―HALF TIME―
時間は飛んで前半終了後。音ノ木坂のチームプレーに上手く対抗できず、0-3で折り返す羽目に。現在はメンバーの交代を行っているところだ。
海未「綴理先輩、後半はよろしくお願いします」
綴理「……うん」
圭那「私は花帆ちゃんと交代だよ」
花帆「ふえぇ~~ん、いいところぜんっぜん見せられなかったよぉ~~……」
圭那「う~ん、多分それが今回の目的というか……とりあえず、今の花帆ちゃんのサッカーは涼太さんに見せられたと思うよ」
今回の試合の目的は涼太に現状の蓮ノ空の力量を見てもらうこと。全員分のサッカーを見てもらう必要があるため、涼太がリクエストして選手の交代をさせていたようだ。
圭助「それでは後半戦だ!」
ピー!!
桐穂「リード広げるよ!」パスっ!
後半戦スタート。今度は音ノ木坂のキックオフとなり、桐穂がボールを蹴ってすずめにボールをまわす。
圭那「いくよ! もーらいっ!」バシィっ!
すずめ「きゃああ!」
波未「なっ!? なんて速さですか!」
ボールが渡った場所に素早く走り込み、滑るように足を出してボールを搔っ攫う圭那。前半に快進撃を繰り広げていたからか、音ノ木坂は予想以上に意表を突かれる。
圭那「はぁっ!」ギュンっ!!
真理奈「だめ! 間に合わない!」
ここな「春香! 希理歌! 止めなさい!」
意表を突かれたのはダブルボランチの2人も同様であった。初期配置の際に空けているスペースを、圭那はそのまま突っ切る。
希理歌「只者じゃないみたいやね……!」シュゥゥゥゥン……!!
希理歌の背から黒いモヤが発生し、人のような姿を形作る。中から現れたのは、両手の指の間にサイコロを持った赤い人型の化身だった。
希理歌「【灼熱のレッドダイス・参式】!!!」
攻め入る圭那を迎撃するため、あらかじめ化身を出しておいた希理歌。しかし、当然キーパーだけでなくDFも圭那を止めにかかる。
春香「簡単には通さないよ!」
圭那「じゃあ私は通らないよ!」
そう言うと足を振りかぶる圭那。春香がディフェンスに入る前にゴールを狙うつもりだ。
圭那「ノースピンバースト…!」ドガアァっ!!
春香「あっ!?」
圭那の必殺シュート。無回転シュートは春香の頭の右上を通り過ぎる……
バッフゥゥンっ!!
そして、ゴールポストより少し高いぐらいの高度まできたところで、ボールに爆発が起こり、無回転のまま爆発の衝撃を利用して急降下。音ノ木坂ゴールを強襲する。
希理歌「スピリチュアルパワー全開!![― ラッキーダイス ―]!!!」
レッドダイスが6つのサイコロを同時に放る。出た目は5つが「6」最後の1つは………「6」!!
バシィィイイイイイッ!!
希理歌「ふふん」
「6」の目が揃ったことによってサイコロの光は結び付く。それによってレッドダイスの力は増幅し、ゴール全体を覆いつくすことで圭那のシュートを完全に止める。
希理歌「スピリチュアルパワー相手に小細工は相性最悪やと思うで?」
圭那「うーん、それもそうかぁ……」
希理歌「それじゃ……頼んだよ!」トンッ!
ボールを手中に収めた希理歌はパントキックでボールを大きく蹴り出す。理沙がそのボールを胸でトラップした。
理沙「【白銀の女王ゲルダ・参式】!!」
歩夢「っ! またくる!」
化身を出してドリブルを始める理沙。先程のフェイントもあり、パスに備えようとする歩夢だが……
ドンっ!!
歩夢「ああっ!」
今度はパワー任せに正面から突っ切る理沙。そのままぶち当たられて歩夢は吹っ飛ばされてしまう。
絵里「歩夢! ……私が相手よ!」
理沙「勝負よ! お母さん!」
続いて絵里が理沙に突撃。そのままドリブルで突っ込んでくると判断し、競り合いに向かう。
ドゴっ!
絵里「うぅっ!」
しかし化身の突破力には手が出せない。難なく吹っ飛ばされてしまう。
綴理「ボクが止める……!」ダっ!
綴理はすぐに雪風を纏いながらジャンプして、理沙に飛び込む。そして次の瞬間、彼女の周りが冷気で包みこまれていく。
綴理「極・スノーエンジェル……!」
理沙「……!」
ガキイィィンっ!!!
さやかのそれより遥かに強力な冷気によって、化身ごと氷漬けにされる理沙。綴理の素早い動きによって再び蓮ノ空の攻撃に転じる。
綴理「あゆ」パスっ
すずめ「いかせません!」
歩夢「っ! 梢先輩!」パスっ!
綴理はすぐに体勢を立て直した歩夢にパス。しかしすずめが真理奈と共に歩夢にプレスをかけようと走り込んできたので、急いで梢にまわす。
ここな「勝負よ!」
梢「抜いてみせる…!」ドガァっ!
ドリブルを始めた梢はボールを垂直に蹴り上げる。蹴り上げたボールには強烈なドライブ回転がかかっており、勢いよく45度に落下していく!
ギュルルルル!!ギュンっ!
ここな「いたっ!?」
梢「Nバウンド・改!」
落下するボールはここなを吹っ飛ばし、垂直にバウンド。梢はジャンプしてそのボールを胸トラップ。完全にここなを抜き去る。
春香「3vs3……みんな、ここが正念場だよ!」
真島「はいっ!」
梢の前には既に果林、圭那がおり、一方で音ノ木坂ディフェンス陣は3人。梢がシュートを撃つか、前の2人にボールを託すかの駆け引きが要求される。
果林「梢! こっちよ!」
梢「ええ!」パスっ!
その駆け引きで梢に選択をさせたのは果林。自分が決めようとパスを要求し、梢にボールを蹴らせた。
咲良「安直よ」
果林「2度目はないわよ……!!」
いつぞやのようにトラップしたところを奪おうとする咲良。しかし果林は右足でボールを蹴る体勢に入っていた。
果林「Starlight・Ⅴ4!」
ドゴォっ!!
咲良「ぐぅっ!?」
なんと果林は咲良のディフェンスを必殺シュートで強引に押し込みにかかる。咲良のお腹にボールが直撃する形となるが……
果林「はあああーーっ!!」
キラアアァァァンッ!!
咲良「あああっ!!!」
構わず足を振り抜く果林。ボールは煌めく星の光となり、音ノ木坂ゴールを強襲する。
希理歌「ちょっ……! このお!」
その光景に驚く希理歌。既に化身は出していたが必殺技は出せず、通常の化身キャッチで迎え撃つことに。
バチイィッ!!
希理歌「うわっ!」
バシュウゥゥゥン! ピー!!
果林のシュートは普通の化身キャッチであれば簡単に弾き飛ばすほどの威力を誇り、希理歌を吹っ飛ばしてゴールに突き刺さる。ようやく蓮ノ空が一矢報いるのだが……
希理歌「ちょっと待ったーーー!!」
果林「えっ!? ど、どうしたの……」
希理歌「どうしたやない! あんた、今のプレーはあかん!」
咲良「う、ううぅぅ……」
果林「……!? ま、まさかケガしてるの!?」
果林のシュートを腹にまともに喰らったことで、咲良がケガをしてしまった模様。シミュレーションといえど、仲間を怪我させられたことに音ノ木坂のメンバーは怒る。
花帆「ごめんなさい! 果林センパイも謝ってください!」
果林「うわわっ!? ご、ごめんなさい!」
ベンチにいたはずの花帆が駆け寄ってきており、頭を下げる。同時に右手で果林の頭を勢いよく下げさせ、果林も頭を下げた後に謝罪の言葉を口にする形に。
パシュゥゥゥン……
花帆「あ、あれ……?」
梢「消えてしまったわね……」
謝った直後、音ノ木坂のメンバーは消えてしまった。どうやら圭助が練習用対戦ルートのスイッチをオフにしたようだ。
圭助「悪い。これ以上は続けるのは良くないと思ってな……涼太くんの方も既にフィードバックを考えているから、そこは安心してくれ」
花帆「う……絶対良くない、ですよね……」
涼太「……」
顔を少し青ざめさせて落ち込む花帆達。間違いなく褒められるような試合内容ではないことは、プレーをした本人たちが一番分かっているようだ……
涼太「う〜んと……異世界を比べるのもどうかと思うんだけど、ちょっと俺の世界と比較していい?」
梢「え、ええ……」
涼太「俺の世界にも花帆ちゃんがいるんだけどさ、俺が蓮ノ空と、雷門として試合した時の花帆ちゃんに対する思ったことと、今梢さんに思ったこと言っていい?」
海未「あなたの世界の花帆とこちらの梢先輩を比較するということですか?」
花帆「あたしが梢センパイよりすごいイメージなんて、全然つかないですけど……もしかして、他の世界のあたしは全試合ハットトリックのすっごいストライカーだったり!?」
涼太「さすがにそこまでは行ってないぞ……でも、俺の世界の花帆ちゃんのほうがこの世界の梢さんよりもずっと動きが早いし、判断力もあるのは確かだ」
花帆「あちゃ〜……全試合ハットトリック出来なかったよ……」
海未「落ち込むところはそこではありませんよ。今のあなた……いえ、私達より遥かにすごいことは事実なのですから」
梢「その通りよ。昨日、あなたはインターハイの決勝で私達とあたったと言っていたわよね?」
涼太「ああ。厳密には花帆さんが2年生の時、つまり世界が違うとはいえ、今から1年半経過した状態であたったんだ」
さやか「……ということは、わたし達も練習を積み重ねれば、あなたの世界の花帆さん達のようになれるということですか?」
涼太「うん。そのためにも今は欠点を一つずつ改善していかないと。話を戻すと、梢さんは動き出しが遅いのが欠点。ボランチのコンビプレイに何も出来なかったり、圭那さんが攻めてる時にすぐにサポートに入れなかったりしてた」
梢「そう……思えばレベルの高い連携を見て、どうしようと考えている内に抜かれてしまっていたわ」
涼太「一瞬の判断力とか、瞬発力を鍛えた方が良い。そして、ゲームメイカーに必要な知識もつけて、そもそも相手の動きに対して適切な動きを出す引き出しを多くしておいたら、相手の高度なプレーに対して動けないという事は起こらないかと」
梢「判断力と、瞬発力と、知識。……自分のことを完璧だなんて少しも思っていないけれど、私にはこんなにも悪いところがいっぱいなのね……」
涼太「こっちの世界の蓮ノ空も、あなたたちと同じ頃に俺達雷門と戦った頃にはそんな感じだったし、チームみんなで少しずつ強くなっていけばいい。そういうわけなんで、他の皆さんもどこを改善すればいいか話しますね」
こうして、1人ずつ丁寧に今の蓮ノ空メンバーの改善点を話していく。
まず花帆はフィジカル面に難があること
さやかはディフェンス全般の当て方が悪いこと
綴理は《完全無欠の模倣》の根底にある観察力を他のことに活かせていないこと
歩夢は自分で仕掛けることが少なく、プレーに関与できていないこと
四季は身体の反応速度が遅いこと
海未はワンプレーごとに周りを見れていないこと
レアンは真正面から突っ込み過ぎなこと
絵里はパワーが足りていないこと
塔子は相手の不意な動きに対応が遅れやすいこと
恋はバランスが良い分突出した部分がないこと
圭那はストライカーというにはシュートのパワーが足りないこと
そして……
涼太「果林さんは……まず、最後のシュートに関して言おうか」
果林「え、ええ」
落ち着いていながらもどこか険しい表情をする涼太。それに心当たりがある果林は落ち着こうとしながらもどこか怯えているのだった。
涼太「あんなシュートの撃ち方は最悪だ。サッカーなんだから接触プレーとかで傷ついてしまうことはもちろんある。でも、だからって相手を怪我させてしまうリスクを考えなくていいわけじゃない」
果林「そ、そうよね……」
涼太「ハッキリ言うけど、あんなプレーは戦略的に動けないバカのやることだ。あんなことしなくても、DFを出し抜いてシュートを撃つことはできる。でも、そうしなかったのはDFを出し抜くだけの技量と頭が今のあなたにないからだ」
果林「う……っ」
顔を下げて俯いてしまう果林。彼の言う事は紛れもない正論だった。相手を傷つけずにゴールを決める方法が分からない。それ故にあんなことをしてしまった。自分がバカで倫理観もないと痛感してしまう。
涼太「とりあえず、改善点は周りを見たうえでそれをどう活かすか考えること。そして、相手を傷つけなくてもいいプレーが出来るように、梢さんと同じように適切な動きの引き出しを多くすることだ。本当はサッカー選手として最低限の倫理観は身に付けて欲しいけど、意識しすぎると今度は踏み込んだプレーがやりづらくなってしまうからな……」
果林「分かったわ。……ごめんなさい。花帆ちゃん」
花帆「果林センパイ? どうしてあたしに謝るんですか……?」
果林「前に『ハーデスト』と試合をした時に、確かあなたはああ言ったでしょう」
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花帆(アームド)「あたしは、みんなを傷つけるサッカーなんてやらない! 梢センパイや歩夢ちゃん達と一緒に、あたし達のやり方で花咲いてみせる!」
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果林「今日の私のプレーは、そんなあなたのサッカーを否定するものだった。あなたと一緒にサッカーをしているのに、本当に恥ずかしいことをしたわ……」
花帆「それは……次から気を付けましょう。あたしは、果林センパイと一緒にサッカーしたくないなんて言いませんから」
果林「ええ……」
同じFWとして『ハーデスト』と戦った果林は、花帆の決意を近くで聞いていた。そんな花帆のサッカーを否定してしまうようなプレーをしてしまったことを深く反省する。
圭助「『ハーデスト』、か。今日の朝香のプレーは、どこかで起きてしまう事だったのだろうな」
さやか「えっと……それはどういうことでしょうか?」
圭助「ここにいるほとんどのメンバーは、ここに来るまでサッカーに触れてこなかっただろう? そんな人たちが『ハーデスト』の危険なサッカーに揉まれてきたら、知らないうちに染まってしまうと思わないか?」
果林「そんな……私が、『ハーデスト』みたいなサッカーを……?」
圭助の言葉に深く焦燥感を覚える果林。『ハーデスト』から世界を守るためにここに来たのに、その『ハーデスト』と同じような存在になりつつあることを考えると、とても平常ではいられない。
涼太「そうならないように、これから相手を傷つけなくても勝てるサッカーを覚えていけばいい。さて、最後にチーム全体の総評に入りたいところだが……いや、やめとこうかな。俺の色眼鏡バリバリ入ってるし」
梢「失敗してしまったわね。その言い方は余計に聞きたくなってしまうわよ」
花帆「そうですよ! お願い! どんなチームに見えるか教えて!」
涼太「う……なんでも口に出すもんじゃないな……よし、言うか」
興味津々で涼太を見つめる花帆。話さないのは消化不良になるままだと判断した涼太は、色眼鏡が入っていることを伝えたうえでどんなチームに見えたかを語る。
涼太「なんだか……歪なチームに見えるんだ。不仲とかそういうのじゃないけど、なんかチームがつながりきれていないような……そんな気がする」
綴理「いびつ……」
涼太「まぁ、女子校にしてもいるはずの人間がいなかったり、俺の世界だと親世代、ひいてはそれよりさらに上の世代の人間が一緒にいたりするから、そう見えてしまってるのかもだけど……」
海未「色眼鏡というのは、あなたの世界の私達はもっと上の世代の人間であるから、どうしても不自然に見えてしまうということですか」
涼太「ああ。だからこれは俺の勘違いかもしれない。しいて一つ気になるとすれば、藤島慈って人は知ってたり……」
四季「……!」
梢 綴理「……」
涼太の口から出てきた名前を聞いて、驚く四季。一方で梢と綴理は何も言わずとも、「それ以上言うな」といった顔をしている……
涼太「あ……ごめん、やっぱりなんでもない」
圭助「涼太くんから受けたフィードバックをもとに、早速練習してみよう。試合を中断したことで時間を取れるしな」
花帆「あ……はい! あたしは身体を鍛えるんですよね!」
圭助「そうだな。各自、課題を克服するためにトレーニングだぞ!」
機転を利かせるのも兼ねて、トレーニングを始めさせる圭助。蓮ノ空のみんなが練習に言ったところで、涼太に小声で話す。
圭助「ああいうことはむやみやたらに言っちゃダメだぞ。タイムパラドックスとか起きかねないからな」
涼太「すんません……気を付けますね」
この創作にいきづらい部のメンバーを追加するなら、麻生麻衣ちゃんと誰がいい?
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高橋ポルカ
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五桐玲
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駒形花火
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金澤奇跡
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調布のりこ
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春宮ゆくり
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此花輝夜
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山田真緑
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佐々木翔音
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追加メンバーは1人が良い
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メンバーを追加するべきではない