綴理「……」
四季「……」
シャーペンを筒に落とす練習を手伝ってもらっている四季。現在、綴理がシャーペンを持って、四季はいつ落ちるか分からないシャーペンをキャッチするために筒の斜め下に右手を添えている。
綴理「うーん」
四季(何考えてるか全然分からない……これじゃいつ落としてきそうか見当もつかない)
綴理はシャーペンを手に取ったまま、ボーっとしているようにも見えていた。まるでシャーペンを落とすという目的も忘れてしまったかのように……
綴理「えい」ポイっ
四季「あ……っ」
当然予告などなく、突然シャーペンを手放す綴理。四季は右手でつかみにかかるがタイミングが早すぎて、シャーペンは四季の手に当たって弾かれて地面を転がってしまう。
四季「やっぱり、自分1人でやるのとは全然違う……」
綴理「しき……焦ってる」
四季「え?」
上手く掴めなかった理由を冷静に分析する四季。……だが、綴理には焦りが前面に出ているように感じていたようだ。
四季「……確かに、焦ってないって言ったら、ウソになる。私はキーパーだから、誰も代わりなんていないし、私がもっと頑張らないと……」
綴理「待って、確かにキーパーはしきだけだけど、ボク達もDFとして頑張る。だから、しきだけがそんなに背負わなくても……」
四季「綴理先輩たちは頑張ってる。問題は、私が力不足なこと。……自分一人じゃ何も守れないキーパーなんて、そんなの……サッカー選手としてダメだと思う」
綴理「……そっか。ケガとかには気を付けてね、しき……」
四季の焦りを理解しつつも、綴理には四季がケガしないように頑張ってもらうように言う事しか出来なかった……
―視聴覚室―
現在、涼太のスマホをプロジェクターに接続して彼の世界の蓮ノ空の試合を観ている果林と梢。相手のキーパーがシュートを止めたところからの競り合いのシーンを観戦していた。
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泉「この程度かい? 行けっ!」ドッ!
キーパーの泉からのゴールキック。もともとストライカーのようで、ボールは一気に前線へ。
友部「ナイス泉ちゃん!」
姫芽「させるかあっ!!」
友部がトラップする前を狙い姫芽がオーバーラップし跳躍。競り合いだ。
ガッ!
友部「つ! らあっ!」
ドガッ!
姫芽「つ!」
姫芽は弾かれてしまう。
姫芽(でも体勢は崩した!)
姫芽「お願いします!」
慈「まかせて!」バシッ!
崩れた態勢では対応できず、慈がボールを掻っ攫う。
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梢「……」
果林「えっと……これは最初からこのベージュの髪の人がボールを奪えるように連携してたって事かしら?」
涼太「正解。じゃあこの連携で具体的にどこがすごいかは分かります?」
果林「そうね……キーパーがどこにボールを飛ばすか分からないのに、よく2人がかりで向かえるなと感じたわ」
梢「確かに。これが、動き出しが早いということなのかもね」
涼太「正解。ちなみに果林さんはどこにボールが飛ぶか分からないと言ったけど、相手の配置を把握しておけばだいたいどこに飛んでくるか当たりをつけられますよ」
梢「基本的に味方にパスをするのだから、多くても11通りに絞れるものね」
涼太「そして、そこからの動き出しを早くするコツは、相手が動くのを見てからじゃなくて、分からなくても動きを予測して、運に任せてでも何かしらのアクションを起こすこと」
果林「それを踏まえてさっきの連携を見たら、いかに高度かが分かる……二人が相手の動きを事前に予測した上で、連携できるように素早く動いたって事でしょう?」
涼太「そうなりますね」
梢「本当にレベルが高いのね、あなたたち……」
涼太に解説してもらいながら、向こうの蓮ノ空のプレーや戦術で参考になる点を学習する梢と果林。梢は感心しつつも、どこか病んでいるかのように悲し気であった……
梢「どうして、私たちはこうならなかったの……」
―グラウンド―
一方、さやか・塔子・海未・レアン・歩夢は、オフェンスが数的不利のサッカーバトルをやっていた。基本的にレアンがボールをキープしているところに塔子の指示のもと海未とさやかが奪いにかかり、歩夢がレアンのサポートにまわる形だ。
さやか「いきますよっ!」ズサー!!
レアン「っ! 歩夢!」パスっ!
さやかの斜めからのスライディングをジャンプでかわすレアン。その後空中で歩夢にボールを蹴り出す。
海未「逃がしません!」
歩夢「! はぁっ!!」ギュンっ!
海未「うっ!?」
海未がすぐさま歩夢に突っ込んでくるが、歩夢は思い切ってドリブルで突っ切り、海未の横を素早く通り抜ける。
塔子「勝負だよ、歩夢!」
素早く突破してくる歩夢に怯まず、競り合いを仕掛ける塔子。ショルダータックルで討ち取りにかかる。
ドッ!!
歩夢「うっ……っ!」パスっ!
海未「今度こそ!」バシッ!
レアン「あっ!」
タックルに当たってしまう歩夢。怯まずボールをレアンにまわすが、海未が飛んできてボールを奪われてしまった。
歩夢「ダメだった……今のは良い感じだと思ったのに……」
さやか「タックルに当たってもただではやられず、すぐにボールをレアンさんにまわしていましたからね」
レアン「いや? それなら前に進んで塔子を押し返した方が良かったんじゃない?」
塔子「うん。ボールをまわせるならどーん! って行けたりもしただろ?」
歩夢「そ、それは……ああ……ついつい他の人に任せようってなっちゃうよ……」
タックルを受けてなお動けるなら、咄嗟に押し返しにかかることも出来た。しかしそれが出来なかったことで、歩夢は落ち込んでしまう。
さやか「性格上どうしてもそうなってしまうのかもしれませんね。歩夢さん、引っ込み思案な印象を受けますし……」
歩夢「うん……だからさっきみたいな時に、すぐに他の人に任せようって思っちゃうんだろうね……」
海未「ああいう咄嗟の判断をする場面では、どうしても性格に沿った動きになりますからね」
歩夢「はぁ……ダメだなぁ……自分で決めようってならないFWなんて、FWじゃないよね……いや、サッカー選手としても……」
さやか「歩夢さん……」
落ち込む歩夢に、どう声をかければいいのか分からないさやか。励ますことも、さらに指摘することも、ここでは適切でないと考えると次の声掛けを難しくしてしまうのだった。
ーハーデスト石川支部ー
蓮ノ空が特訓に勤しんでいる頃、彼女達と敵対する『ハーデスト』もまた、自分達の特訓に勤しんでいた……
竜平「今日は番道監督が用意してくださったゴミを使って、上半身のフィジカルを鍛えるぞ」
青熊「は、はいぃ……」
以前蓮ノ空の観戦に来ていた火宮竜平と、最初に蓮ノ空を襲ってきた青熊豪州が練習に参加。立場は明らかに竜平の方が上なので、青熊はビクビクしながら話を聞いている。
そして、5分後。白いポニーテールに赤い目をした少女と、鼻に切傷の残る黒髪の男性が現れる。
竜平「迅に……ミベルか」
ミベル「こんにちは。竜平さん」
迅「……」
軽く挨拶をかわすミベル。この2人も『ハーデスト』の構成員。上半身のフィジカルを鍛える特訓に共に参加するようだ。
番道「偉大なる『ハーデスト』の守備陣諸君。私は元日本代表DFにしてフィジカルコーチの、番道興毅であるあるあるあるあるある……」
青熊「ぷぷっ」
竜平「チッ……」
青熊「ひえっ」
マイクを持って、練習を指導する太っちょなコーチが登場。しかし音声設定をミスっているのか、めちゃくちゃエコーがかかってしまっている。
番道「今回やるのはメリケンサック特訓。拳を握り締めて、サンドバッグをボッコボコに殴ってもらうことで、上半身の腕や肩周りの筋肉、そしてフィジカルを鍛えてもらうよ〜ん」
青熊「め、メリケンサックぅ!?」
竜平「そうだ。あれは拳を強く握り締めていないと使えないだろう? 筋肉に負担をかけるためには拳を握り締めていないといけない。それを保つためのメリケンサックだ」
番道「そうそうそのと〜り! というわけでサンドバッグ共を持ってきたわよ〜ん!」
どこかコミカルな喋り方で練習の解説をする番道。めちゃくちゃ面白そうだが、持ち込まれたサンドバッグを見てその気はすぐに失せることになる。
外国人選手「うああああっ!! やめろ!! 俺は将来スペインの一番星になるんだぞーー!!」
移民「は、放してくれ〜〜!! 野蛮人共〜〜!!」
持ち込まれたのはなんとサンドバッグに磔にされた外国人選手と、日本に来た移民。将来を渇望された外国人選手や、ルールを守らない移民を連れ去って来たのだ。
青熊「ええええ〜〜~!?」
番道「今回のサンドバッグはなんと20個!! キミ達にはそれぞれ5個ずつ、サンドバッグをぶっ壊してもらうのだ!」
青熊「ままま、待ってください! 相手は人間ですよぉ!? そいつらを殴れなんて……」
迅「ふざけるなァ!!」
青熊「ずびゃらぁ!?」
あまりに非道な特訓に意見しようとする青熊。すると今まで黙っていた迅が突如怒りを爆発させ、青熊の胸ぐらをつかむ。
迅「貴様、コイツらを人間というつもりか! コイツらの中には、俺の兄を壊した奴もいるんだぞ!!」
青熊「ぎえええー! あなたの兄の事情なんて知りませんよぉ〜〜~!!」
迅「っ!! コーチ、特訓を変更だ。サンドバッグは1人7つにさせてもらう!!」
番道「こらこら〜! 同士討ちをするな〜!」
ミベル「そうですよ。迅さん、その人を放してください」
迅「ダメだ! 兄ちゃんのことを聞いて知らんなどと言う奴は、もはや俺の味方ではない!! 敵は殲滅しなければならん!」
青熊「謝りますぅ! 謝るから許してぇぇ!」
兄を侮辱されて激怒した迅は、青熊もサンドバッグにしようとする。その怒気は間違いなく本物。青熊は慌てて必死に謝ろうとしていた。
ミベル「迅さん、許してあげてください。この人には、私がちゃんと説明しますから……」
竜平「そうだ。替えの効かないキーパーを減らされると困る」
迅「……チッ!!」
ガンっ!!
青熊「ぐええ!」
2人に諭されて、ようやく手を離す迅。ありったけの力で地面に青熊を叩きつける。
ミベル「青熊さん。彼らは日本を虐げるための悪魔達の卵です。人間じゃないことをどうか分かってください」
番道「ミベルの言う通り! 彼らはルールを守らない移民だったり、将来有望なヨーロッパの選手! それとも特訓がめんどくさいかな? それなら特訓を楽しめるようにしてあげよう!」
青熊「た、楽しむ……?」
番道「そうよ! 今からみんなはサンドバッグを5個壊すが……ただ壊すだけでは面白くない。それぞれが望むご褒美を出すという条件で、誰が最初に5個のサンドバッグの息の根を止められるかのゲームをするのはどうかな?」
青熊「……」
事情があるとはいえ、人の命を奪う練習を、ある者はゲーム感覚で提案し、ある者は真顔で提案する。少なくとも言えるのは、ここにいる者たちはこの練習をおかしいと、青熊以外は誰一人思っていないのだ。
青熊(『ハーデスト』に入って、他のサッカー選手相手に威張り散らしたかっただけなのにぃ〜〜!)
『ハーデスト』に入ったことを内心後悔し始める青熊。しかし、目の前の練習からはもはや逃れられないのであった……
竜平「おらぁ!!」
ゴズっ! バシッ! ドゴオっ!!
移民「ぐああああああ!!!」
メリケンサックを装着した握り拳が、サンドバッグの顔に直撃。そこから生じる痛みによって、サンドバッグは絶叫する。
迅「兄ちゃんが受けた痛みの万分の一でも味わうがいい!」
バギィっ!! バギィっ!!
外国人「アアアア゛ア゛ア゛!! やめろぉ! やめろぉ!!」
迅「ふざけたことを……! 貴様は兄ちゃんがそう言った時にやめたりしたのかぁ!!」
バギィィ゙っ!!!
迅の怒りに任せた鉄の拳が外国人選手の顔を血に染めていき、歯をボロボロにし、遂には目をも潰す。その度に苦痛に悶える叫びがこだまするが、怒りで我を忘れている迅にその声が届くことはない。
外国人選手「あう……アウ……」
迅「我らのこの想い、今こそヨーロッパ人共にィィィィ!!!」
ドグシャアァア!! メリケンサックは外国人選手の心臓に直撃。怒りと憎しみによってよりパワーを増した拳は、将来のヨーロッパのスターを、血に染まった星屑に変えるのであった。
番道「ホッホッホ! 佐藤くん、まずは1人抜き! この調子でサンドバッグ共を、恐怖のズンドコに陥れるのだぁ〜〜~」
移民「ひいい! イヤだ! 死にたくないぃぃー!!」
竜平「諦めるんだな。全部お前らが悪いんだ!」
バシッ!!
人が死んでいるにも関わらず、コーチの番道はサッカーの試合を観に行くような楽しみ方をしている。恐怖と怒りと笑いが場を包む中練習は続き、最終的に移民と外国人選手の屍がたくさん転がるのであった……
オリキャラ解説
番道興毅(ばんどうこうき)
妄想cv 島田彰
元日本代表DF。太り気味の巨漢であり、コミカルで残忍な性格を持つ。
チームメイト曰く、昔は真面目だったようだが、日本代表の経験が彼の性格をおかしくしてしまったらしい。
この創作にいきづらい部のメンバーを追加するなら、麻生麻衣ちゃんと誰がいい?
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高橋ポルカ
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五桐玲
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駒形花火
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金澤奇跡
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調布のりこ
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春宮ゆくり
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此花輝夜
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山田真緑
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佐々木翔音
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追加メンバーは1人が良い
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メンバーを追加するべきではない