついて抜こうとする。とてもではないが話しながらディフェンスをする余裕はない。
千砂都(アームド)「…」バッ! バッ!
花帆(アームド)(右に…いや、ボールを蹴ろうとしてる…やっぱり右に抜けようとしてる!)
千砂都(アームド)(吹き飛ばしたい…でももしダメだったらそのまま負ける…)
化身アームドと光の力をもってしても、千砂都の動きについていくのが精一杯。しかし千砂都はこの光の力を警戒しており、万が一吹き飛ばなかったことを想定して、結果的にストームゾーンの使用を躊躇させている。
梢(日向mix)(花帆さん、私が後ろで支えるわ…!)
そして梢が花帆の後ろに陣取り、花帆が抜かれてしまっても梢がカバーしてボールを奪える態勢を整える。千砂都からはこれが見えており、花帆を抜くのに苦戦する要因の一つになっていた。
歩夢(花帆ちゃん、がんばって…! 梢先輩がついてるから…)
さやか「歩夢さん!」
歩夢「!」
一方で、花帆を見守る形となっている歩夢。しかしさやかが声を出して歩夢の名を呼び、きな子を指さしている。
歩夢(えーと…DFのきな子ちゃんを…マーク?)
さやか(そうですよ。逃げ道を完全に塞ぐんです!)
さやかの手を見ながら動く歩夢に、うなずくさやか。相手がこれほど攻めあぐねている状況、パスでボールを逃がしてもおかしくない。さやか自身もかのんをマークして、どこにボールを蹴ってもパスカットできる陣形を作る。
歩夢(そうだよ…梢先輩だけじゃない。私だって花帆ちゃんと一緒に歩むって決めたんだ…! 私も、少しでも花帆ちゃんの力になる…!)
千砂都(アームド)「…」パスっ!
花帆(アームド)「あっ!」
歩夢「!」ダっ!
きな子に向かって移動している間に、このままでは埒が明かないと判断した千砂都がボールを後ろに蹴る。きな子に向かって宙を舞って飛んでいくボール。歩夢は反射的にジャンプという行動を選択してい た。
バシィっ!
歩夢「よし…!」
ボールは歩夢の胸に吸い込まれ、勢いを収める。パスカット成功だ。
冬毬「…」ダっ!
歩夢「…!」
しかしすぐに冬毬が飛び掛かり、歩夢からボールを奪いにかかる。
歩夢(くる…! 絶対にボールを守らないと…!)
冬毬が飛び掛かってきたことで空中戦に持ち込まれる。ここでボールを奪われれば再び相手の攻撃。逆転できる可能性が時間と共になくなっていく。なんとしてもボールをキープしなければならない。
歩夢「――!」クルンっ!
冬毬「!?」
歩夢は咄嗟に空中で時計回りに1回転。その際にボールを足で掬い、冬毬が触れる余地を失くして完全にボールを我がものとする。
梢(日向mix)「歩夢さん…! あんな動きが出来るなんて!」
果林「あの動き、まさか…監督が言ってた《真蹴球戦士》の力…!?」
歩夢「…」
空中で1回転してボールをキープという動きに、周りの選手は驚く。そんな歩夢の右腕には、光り輝く紋章が浮かんでいた…
璃奈「ブリッツブリッジ」ビリリリリ!
歩夢「っ!」ヒュンっ!
璃奈「…!」
璃奈が電撃を放つが、歩夢は身体を翻し、電撃をかわす。この反応の早さに璃奈も驚きを浮かべる。
花帆(アームド)「歩夢ちゃん! こっちだよ!」
歩夢「うん、お願い」パスっ!
千砂都から離れ、フリーな位置に走り込んだ花帆。歩夢は彼女にボールを託す。
花帆(アームド)「はあああーっ!!」
党我「ここで負けてしまっては、技連様に顔向けできん…! やらせはせん!」
ボールを持って一点突破を仕掛ける花帆。党我はこれをなんとしても止めると気合を入れ、右手に惑星を繰り出す。
党我「真・プラネットシールド!!」
自らの必殺技を進化させ、花帆にぶつける党我。フルパワーで放たれた惑星が花帆に襲いかかる。
花帆(アームド)「絶対に…負けない!」
ドッゴオオオォォっ!!
党我「くぅっ!」
花帆も化身アームドと光の力で向上した力をフルに活かし、惑星をタックルで粉砕。党我のディフェンスを寄せ付けない。
花帆(アームド)「こんなにサッカーがうまいのに、サッカーの楽しさだって分かってるはずなのに…どうして、みんなを傷つけるサッカーなんてやるの!」
党我「貴様に話す舌など持たん! サッカーで戦うことの意味すら解さん者に!」
花帆(アームド)「あたしは…確かにサッカーを始めたばっかりで、まだ分からないことがたくさんある…だけど、こんなやり方でサッカーをするなんて、絶対に間違ってる!」
党我「『ハーデスト』の…技連様の理想を理解出来ん愚か者め! 貴様のような奴にやらせはせん! ぬおおおおーーっ!!」
党我は自らの体で花帆に突撃。化身アームドした相手に通用しないとは分かっていても、彼の闘志は止まらない。ただ目の前の相手からボールを奪うために。
花帆(アームド)「…」ヒョイッ
党我「なに…!?」
しかし花帆はフィジカルに任せて弾き飛ばしたりせず、ステップで左に移動。党我をかわした。
花帆(アームド)「あたしは、みんなを傷つけるサッカーなんてやらない! 梢センパイや歩夢ちゃん達と一緒に、あたし達のやり方で花咲いてみせる!」
党我「利いた風なことを!」
花帆はあえて党我を傷つけないやり方を取ったようだ。『ハーデスト』がどれだけ花を踏み荒らそうが、絶対に負けずに自分たちのやり方を貫く、そんな決意があらわれていた。
花帆(アームド)「はあああっ!!」ゴオオオォォッ!!
花帆はシュート体勢に入ると同時に、花帆とその周囲から炎が噴き出し、ボールも炎に包まれ、薔薇の花びらのように燃え上がる。蓮ノ空に勝利をもたらす炎のシュートが花咲く。
花帆(アームド)「グロリオーサバスター!!」
ドボッシュウゥゥン!!
論前(Amix)「小賢しいー!」
シュートは炎を纏い、ゴール隅に向かって低空飛行。キーパーにとって面倒な位置に撃たれ、論前は憤慨しながら止めにかかる。
梢(日向mix)「ありがとう…花帆さん!」
党我「なっ!?」
しかしシュートに向かって梢が走り込んでいた。放たれたシュートに別のシュートを重ねてさらに威力を引き上げる…『シュートチェイン』をやるつもりだ。
梢(日向mix)「フォルテッシモ・A!!」
ドォルルルン!! 炎の花に美しい音色がプラスされる。シュートの軌道が正面を突っ切る形に変わり、さらに勢いを強めて『ハーデスト』のゴールに向かっていく!
論前(Amix)「なにっ!? ぐおおおーーっ!!」
論前は反応が遅れ、技を出すことが出来ず吹っ飛ばされる。…しかし、これで終わりではない。
かのん「させない…」
千砂都(アームド)「っ!」
ドガアアァッ!! かのんと千砂都がツインドライブシュートでシュートを蹴る。得点を阻止した上で、カウンターシュートを放つつもりだ。
梢(日向mix)「…やっぱり、そうきたわね」
先程逆転された時も千砂都のカバーでシュートを止められてしまっていた。梢はそれを見越して、花帆のシュートに自分のシュートのパワーをつけ足して対抗する作戦を立てていたのだった。
花帆(アームド)「でも、梢センパイとあたしのシュートなら…!」
梢(日向mix)「花帆さんと私…そして、私に力を貸してくれた人と、花帆さんの中に眠るすごい力があのシュートに乗ってる…!」
梢(日向mix)「私達の勝ちよ…!」
かのん 千砂都「…! ああああっ!!」
バシュウゥゥゥン!!
ミキシマックスした梢の力を足した、化身アームドと光の力で覚醒した花帆のシュート。千砂都とかのんのツインドライブシュートといえど長くはもたず、蓮ノ空の勝利を決定づけるゴールとなった。
ピッピッ…ピー!!
そしてここで試合終了。4-3で、蓮ノ空の勝利だ!
パシュゥゥゥゥン……
花帆「ふぅぅ…」
梢「お疲れ様。本当によくがんばったわね…」
花帆「はい。あたし、今とっても楽しいです…」
試合終了と同時に、ミキシマックスと化身アームドがそれぞれ解除される。いつもの姿に戻った花帆と梢は、お互いに肩を寄せ合って健闘を讃える。そこには達成感が目に見える形で表れていた。
圭助「よし! ミキシマックスブラスター!
バキュゥゥンっ!! 圭助はアナザーミキシマックスをしている論前に向かってミキシマックスブラスターの引き金を引いた。
論前(Amix)「う、うわあーー」
光は論前に命中。オーラがどんどん吸収されて、光はミキシマックスブラスターに戻っていく。そしてミキシマックスブラスターから【スピリット】が生み出された。
論前「うぅ…」
恋「これであの方も無事に救出できましたね」
圭助「ああ…」
論前は元の姿に戻る。圭助の手には【円堂守のスピリット】が握られていた。
党我「南無三! 竜平様ご推薦の者の力を奪われるとは…何と申し開きするべきか…!」
美音「浦木くんが言い訳を考える必要はないですよ。みんなよく頑張っていました。責任は私が取ります」
党我「監督…! くっ、我々の力が及ばんばかりに…!」
一方で『ハーデスト』側は党我が悔しさを滲ませつつ、負けた責任をどう取るかを決めていた。悪の組織のお約束と言うべきか、負けたことで処分を下されるとかはやはり存在するようだ…
党我「栞子、やつの名前は何と言ったか…」
栞子「日野下花帆さん、ですね」
党我「日野下花帆か。…二度と忘れん…!」
党我は蓮ノ空の勝利に大きく貢献した花帆を見つめ、そう呟く。リベンジを誓い、他の選手と共に帰る準備を進めるのであった…
論前「あ、俺は行きたくないです。もうサッカーやめたいです…」
党我「! …しかしそれでは帰りは…」
圭助「俺達が保護しよう。そういうわけだからとっとと帰れ!」
党我「…」
アナザーミキシマックスから解放された論前は『ハーデスト』との同行を拒否。一旦蓮ノ空に保護されることになり、党我達は論前抜きで帰ることになった。
海未「結局、ことりは救えませんでしたね…」
圭助「すまないな…どういうメカニズムで洗脳されているか分からないから、こればっかりは戦ったりスパイの情報を重ねたりして明らかにしていくしかない」
海未「そうなのですね。…そもそも、あのことりは私の知っていることりなのですか?」
圭助「そういえば話せてなかったな…。あのことりさんは君と同じ世界のことりさん。つまり君の幼馴染だ」
海未「分かりました。ありがとうございます。…周りを見ながら、絶対に救い出して見せます…!」
今回も敵にまわってしまった見知った人間を助けることは出来なかった。こればっかりは戦いを重ねて方法を探すしかない。しかし、今の海未にはことりを助けるという決意はありつつも、前のような焦りは見えなかった…
海未(ことり、待っていてください。決して短くない道のりですが、一歩ずつ進んで、必ず救い出してみせます…)
蓮ノ空 4
ハーデスト 3
この創作にいきづらい部のメンバーを追加するなら、麻生麻衣ちゃんと誰がいい?
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高橋ポルカ
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五桐玲
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駒形花火
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金澤奇跡
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調布のりこ
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春宮ゆくり
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此花輝夜
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山田真緑
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佐々木翔音
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追加メンバーは1人が良い
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メンバーを追加するべきではない