……短いかな
―ハーデスト石川支部―
蓮ノ空が特訓を続ける間、当然『ハーデスト』も特訓を重ねている。そして、現在はやはり蓮ノ空と同じように定期的なミーティングを行っていた。
ミベル「三船栞子さんですね。私はミベルです。今回は私があなたと共同キャプテンとして蓮ノ空を襲撃することになりました」
栞子「ミベルさん、よろしくお願いします。それと、申し訳ありません。私が信頼を得られないばかりに、あなたのお時間をいただくことになってしまって……」
ミベル「問題ありません。お父さんの、『ハーデスト』の悲願を達成するための力になれるのですから」
番道「ホッホッホ! 私のために頑張ると言ってくれるなんて、我が娘ながら照れちゃうわい」
ミーティングには栞子とミベル、そして監督として以前メリケンサック練習の指導をしていた番道が参加。挨拶を済ませたところで、1つ驚く事実が飛び出してきた。
栞子「あ、あなた方は親子なのですか!?」
ミベル「はい。……やはり、お父さんにはほとんど似ていませんか」
番道「それもしょうがない。ミベルは母親に似るようにしたからのぉ~~」
栞子「母親に似るように……とはいったい……」
子どもは親に似ると言われているが、それは親自身が意図的に似せられるわけではない。あたかも番道自身が似せたかのような発言に、違和感を覚える栞子。
ミベル「私は、遺伝子操作によって産み出されたんです。なんとしてもヨーロッパを叩き潰すべく、普通の人間よりも身体がとても強くなるように遺伝子を強力なものに組み替えてもらって……」
番道「『ハーデスト』が他の世界から金や選手を集めていることは、以前寺頭から聞いただろ~~?」
栞子「はい」
番道「それでそれで、他の世界から優秀な選手を生み出せそうな存在から、遺伝子も採取しておる。『ハーデスト』の誇る技術であれば、髪の毛一本からでもクローンを作り出せるのだ。だからと~~~っても強くて捕獲が困難な者でも、その辺を歩いて落ちた抜け毛を拾うだけで遺伝子を採取できる」
栞子「す、すごいですね……」
番道「えーと、キボスだったかそんな所で、銃を撃ってくる人間を素手でなぎ倒してるすごい女がいたのだ。その女は色んな所をほっつき歩いとるから、簡単に抜け毛を取ることが出来た。そして、その女の遺伝子と私の遺伝子を掛け合わせて、そしてそこに他の世界の優秀なサッカー選手のスピリットを混ぜて調整することでさらに優秀な遺伝子にして、産み出したのが我が自慢の娘なのだぁ~~~!」
ミベル「話を戻すと、こうして遺伝子を調整する時に女の方の遺伝子が色濃く反映されるようにしたというわけです」
栞子「……あの」
ミベル「はい?」
ミベルの出生を自慢げに語る番道。その説明を聞いた栞子は先程よりもさらに違和感を覚えていることを表情で表しながら、ミベルに質問をする。
栞子「その女の方は、あなたの母にあたるはずなのですが……お母さんとは呼ばないのですか?」
ミベル「呼びませんね……だって、会ったこともないのですよ? しかもその人は私が娘である事なんて知りません」
栞子「なっ……」
先程の番道の説明からミベルと彼女の母にあたる人間との関係を察する栞子。顔を合わせることもせず、拾った抜け毛から遺伝子を採取して子どもを作っているという事は、その母親からの了承など当然得ていないのだ。
番道「まぁそう深刻な顔をするでない。私としてはと~~っても優秀で、《
栞子「コーディネートチルドレン……ですか」
ミベル「はい。私のように産まれた人間は『ハーデスト』ではそう呼ばれています」
番道「私だけではなく、『ハーデスト』にいる元日本代表の人間はみーんな《CC》を設けておる。我が子が『ハーデスト』の夢を叶える手助けを出来るのが嬉しいからの」
ミベル「では、本題に入りましょう。今回の蓮ノ空への侵攻ではこの《CC》を、私の他にあと2人チームに入れようと思います」
栞子「なるほど。それは戦力が大幅に上がりそうですね」
ミベル「そのつもりです。『ハーデスト』が捕獲した《
栞子「《超蹴球戦士》…… 《
《真蹴球戦士》に似て非なる言葉が出てきて、言い間違いなのではと感じる栞子。しかしそれは違うようだ。
ミベル「実際には同じ存在のようですが、『ハーデスト』で捕獲した人達は敵の《真蹴球戦士》と区別できるように、《超蹴球戦士》と呼んでいます」
番道「技連と仲の良い謎の男に、そうするように言われたのだ。スーパーとリアルってまるでロボットゲームみたいだのう」
栞子「よく分かりませんが……とにかく、私たちの味方は《超蹴球戦士》、敵は《真蹴球戦士》と呼べば良いのですね」
ミベル「そうですね。そしてこの《超蹴球戦士》にサッカーの経験を積ませ、能力を覚醒させれば、ヨーロッパを圧倒することも、そして万が一《真蹴球戦士》達が力を覚醒してしまったとしても対抗することが出来るとのことです」
番道「そういうわけだから、ミベルと一緒に何人かの《超蹴球戦士》もチームに入れておくのだぞ〜~?」
栞子「分かりました。では……」
ミベルと番道の発言をもとに、今回のメンバーの選定を行う栞子。《CC》がチームを引っ張り、その中で《超蹴球戦士》に経験を積ませるというやり方をこれから取っていくようだ……
―サッカー部部室―
圭助「『ハーデスト』が5日後にここに攻めてくる」
果林「この前追い払ったのに、また来るのね」
涼太「『ハーデスト』か……」
梢「涼太さん、大丈夫? 話について行けるかしら……」
スパイから『ハーデスト』が蓮ノ空に攻める話を聞いた圭助は、早速サッカー部に連絡。他の世界から来た涼太が話についていけないのではないかと、梢は心配する。
涼太「大丈夫です。実は、果林さんと梢さんに俺の世界のサッカーの映像を見せたんですけど、最初はこの世界のサッカーを参考にさせようと思ったんですよ。その時に、この世界のサッカーのことと、『ハーデスト』のことを調べておきました」
梢「そう……研究熱心ね」
圭助「では通常通り話を続けることにする。スパイの情報によると、今回『ハーデスト』は《CC》なる存在をチームに採用したようだ」
綴理「コーディネート?」
さやか「なんですって!? 《CC》ですか!?」
花帆「わ! さやかちゃん、どうしたの!?」
圭助から《CC》の存在を聞いて、突然声を荒げるさやか。周りは思わずビックリしてしまう。
さやか「す、すみません。取り乱してしまって」
海未「さやか、もしかしてご存知なのですか?」
さやか「はい。《CC》は15年前に日本サッカー界においてとても問題になったんです」
果林「15年前……ちょうどさやかちゃんが産まれた時じゃない」
さやか「実は、父親が元日本代表の選手だったんです。それで、この《CC》にも深く関わっていたみたいで……」
花帆「えっ! さやかちゃんのお父さん、そんなにすごい人だったの!?」
さやか「お父さん自身は、日本代表だったことを全く誇らしくは思ってないですけどね……。わたしも別に誇らしくないです」
涼太「マジか……」
涼太(俺は親父や母さんのことを目標にしているのに、なんだこの差は……)
苦い顔をして答えるさやか。それを聞いた涼太は同じ代表選手を親に持つ人間として、あまりの格差に困惑していた。
さやか「話が脱線しても困りますし、《CC》について話します。《CC》は、20年前の日本代表がワールドカップでヨーロッパに敗戦したことをきっかけに、次の世代で絶対にヨーロッパを倒すために、サッカー協会によって産み出される計画が立てられていた人間です」
涼太「次世代の日本サッカーを強くするための計画……といったところか?」
さやか「はい。……ですが、それは協会の会長の激しい反対によって、結局実現しなかったとされています。それもそのはず、日本代表選手が子供を設ける際に遺伝子を弄って、サッカーの才能にあふれた人間を意図的に産み出そうという計画なのですから……!」
圭助「人間の遺伝子操作か」
涼太「なんて奴らだ……! 勝ちたいからってそこまでやんのか!」
海未「人の命まで弄ぶなんて……!」
《CC》の説明を聞き、怒りに手や顔を震わせる蓮ノ空。既に思うところはあるものの、さやかの話はまだ続く。
さやか「海未さんのおっしゃる通り、これは人の命を弄ぶやり方。サッカー協会では採用されませんでした。……しかし、会長のやり方にどうしても納得できなかった元日本代表選手は、サッカー協会を抜けて『ハーデスト』を結成。《CC》を産み出すことを強行したみたいです」
涼太「もしかして、キミの父親も『ハーデスト』に入ったのか……?」
さやか「正解です。母と一緒に『ハーデスト』に入りました。……でも、両親はわたしを産む前に「自分の子どもを復讐の道具にしたくない」と思って、『ハーデスト』から抜け出してくれたみたいなんです」
絵里「お父さんとお母さんが、あなたのように優しい人で良かったわね。危うくあなたも《CC》として産まれるところだったのでしょう?」
さやか「そうですね。父曰く、《CC》を産み出す際にはチーターや鷹といった動物の遺伝子を組み込んで、本当に人間を超えた存在を産み出す構想が練られていたとのことですので……。わたしも、少し違えば動物の遺伝子を組み込まれて産まれたのかも……」
花帆「こ、こわい!」
圭助「そこまで来ると遺伝子操作どころか、人造人間だな……。動物の遺伝子まで組み込んだら本当に化け物になるかもしれないぞ」
『ハーデスト』の造る《CC》がどんなものかを聞いて、先程と同じように怒りに震える者もいれば、さやかが《CC》として産まれかけたことに恐怖で震える者も。そんな中、監督の圭助が遺伝子操作に関して話し出す。
圭助「遺伝子操作は倫理的に非常に問題のある技術となっている。親にとって子どもが自分の都合の良い存在になるよう、容姿や才能を弄ることは特にな」
梢「サッカーに限って言えば、もし遺伝子操作を行った人間がフィールドに放たれれば、それを受けていない私達は不利な戦いを強いられる。不公平なスポーツになってしまうわ」
圭助「その通り。さらには、その不公平さから遺伝子操作された人間に対する差別や迫害が行われる可能性がある。そうでない場合でもみんなが子どもに遺伝子操作を行い、それが出来ない人間との不公平さは益々加速する」
四季「それ以前に、今回のケースは親が子どもをサッカー選手に、そして『ハーデスト』の人間にする前提で遺伝子を弄ってる。産まれてくる子どもの事なんて考えてない」
海未「子どもを産まれる前から自分の野望の道具として扱っているという事ですからね。……本当に、どうしてそんなことが出来るのですか、あの人達は……!」
語る程に遺伝子操作に関する問題点が出てくる。『ハーデスト』に関してはヨーロッパサッカーを打倒するために人間でないモノの遺伝子まで組み込んで《CC》を生産しており、特に悪質と言える。
涼太「さて、気持ちは分かりますけどそこまでです。あなた達がこれからその遺伝子操作人間と戦うことになることに変わりはない。文句ばっか言ってないでどう勝つか考えないとですよ」
梢「そうね。財前さんや歩夢さん、圭那さんがいない間に負けるわけにはいかないものね」
圭助「このメンバーでの戦術を考えておかないとな……練習試合で、実際の動きがどんな感じになるか確認しておこう」
用語解説
CC(コーディネートチルドレン)
元日本代表、現在の『ハーデスト』によって計画された、常人を凌駕する身体能力を持ってサッカーの実力に特化するように遺伝子操作を受けた人間。
『ハーデスト』に属する元日本代表選手と、異世界の人間の遺伝子で受精卵を作成し、そこから他の人間や生物の遺伝子を組み込んで弱点を解消し、完璧に近い人間として産まれるようにする。
現実世界の遺伝子操作の問題点に加え、他の世界の方の親は自分の知らない所で自分の子どもを作られるという問題点がある。
この創作にいきづらい部のメンバーを追加するなら、麻生麻衣ちゃんと誰がいい?
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高橋ポルカ
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五桐玲
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駒形花火
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金澤奇跡
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調布のりこ
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春宮ゆくり
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此花輝夜
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山田真緑
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佐々木翔音
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追加メンバーは1人が良い
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メンバーを追加するべきではない